零れるよるにのネタバレ(漫画)!よると天雀の出会いは?

今回は「有賀リエ」先生の『零れるよるに』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『零れるよるに』はこんな漫画(あらすじ)

2012年夏、母親にネグレクトされていた10歳の遠野夜(とおのよる)は児童養護施設で生活することになりました。

児童養護施設では様々事情で家族と生活できない2歳から高校3年生の子供たちが保護され生活しています。

新たな場所で暮らし始めたよるでしたが、環境に馴染むことができず孤立してしまいました。

そんなよるを同い年の成田天雀(なりたてんじゃく)が守ってくれ、よるは少しずつ天雀に恋心を抱くようになっていきます。

しかし厳しい環境の中で世の中から零れてしまった二人には自由がありません。

暗闇の中で生き抜いていく二人に希望の光は射すのでしょうか!?

児童養護施設で育った男女の恋模様を描いていく『零れるよるに』

今回は切ないラブストーリーの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

よると天雀が成長していくストーリーをお楽しみください。

 

『零れるよるに』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

10歳の遠野夜が児童養護施設で保護されることになりました。

よる
「自分はどうして生まれてきたのか、生まれてきてよかったのか、そういう問いがいつも心にあった」

2012年夏、児童養護施設に向かう車の中でよるがルービックキューブで遊んでいます。

まだ幼いよるに一時保護所の職員が、今まで居たところと違いこれから行く場所は新しい家族がいるところだと説明しました。

道路わきの田んぼを眺めているうちに車が施設へ到着します。

玄関に入ると名前が書いてあるところに靴を入れるよう指示されました。

よる
「靴がいっぱい・・・何人住んでるのかな・・・」

よるの部屋は女の子が二人で使う部屋になっています。

部屋の次はリビングに案内されました。

よるが生活することになった児童養護施設は、様々な事情から家族で生活できない2歳から高校3年生までの子どもたちが保護される場所です。

日本には約600の施設があり20人以上の子どもが一緒に暮らす大舎制の施設はまだ多く残っているものの、より一般家庭に近い環境で暮らせるよう小舎制やグループホーム化が進められるようになっていました。

小鳥遊
「よるちゃん来たばっかりで緊張してる?お腹空いてない?食べていいんだよ、それよるちゃんの分だよ」

保護司の小鳥遊に勧められてようやくごはんを食べ始めます。

10歳の遠野夜は同年齢平均に比べかなり身体が小さく、父親が行方知らずになってからは母親と二人で暮らしていました。

それからネグレクト状態になり、ここ一年間はほとんど学校に行けなかったようで学校からの通報で保護に至ったそうです。

母親は精神疾患の診断を受け現在通院中で、よるの入所には応じてくれました。

よるみたいな家庭にいることができない子どもは一時保護所に保護され、さらにその中でどうしても家庭に帰せないと判断された子どもが児童養護施設に入所します。

一時保護所でよるは職員の言うことをよく聞いていましたが、保護される子どもは自分を守るためによそ行きの姿になることも珍しくありません。

新任の小鳥遊には特によるのことを観察して心を開いてあげることが求められました。

今後の方針を確認していると子どもたちがケンカを始めます。

ケンカしているのはよると勇大で、原因はよるのルービックキューブを勇大が奪ってしまったためでした。

よる
「やだっ返してよ、返して!返せ!」

ルービックキューブは母親から貰った大切なものなので、怒ったよるが勇大を突き飛ばします。

すると勇大がよるを殴ろうとしてきました。

天雀
「クソはてめーだ!」

すぐに少年が二人の間に割って入ります。

殴り合いになった二人は職員に取り押さえられました。

よる
「それが天雀との出会いだった」

自分の部屋に戻ったよるが寝ていると、産まなきゃよかった、ムカつくなど母親から浴びせられた暴言を思い出してしまいます。

眠れなくなったよるが施設の中を歩き回っていると、一カ所だけ開いている戸を見つけました。

そこから出ていくと水の音が聞こえてきて、近くまで行くと池の中で天雀が泳いでいます。

天雀
「びびったー・・・何してんの?こんな時間に危ないよ」
よる
「じ、自分だって・・・」

二人は池のほとりで話をすることにしました。

天雀はよると同じ10歳です。

天雀
「お前さ大人しそうに見えるのになかなかやるな、自分よりでかいヤツに向かってって」
よる
「・・・でも職員さんに怒られたよ、つきとばすのはだめだって・・・」
天雀
「やられたらやり返して当然だ、自分より弱いヤツばっかいじめやがって、そういう卑怯者はみんな死ね」
よる
「ひゃ・・・」

