今回は「原作 天ヶ江ルチカ 漫画 新堂冬樹」先生の『摂氏零度の少女～私がママを殺すまで～』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『摂氏零度の少女～私がママを殺すまで～』はこんな漫画(あらすじ)
高校1年生の桂木涼子は頭脳明晰で医学部を目指しています。
順調に受験対策を進めている涼子なのですが、彼女はある悩みを抱えていました。
毎日家族のため身を粉にして働く母親の体調を心配する涼子。
母親を楽にさせてあげるためには安楽死しかないと決断します。
死ぬことで痛みも苦しみも無い幸せな世界に行けると信じる涼子は、母親のために安楽死の実証事件を行うことにしました。
娘の手によって衰弱していく母親の様子をリアルに描写していく『摂氏零度の少女～私がママを殺すまで～』！
今回は衝撃的な内容で話題を集めた小説をコミック化した傑作の魅力について、ネタバレを含みながらご紹介していきます。
強すぎる愛情から歪んだ行動を起こしてしまう女子高生の姿を目に焼きつけてください。
『摂氏零度の少女～私がママを殺すまで～』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
夏休みに入ったある日、早起きした涼子が母親の手伝いをすることにします。
深夜に帰ってきた母親は早朝から洗濯物を干していました。
お互いあまり寝ていませんが明るい表情を浮かべています。
母親は家族のサポートを受けながら仕事に励んでいました。
そんな母親の体調を涼子は心配しています。
母親の手伝いを終えた涼子は外出することにしました。
近所の森林で植物を採集する涼子は、お目当てだったカキシメジというキノコを見つけます。
カキシメジを入手した涼子は実証実験を行うことにしました。
実験はまず高校で飼育しているニワトリのエサにカキシメジを混入させます。
するとカキシメジを食べたニワトリが死んでしまいました。
涼子の実証実験は生物を安楽死させるためのものだったのです。
一方その頃、母親は仕事先の出版社で休む暇なく働いていました。
作家のワガママを説得できなかった部下を注意しています。
部下に厳しく当たっている母親は、編集局長の推薦で復職しました。
期待されていることもあり母親は必死になって働いているのです。
そんな事情を知っている涼子は母親の体調を案じているのです。
涼子はカキシメジだけでなくネットで手に入れたドクニンジンも栽培していました。
このドクニンジンを涼子は近所の猫で実験してみることにします。
タマという名前の猫はいつも寝てばかりいるため、涼子はネムちゃんと呼んでいました。
飼い主に黙ってネムちゃんを連れだした涼子はドクニンジンを混ぜたキャットフードを食べさせます。
その結果、痙攣してから5分後にネムちゃんは死んでしまいました。
安楽死こそが幸せになれる手段だと考える涼子。
恐ろしい考え方が生み出す実証実験は着々と母親の元へ忍び寄っていたのです。
一見すると幸せそうな親子なのですが、娘の涼子は過去の経験から歪んだ思想を持っています。
この思想によって生き物を殺すことに罪悪感を抱かない様子が不気味ですね。
身勝手な考え方で生き物の生命を奪う女子高生を表現していく『摂氏零度の少女～私がママを殺すまで～』！
ここから涼子が安楽死を尊重するようになった過去の出来事が明らかになっていきます。
表情を変えずに生き物を殺していくヒロインに注目しながら続きをご覧ください。
後編
ネムちゃんを殺したドクニンジンのことを涼子は“ソクラテスの血”と呼んでいました。
涼子は殺したネムちゃんを瓶の中で保存しています。
この瓶はドクニンジンを栽培している近くに埋めることにしました。
埋葬することで涼子は罪悪感を抱かないようにしているのかもしれません。
実証実験が終わると涼子は自宅へ戻ることにしました。
自宅では祖母と姉、そして競馬に夢中な父親が待っています。
母親以外の家族が涼子の目には動物のように見えていました。
それでも涼子は嫌がるような態度を取ることはしません。
家族の平和を乱さないよう冷静に行動しているのです。
この日も深夜まで植物の毒性について調べていると母親が仕事から帰ってきました。
部屋の灯りが点いているため勉強していると思うのですが、涼子は受験勉強をしている訳ではありません。
母親が帰ってきたため毒性の調査をひとまず終了することにします。
シャワーを浴びた母親は焼酎を飲みながら幸せを感じていました。
涼子も母親と一緒に休憩することにします。
勤務時間は長いのですが母親は充実感を抱きながら仕事をしていました。
涼子は母親の言葉を聞いているうちに過去のことを思い返します。
幼い頃、涼子は愛犬を安楽死という形で見送りました。
涼子の質問に獣医は死ぬことで楽になれることもあると答えます。
この経験をきっかけに涼子は安楽死が尊いものだと信じるようになりました。
過去の経験を思い返している涼子が暗い表情を浮かべていると、母親が心配そうに声をかけてきます。
娘に心配をかけないようにするのですが、涼子は母親を救いたいと考えていました。
母親を楽にさせたい涼子は自室へ戻ると再び植物の毒性を調べ出します。
ついにネットで毒物を購入することにしました。
歪んだ思想と深い愛情で母親を安楽死させようとする涼子。
彼女の望みが叶うと本当に母親は楽になることができるのでしょうか！？
予測不能な結末は実際に漫画を読んでお確かめください。
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『摂氏零度の少女～私がママを殺すまで～』はこんな人にオススメ
サスペンスの要素が強いヒューマンドラマになっています。
そのためスリリングで哲学的な物語を探している人にオススメの作品ですよ。
世界中で賛否両論の声が上がる安楽死について真正面から向き合っていく『摂氏零度の少女～私がママを殺すまで～』！
タイトル通りインパクト抜群のストーリーに仕上がっています。
この漫画を読んで人間の尊厳と死について向き合うきっかけにしてみてください。
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