坂道のアポロンのネタバレ(漫画)!映画化もされた名作ですよ!

今回は「小玉ユキ」先生の『坂道のアポロン』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

『坂道のアポロン』はこんな漫画

1966年の夏の初め、男子高校生の西見薫(にしみかおる)は横須賀から長崎県佐世保市の高校に転入をしました。

しかし幼い頃から転校を繰り返してきた薫にとって、学校は苦しみの対象でしかありません。

ところが転入先の高校で出会った川渕千太郎(かわぶちせんたろう)が薫の人生を変えることになります。

さらに薫は千太郎の幼なじみの迎律子(むかえりつこ)に恋をすることで青春を謳歌し始めていくのでした。

ジャズという芸術音楽を題材に若者の青春を描き出していく『坂道のアポロン』

今回はこのヒューマンドラマの魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

映画とアニメにもなった名作の面白さをじっくりとご堪能ください。

『坂道のアポロン』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

薫が横須賀から転入してきた日、彼は学校へ向かう道を苦しそうに歩いていました。

西見薫
「忌々しい、なぜ人は坂の上なんかに学校を作るんだ、ただでさえ行きたくない場所へ向かうのに」

今日から毎日この坂道を登ることを想像しただけで、薫は吐き気を感じてしまいます。

ようやく教室に到着し、先生からクラスメイトに紹介された薫。

クラスメイトは転校性の存在にざわめき立つのですが、薫はまるで動じていない様子です。

西見薫
「こういう場面には慣れている、全く緊張しないし、なんの戸惑いもないし何も期待してない」

そんな薫に対してクラスメイト達は、彼の父親が医者であることと成績優秀なことをひそひそと噂話を始めていました。

薫はそんな噂話もまったく気にしていません。

学校に希望も期待も抱いていない薫。

そんな彼に対して迎律子という女子が声かけてきました。

迎律子
「西見さん、この昼休みの間に西見さんを校舎案内するように仰せつかりました、クラス委員の迎律子です、よろしくお願いします」

彼女の案内で校舎を見て回るのですが、薫は多くの視線にさらされてしまいます。

西見薫
「聞き慣れない方言の抑揚、突き刺さる視線、今まででいちばん派手なお出迎えだ」

この注目のされ方に再び吐き気を感じる薫。

西見薫
「迎さん、あの屋上はどこ?」
迎律子
「屋上は・・・本校舎やけんあっちやけど、屋上にはあんま近付かんほうがよかと思うよ、今は特に・・・」

しかし律子の忠告を無視して薫は屋上に向かって走り出しました。

幼い頃から転校を繰り返してきた薫は、ふとしたきっかけで吐く癖がついてしまったのです。

学校という場所に息苦しさを感じるようになった薫にとって、屋上だけが重苦しさから解放される場所になっていました。

そのため急いで屋上に向かう薫。

ですが屋上へ通じるドアの前にはベッドが置いてあり、大柄の男子がふてぶてしい姿で寝ていました。

西見薫
「退いてくれ!邪魔だ!俺はここを通りたいんだ!」
千太郎
「ばってんなあ、残念ながらここは今通られんとぞ」

文句を言おうとする薫なのですが、川渕千太郎というこの男子の迫力に負けてしまいます。

あっけなく引き下がった薫は、トイレの個室で心を落ち着かせていました。

千太郎のインパクトに驚いていると、トイレで煙草を吸う3年生の声が聞こえてきます。

どうやら彼らは千太郎が隠し持っていた屋上の鍵を盗んでいたようでした。

その鍵を使って屋上で煙草を吸おうと企む彼ら。

薫はこっそり彼らの後をつけることにしました。

すると彼らを待ち受けていた千太郎が姿を現します。

千太郎
「やっとお出ましですか、鍵泥棒御一行様、待ちくたびれて体の腐ってしまうところやったぞ」

先輩に対しても態度の大きな千太郎。

彼は先輩たちと決着をつけるため屋上に向かって行きます。

しかしその時、自分が寝ていた布団を階段の下に落としてしまい、運悪くその布団が薫に直撃してしまいました。

西見薫
「ぶはっ、はぁっ」
千太郎
「さっきの中坊やっか!ひとりでお化けごっこか?楽しそうだな!なんしに戻ってきた!」
西見薫
「お・・・屋上の鍵を手に入れたくてきたんだ!」
千太郎
「わかった、待っとけ」

こうして屋上の鍵を取り返すため、3人の先輩と喧嘩をすることになった千太郎。

果たして彼は鍵を取り戻すことができるのでしょうか!?

