凛子ちゃんとひもすがらのネタバレ(漫画)!感想とあらすじも!

今回は「七瀬八」先生の『凛子ちゃんとひもすがら』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『凛子ちゃんとひもすがら』はこんな漫画(あらすじ)

小学生の霜月凛子は母親に見捨てられてしまったのですがその事実を受け入れられません。

仕方なくインスタント食品で生活していた凛子は、夜の町を彷徨っていると交差点で倒れている春乃という青年を見かけました。

見過ごせないので声をかけると春乃は凛子にお金を恵んで欲しいとお願いしてきます。

変人だと思いながらお金を恵んであげると、春乃は自分がヒモだと打ち明けてきました。

凛子はドン引きするのですが春乃はヒモであることを恥ずかしいとは思っていません。

一人ぼっちの寂しさに耐えられなくなった凛子は、変な大人の春乃を頼ってしまうことになるのです。

女子小学生とヒモの不思議な共同生活を描いていく『凛子ちゃんとひもすがら』

今回は心を通わせることが人間関係の大切さだと教えてくれるヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

お金で繋がった2人の行く末にご注目ください。

 

『凛子ちゃんとひもすがら』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

成長した凛子は夕飯の匂いがする家で誰かの帰りを待っていることが、ありふれた普通の幸せだと分かっています。

しかし小学生だった頃の凛子はお金で人を買ってまでありふれた普通を欲しがっていました。

12年前の4月、交差点で男性が寝ています。

通行人から注目を浴びるのですが、誰も青年に声をかけようとはしません。

凛子
「あ、あの・・・大丈夫・・・ですか・・・?」
春乃
「・・・うー、あんまり・・・?え、待ってここドコぉ・・・」
凛子
「救急車・・・!」

心配になった凛子は救急車を呼ぼうとするのですが、保険証を持っていないという理由で青年に止められます。

ですがこのまま放っておくわけにはいきません。

春乃
「・・・キミさぁー・・・小学生?」
凛子
「はい小学6年生ですが・・・」
春乃
「一生のおねがい・・・300円・・・いや100円でいいから恵んでくんない?」

仕方なくお金を恵んであげると青年はコンビニでご飯を買ってきました。

どうやらお腹が減りすぎてぶっ倒れていたようです。

変な人だと思いながら食事する青年を眺めていると、小学生なのにどうして夜中にお母さんと一緒じゃないのか尋ねられました。

凛子
「そっ・・・そんなの・・・お兄さんこそどうしたんですか?あんな所で寝てるし・・・大人の人なのにお金も持ってないなんて・・・」
春乃
「ああ、おにーさんね、ヒモなんだあ、けど3日前に追い出されちゃってさー、帰るとこないから今はホームレスかなあ?あ、ヒモって知ってる?働かないで女の人に養ってもらう男のことなんだけどねー」

怖くなった凛子は帰ろうとします。

すると夜道は危ないので青年が送っていくと言い出しました。

凛子
「しっ・・・知らない人に家を教える方が危ないと思います!」
春乃
「そっかぁー・・・あ、ハイ、キミある意味命の恩人だからさぁ、何か困ったことあったらでんわしてー、おれは春乃、えーっと・・・」
凛子
「・・・凛子・・・です」

電話番号が書かれたナプキンを受け取ると凛子は春乃と別れて家へ帰ることにします。

変な人に声をかけたと後悔しながら歩いていると、住宅街から夕食の匂いが漂ってきました。

凛子はいつも夕食の匂いを知らない人の家から感じています。

しかし自宅からは夕食の匂いはしません。

この日も凛子の母親は帰ってきませんでした。

いつものように一人で食事するのですが美味しくないので残してしまいます。

凛子
「初めの頃、一晩帰って来ない日は500円が置かれてた、千円の日は2日、二千円の日は4日、五千円の日は10日・・・っていつだって正しく計算できていたのにどうして今回はちゃんと計算できないのかな・・・」

置かれていた金額が数十万円だったので母親がいつになったら帰ってくるのか分からなくなりました。

育児放棄されてしまった凛子はどのような経緯でヒモの春乃と生活することになるのでしょうか!?

 

 

