今回は「小玉ユキ」先生の『月影ベイベ』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『月影ベイベ』はこんな漫画
東京から八尾という田舎町に引っ越してきた峰岸蛍子。
この八尾の町では毎年9月に「風の盆」というお祭りが開催されています。
「風の盆」の中で男女が花笠を被りながら民謡に合わせて踊る伝統芸能「おわら」。
町の人たちは「おわら」を通じて交流を図っているのですが、蛍子はこのイベントに前向きではありませんでした。
しかし実は「おわら」を見事に踊ることができる姿を、佐伯光という同級生に見られてしまいます。
蛍子の秘密を知ったことで彼女に惹かれていく光。
そんな二人のピュアな恋を描いていく『月影ベイベ』！
今回はこのラブストーリーの魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。
キラキラとした高校生の純愛と友情に心を癒されてください。
『月影ベイベ』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
風邪で学校をしばらく休んでいた光。
久々に登校している途中、叔父が営む土産物屋に立ち寄ります。
体調を心配する叔父にお礼を言い、光は学校に向かって行きました。
すると教室には見知らぬ女の子がポツンと座っています。
友人の話によると彼女は峰岸蛍子といい、光が休んでいる間に転校してきていました。
東京から来た蛍子は、クラスメイトが話しかけても表情を変えることがありません。
そのため近寄りがたいと思われていました。
光はそんな彼女のことがどこか気になっているようです。
授業が進んで行き昼休みになると、先生から5限目は体育館で「おわら」の全体練習をすることが伝えられました。
クラスの女子は転校してきたばかりの蛍子に「おわら」の説明をしてあげることにします。
「おわら」は八尾の町で祭りの際に民謡に合わせて踊る伝統芸能で、この町ではメジャーな行事となっていました。
そのため彼らが通う高校では、6月の体育祭で出し物として「おわら」を踊ることになっていたのです。
伝統芸能ではあるのですが、そんなに難しいものではないことを蛍子に教えてあげたクラスメイト達。
彼女の一言はクラスメイトとの溝をさらに深くしてしまいました。
完全に孤立した蛍子は、5限目の授業を体調不良を理由に欠席してしまいます。
そんな中、先生が宿題にしていた「おわら」の音源を集め出しました。
光は叔父からこの音源をCDにしてもらったのですが、教室に忘れてしまっていたため取りに戻ります。
廊下を走りながら教室に戻っていると、校舎の中から民謡が聞こえてきました。
そんなことを考えながら教室に戻ると、蛍子が音に合わせて「おわら」を踊っていました。
彼女の踊りはあまりにも見事なもので、光は完全に目を奪われてしまいます。
時が止まってしまったかのように蛍子の舞に見惚れてしまう光。
しかし次の瞬間、気配を感じた蛍子が光の方を振り返ります。
彼女は見られていたことに気付き、顔を真っ赤にしながら逃げ出して行きました。
必死で追いかける光だったのですが、蛍子の足の速さについていくことができません。
「おわら」には興味が無いと言っていた蛍子と、彼女のミステリアスな面を見てしまった光。
この秘密を巡って二人の距離は縮まっていくことになります。
蛍子はなぜ「おわら」に興味が無いと嘘をついたのでしょうか！？
伝統芸能を通して高校生の青春を描いた物語になっていますね。
少し謎めいたヒロインと、彼女に興味を持ち始めた主人公の関係性も印象的でした。
独特な世界観で二人の恋模様を表現していく『月影ベイベ』！
ここから物語は蛍子のミステリアスな部分にスポットを当てていきます。
光との関係性に注目しながら続きをご覧ください。
後編
蛍子を見失ってしまった光は仕方なく授業に戻っていきました。
その後も蛍子の「おわら」が脳裏に焼き付いている光。
放課後になるとそんな光に蛍子が声をかけてきました。
それだけ言い残して蛍子は去って行きました。
呆然と彼女の後ろ姿を眺める光。
仕方なく学校から帰ることにします。
しかし気が付くと二人は同じ方向に向かって歩いていました。
自分の勘違いだと分かると、蛍子は何も言わず再び歩き始めました。
その姿に少しだけイラっとした光。
彼女の後ろ姿に向かって突然大声を出してしまいます。
光の呼びかけに対して、蛍子はダッシュで戻ってきました。
「おわら」には旧踊りと女踊りの二種類があり、旧踊りは見よう見まねで踊れる簡単なものです。
しかし蛍子が踊っていたのは難易度の高い女踊りでした。
女踊りは地元の人間でも簡単に踊れるものではありません。
そのため光は蛍子がなぜこの踊りをマスターしているのか、不思議でたまらなかったのです。
涙を浮かべながら安心した表情を浮かべる蛍子。
その姿を見た光はさらに彼女への興味が深まってしまいます。
二人の間に沈黙が流れ始めると、急に雨が降ってきました。
雨がどんどん強くなってしまったため、二人はひとまず雨宿りができそうな場所に避難することにします。
無言になる中、光は蛍子が誰に「おわら」を教わったのか聞こうとします。
しかしタイミング悪く蛍子の携帯が鳴ってしまいました。
いつでも質問できると思い、このタイミングで答えを聞こうとしなかった光。
実は蛍子が「おわら」を覚えた過去は、二人の今後に重大な意味を持っていたのです。
果たしてベールに包まれた蛍子の過去にはどのような秘密が存在しているのでしょうか！？
二人の恋の行方と蛍子が抱える秘密は、実際に漫画を読んで確かめてくださいね。
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『月影ベイベ』はこんな人にオススメ
恋愛漫画であるにも関わらず、とても謎めいた展開に興味をそそられました。
「坂道のアポロン」の作者らしい独特な世界観にも好感が持てましたよ。
伝統芸能を題材にしながら、人間心理を見事に表現していく『月影ベイベ』！
田舎町を舞台にしたどこかノスタルジックな雰囲気も、読んでいて気持ちが良かったです。
恋愛漫画とヒューマンドラマがお好きな人にオススメのこの作品。
瑞々しい青春の輝きを体験することができる物語です。
是非この機会に小玉ユキ先生の世界観に触れてみてください。
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