この世は戦う価値があるのネタバレ(漫画)!紀理の反撃は?

今回は「こだまはつみ」先生の『この世は戦う価値がある』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『この世は戦う価値がある』はこんな漫画(あらすじ)

社会人3年目の伊東紀理(いとうきり)は職場のセクハラとパワハラ、彼氏のモラハラに苦しめられています。

それでも人の役に立ちたいという信念が紀理の活力となっていました。

ですが多忙な仕事と彼氏のワガママに、紀理の精神は限界を迎えてしまいます。

そんな時に職場のミスで役立たずと言われ、挙句の果てには彼氏の浮気現場を目撃しました。

自殺しようと思った紀理が部屋を片づけていると一通の郵便物が目に留まります。

郵便物の中に入っていた一枚のカードが崩れかけた紀理の人生を大きく変えることになりました。

掃き溜めから抜け出して自由に生きるヒロインの人生を題材にした『この世は戦う価値がある』

今回は胸が熱くなるヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

捧げるだけの生き方を180度変換させる紀理の覚悟が見事に表現されていますよ。

 

『この世は戦う価値がある』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

人の役に立ちたいと思いながら生きている伊東紀理がアラームの音で目を覚ましました。

紀理
「あ、やば、どうしよう、プレゼン資料できてないのに」

大慌てで会社へ向かうと先輩から終電で帰れたくせにプレゼン資料が出来ていないことを強く叱られます。

爪にマニキュアを塗っていることも、仕事をしないで男にアピールしていると誤解されてしまいました。

叱られた後はデータ整理を手伝うよう命令されます。

紀理
「どうしよう、今日別件の打ち合わせもあるから準備しておきたかったのに・・・全部できるかな・・・」

職場の悩みはパワハラだけではありません。

男性の上司がいつも距離が近いのでセクハラだと感じるようになっています。

それでも人の役に立ちたいという信念が紀理を頑張らせていました。

仕事の量が多すぎるので残業していると彼氏からメールが送られてきます。

紀理
「ご、ごめん、ヒロくん・・・」
ヒロ
「遅ぇよ、15分待った、あのなぁ、お前の1分と俺の1分の重みが同じだと思うなよ?」

まだ仕事が終わっていないのにモラハラ彼氏に呼び出されました。

モラハラ彼氏には逆らえないので仕方なく食事に付き合います。

紀理
「あのねヒロくん私、今仕事抜けて来てて」
ヒロ
「取り分けろよ、早く!お前ってホント毎日残業しかしてねぇじゃん、だっせぇ、俺だったら定時でキッチリ終わらすぜ、どーしたらそーなんの?」
紀理
「あ・・・あはは、ヒロくんはすごいね、私持ち帰って夜中までやっても時間足りなくて・・・もう3年目なのに恥ずかしいね・・・」

彼氏はブラックな職場で働いていることを理解してくれません。

最低な彼氏は自分の欲求にしか興味がないようです。

まだ食事中なのに太ももを触られましたが、紀理は生理なので拒否しました。

ヒロ
「ねぇ紀理、金貸してよ」
紀理
「あ・・・あのさ、今月もうそんなに残ってなくて、ごめんね・・・」
ヒロ
「ごめんねじゃないでしょ、俺が遣うほうがその残りの金も有意義なんだから、足りないなら作りなよ、働けば?」