母親が帰って来ない孤独感から凛子は春乃に声をかけてしまったのかもしれませんね。

他人の優しさを惹きつける春乃は生まれながらのヒモ体質だと感じました。

小学生とヒモの現実では考えられない繋がりを表現していく『凛子ちゃんとひもすがら』

褒められるような関係ではないのに胸を打たれる感動が詰まったストーリーです。

心の隙間を埋め合うためヒモに頼った凛子には共感できる所がたくさんあるはずですよ。

後編

母親が帰って来ないので凛子は近所のスーパーへ食材を買いに行きました。

しかし料理が作れないので購入するものはカップラーメンばかりです。

晩ご飯の相談をしながら通り過ぎる親子を羨ましそうに眺めていると、クラスメイトの男子に声をかけられました。

男子はカップラーメンばかり買っている凛子に、母親は何をしているのか尋ねてきます。

凛子
「そんなの、こっちが聞きたいよ・・・」

自宅に戻って母親の携帯に電話をかけても電波が届きません。

恥ずかしくてカップラーメンを買えなかったのでお腹が空いてきました。

飼っている金魚にもごはんを与えていません。

まず金魚のご飯を用意しようと立ち上がった凛子のポケットから、春乃の電話番号が書かれたナプキンがこぼれ落ちます。

春乃
「ご・・・ごせんえん!?」
凛子
「それで食べ物を・・・適当にたくさん買ってきて下さい、何でもいいので・・・お兄さんもお好きなものをどうぞ」
春乃
「マジー!?でもいーの?自分で好きなもの買わなくて、スーパーそこなのに」
凛子
「・・・はい、私はここで待ってます、その・・・今夜は親が不在で私が買い物当番になっただけなので・・・」

またクラスメイトに見られては困るので、春乃に買い物を頼むことにしました。

母親が帰って来ないことも黙っていることにします。

深く考えず春乃は買い物を引き受けてくれました。

ですがカップ麺などを買ってきてほしかったのですが、春乃は野菜や卵などの食材を購入してきます。

春乃
「何が好きかわかんなかったからさーテキトーに買ってきちゃった、もしかして嫌いなのあった?」
凛子
「い・・・いえ!ただ・・・本当にカップ麺とかで良かったから・・・私料理できないので・・・どうしよ・・・」
春乃
「あ、そゆコト?じゃあさおれがつくってあげよっか、そのかわりさぁー・・・おれも食べていー・・・?凛子ちゃんは何好きー?ハンバーグとかーオムライスとかーカレーとか・・・シチューとか?」

凛子が反応したので春乃はシチューを作ろうかと提案しました。

その流れで凛子は春乃を家に連れて帰ってしまいます。

知らない人と2人きりの状況に最初は戸惑っていたのですが、春乃が作ってくれる料理の匂いが温かくて優しいので涙が出てきました。

凛子
「ありがとうございます、おいしいです、すごく!」
春乃
「マジー?よかったぁ、でもねぇそんな気遣わなくていーよぉ、いっぱいいっぱいのときはねぇご飯食べてーお腹いっぱい!そんだけ、そんだけでいーんだよ」
凛子
「違うんです、嬉しいのは本当なんです・・・けどこれって普通のことなんですよね?・・・私・・・こんな風にあったかいご飯作ってもらったのすごく久しぶりで・・・他の子にとっては・・・これが普通なのに・・・私・・・何か悪いことしたの・・・?」

どうして自分だけが普通の日常を過ごせないのか理由が分かりません。

自分が普通ではないかもしれないと思う凛子は泣いてしまいます。

春乃
「そーだねぇ、確かに凛子ちゃんはフツーじゃないのかもねぇ、フツーだったらさぁおれみたいのに声かけないもん、あの夜あんだけ人がいっぱいいた中でおれに声かけてくれたの凛子ちゃんだけだったから、凛子ちゃんはいい子だよ、フツーじゃなくてね」

春乃は凛子のことをとても良い子だと褒めてくれました。

食事が終わると春乃が帰ろうとします。

凛子
「お兄さん帰るお家・・・ないんですよね?だったら・・・このままうちにいませんか?」
春乃
「えー、いやいやぁ、おれいたらお家の人びっくりしちゃうでしょー」
凛子
「帰ってきません・・・ごめんなさい、さっきの話全部嘘なんです、本当は・・・母は数日前に出て行ったきりいつ帰ってくるかわからないんです・・・うちには・・・母しかいないのに・・・!」

凛子にとっては母親が帰って来ない状況は最悪かもしれません。

しかし春乃にとっては都合の悪い話ではないと考えました。

春乃
「・・・凛子ちゃん、おれのこと心配してくれてありがとー、でもねおれただの住所不定無職のオトナなの、あんま一緒にいない方がいいと思うんだよねぇ、凛子ちゃんのためにもさ、ま、おれはまたふらーっとヒモでもやって暮らすから・・・」
凛子
「・・・養えたらいいんですか?」
春乃
「へ?」
凛子
「多分50万円くらいあります、お兄さんヒモなんですよね?このお金で私に養われて下さい」

母親が残していったお金で春乃を養うことにします。

こうして始まった小学生とヒモの生活は順調に進んでいくのでしょうか!?

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凛子ちゃんとひもすがらのネタバレ(漫画)!第2話の見所は?

2023.07.28

 

『凛子ちゃんとひもすがら』を読んだ感想

ヒモを自認していることは褒められるものではありませんが、春乃の優しさが凛子に対する言葉から感じられました。

母親が帰って来ない寂しさをようやく打ち明けた凛子の切迫した状況も上手に表現されていますね。

孤独な大人と子供の物語を紡いでいく『凛子ちゃんとひもすがら』

しっかり者の小学生がチャラチャラしたヒモ男の優しさに救われていきます。

読んでいくうちに凛子が幸せになってほしいと祈りたくなりますよ。

 

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