たまのこしいれ-アシガールEDO-のネタバレ(漫画)!

今回は「森本梢子」先生の『たまのこしいれ-アシガールEDO-』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『たまのこしいれ-アシガールEDO-』はこんな漫画(あらすじ)

令和の夜、速川月(はやかわつき)が祖父母と暮らす家に三百年前から政略結婚前夜の御月玉(みつきたま)勇之進(ゆうのしん)がタイムスリップしてきました。

実は15年前に月の父親が作ったタイムマシンで従兄が戦国時代から時を超えてきたことがあるため、月や祖父母はタイムスリップには慣れています。

享保15年からタイムスリップしてきた玉姫たちにも、月の叔母と父親が御月家の危機を何度も救ったことは語り継がれていました。

玉姫と勇之進は政略結婚に悩んでいたところでタイムスリップしてしまったそうです。

御月家のため政略結婚を受け入れる覚悟を決めた玉姫でしたが、タイムマシンは一ヶ月後の満月の夜にならなければ稼働しません。

しかしタイムマシンの起動スイッチを押してしまった月が江戸時代にタイムスリップしてしまいます。

発明オタクの女子高生が江戸時代を逞しく生き抜いていく『たまのこしいれ-アシガールEDO-』

今回はタイムスリップを題材にしたSFファンタジー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

女子高生の月が巻き込まれる壮絶な運命に驚いてください。

 

『たまのこしいれ-アシガールEDO-』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

速川月が部屋で発明の作業をしていると、聞き覚えのない声が聞こえてきます。

速川月
「え、誰・・・?」
勇之進
「なりませぬ!」
玉姫
「ゆ・・・勇之進殿!?」

月の部屋で時代劇のようなやり取りが始まりました。

二人は月が見ていることに気付いていないようです。

勇之進
「お止め下さい、ご短慮はなりませぬ!」
玉姫
「ち・・・違います、自害など致しませぬっ・・・」
勇之進
「あ!!こ・・・これはご無礼をっ・・・お許し下さりませ!」

勇之進は刀を持った玉姫の手を握ってしまいました。

武士としてあるまじき行為なのですぐに謝罪します。

月はそろそろ自分の存在に気付いてほしくなってきました。

速川月
「あのー・・・お取込み中すみませんがどちら様ですか?」
勇之進
「貴様っ何奴!!」
速川月
「もしかして御月家の方ですか?」

質問を質問で返されても月は冷静です。

逆に勇之進と玉姫は御月家という言葉に反応を見せました。

祖父
「何だ今の声は?大丈夫か!?」
祖母
「月ちゃん誰かいるの?」

物音を聞きつけた祖父と祖母が部屋に入ってきます。

普通なら信じられない状況ですが、祖父と祖母も月と同じようにすぐ状況を理解しました。

速川月
「どうやら父が作ったタイムマシンが15年ぶりに動いたらしい、15年前2歳だった私は覚えてないけど唯おばちゃんの長男で私の従兄の久永さんが戦国時代から時をこえて来たことがあるそうだ」

従兄の久永は御月家の初代藩主です。

久永がタイムスリップしてから時空に変動があってタイムマシンは全く動かなくなってしまいました。

15年ぶりということなので月は玉姫がおそらく久永の妹だと想像します。

玉姫
「私は緑郷御月藩六代藩主、御月定永が娘、玉と申しまする」
勇之進
「城代家老天野信昌が嫡男、天野勇之進信重にござる」

玉姫は久永の娘ではありませんでした。

しかし間違いなく久永は御月藩の初代藩主です。

どこかで時間の流れが歪んでしまったのでしょうか!?

 

 

アシガールのストーリーを上手に引き継いだ物語になっていますね。

タイムマシンを当たり前だと考えている月たちの様子が面白かったです。

戦国時代から江戸時代に舞台を移した『たまのこしいれ-アシガールEDO-』

発明オタクで天才肌の月がとんでもないことをやらかします。

時間の流れと玉姫と勇之進がタイムスリップした理由にもご注目ください。

後編

玉姫が六代藩主の娘だと知った月は玉姫から詳しい事情を聴くことにします。

速川月
「ちなみに今年は何年ですか?」
玉姫
「え・・・享保15年かと」
速川月
「てことは江戸中期で八代将軍吉宗の時代だよ、あれから百五十年たってる」
祖父
「こっちの15年にあっちじゃ百五十年過ぎたのか?」

月たちがいる世界と玉姫の世界では時間の流れが10倍違っていました。

そのため知っている事実と事情が異なっていたのです。

祖母
「えー、それじゃ唯の子孫ってこと?」
祖父
「てことは俺たちの子孫でもあるわけだ」
祖母
「まぁーでも不思議ねぇ、百五十年もたってるのに玉姫はなんとなく唯に似てるわー」
祖父
「月にも似てるな」

月は自分が玉姫と似ているとは思いません。

しかし祖母から顔の輪郭と背格好がよく似ていると言われます。

玉姫
「も・・・もしやこなた様方は・・・唯の方様のお父上とお母上で・・・?ではっ、あの話はまことであったか」
勇之進
「は・・・信じ難きことにございますが・・・」