結局この日も彼氏に逆らえずお金を貸してしまいます。

誰かの役に立ちたいという気持ちが紀理を不幸にさせているのかもしれません。

ようやく仕事が終わるとこの日は終電に乗ることができました。

それなのに疲れすぎたため最寄り駅を寝過ごしてしまいます。

タクシー代もないので仕方なく怖がりながら夜道を歩いて帰ることにしました。

ブツブツ独り言を呟いていると主任から電話がかかってきます。

電話の内容はまだ紀理の受け持ちに余裕があるので、新規の取引先を一件追加するというものでした。

余裕はないと思う紀理なのですが、主任は用件を伝えると電話を切ってしまいます。

家に帰った紀理はエナジードリンクを飲みながら仕事をしますが寝てしまいました。

目覚めると彼氏から何通もLINEが送られてきています。

紀理
「もしもし!ごめん・・・う・・・うっかり寝てて・・・」
ヒロ
「はぁ?俺ほっといて寝てたのかよ、今すぐ来い」

今夜中に終わらせなければいけない作業が残っているのですがモラハラ彼氏には逆らえません。

1時間という約束で紀理は彼氏の元へ向かいました。

紀理が到着すると彼氏はすぐにセックスを始めます。

時間がないのになかなか終わらせてくれません。

ようやく帰宅できましたが紀理の体力は限界を迎えていました。

紀理
「はーい、絶体絶命ゾーン突入ー、あと2時間で資料作って出勤しなきゃ、きっつぅ・・・」

5分だけ休憩するつもりが朝まで寝てしまいます。

その結果、資料が作れなかったことで会社の先輩から激しく怒られてしまいました。

紀理は自分が役立たずだと考えてしまったことで精神のバランスが崩れていきます。

さらにここで彼氏が浮気相手と遊んでいる様子を目撃しました。

絶望の淵に立たされた紀理はスマホで死に方を検索してみます。

すると心の健康相談ダイヤルというサイトが表示されました。

紀理
「あはは、知らなかったー、こういう検索するとこんなふうになるんだ、へー」

紀理は誰かに悩みを相談したいわけではありません。

人生に絶望した紀理は本当に死のうと思っているのです。

紀理
「自分の都合で仕事おしつけて何が役割果たせだよ、苦労アピールと仕事量が合ってない奴らがマジメきどってんじゃねぇ、不機嫌で人をコントロールしようとする赤ちゃんどものくせに、自分はまともだなんてよく思えるよな」

先輩や上司は紀理がご機嫌を取らなければまともに対応してくれません。

ただ職場にいるだけで存在が認められている連中に講釈を述べられたことにも腹が立ってきました。

紀理
「こんなに誰にも私のこと見えてないのに、いてもいなくても誰の世界も変わりゃしないのに、なんでそれでも生きていかなきゃいけないの」

自殺することを決めた紀理は、住んでいる部屋を事故物件にすることを思いつきます。

ですが死んだ後、憶測で適当なことを想像されたくないので部屋を整理することにしました。

紀理
「郵便物たまりすぎでしょ・・・すっかり忘れてた・・・」

整理していた郵便物の中に入っていたカードが紀理の人生を変えることになったのです。

 

 

最悪な環境に身を置いてしまいましたが、人の役に立ちたいという考えで必死に努力を続ける紀理の姿に感動しました。

必死に頑張っても周囲が自分を必要としていない現実を突きつけられたことが、紀理の考え方に変化をもたらした気がしますね。

捧げることではなく戦うことを決めたヒロインの勇気を表現していく『この世は戦う価値がある』

吹っ切れた紀理がとんでもない行動を起こしていきます。

自由に生きることの素晴らしさと難しさを感じ取ってみてください。

後編

郵便物の中に入っていたカードを見つけた紀理は、ここから会社を5日も無断欠勤しました。

5日後、上司からの電話に出なかった紀理が出社します。

無断欠勤していた紀理は髪の毛を染め、スカジャンをきて会社に現れました。

紀理
「伊東さんは死にましたぁ、あたしは伊東さんⅡでーす、伊東マークⅡ、伊東ターボD、あ、それだと前にジエンドオブジェネシスが付くか」

先輩社員には紀理が何を言っているのか理解できません。

面倒くさくなった紀理はスマホで調べろと命令します。

いつも厳しい言葉で叱ってきた先輩がスマホで検索していると、紀理が今までに受けた被害がセクハラだと主張しました。

紀理
「今まであなたがしてきた性的な言動覚えてます?私知らなかったんですけどぉ、同性だろうとセクハラに該当するんですよねー、身をもって教えてくれてたなんて・・・私は本当に先輩に恵まれましたぁ」

憶測で異性のことを意識しているような発言はセクハラになります。

セクハラを指摘された先輩は激しく動揺してしまいました。

さらに紀理は個人の意見として、ズバズバ言う先輩のようなタイプは相手のことを考えられない脳の回転が遅いと指摘します。

続いて髪の色を注意してきた主任に会社を辞めると宣言しました。

紀理
「さよなら、掃き溜めの皆さん、あーそうだそうだ、主任!借りパクしたテープのり返せ、加藤さんも120円返してもらってない、よしよし、自分の物回収できたんで帰りまーす、これ電車で持って帰んのたりーから送っといてもらえます?明日着で、着払い厳禁な」

