『少年のアビス』のネタバレ!感想とあらすじも書いてます!

今回は「峰浪りょう」先生の『少年のアビス』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

少年のアビス』はこんな漫画(あらすじ)

高校生の黒瀬令児は何もない田舎町で平凡な生活を送っています。

家庭の事情や幼なじみの存在が足枷となっているため、高校を卒業しても町を離れることができません。

このままただ生きていくと思っていた令児の前に1人の女性が現れます。

彼女の存在によって生きることに希望があるのか考え始め出す令児。

深淵や地の底を意味するアビスから抜け出すことはできるのでしょうか!?

人生の先に光があるのかどうかを表現していく『少年のアビス』

今回は恋愛漫画とヒューマンドラマが融合した物語の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

生きるという壮大なテーマと向き合ってみてください。

 

少年のアビス』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

高校の教室で令児がアイドルグループの動画を視聴していると進路指導の順番が回ってきました。

令児は高校を卒業すると地元で就職しようと思っています。

しかし進路指導の先生は令司の成績であれば大学進学を考えたほうが良いと言ってきました。

黒瀬令児
「オレ町を出れないんですよ」

母親と兄、祖母の4人暮らしをしている令司には町を離れられない理由があるのです。

兄は引きこもりの状態で祖母は認知症を発症しだしました。

現在は看護師の母親が仕事と家事を両立させています。

ですがこのままでは母親だけに苦労を掛けるため令司は就職を希望していました。

家庭の事情を伝えるのですが先生はこの町で就職をしても母親を楽にさせることはできないと思っています。

そのためもう1度母親と進学について相談することを勧めました。

進路指導が終ると帰宅するためバスに乗り込みます。

バスの中でもイヤホンでアイドルの動画を視聴していると、隣に座った女の子が令児の耳からイヤホンを取ってしまいました。

チャコ
「んー・・・青江ナギちゃん、マジ女神!」
黒瀬令児
「チャコおつかれー」

隣に座ったのは幼なじみで今は別の高校へ通っているチャコという女の子です。

実は令児が夢中になっている“アクリル”というアイドルグループをオススメしてきたのはチャコでした。

チャコ
「令くん無事”アクリル”にハマってくれたみたいですなー」
黒瀬令児
「すっかり沼ドボンです」

2人はバスを降りて一緒に歩きだします。

その中でチャコは自分の容姿がアイドルの青江ナギと違いすぎることに不満を言い始めました。

チャコ
「まったく前世でどんな徳をつんだら青江ナギに産まれてこれるんだろ・・・あたしは絶対前世で極悪人でしょ」

ド田舎に生まれてデブでチビな自分の前世が極悪人だと思っています。

ですが令児はチャコの現状を不幸だなどとは感じていません。

黒瀬令児
「頭いいから県1の私立の女子高行ってるし、好きなこと多くていつも楽しそうやし、東京の大学ももしかしたら行かせてもらえるかもってこないだも言ってたやん?」

ここで前を歩いていたチャコが動きを止めます。

振り返ると嬉しそうな表情で話し始めました。

チャコ
「聞いてくれる?早稲田受験していいって!東京行ける!あと1年半!絶対この町から抜け出してやるぞー!」
黒瀬令児
「やっぱチャコはオレの自慢の幼なじみだな」

幼なじみが東京へ出られるかもしれないことを令児は素直に喜んでいます。

しかしチャコは自分のことだけを考えている訳ではありません。

チャコ
「・・・令くんは?進路どうするの?」
黒瀬令児
「今日進路指導あって一応この町で就職したいって答えた」
チャコ
「令くんはさこの町出たいって思わんの?お家のこととかいろいろ事情があるのは知ってるよ、でもさ令くんの人生は令くんのものだよ」
黒瀬令児
「・・・うん、ありがとうチャコ」

2人が話していると観光客が情死ヶ淵という場所の行き方を聞いてきます。

令児は情死ヶ淵という名前を聞いたことがありません。

しかしチャコが知っていたため観光客に教えてあげました。

チャコ
「あの人たち似非森浩作の”春の棺”の聖地巡礼だよ」

似非森浩作という作家が執筆した“春の棺”という小説に神月川の上流にある情死ヶ淵という場所が出てくるのです。

しかしこの町の人間でも神月川の上手に住んでいる人しか情死ヶ淵は知られていません。

チャコはたまたま似非森浩作のファンだったため情死ヶ淵に詳しいのです。

また情死ヶ淵には川の上手に住んでいる人しか知らない民話が伝えられていました。

黒瀬令児
「民話・・・どんな話?」
チャコ
「だから情死、心中の話、江戸時代のはじめのころに山にあった集落に女の旅人がやってきたんだって、すごい美人で村の男たちはみんな彼女に恋をしてしまうの」

女性は集落に住んでいた1人の男性と相思相愛になったのですが、他の村人たちが嫉妬心から2人の恋を邪魔したそうなのです。

幸せになることができない2人は川に身を投げて心中してしまいました。

そして遺体が見つかった場所を村人たちが情死ヶ淵と名付けたそうです。

チャコから詳しい説明を聞いても令児は情死ヶ淵に関心がありません。

ですがここから令児は民話として伝えられている内容を酷似した体験をすることになるのでした。

 

 

