『狼の娘』のネタバレ(漫画)!小玉ユキ作品の魅力とは?

今回は「小玉ユキ」先生の『狼の娘』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『狼の娘』はこんな漫画(あらすじ)

高校3年生の吉野月菜(よしのつきな)は1歳の頃に今の両親に引き取られました。

生みの親はどこの誰だか分かりません。

それでも愛情深く育ててくれた両親を大好きなのですが、2人には大きな秘密を隠しながら生きてきました。

誰にも言えない秘密を抱えながら受験を目前に控えたある日、アルバイト先のショッピングモールで小黒井颯(こぐろいはやて)という不思議な男性と出会います。

全てを知っているような颯が言い当てた月菜の秘密とは・・・!?

秘密を抱えた者同士が距離を縮めていく『狼の娘』

今回はファンタジーとラブロマンスが融合した漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

自問自答しながら自分が何者なのか答えを探す月菜の運命を描いた物語ですよ。

 

『狼の娘』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

高校最後の試合で月菜が高跳びに挑んでいます。

良い成績を残したかったのですがバーに下半身が触れてしまいました。

後日、引退式を終えた月菜が友人たちと一緒に帰っています。

友人から最後の試合で負けたことを悔しいと言われますが、月菜本人は試合結果を受け入れていました。

吉野月菜
「私は平気だよ、別に悔しくないよ、あれが実力だから」

冷静すぎるため達観していると言われます。

街灯が少ないので気を付けてと言ってくれた友人と別れました。

ただ月菜は帰り道を暗いと感じたことはありません。

吉野月菜
「まあ街灯は少ないほうが人目につかなくて助かるんだけどっ」

高い塀を軽々と飛び越えます。

しかしその様子を誰かに見られてはいけません。

吉野月菜
「ここって・・・あの時跳んだバーより全然高いよね、人前でこの高さをこんなふうに軽く跳んだら騒ぎになっちゃうよな・・・」

騒動になってしまうので月菜はいつも力を加減して跳んでいるのです。

そのまま歩いていると白くて大きな犬と遭遇しました。

吉野月菜
「毛が真っ白で白く光って見える、目の色も金色に光ってきれい・・・」

神秘的な犬を見ていると懐かしい気分になってきます。

もっと見ていたかったのですが中年男性が現れると犬は去っていきました。

吉野月菜
「あっ、待って、行かないで・・・」

中年男性は首輪をしていなかったので野良犬だと思ったようです。

もしも野良犬だったら狂犬病の可能性があるため、月菜は犬に近づかないよう注意されました。

また犬が立派な体格だったので狼みたいだと言われます。

ですが日本の狼は絶滅しているのでその可能性はありません。

念のため中年男性は大きな野良犬がいたことを通報しておくことにしました。

帰宅した月菜は遅くなった理由を部活の引退式が長引いたと母親に説明します。

吉野月菜
「あとね、さっきすぐそこで犬に会ったんだけど・・・白くて大きい犬、犬種はわかんないけどかわいかったよ」

狼みたいだったことは話しません。

その理由は母親に余計な心配をかけたくないためです。

犬に会った話を終わらせると、新しいバイトが明日から始まることを報告しました。

月菜はショッピングモールのステーキショップでアルバイトをすることになっています。

しかしいざバイトを始めると愛想が悪いため叱られてしまいました。

吉野月菜
「愛想よくか・・・接客のバイトとか向いてなかったかな」

落ちこみながらショッピングモールの中を歩いていると、山梨物産フェアが開催されています。

フェアでは愛想の良い男性がお客にワインを勧めていました。

しかしお客は車で来ているため試飲はできません。

小黒井颯
「ああー残念!でも味は保証しますよ!ワインがお好きならご満足頂けるかと」

いつも飲んでいるワインが白の辛口だと聞いた男性が別のワインを勧めます。

その様子を眺めていた月菜は固まってしまいました。

吉野月菜
「愛想がいい人ってすごいな・・・あんなの絶対ムリ・・・」

自分にはとても真似できそうにありません。

するとここで男性が月菜の視線に気づきました。

小黒井颯
「ちょっと失礼します」

お客の元を離れると月菜の方へ近づいてきます。

そのまま月菜の前で立ち止まりました。

吉野月菜
「あっあの私まだ高校生なのでワインは・・・」
小黒井颯
「君はどこの子?少し変わった匂いがする」
吉野月菜
「えっ・・・匂い・・・?あっ、私フードコートのステーキ屋でバイトしてるんでその匂いかも・・・」

ステーキの匂いが服についてしまったかもしれません。

しかし男性が言っている匂いはステーキのことではありませんでした。

小黒井颯
「違うよ・・・おかしいな、どういうことだ?もしかして自覚ないの?」
吉野月菜
「・・・自覚?」

ここで男性がお客に呼ばれてしまいます。

残念ですが戻らなければいけません。

小黒井颯
「このフェアしばらくやってるからまた寄ってよ、君と話がしたい」

男性が手を振りながらフェアに戻っていきます。

質問の意味が分からなかった月菜は呆然としてしまいました。

吉野月菜
「なんなの・・・?ナンパ・・・じゃないよね、新手の詐欺・・・?怖いな・・・近づかないでおこ・・・」

男性が言っている変わった匂いとは何なのでしょうか!?

