今回は「漫画 杉本萌 監修 清水茜」先生の『はたらかない細胞』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『はたらかない細胞』はこんな漫画(あらすじ)
哺乳類は骨髄の中で赤血球や白血球を育てています。
中でも肺から取り込んだ酸素を全身の組織に運ぶためには、赤血球の働きは欠かすことができません。
そんな赤血球は赤芽球が脱核という行為を経て成長していきます。
成長するまで骨髄の中でマクロファージに育てられている赤芽球なのですが、ここには色々と理由をつけて脱核してくれない赤芽球が存在していました。
果たしてマクロファージ先生はモラトリアムを訴える赤芽球たちを赤血球へ成長させることはできるのでしょうか!?
大ヒット漫画のスピンオフとして人体のメカニズムをユーモアたっぷりに描いていく『はたらかない細胞』!
今回は痛快ギャグコメ漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
働こうとしない者たちへ下される決断を見逃さないでください。
『はたらかない細胞』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
赤芽球は赤血球になるまでマクロファージという細胞に生育してもらいます。
この状態は赤芽球島と呼ばれ、いつものようにマクロファージ先生が赤芽球たちを自分の周りに呼び戻していました。
子供たちの姿をした赤芽球たちがマクロファージ先生の元に集まってきます。
赤芽球島にはマクロファージ1個が数個から30個ほどの赤芽球を生育させる仕組みになっていました。
しかしこのマクロファージ先生が生育させている赤芽球は素直な子供たちばかりではありません。
マクロファージが赤芽球を生育させているのは骨髄の中です。
ここは未来の赤血球や白血球、そして血小板が生まれ育つ場所になっていました。
血液細胞がいるため赤く見えるこの場所は赤色骨髄と呼ばれています。
赤芽球は赤血球の幼い時の姿で、脱核という行為を経て赤血球になるまでの間、マクロファージが骨髄の中で大切に育てなければいけません。
マクロファージ先生が受け持っている赤芽球の中には、成長しても脱核しようとしない困りものたちが存在していました。
この日も871と呼ばれている赤芽球がマクロファージ先生に逆らい始めます。
マクロファージ先生が現実を伝えるのですが871は聞く耳を持ってくれません。
生意気なのですが871には871なりの言い分があるのです。
言っていることは立派でも871はグータラしているだけなので説得力がありません。
この日もマクロファージ先生の話を布団の上で横になりながら聞いています。
脱核する意味をはき違えているので、マクロファージ先生は強い口調でつっこんでしまいました。
それでも871の不平不満は収まりません。
普通の赤芽球にはプライドはありませんが、871は自分なりの信念を持っているようです。
さらに脱核したくない理由はまだまだありました。
他の細胞には核があるのに赤血球にだけ核が無いことも納得できません。
実は鳥や魚であれば赤血球は核を保持したままです。
しかし哺乳類の身体に住んでいる871たち赤芽球は脱核しなければなりません。
このように文句ばかり言っている問題児の871たちを、マクロファージ先生は立派な赤血球にさせることができるのでしょうか!?
関連シリーズと同じように細胞を擬人化していますが、今回の細胞たちは働こうとしませんね。
この斬新な設定がスピンオフ作品ならではの面白さだと思いました。
赤血球になろうとしない生意気な赤芽球たちの日常を綴っていく『はたらかない細胞』!
人体に関する豊富な知識が満載の物語になっています。
難しい専門用語を分かりやすく伝えてくれているので、肩の力を抜いてリラックスしながら読んでみてください。
後編
マクロファージ先生が受け持っている赤芽球で、脱核しようとしない細胞は871だけではありません。
真面目で勉強熱心な036も赤血球になろうとしていないのです。
036なら充分血管に出られる段階なのですが、本人は勉強不足を理由に脱殻しようとしてくれません。
勉強熱心な036は赤血球や身体に関する本で一杯になった書斎を持っています。
教室に自分の書斎を構えていることは本来許されることではありませんが、マクロファージ先生は早く赤血球になってほしいので黙認していました。
マクロファージ先生の親切心に甘えている036は、木目調の棚で書斎を教室の雰囲気と調和するようにしています。
ウォールシェルフを取り付けるため、036は勝手に教室の壁に穴を開けていました。
そんな036が人体のしくみという本を読んでいます。
上巻を読み終えた036が続いて中巻を読み始めました。
ぶ厚い中巻と同じくらい下巻もぶ厚くなっています。
この全巻を読破するまで036は赤血球になるつもりはありません。
中巻と下巻のボリュームにマクロファージ先生は愕然としています。
ただしマクロファージ先生を困らせているのは871と036だけではありません。
036も言うことを聞いてくれないのでマクロファージ先生が涙を流していると、328という生徒がハンカチを渡してくれます。
ハンカチにはマクロファージ先生が笑顔でいられるように、綺麗な刺繍とレースが縫い付けられていました。
感激したマクロファージ先生は328のことを抱き締めます。
すると興奮した328が鼻血を出してしまいました。
328は嫌だったから鼻血を出した訳ではありません。
マクロファージ先生のことを推している328はハグしてもらったことが嬉しかったのです。
ドルオタ用語を使いまくりながら大興奮している328も脱核してくれないので、マクロファージ先生を困らせていました。
他にも王様を気取っている生徒や、最年長なのにぶりっ子する生徒たちの存在がマクロファージ先生の頭を悩ませているのです。
彼らは充分過ぎるほど成長したのに脱核してくれません。
とうとうマクロファージ先生のことを泣かせてしまいました。
赤芽球島にはマクロファージ1個に対して数個から30個の赤芽球が存在しています。
そんな数ある赤芽球島の中で、マクロファージ先生が受け持っている赤芽球は全員が脱核を引き延ばしているモラトリアムでした。
モラトリアム真っ最中の赤芽球たちが赤血球になる日はやってくるのでしょうか!?
彼らを脱殻させようとするマクロファージ先生の奮闘劇は、実際に漫画を読んで確かめてみてください。
『はたらく細胞』シリーズに関する他の記事はこちらです↓↓↓
『はたらかない細胞』を読んだ感想
登場人物の個性的な姿や、マクロファージ先生のツッコミなど見所が満載の物語になっていますね。
特にキザなセリフで自分を正当化する871が印象的でした。
ギャグコメ漫画が好きな人は読んでおかないと損をする『はたらかない細胞』!
『はたらく細胞』シリーズはアニメにもなった人気作品です。
漫画を読んだ後はアニメも視聴すると作品の面白さがより一層伝わるはずですよ。
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