何もない田舎町でこのまま暮らしていかなければいけない現状を、令児が諦め半分で受け入れている様子が印象的でした。

そんな令児に幼なじみとして優しい言葉を掛けてあげるチャコは素敵なキャラクターですね。

高校生の友情と恋だけでなく生きていく先に希望があるかどうかをテーマにした『少年のアビス』

全てのシーンとセリフが伏線となっている完成度の高い物語になっています。

伏線がどのように繋がっていくか注目しながら続きをご覧ください。

後編

情死ヶ淵の民話について話していると令児のスマホにメールが送信されてきました。

黒瀬令児
「チャコ、オレ行くわ」
チャコ
「・・・峰岸くん?」

メールの相手が峰岸というもう1人の幼なじみだと察したチャコは財布からお金を出してきます。

そして令児にお金を渡しました。

黒瀬令児
「え?いや・・・いいから!」
チャコ
「これはあたしが借りを返したいだけ、令くんももう十分返したでしょ?そろそろちゃんと縁切りなよ」
黒瀬令児
「・・・どうやって?チャコありがとう」

峰岸玄という男性は小学生の頃にイジメられていた令児とチャコを救ってくれた人物なのです。

しかし高校生になった現在はヤンキーになっていて、いつも令児をパシリとして扱っていました。

この日も煙草を買って来いと言われたのでコンビニへ寄ることにします。

いつもは制服のままでも煙草を売ってくれるのですが、この日は女性の店員に制服の人には売れませんと断られてしまいました。

仕方なく峰岸に電話をすると別の場所で買って来いと言われます。

黒瀬令児
「チャコは借りを返して心置きなく東京へ、俺は玄が王様になるこの町でずっと借りを・・・」

その後、帰宅すると母親が引きこもりの兄と認知症の祖母を面倒見ていました。

特に兄がわがままを言っていて、母親はぐったりしています。

令児は兄の機嫌を良くするため、好物の唐揚げを買いに行くことにしました。

コンビニへ向かうと先ほど煙草を売ってくれなかった女性店員が店から出てきます。

その後ろを男性がついていったため、気になった令児は様子を窺うことにしました。

すると女性はホームレスの男性に廃棄するお弁当を渡しています。

安心していると女性が吸っている煙草を令児に勧めてきました。

青江ナギ
「私服だから、ん?」
黒瀬令児
「あ・・・いやオレは・・・」
青江ナギ
「高校生?一服しないとやってらんないことばっかだよね」

令児が煙草をくわえると女性が火を点けてくれます。

ライターの灯りで女性の顔をはっきりと見ることができた令児だったのですが、驚いたあまり煙草を落としてしまいました。

黒瀬令児
「青江ナギ」
青江ナギ
「・・・へえ、こんな地方で私のこと知ってる人いるんだ、キミかなりのアイドルオタク?」
黒瀬令児
「嘘・・・なんでこんなとこに!?」
青江ナギ
「秘密」

目の前に立っている女性は令児とチャコが夢中になっているアイドルグループの青江ナギだったのです。

青江ナギはライターではなく煙草と煙草をくっつけて火を点けてくれました。

呆然としながら令児はチャコの言葉を思い返します。

チャコは“アクリル”の中でも特に美人だと言われる青江ナギは大注目のアイドルだと言っていました。

黒瀬令児
「その青江ナギがいる、なんでこんなド地方に?コンビニの店員やってる?アイドル煙草いいの・・・?」

いくつものクエスチョンが頭の中に浮かびます。

疑問が浮かんでいるうちに令児は慣れない煙草でむせてしまいました。

青江ナギ
「吸えないんだ、さっき買ってたのも自分用じゃなかったのね、キミおとなしそうだもんね、私のグループ知ってるくらいアイドルオタクだし」
黒瀬令児
「あ・・・アイドルは友達が詳しいんです、オレは最近そいつに教えてもらって・・・青江ナギさんがこんなとこにいるって知ったらあいつめちゃくちゃびっくりするだろうな・・・」
青江ナギ
「だからそれは秘密」
黒瀬令児
「あ・・・わ・・・分かりました」

ここで令児は買物を頼まれていたことを思い出します。

慌ててコンビニの中へ入ろうとするのですが青江ナギに呼び止められました。

青江ナギ
「ねえ・・・!一応・・・さっき見たことも秘密にしてね、ほら・・・男の人に・・・」
黒瀬令児
「ああ、ホームレスに弁当渡してたことですね」
青江ナギ
「私、初めてコンビニでアルバイトしたんだけどこんなに食べられるお弁当たくさん捨ててたんだってひいちゃったよ・・・だからあんまり罪悪感ない・・・」
黒瀬令児
「いんじゃないですか?正直うらやましいっす・・・オレも弁当買いに来たんで」

青江ナギは令児にも廃棄する弁当をプレゼントしてくれます。

その中には兄が気に入っている唐揚げもありました。

青江ナギ
「ねぇ名前教えてよ」
黒瀬令児
「令児・・・です」
青江ナギ
「令児くん今夜ヒマ?私にこの町の案内してくれない?私この町に最近来たばっかりでまだ家とこのコンビニしか往復してないの、どう?」

こうして令児は憧れているアイドルとデートすることになったのです。

しかし令児と青江ナギは情死ヶ淵の民話に出てくる男女と同じような運命を辿ることになりました。

様々な経験を積んでいくうちに2人で命を絶とうとする令児とナギ。

2人は民話と同じように心中してしまうのでしょうか!?

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2020.07.20

 

少年のアビスを読んだ感想

登場人物の感情を上手に描いた漫画だと思いました。

特に人生に希望を抱けなくなった令児と青江ナギの心理状況が印象に残りますね。

苦悩する若者たちの日常生活を表現していく『少年のアビス』

様々な人間模様が交錯していくよ見応え抜群の作品です。

令児たちの気持ちに共感しながら漫画の世界観をご堪能ください。

 

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