 

 

本気で跳べないため月菜は大会の結果を受け入れた気がしました。

真っ白な狼との関連も気になる所ですね。

少女の不思議な運命を描いていく『狼の娘』

小黒井颯の不思議な言葉の意味が少しずつ明らかになっていきます。

颯の正体に驚いてみてください。

後編

怖いと感じた月菜はフェアに近づこうとしません。

すると男性の方がステーキショップにやって来ました。

小黒井颯
「えーとジュージューステーキランチLセット、ドリンクはコーラで」
吉野月菜
「・・・1280円です・・・」
小黒井颯
「待てなくてこっちから来ちゃったよ、君みたいな子がよくこんな所で働けるね」

愛想が悪いことを指摘されたと勘違いします。

自分でも接客に向いていないことは自覚していました。

吉野月菜
「・・・すみません、愛想がなくて」
小黒井颯
「え?ははっ、違う違う、ほらこういう店ってどうしたって生の肉が視界に入っちゃうじゃん、生の肉見ると体ん中ゾクゾクして落ちつかなくなんない?」
吉野月菜
「なんで?この人は私の心が見えるの?私の何を知ってるの?」

男性が月菜に小黒井颯と書かれた名刺を渡します。

そしてバイトの後で話したいから3階の吹き抜けで待っていると言ってきました。

心を読まれた気がする月菜も颯に色々と聞きたくなってきます。

小黒井颯
「やあ、来てくれてありがとう・・・えーとなんて呼んだらいいかな」
吉野月菜
「・・・月菜です」
小黒井颯
「月菜ちゃん?いい名前だ、俺のことは颯って呼んで、ところで聞きたいんだけど月菜ちゃんは自分のこと何者だと思ってる?」
吉野月菜
「・・・え?普通の高校生だと思ってます」

尋常じゃない跳躍力はありますが月菜は自分を異常だとは思っていません。

高校生になるまで普通に生活をしてきました。

ただし普通の人とは違うことも受け入れています。

小黒井颯
「やっぱ・・・そうか、本当に自覚ないんだな」
吉野月菜
「自覚って・・・なんのですか?」
小黒井颯
「普段暮らしてて自分の体が人と違うなって思うことない?生肉見るとゾクゾクしちゃうのもそうだけど、人より夜目がきくとか、極端に運動能力が高くて速く走れるとか、高く跳べちゃうとか、どう?当てはまってることある?」

当てはまっていることが多いので何も答えることができません。

ここで近くを歩いていた母親に背負われた子供が風船を離してしまいます。

風船はみるみるうちに上え上がっていき取れなくなってしまいました。

吉野月菜
「こっちに寄ってきたし今跳べば届きそう、でも・・・」

人目がある所で高くジャンプしたくありません。

しかし颯が月菜を促します。

小黒井颯
「月菜ちゃん、今なら誰も見てない、跳べ!」

高くジャンプすると風船に手が届きました。

風船を掴むことはできましたが体勢を崩してしまいます。

吉野月菜
「あっ、やば、バランス・・・」
小黒井颯
「ほら、やっぱり跳べる」

颯が抱きかかえてくれたおかげで転倒せずに済みました。

月菜は颯からも白い大きな犬と同じ匂いがすることに気付きます。

吉野月菜
「あの・・・颯・・・さんって本当は何者なんですか・・・そして・・・私は・・・」
小黒井颯
「うーん・・・説明するより・・・見せたほうが手っ取り早いか、おいで」

颯が月菜を屋上の駐車場へ連れて行きました。

月菜を待たせるとどこかへ行ってしまいます。

こんな場所で何を見せるのか月菜には全く分かりません。

仕方なく待っていると黒い狼が現れました。

驚く月菜の体を狼が飛び越えます。

吉野月菜
「この匂いはもしかして颯さん・・・?あなたは颯さんなの・・・?」

狼ですが匂いは颯のもので間違いありません。

颯が見せてくれた姿から月菜の運命が大きく動き始めたのです。

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『狼の娘』を読んだ感想

秘密を次々と言い当てることで颯は月菜の関心を引くことができましたね。

月菜も本当は自分が何者なのか知りたがっていたような気もしました。

独特な世界観で女子高生の成長を表現していく『狼の娘』

読んでいるうちにどんどん引き込まれる素敵な物語です。

月菜が自分の運命をどのように受け入れていくのかも気になりましたよ。

 

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