今回は「渡嘉敷拓馬」先生の『LILI-MEN(リリーメン)』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『LILI-MEN(リリーメン)』はこんな漫画(あらすじ)
体が弱いニトたちは生まれた時から病院で暮らしていて、普通の体になるまで検査を繰り返しています。
いつか検査に合格して外の世界に行くことがニトたちの夢になっていました。
同世代のムサシやチヅル、マルコとレイナは検査で優秀な結果を出していますが、ニトだけは適性検査で結果を出せていません。
そんな日々を過ごす中、ムサシたちが病院からの脱走を計画します。
するとムサシたちに検査の合格が伝えられ、脱走せずに外の世界へ出られることになりました。
しかしこの病院の検査合格は外の世界へ出られることではなかったのです。
人類を苗床にしながら繁殖するサキュバスとの壮絶な戦いを描いた『LILI-MEN』
今回はスリル満点のアクションアドベンチャー漫画についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。
サキュバスを殲滅できるかもしれない新ヒーローが誕生しますよ。
『LILI-MEN(リリーメン)』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
生命の誕生は種によらず命は等しく尊いものです。
本来であれば生命の誕生は祝福されるべきことですが、この世界には祝福されずに誕生する生命が存在していました。
その生命が生活している病院で看護師がご飯の時間を知らせます。
食事の時間になるまでニトは腕立て伏せを続けていました。
他の人達からはバカにされていますが、ニトは適性検査に合格して外の世界へ出ることを夢見ているのです。
チューブで与えられる食事が終わると、社会適性検査の時間になりました。
外の世界に行くことはニトだけが夢見ているわけではありません。
この病院で暮らす者たち全員が外の世界に行きたいと思っているのです。
適性検査が始まるとニトと同世代のムサシが、筋肉検査で最高点を更新しました。
他にもチヅルが血液検査で1位、骨検査ではマルコが1位になり、レイナは脂肪検査で1位を獲得します。
続いてニトが血の適性検査を受けることになりました。
血、骨、筋肉の検査でもニトの適性を確認することができません。
ニトはどの適正もまだ確認できていないため、全ての検査を受け続けています。
検査が終了しても体の痛みでニトはなかなか眠ることができません。
周囲のベッドを見回すと検査も受けられないくらい衰弱している人がいました。
この人は3日も寝れていないので痛み止めが欲しいとお願いしてきます。
他の人達はどうせ死ぬから痛み止めを与えても無駄だと相手にしません。
それよりも彼が死んだ時に持ち物を誰が貰うのかが重要なのです。
痛みを訴える彼にニトは自分の痛み止めを与えました。
ニトは人を疑うと色々なことを考えなければならないため、疑うよりも信じる方が楽だと考えています。
先生の命令で腕立て伏せを続けていますが、検査の結果は良くありません。
それでも先生が嘘をついているとは思っていないのです。
ニトが昔から本で読んだ外の話が好きなことを知っている彼は、いい気分で眠りたいので外の話を聞かせてほしいと言ってきました。
話をしているうちに彼は亡くなってしまいます。
仲間が死ぬことにニトは慣れてしまいました。
死んだ仲間が運ばれる様子を見ているとムサシがニトを外に呼び出します。
ムサシとチヅル、マルコとレイナは病院からの脱走を計画していました。
しかし検査でトップの成績を収める彼らがわざわざ脱走する理由がニトには分かりません。
すでにムサシたちは人類の能力を遥かに凌駕していました。
脱走を計画した理由はそれだけではありません。
ムサシが巨大化した右腕で病院の壁を破壊します。
ここで先生が呼んでいることを看護師が伝えに来ました。
しかしムサシたちの決意が変わることはありません。
ニトやムサシたちにはどんな運命が待ち受けているのでしょうか!?
病院で行われている異常な検査から物語が幕を開けましたね。
全ての検査を受けても適性が確認できないニトが抱える事情も気になりました。
祝福されずに誕生した生命の進化を描写した『LILI-MEN』
いよいよニトたちが生まれてきた意味が明らかになります。
衝撃的でスリリングな展開が巻き起こりますよ。
後編
新人看護師に連れられてムサシたちが先生の元へやって来ました。
ムサシたち4人の退院が認められたのです。
しかしムサシたちの表情は優れません。
退院する準備のためムサシたちは施設内へ連れて行かれました。
ニトはムサシたちに続くため腕立て伏せを再開させます。
その間にも仲間が次々と逝去していきました。
腕立て伏せを5000回続けてもニトは無力感に苛まれます。
夜になり目を覚ますと新人看護師がどこかへ向かう姿を見かけました。
新人看護師はムサシが持っていたギネスブックを抱えています。
気になったニトが追いかけると、職員用の掃除用具庫へ入っていきました。
ドアノブを回すと鍵が壊れています。
そのまま中に入ってみると地下へ繋がっていました。
奥へ進んでいくと人の話し声が聞こえてきます。
職員たちがA210は何度卵を植え付けても着床しないので、そろそろ廃棄しなければいけないと話していました。
またA634たちは脱走さえ考えなければもう少し長生きできたと言っています。
会話の内容がよく理解できません。
すると背後から肩を掴まれました。
ムサシ以上の力で先生に肩の肉を握り取られてしまいます。
恐ろしくなったニトは先生から逃げ出すことにしました。
ムサシ達を探しながら地下の一室へ逃げ込みます。
部屋の中では大勢の人間が苗床にされていました。
奥の巨大な苗床にはムサシたちが吸収されそうになっています。
先生の正体は人間を苗床にする殖魔(サキュバス)でした。
サキュバスの力は凄まじくニトは背中から腹部を貫かれてしまいます。
瀕死の状態になりながらニトはムサシ達の元へ這って行きました。
幼い頃に夢を書いた作文を思い出します。
検査結果が悪くてもニトは夢を叶えるため腕立てを頑張ってきました。
ニトのちぎれかかっていた上半身が卵の中へ吸い込まれていきます。
すると卵の中でへその緒のようなものとニトの上半身が繋がりました。
失いかけていた意識を取り戻します。
気がつくとムサシとチヅル、マルコとレイナが目の前に立っていました。
ニトはみんなとの約束を忘れていなかったのです。
その純粋な気持ちがムサシ達の心に届きました。
ニトが語る外の世界に憧れたのでムサシたちは検査を頑張ってこれたそうです。
ここでムサシとチヅル、マルコとレイナの手がニトの体に触れました。
4人はニトの夢が自分たちの夢だと語ってくれます。
ここで正体を現したサキュバスが卵に襲いかかってきました。
しかし卵の中から出てきた手に吹き飛ばされます。
気がつくとサキュバスの左半身に穴が開けられていました。
巨大化した右腕でニトがサキュバスを粉砕します。
その間にニトは病院の仲間達と外で幸せに暮らしている夢を見ていました。
ムサシたちの能力を吸収して強大な力を得たニトだったのです。
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『LILI-MEN(リリーメン)』を読んだ感想
アクションとサスペンスの要素が見事にマッチしたとても面白い作品でした。
欠陥品と呼ばれるニトが仲間との絆でサキュバスを粉砕したシーンが特に大好きです。
異種族間の存亡をかけた命懸けの戦いを表現していく『LILI-MEN』
激しい戦闘と複雑な人間模様が楽しめる物語になっています。
ハラハラドキドキしたい人はこの漫画を読んでみてください。
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