転校ばかりを繰り返しているうちに、心を閉ざしてしまった薫。

佐世保の学校に転校してもその様子は変わることがありません。

しかし千太郎という出会ったことのないタイプの男子が薫を変えていくことになります。

成績優秀な薫と無頼漢な千太郎の友情を描いていく『坂道のアポロン』

美しいジャズの音色を背景にした青春ストーリーになっています。

等身大の若者が表現されているこの物語は、アニメと映画にもなったほど完成度の高い作品となっているんですよ。

それでは引き続きハイクオリティーな物語をご覧ください。

後編

屋上の鍵を取り戻すため先輩たちと乱闘を始めた千太郎。

そんな彼の姿を薫はジッと見つめていました。

西見薫
「こんなにも近くで血が飛んでいる、骨や筋肉がぶつかりあう音がする、あいつまさか俺のために?」

ようやく乱闘が終わると、薫は倒れている千太郎のもとに駆け寄ります。

さすがの千太郎も先輩3人を相手にしては喧嘩に勝つことができませんでした。

西見薫
「無謀だよ・・・3年生3人を相手に・・・勝てるわけがないじゃないか・・・」
千太郎
「こいつが欲しかったっちゃろ、ほれ」

薫の前に鍵を差し出す千太郎。

その姿を見た薫は涙ぐんでしまいます。

千太郎
「なんや、いらんとか?」
西見薫
「本当に・・・いいのか」
千太郎
「ああよかぞ、10万でな、まさかタダでもらえるとでも思ったとか?」

千太郎の言葉に薫は浮かれてしまったことを後悔していました。

これが二人の出会いとなり、ここから二人はどんどんと友情を深めていきます。

しかしまだ二人はそのことに気が付いていませんでした。

翌日、薫が教室に入ると律子が千太郎と話をしているところを見かけます。

迎律子
「もう千太郎、生傷増えとるみたいね・・・またケンカしたっちゃなかろうね?」

千太郎は心配する彼女に対しても大きな態度を取っていました。

そこに薫が現れたため、彼のことを律子に尋ねる千太郎。

千太郎
「リッコ、あいつ誰や!?」

しかし律子は喧嘩ばかりしていることを理由に、千太郎の質問に答えませんでした。

薫は彼女の凛とした態度に恋心を抱き始めます。

そんな中でこの日の授業が始まっていきました。

この日の最初の授業は英語で、薫は発音の良い英語で先生の質問に答えクラスメイトから注目を浴びてしまいます。

その中には彼をやっかむ生徒も存在していました。

薫は再びその視線で吐き気を感じ始めていきます。

なんとか授業中は持ちこたえたのですが、休み時間になると千太郎の元へ向かいました。

西見薫
「すまん、頼みがある、10万なんて大金はとても用意できそうにないんだが・・・鍵を今だけ借りることはできないか」
千太郎
「ああ、屋上の鍵や、ばってんお前・・・」

会話の最中に鍵を奪い去っていく薫。

この日は大雨が降っていたのですが、薫は重苦しい空気を味わうよりよっぽどマシだと思っていました。

そんな彼を面白がる千太郎も一緒に屋上へ向かいます。

結局雨でずぶ濡れになってしまった二人は、律子の命令で保健室に行き着替えることになりました。

その最中にペンを持ちながら机をドラム代わりに叩き始めた千太郎。

西見薫
「これは・・・ジャズ・・・?」
千太郎
「なんや、お前解っとか」
西見薫
「まあ一応・・・俺・・・ピアノ弾くからさ」

ここで初めてお互いの共通の趣味が音楽だと知った二人。

クラシックしか弾かない薫だったのですが、千太郎の影響でジャズに興味を持ち始めます。

果たしてジャズを通して築き上げられていく彼らの友情とはどのようなものなのでしょうか!?

友情と恋が美しく描かれていくこの先の展開は、是非ご自身の目で確かめてみてくださいね。

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『坂道のアポロン』は映画化もされました

独特な世界観で若者の青春を描いた『坂道のアポロン』

この漫画はアニメにもなり、2018年3月10日公開の映画にもなりました。

気になる映画のキャストは西見薫役を知念侑李さん、川渕千太郎役を中川大志さんが演じることになりました。

そしてそばかすが似合うヒロインの迎律子は小松菜奈さんが演じることが決定しています。

人気若手俳優たちが顔を並べる映画も楽しみですね。

そんな注目映画を観る前に原作漫画をしっかりとチェックしておいてください。

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