カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義(第2話)!

今回は「甲斐谷忍」先生の『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』はこんな漫画(あらすじ)

騙す人が騙される人から搾取する状態が現代経済の主流だと唱える天才経済学者の加茂洋平は、カモリズム経済理論を学びに来た名取三咲の家族を救済しました。

変人ですが加茂教授の手腕に助けられた三咲は彼のゼミを受講することにします。

しかしクセのある加茂教授はなかなか講義を開催してくれません。

困り果てていた三咲は中学の時にお世話してもらった円山ほのかと偶然出会いました。

再会を喜ぶ三咲だったのですが、ほのかはお金に困っていた借金を申し出てきます。

この状況を知った加茂教授は再び経済弱者を守るため動き始めました。

人を学ぶことが経済の本質だと提唱する『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』

今回は経済学をコミカルに伝えてくれるビジネス漫画の第2話についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

シングルマザーの悩みに斬新な方法で寄り添う経済学者の活躍を見逃さないでください。

 

『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』の魅力紹介(ネタバレ含む)

第2話前編

天才経済学者の加茂教授は大学生の名取三咲に人はカモれる他者を見るとカモりたくなる生き物であることを教えました。

またカモる人間が裕福になり、カモられる人が貧困になる現代経済をカモリズム社会であると言い切ります。

名取三咲
「その天才は今、私の通う大学にいる、4月天才の話を一度聞いてみたいと講義初日は学生が殺到、だがこの天才なかなかクセのある人物で・・・」

集まった学生を待っていたのは「年利100%でもいいから10万円借りたいって人に会ってみよう」という課題のテーマを持たされた三咲でした。

せっかく大勢の生徒が集まったのですが加茂教授に講義を開くつもりはありません。

加茂教授が年度最初の講義からサボったので生徒たちは文句を言い始めました。

天才なのですが加茂教授は変人なので生徒たちが憤慨するのも無理はありません。

名取三咲
「あの、言い訳させてもらうと・・・聞きかじった知識より実際に体験して得た知識のほうがはるかに価値がある・・・というのが教授のモットーらしいです」

三咲は実体験から加茂教授のモットーを生徒たちに伝えてみます。

しかし年利100%でお金を借りるような人がいることを信じてもらえません。

そんなバカはいないと考える生徒たちは、この課題が教授の嫌がらせだと騒ぎ始めました。

名取三咲
「うそ・・・まさかこの課題ホントにただの嫌がらせ?いやありうる、加茂教授マジで変人だから」

普通の消費者金融は年利18%ほどでお金を融資しています。

それに対して年利100%とは10万円を借りると翌年に20万円を返済しなければなりません。

課題が嫌がらせかもしれないと思い始めた三咲は、近くの消費者金融会社で年利100%でも10万円を借りたい人がいるのか尋ねてみました。

消費者金融会社はそんな人間がいたら相当の馬鹿だと言われてしまいます。

名取三咲
「くっそー!やっぱり私、受講者減らしに利用されたんだ、あったまにきたー、帰って教授にしこたま文句言ってやる!」

頭に血がのぼった三咲が大学に戻ろうとしていると、近くのビルから子供を連れた女性が出てきました。

女性に見覚えがあった三咲は声をかけることにします。

名取三咲
「ほのかさん?ほのかさんよね?私!隣に住んでた三咲!憶えてる?」
円山ほのか
「三咲ちゃん?ウソ!すごい大人になってる!」

偶然会ったのは実家の隣に住んでいた円山ほのかでした。

ほのかは三咲の8つ年上で中学までよく遊んでくれたお姉さんのような存在です。

名取三咲
「6年ぶりかぁ・・・いっぱい勉強も教えてもらったなぁ、私が15の時東京へ引っ越して行ったのよね、遠距離恋愛の彼氏と結婚するために」
円山ほのか
「ははは、別れちゃった、1年前に」
名取三咲
「・・・え、ごめんなさい、私何にも知らなくて・・・」

気まずい中で三咲が天平大学で経済学を勉強していると伝えます。

天平大学は高偏差値のお金持ちが通う大学なので、ほのかは三咲が老舗旅館のお嬢様だということを思い出しました。

その旅館が無認可共済に騙されて倒産寸前になったことは口が裂けても言えません。

円山ほのか
「ねえ三咲ちゃん、久しぶりに会ってこんな事言うのもなんだけど・・・10万貸してもらえない?来月11万にして返すから」

あり得ないと思っていた加茂教授がゼミの課題にした条件を受け入れたのです。

その人物が知り合いだったので三咲は驚きを隠せません。

高瀬泉水
「どしたーっ、元気ないぞー」
名取三咲
「今日の加茂教授の課題、年利100%でも10万円借りる人を探せ、そんな人絶対いないと思ってました・・・でもいたんです、すぐ身近に」
高瀬泉水
「ホントに年利100%で借りたいって言ったの?」
名取三咲
「厳密には10万を11万で返す・・・って、でもそれって単利でも年で120%、複利なら実に213.8%の利子がつくって事です、それを言ったのが私がとってもお世話になった人で何か・・・すごいショックで・・・」

加茂教授のゼミを受けている大学院生の高瀬泉水に事情を説明します。

するとおかしな格好をした加茂教授が現れました。

加茂洋平
「やっぱり!な!!意外と身近にいるもんだろー」

変人の加茂教授は三咲の恩人を救うことはできるのでしょうか!?