池の中に天雀が石を投げ入れました。

その音があまりにも大きかったのでよるが驚いてしまいます。

天雀
「親、殴るヤツだったの?」
よる
「・・・ううん、でもいつもどなられて・・・」

母親に殴られることはありませんでした。

それでも怒鳴られたことが忘れられません。

天雀
「それおもしろい?」
よる
「うん、同じ色そろえるの、やってみる?」
天雀
「え?でも大事なものなんでしょ」
よる
「天雀はかばってくれたから、特別」

大事なルービックキューブを天雀に貸してあげます。

よるの隣に座った天雀がルービックキューブで遊び始めました。

天雀
「あれ?くそっ!なんだこれ、けっこー難しいな」
よる
「天雀・・・ここは捨てられた子どもの集まりって本当?わたし捨てられた子なのかなぁ・・・」
天雀
「よる、もしまたいじめられたらおれに言え、おれが味方になるからな」

誰にもバレないようにこっそり施設に戻ったので、この夜の出来事は二人の秘密になったのです。

 

 

ネグレクトによって児童養護施設で生活することになったよるが不憫でした。

そんなよるをかばってくれた天雀は暴力を絶対に許さない正義感を持っていますね。

親からの愛情を喪失した男女が絆を深めながら成長していく『零れるよるに』

よると天雀の結びつきが強くなる事件も発生します。

成長したよると天雀の姿も描かれていきますよ。

後編

施設の外で運動神経抜群の天雀が鉄棒で見事な技を披露しています。

よる
「すごい、かっこいい!わたし逆上がりもできない・・・天雀はどうしてここに来たのかなぁ・・・」

天雀の様子を眺めていると勇大がわざとよるにぶつかってきました。

チビと馬鹿にされましたが今回はやり返しません。

夕食の前によるが手を洗っていると小鳥遊が声を掛けてきます。

小鳥遊
「よる、これどお?帽子持ってなかったでしょ?うん可愛い、よるは日焼けに弱そうだから来週のキャンプにかぶってって」

来週に行われるキャンプのため麦わら帽子をプレゼントしてくれました。

キャンプ当日、子どもたちが楽しそうに遊んでいます。

しかし勇大はいつも旅行をサボるためキャンプには参加していません。

炭火焼きが始まると天雀もいなくなってしまいました。

背中に大きな火傷の痕があるため、火を怖がっていると噂されています。

心配になったよるは炭火で焼いた魚を持って天雀がいる川に向かいました。

よる
「天雀、はい」
天雀
「やっば!うっま!よる今日はルービックキューブ持ってないな」
よる
「うん、キャンプでなくしたらいけないと思って置いてきた」
天雀
「キャンプおもしろいだろ?これは毎年恒例の家族行事なんだ!」

この施設では秋になるとぶどう狩りが行われ、冬はスキーに行く行事が恒例になっているそうです。

よるはそんなことよりも天雀のことを知りたくなっていました。

よる
「天雀は何さいの時に施設に来たの?」
天雀
「8さい、でもおれはっきり覚えてる、施設に来た日のこと、おれ助かったんだって思った、もうあの家に帰らなくてすむって」

やはり天雀も家庭環境に苦しめられてきたようです。

施設に入所したことを喜ぶ子どもがいるような事実をよるは知りませんでした。

よる
「全員なかよしなわけじゃないけど毎日ご飯が食べられるとか、明日も学校に行けるとか、突然どなられることを気にしなくていいとか、そういうのわたしここに来るまで知らなかった・・・」

