工場夜景のネタバレ(漫画)!有賀リエが描く悲恋の行方は?

今回は「有賀リエ」先生の『工場夜景』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『工場夜景』はこんな漫画(あらすじ)

高校生の常盤貴臣本仮屋碧は、東海地方の工場が立ち並ぶ街で暮らしている幼馴染です。

2人はお互い惹かれ合っているのですが、相手に想いを伝えることはできていません。

その中で貴臣は高校最後の夏休みに、工場夜景を見に行こうと碧を誘いました。

約束を交わした2人の恋は進展するはずだったのですが、残酷な事件によって2人の関係は引き裂かれてしまいます。

抵抗しようとしても抗えない運命に翻弄される悲恋の行方とは・・・!?

失われた世界の中で想い合う男女の恋模様を描いた『工場夜景』

今回は読み応え抜群のラブストーリーについてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

大ヒット作を世に送り出した有賀リエ先生の社会派恋愛漫画を読み逃さないでください。

 

『工場夜景』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

仕事の合間にランチを食べている常盤貴臣が、空に現れた煙のような雲を見つめています。

雲がまるで工場の煙突から出てくる煙のようだと感じているうちに、貴臣は高校生の頃を思い出していました。

常盤貴臣
「この広い空の下、彼女は今どうしているのだろう、あの17歳の夏、僕と彼女の世界は失われた」

物語はここで8年前の高校生時代に遡ります。

中学からの友達で同じ高校に通っている常盤貴臣と本仮屋碧は、東海地方の臨海地区で生活していました。

本仮屋碧
「企業城下町のこの土地は工場に囲まれていていつも空には白い煙が上がっています、バスの窓からその煙を見ていると私はときどき陰鬱とした気持ちになります」

高校生の碧はいつかこの街を出たいと思っています。

休み時間になると碧の教室に貴臣がやってきました。

常盤貴臣
「あおー、辞書貸してー」
本仮屋碧
「えー、また忘れたのぉ?」

貴臣は辞書を忘れる度、碧に借りることが日常茶飯事となっています。

碧が辞書を取りに行っている間、女友達が駅前のファミレスでバイトしている貴臣を見たと言ってきました。

常盤貴臣
「あ、そう、夏休み中もめっちゃシフト入れてくる、俺受験生なんだけど」

戻ってきた碧は5限の自習前に返すことを約束してもらうと、仕方なく辞書を貸してあげました。

そこに通りかかった先生が英検1級に受かった貴臣のことを褒めてきます。

本仮屋碧
「1級?うそでしょ?」
常盤貴臣
「なんでだよ」

地方の公立高校に通っている人が英検1級に受かることはほとんどありません。

もしも受かれば帰国子女だと噂されるほど珍しい事なのです。

しかし貴臣は帰国子女ではなくパスポートも持っていません。

碧は英検1級に合格した貴臣にとても追いつけないと感じていました。

そんな2人は周囲からいつ付き合うのか気にされている関係性です。

貴臣と碧は中学1年生の時に同じ英語塾に通っていてそこから友達になりました。

ですが2人の家庭環境には大きな差があります。

碧の父親は街の工場で事業部長をしていて、10万円の夏期講習も認めてくれる裕福な環境でした。

恵まれている環境の中、碧はこれまで漠然としながら過ごしています。

本仮屋碧
「わっ、びっくりした」
常盤貴臣
「爆睡してるし」
本仮屋碧
「してないよ、ちょっとウトウトして」

放課後の教室でウトウトしていると貴臣が現れました。

貴臣は辞書を貸してくれたお礼に大好きなカフェオレを奢ってくれます。

常盤貴臣
「夏期講習受けんの?」
本仮屋碧
「うん、貴臣、志望大学は?」
常盤貴臣
「決めたよ、国立で給付型奨学金出るとこにするからそんなに選択肢ないし」

中学2年生の冬、貴臣は通っていた英語塾を辞めました。

その理由は母子家庭のため家計が苦しかったためです。

貴臣の母親は女優のように美しい人で、工場の一つで働きながら2人の子供を育てていました。

本仮屋碧
「塾もやめて家のためにバイトもいっぱいして、それでも自力で英検1級まで取っちゃうそういう貴臣に追いつける気がしなくて私はときどき苦しくなる」

英文科を志望している碧は貴臣にこの街を出たいという気持ちを伝えます。

ただこの街が嫌いなわけではありません。

工場ばかりで息が詰まりそうになるので一度は街を出てみたいと考えているのです。

常盤貴臣
「そう?俺全然嫌いじゃないけどな、碧、夜の工場って見たことある?工場夜景」
本仮屋碧
「ない、だって夜あんまり出歩かないし、出てもわざわざ工場行かないよ」

貴臣は工場夜景を時々見に行っていました。

近くで見る夜の工場は昼間の景色とは違い感動できるそうです。

常盤貴臣
「あれってさ美しく見せようとしたわけじゃないのに機能を追求したら勝手に美しい光景になったんだって、自然物と一緒で本当に綺麗なのはそういうむき出しの姿なのかも」
本仮屋碧
「へー・・・」

碧はこれまでそんなことを考えたことがありません。

自分の知らない景色を見つける貴臣が少し羨ましく感じます。

常盤貴臣
「夏休み見に行く?」
本仮屋碧
「・・・え?あ、みんなで?」
常盤貴臣
「なんでだよ、ふたりでだよ、ふたりで見に行こ」

こうして2人は夏休みに工場夜景を見る約束を交わしました。

しかし貴臣と碧には残酷な運命が待ち受けていたのです。

 