 

 

常識的に考えると年利100%で10万円を借りるような人は存在しないと思います。

しかし経済学ではこのような場合もあり得ると加茂教授は想定済みでした。

人間の深層心理を細やかに表現していく『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』

どうして人がお金に振り回されるのか問題提起している作品です。

三咲を納得させながらほのかを救う加茂教授の頭脳に驚いてみてください。

第2話後編

年利100%で10万円を借りる人が現れたことを知った加茂教授は、三咲にお金を貸したかどうか尋ねてきます。

大学生にとって10万円は大金なので三咲はお金を貸してはいません。

名取三咲
「それよりもあんなにマジメで聡明だったほのかさんが高利でもいいからお金借りたいって言ったのがショックで・・・」
加茂洋平
「行動経済学的に説明するとね、異時点間の選択・・・ってヤツだな」

例えば三咲に今1万円をプレゼントするとします。

しかし今ではなく1年後の受け取りならば1万1000円あげると言われたらどうするでしょうか?

名取三咲
「絶対今日受けとります」
高瀬泉水
「それこそまさに異時点間の選択よ、人間ってのはね今の快楽とずっとあとの快楽なら今の快楽をはるかに価値がある・・・と思う生き物なの」

借金するとその瞬間は大金を入手できるので快楽を得られます。

ただし借金には金利が付くので返済という深いは快楽を上回るはずなのですが、人間は今の快楽を余計に価値があると判断してしまうので高金利で借金する人は珍しくありません。

名取三咲
「なるほど、何かわかる、言われてみればお金だけじゃなくダイエットとかも私、今の快楽に負けちゃうもの」
加茂洋平
「大事なのはそこさ、借金をしちゃう資質は誰でもみんな持ってる・・・って事、今お金に困ってないのはそれは単に運がいいだけかもしれないね」

心配になった三咲がほのかに電話してみると、ネットの掲示板でお金を貸してくれる人を見つけたと言われました。

しかし会話の途中なのに高瀬が三咲のスマホを奪い取ります。

名取三咲
「な・・・何ですか、急に人のスマホ奪い取って」
加茂洋平
「あー、ヤバい気配感じたのかなー、たとえばひととき融資に手を出しちゃった・・・とか」
名取三咲
「ひととき融資!?」

ひととき融資とは一緒に過ごすことを条件に融資を行うことで、簡単にいうと肉体関係を持つことが条件の違法行為です。

三咲は信じられませんがコロナ禍で経済的弱者が増えている現在は、シングルマザーや非正規労働者がこの融資を利用するようになっていました。

高瀬が確認したところ、ほのかはひととき融資を利用しようとしています。

1週間後、元夫からのDVと離婚後も慰謝料が支払われていない問題に悩むほのかを加茂教授が呼び出しました。

話を聞いてみるとほのかはひととき融資で肉体関係を結ぶことに納得しています。

しかし加茂教授はひととき融資に頼らなくてもいいと断言しました。

加茂洋平
「10万は大丈夫、三咲さんが何とかしてくれます、あなたの代わりにザグレブに会って10万円借りてきてくれるそうです」

すでに三咲は小型マイクとイヤホンを内蔵したイヤリングを付けて、ひととき融資の相手であるザグレブとの待ち合わせ場所に待機しています。

三咲に与えられたミッションはほのかになりきってひととき無しで融資を受けるというものでした。

待っていると絵に描いたエロオヤジのザグレブが現れます。

借用書を記入する前に三咲は自分の話を聞いてもらうことにしました。

三咲が成り代わっているほのかは結婚後に夫から自分と子供に暴力を振るわれたことで離婚したのですが、ここから茨の道が始まってしまいます。

養育費が3カ月目に途絶えたのでアルバイトを3つ掛け持ちしながら働いてきたのですが、給料は高額な託児料金によって消えていきました。

名取三咲
「何よりつらいのは世間の空気です、子供がいるのに離婚するお前が悪いという冷たい自己責任論、限界なんてねとっくに過ぎてましたよ、でも子供にだけはみじめな思いさせたくなくて母親業はいっさい手を抜かなかった」
加茂洋平
「ははー、そういや三咲さん驚いてたなー、朝あなたに会いに行ったら掃除の行き届いた玄関からパリッとしたシャツを着た息子さんが出てきて、キレイに盛りつけられたお弁当を見せびらかしたって、母親業完璧じゃんって」

加茂教授も三咲も一生懸命頑張ってきたほのかの母親業を称賛してくれます。

最高に頑張ってきたほのかをひととき融資で不幸にさせることなど許せません。

しかしお金で女性を自分のものにしようとする最低な考え方のザグレブは、三咲の訴えに耳を貸すことはありませんでした。

このままでは三咲の体に危険が及んでしまうことになります。

ですが天才経済学者の加茂教授はこれまでの流れを想定していました。

いったい加茂教授はどのような作戦でザグレブを追い詰めていくのでしょうか!?

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『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』はこんな人にオススメ

生活の参考になるような学習できる漫画を読みたい人にオススメです。

変人ですが加茂教授のセリフには経済学の真実が詰め込まれていますよ。

経済弱者にならないための重要なポイントが学べる『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』

コミカルなシーンとシリアスな展開を見事に融合させた物語です。

どの漫画を読もうか迷っている人はこの作品を選べば間違いありませんよ。

 

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