180度生き方を変えた紀理が会社を後にします。

紀理は次にスポーツショップへ向かいました。

スポーツショップへ向かったのは軽くて強いバットを買うためです。

使い方を怪しむ店主には正直に人を殴るためだと説明しました。

紀理
「よっしゃ、逆転さよならホームランでもかましてやっか」

浮気現場に到着した紀理が彼氏に電話をかけます。

モラハラ彼氏は浮気相手にバレないよう、会社の先輩だと嘘をついて車から外に出ました。

ヒロ
「もしもし・・・?もしもし・・・え」
紀理
「あっ、ズレた、おっ通報すんなよ」
ヒロ
「誰・・・え?紀理!?何その頭!オレンジ?えー意外・・・」
紀理
「よくこの状況でペラペラしゃべれんね、お前」

バットを振りかぶった紀理がモラハラ彼氏を奇襲します。

しかし残念ながら外れてしまいました。

ヒロ
「いやだって浮気現場おさえに来たってことでしょ、まぁお前がそこまでする度胸はねぇと思ってたけどがんばってみたんでしょ?おもしれー」

モラハラ彼氏は殴られたことを大事にしない代わりに、お互いチャラにしようと提案してきます。

そんな提案に乗る気はない紀理が今度はモラハラ彼氏の肩をバットで殴打しました。

紀理
「まぁ一旦黙れよ、忘れたとは言わせねーぞ、金足んねーって人前で払わせたラブホ代、おごらせたり作らせたメシの金、ほぼパシリにされたクリーニング代」

急に必要となったセミナーの代金を支払わされたこともあります。

せっかく買ったゼクシィはゴミになってしまいました。

モラハラ彼氏は自分で計画した旅行もお金をほとんど出していません。

誕生日にはアップルウォッチも買ってあげました。

紀理がモラハラ彼氏に支払わされた金額は計61万7千3百58円に上ります。

ヒロ
「・・・誕生日のはよくねえ?」
紀理
「一理あるな、だが今日は却下だ、気分じゃねぇ」

彼氏の浮気相手にはテーブルのりとピアスを交換させました。

ここで自由になった紀理に彼氏が反論してきます。

ヒロ
「散々いいなりの思考停止女がよく言うぜ、お前なんて俺がいなきゃ何もできないくせに、調子こいてんじゃねーぞクソアマ、後で泣きついてきても知らねーから・・・」
紀理
「知らんがな選手権優勝、拡張型心筋症、肺高血圧症、原発性硬化性胆管炎慢性腎不全、I型糖尿病短腸症候群、水泡性角膜症」
ヒロ
「・・・ん?なんの話・・・」

彼氏には紀理が何を言っているのか分かりません。

すると紀理が彼氏の口にバットを突っ込み指で瞼を広げます。

紀理
「例えばこれだよ、角膜移植、げー唾ついた、きったね、あたしは死ぬ時に11人の人生を救う、だから好きに生きる権利を持った」
ヒロ
「臓器提供カード・・・何その解釈・・・」
紀理
「つーわけでぇー今からコンビニATMまで走れ、ダッシュ!」

こうして紀理はモラハラ彼氏から約62万円を回収しました。

自由を手に入れた紀理は踊るように家へ向かいます。

そしてこれまでの人生で経験した貸し借りを1つずつ書き出していきました。

紀理の戦いはここからどんな展開を迎えるのでしょうか!?

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『この世は戦う価値がある』を読んだ感想

人のために捧げてきた生き方を180度転換させた紀理の覚悟に圧倒されました。

転機となったのが臓器提供カードという紀理の自由過ぎる解釈にも驚きましたよ。

大胆なリベンジ劇を描写していく『この世は戦う価値がある』

パワハラやモラハラに逆襲する紀理のカッコ良さが印象的でした。

スカッとした気分を味わわせてくれる素敵な漫画になっていますよ。

 

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