御月家には不思議な話が語り継がれていました。

話の内容は乱世の中、御月家の危機を何度も救った唯の方様と弟君の尊様が、数百年も先の世から参られたというものです。

祖父
「ほー、ちゃんと語り継がれているのかー」
祖母
「その尊は今、奥さんと一緒にアメリカの大学へ・・・遠い所へ学問を教えに行ってるんですよ、そしてこの子は尊の一人娘の月です」
速川月
「速川月です、それはそうとお二人はどうしてこっちに来ることになったんですか?さっきはただならぬ様子でしたけど何があったんですか?」
玉姫
「・・・はい、実はさる大名家より私に縁談があったのです」

縁談が嫌になって二人は駆け落ちしたわけではありません。

玉姫の父親はとても優しく玉姫が幼い頃より勇之進を慕っていることを分かっていたので、大名家に嫁ぐことを命じませんでした。

しかし相手の大名家は将軍家に縁の深い家柄なので、縁談を断ると御月家の浮沈に関わるかもしれません。

玉姫
「父上が悩んでおられるお姿を見るのは私もつらく家臣や領民の行く末も案じられ・・・私は藩主の娘としての務めを果たさねばならぬと志喜家への輿入れを決意いたしました」

玉姫が父の定永に決意を報告すると御月家の家宝である天下唯一尊の懐剣を渡されました。

定永は家宝の懐剣が娘を守ってくれると信じたのです。

祖父
「あれにそんなたいそうな銘がついたのか・・・」

実は天下唯一尊の懐剣とは、尊が発明したタイムマシンの起動スイッチでした。

そのことを御月家の人たちは知らなかったのです。

玉姫
「されど決意はしたもののいよいよ明朝には輿入れのため城を発つと思うと眠れず庭に降り月を眺めておりました、美しい満月にご懐剣を捧げ祈ろうと思うたのです」

玉姫は満月に勇之進の幸せを祈りました。

偶然その様子を見かけた勇之進は、玉姫が自害すると勘違いしてしまったのです。

そのため勇之進と玉姫は月の部屋で大騒ぎしていました。

速川月
「ちなみに相手のその志喜家の人は玉姫の顔を知ってるんですか?」
玉姫
「え・・・?はい、一度だけ会いました、一年ほど前、志喜家御用人野口十八郎左衛門殿が城へ参られたおりに」

野口十八郎左衛門殿が城に来た時、玉姫は犬と戯れる様子を見られています。

幼さが抜けない玉姫を可愛らしいと野口十八郎左衛門殿が評価してから、すぐに縁談の話が舞い込みました。

速川月
「一年も前にちらっと会っただけなら誰かと入れ替わっても気付かれないんじゃないですか?」
玉姫
「入れ替わる・・・?そのようなこと・・・身代わりなどっ」
勇之進
「もってのほかでござる!万一そのことが露見いたしますれば大変なことにございます、御公儀より厳しい御沙汰がありましょう、御月家の存続も危うい、左様に恐ろしきことを口にされてはなりません」
玉姫
「よいのです、覚悟はできております、明朝出立致します、急ぎ城へ戻らねばなりません」

玉姫はすぐにも城へ戻りたいのですが、タイムマシンは一月後の満月の夜にならなければ稼働しません。

それでも現代の一カ月と江戸時代の一カ月は時間の流れが違うので問題はなさそうです。

月の祖父と祖母は玉姫たちに一カ月間をかけて良い解決法を考えようと提案しました。

ただし月は良い解決方法が見つかるとは思っていません。

自分の部屋に戻った月が父親にメールでこのことを報告しようとしていると、タイムマシンの上に置かれた天下唯一尊の懐剣が目に留まります。

速川月
「わー!これがタイムマシンの起動スイッチかー、実物見たかったんだよねー、どーなってんだろ、分解して内部を見たいけどそれはやっぱりマズいよねー」

刀を鞘に入れてから取り出すと、カチッというスイッチ音が鳴りました。

スイッチ音と共に月の姿が消え去ります。

一方その頃、祖父と祖母は息子の尊に状況を報告していました。

すると尊からとんでもない事実を知らされます。

通常のタイムマシンは一ヶ月後の満月の夜にしか戻れません。

しかし玉姫たちが乗ってきた二人用の2号は一晩で往復することも可能だったのです。

祖父
「それじゃやっぱり・・・月が・・・どこにもいないんだ!起動スイッチもなくなってる!」

月は享保15年にタイムスリップしてしまいました。

高校3年生の速川月は父親に似て天才肌の発明オタクですが、誰に似たのか時々とんでもないことをやらかす女の子なのです。

江戸時代で月はどんなことをやらかしてしまうのでしょうか!?

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『たまのこしいれ-アシガールEDO-』を読んだ感想

天才肌なのにおっちょこちょいな月に好感を抱きました。

タイムマシンの起動スイッチがおもちゃの剣という設定も愉快ですね。

令和の女子高生が享保15年の江戸で奮闘していく『たまのこしいれ-アシガールEDO-』

コミカルなSFファンタジー漫画に仕上がっています。

現代と江戸時代の違いに驚きながら物語の世界観をご堪能ください。

 

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