 

平凡な日常から脱したいと思う碧と、貧しい家庭環境でも懸命に生きている貴臣のギャップに面白さを感じました。

工場夜景を見る約束をした2人だったのですが、ここから悲しい運命に巻き込まれていきます。

自分たちの感情だけでは恋をすることができない悲しみを表現した『工場夜景』

社会の不条理に一石を投じる物語になっています。

苦悩する貴臣と碧に寄り添いながら作品の世界観に浸ってみてください。

後編

工場夜景を一緒に見る約束をした貴臣が張り切ってバイトをしています。

一方の碧は胸がドキドキして食事が喉を通りません。

そのまま迎えた夏休み、飲みに行っていた貴臣の母親が夕方になってようやく帰ってきました。

常盤貴臣
「何やってんの、飲みすぎで泊まってくるなんて」

顔色が悪い母親を寝かせてからバイトへ向かいます。

碧との約束も天気が悪かったり夏期講習などでなかなか都合が合いません。

それでも夏休みの最終日に工場夜景を見に行くことにしました。

本仮屋碧
「初めて工場を見るのが待ち遠しいと思った」

2人はお互い待ち遠しさを感じながら夏休みを過ごしていきます。

そして最終日の8月31日を迎えました。

ドキドキしながら準備をしていると碧の家に警察官が訪ねてきます。

警察官は碧の父親を準強制性交等罪で逮捕しに来ました。

本仮屋碧
「夏休みの間中待ちわびていたこの夜を私は一生忘れない、17歳の夏、私と彼の世界は失われた」

碧の父親が逮捕されたことを知らない貴臣は、工場夜景の見学を断られたのでガッカリしながら家に帰ります。

すると遅い時間なのに伯父が来ていました。

話があると言われるのですが落ち込んでいるため聞く気になれません。

それでも深刻な表情の母親に呼び止められました。

常盤貴臣
「なんとなくおかしいような気はしてた、母親の様子がどこか変だと思ってた、この夜、俺は全てを知らされる」

貴臣と碧の運命を変えることになった事件が発生したのは1カ月半前のことです。

この日、貴臣の母親は上司とお酒を飲みに行きました。

2軒目に寄ったクラブで貴臣の母親は知らないうちに上司から強いお酒を注がれてしまいます。

酔っ払ってしまった母親はタクシーで家に向かおうとするのですが、意識を失いそうな時に上司がタクシーに同乗してきました。

気がつくと母親は上司にレイプされています。

衝撃的な事件と犯人の名前が本仮屋ということを貴臣は伯父から聞かされました。

本仮屋の娘が貴臣と同じ学校に通っているので、伯父は娘と貴臣が知り合いかもしれないと思っています。

さらに伯父はこれから母親が裁判で忙しくなることも伝えてきました。

こうして貴臣は碧が工場夜景を見に来られなかった理由を知ったのです。

常盤貴臣
「うちの学年に本仮屋は一人しかいない、碧のことで間違いない、あの日だった、夜景に行く約束して俺が呑気に浮かれていたあの日の夜、母さんは碧の父親にレイプされていた」

衝撃的な事件を知ったまま新学期が始まりました。

新学期初日は貴臣も碧も学校を休んでしまいます。

さらに碧は2日目になっても姿を現しません。

その間に警察の捜査がどんどん進んでいきます。

母親はレイプされた直後、会社の法務部に勤めている兄に助けを求めました。

その兄が初期対応に詳しかったため、物的証拠が多く残っていて本仮屋は実刑を免れない見込みです。

貴臣は捜査の進展状況を知らないまま、1週間も学校に来ない碧を心配していました。

常盤貴臣
「あいつ今日も休みなのかな、大丈夫か・・・?父親が逮捕されて大丈夫なわけない、しかも性犯罪で、家ん中めちゃくちゃんなってんじゃないか、まさかこのまま来れなくなるってことは・・・」

不安が大きくなる中、ようやく碧が学校にやって来ます。

気まずいのですが2人は校舎裏で話をすることにしました。

本仮屋碧
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

大人しそうに見えるけど実は気が強い碧は、今まで見たことのない怯えた表情を浮かべています。

ですが事件を起こしたのは碧ではありません。

そのことを理解している貴臣は、碧の頭にそっと手を乗せました。

常盤貴臣
「父親のやったことがクソだとしても、その罪を子どもが背負うなんて間違ってる」

貴臣は自分たちだけでも今まで通りでいようと提案します。

しかしこの小さな世界は2人が今まで通りでいることを許してくれませんでした。

加害者の娘と被害者の息子は、運命に翻弄されながらどのような結論に辿り着くのでしょうか!?

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2019.02.12

 

『工場夜景』を読んだ感想

高校生の純愛を描きながら、現代社会の不条理も表現している奥の深いストーリーに仕上がっていますね。

被害者の息子である貴臣が、事件と碧に関係がないと思おうとする姿に感動しました。

残酷な事件に衝撃を受けながらもお互いを想い合う素敵な恋模様を描写した『工場夜景』

自分たちの中では受け入れているのに世間が認めてくれない不条理に苦しんでいく貴臣と碧の心理状況が見所になっています。

胸が切なくなるラブストーリーを絶対に見逃さないでください。

 

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