ここに天雀がいてくれたことを改めて嬉しいと感じます。

天雀と一緒にいる時は寂しいことを忘れられる気がしてきました。

楽しかったキャンプが終わりバスで施設に戻っていると消防車に追い抜かれます。

不安を感じていると小鳥遊に施設が燃えているという連絡が入りました。

到着すると施設の中舎1棟が燃えてしまっています。

消防がすぐに来てくれたので被害は中舎1棟だけで済みました。

よる
「わ、わたし部屋にルービックキューブ・・・っ!ねえっ!よるのルービックキューブは!?誰か!おねがい!誰かっ、よるの・・・ねえーっ!」

ルービックキューブは一人の時も寂しくないように母親が買ってくれたものです。

大切なものが焼失しそうなのによるは何もできません。

泣き崩れたよるを見ていた天雀がバケツの水を頭からかぶりました。

引き止める小鳥遊を無視してそのまま天雀が燃えている中舎に入っていきます。

火が苦手だと言われている天雀でしたが、すぐに窓ガラスを割って2階から飛び降りてきました。

煙を吸ったせいで激しく咳き込んでいる天雀のそばにはルービックキューブが置いてあります。

よる
「・・・て・・・天雀いやだ、しんじゃやだ・・・」
天雀
「・・・んな、こんなことで死なねー・・・よる・・・よるは捨てられた子じゃないよ」

後日、施設に火をつけたのが勇大だったと分かりました。

勇大の母親は4年前から施設を訪ねていなく、勇大は施設がなくなれば親が迎えに来ると思ったそうです。

放火したことで勇大は児童自立支援施設に送られ、よるたちとはそれっきりになりました。

よる
「誰も何も言えなかった、幼い心で処理しきれない想いをかかえて」

施設で生活することになった子どもたちは親から十分な愛情を注がれていません。

それぞれ何度も傷ついて絶望しながら、飢えるように愛を強く欲するようになっていました。

愛情を欲する思いは成長した今も変わっていません。

成田天雀
「どうした、よる」
遠野夜
「最悪、パンクしちゃった」
成田天雀
「あー、あとで職員さんに頼んで取りくればいいよ、俺の後ろ乗ってき」

よると天雀は高校2年生になりました。

タイヤがパンクしたのでこの日は仕方なく天雀の後ろに乗せてもらいます。

遠野夜
「天雀バイト増やしたってほんと?」
成田天雀
「うん、ガソリンスタンド、キツいけど時給いい」
遠野夜
「部活もあるのに大丈夫?身体壊したら元も子もないんだよ」
成田天雀
「何職員さんみたいなこと言ってんだよ、俺らそんな余裕ねぇだろ」

天雀の無茶なところは一向に変わりません。

無茶なところをよるはいつも心配しています。

遠野夜
「今日進路相談票配られたね、なんて書く?」
成田天雀
「C大、厳しいかもしんないけど来年のインターハイで成績残したら推薦とれるかもしれない、よるは進学しろって言われるだろ?担任にも、あんだけの成績だもんな、なんにしても俺らに大学はハードル高いけどな、どうすんの」
遠野夜
「・・・私、天雀と離れるのやだなー・・・」
成田天雀
「またか、それは何回も聞いた、スピード出すからつかまって」

10歳で出会ったよると天雀は16歳になりました。

よるの家だと言われた児童養護施設は18歳になったら出なければいけません。

16歳になったよるが願っていることはただ一つだけです。

遠野夜
「この先もずっと天雀といること、ただそれだけだった」

神様はよるの願いを叶えてくれるのでしょうか!?

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『零れるよるに』を読んだ感想

愛情に飢えた寂しい子どもたちの心情を丁寧に表現していますね。

幼いよると天雀の関係性だけでなく、成長した二人の恋愛模様が描かれているところも嬉しかったです。

施設に保護された子どもたちの日常を綴っていく『零れるよるに』

社会が抱える問題と向き合うきっかけになりました。

よると天雀の悩みと恋だけでなく様々な人間ドラマも描写されていますよ。

 

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