今回は「田中ててて 原作 玉響なつめ」先生の『転生しまして、現在は侍女でございます。』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『転生しまして、現在は侍女でございます。』はこんな漫画(あらすじ)
乙女ゲームに夢中だった平凡なOLがストーリー開始前の乙女ゲームに転生しました。
成長していくうちにこの世界が死ぬ直前までやり込んでいたゲームの世界そのままだということに気付きます。
王城の侍女ユリア・フォン・ファンディッドとして働き始めると、ただ一つだけ違うことがありました。
それは王女殿下プリメラ様がユリアに最も懐いてくれていることだったのです。
プリメラが悪役令嬢へ成長する運命を知っているユリアは、侍女としてプリメラを幸せにすると決めました。
前世の記憶と生活魔法を駆使して乙女ゲームのシナリオを変えていく『転生しまして、現在は侍女でございます。』
今回は異世界転生ラブロマンスの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
侍女の仕事をこなしながらプリメラの運命を変えようとユリアが翻弄する様子にご期待ください。
『転生しまして、現在は侍女でございます。』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
王女殿下プリメラが侍女のユリアに大好きだと笑顔で伝えています。
ユリア・フォン・ファンディッドはクーラウム王国の下流貴族、ファンディッド子爵の長女として生まれました。
そんなユリアが前世の記憶を取り戻したのは赤ん坊の頃です。
転生する前のユリアは平凡なOLで、オシャレも恋も諦めていた地味系女子でした。
地味な彼女が唯一楽しみにしていたのは女性向け乙女ゲームです。
亡くなったあとで転生したユリアは現在、王城で侍女という仕事を任されるようになっていました。
成長するうちに気付いたのですが、この世界は亡くなる直前までやり込んでいた乙女ゲームの世界そのままだったのです。
ただしゲームの中にユリアというキャラは存在しませんし、転生してもモブキャラという立ち位置は変わっていません。
それでもただ一つだけ実在のゲームとは違うことがありました。
天使のようなプリメラはユリアに一番懐いてくれているのです。
しかしこのプリメラこそが乙女ゲームの悪役令嬢へ成長する運命を背負っていました。
プリメラはヒロインの前に出現して、嫌味を言ったりミニゲームで勝負を挑んでくるライバルキャラなのです。
プリメラの母親は国王陛下のご寵愛を一身に受ける側室でした。
彼女は侍女となったばかりの幼いユリアにも良くしてくれた優しい方です。
プリメラが生まれたらユリアにも抱いてあげて欲しいとも言ってくれました。
生まれたばかりのプリメラはずっと泣き続けていて、誰もあやすことができません。
人手が足りないこともあり、幼いユリアにプリメラのお世話を任されました。
ユリアが抱くとプリメラはすぐに泣き止みます。
しかし現在もまだまだ見習い侍女のユリアには役に立てる特技がありません。
思い悩んでいる時に片付けられていない初級魔法の本を見つけました。
この世界が剣と魔法の異世界であることを思い出したユリアは、攻撃魔法を習得してプリメラを護衛できる侍女を目指すことにします。
ですが魔力の弱いユリアは強力な攻撃魔法を使うことができません。
強力な魔法は使えませんが、弱い魔力を活かす方法を思いつきました。
すぐに厨房へ向かったユリアは、水魔法で清く適量な水を作り出し炎魔法で丁寧に温めていきます。
繊細な力加減を意識しながらお茶を淹れました。
プリメラに喜んでもらえたのです。
3年後、ユリアは王女宮の筆頭侍女になる有力候補になっていました。
仕事はできるのですが無愛想で地味なユリアは社交界デビューをしていないので、周囲の男性たちから仕事が恋人だと噂されています。
ユリアが側にいることでゲーム通り、プリメラが悪役令嬢になる未来を防げるかもしれません。
このままユリアは侍女としてプリメラを幸せにできるのでしょうか!?
乙女ゲームに転生したヒロインが存在しなかったユリアというキャラになって大活躍していきますね。
魔力が弱いことを知ってもすぐに自分の存在価値を認めさせた姿には感激しました。
決められたシナリオに抗っていく『転生しまして、現在は侍女でございます。』
成長していくプリメラとユリアがどのように向き合っていくのかが見所になっています。
どんなことがあっても挫けないユリアの強さが発揮されていきますよ。
後編
王女宮の侍女となったユリアとプリメラが言い争いをしています。
うざいと言われたユリアは大きなショックを受けてしまいました。
やり込んでいた乙女ゲームの世界に転生したユリアは、悪役令嬢になるというプリメラの運命を変えるため日々奮闘しています。
それなのに姫さまのわがままと暴食は日を増すごとに酷くなっていました。
ユリアはプリメラの健康を気にかけています。
しかしプリメラに取り入りたい他の侍女はおやつを食べさせるようになっていました。
おやつを出されてもプリメラの機嫌は良くありません。
それどころかますます苛立っている様子です。
どれだけ多くの人に囲まれても王女としか見られません。
また父親の国王陛下が側室の忘れ形見であるプリメラを溺愛していることも原因になっています。
対照的に兄で王太子のアラルバートには厳しく指導するようになっていました。
国王陛下はプリメラに母親と同じように美しく成長することしか求めていません。
父親の言葉から聡明なプリメラは真意を受け止めていたのです。
他にも義理の母となる女王陛下からもプリメラは嫌味をぶつけられるようになっていました。
愛玩動物のようにただ溺愛するだけの父親、どれだけ努力しても認めようとしない母親、母親の目があり親しくできない兄上に囲まれたプリメラは愛情を感じることができません。
鬱陶しく思われていますがプリメラは今もユリアの淹れるお茶を気に入ってくれています。
そこでプリメラの健康を心配するユリアは、おやつにシフォンケーキを出すことにしました。
文句を言いながらも一口食べるとシフォンケーキを気に入ってくれます。
しかしユリアの気持ちにはまだ気づいてくれていません。
ユリアの優しさが伝わってきます。
しかし王女のプリメラはまだ素直になれません。
強がっているプリメラが怒ってしまいました。
軽率なことを言ってしまったユリアは自分を責め始めます。
もしかしたら何もしてあげられないかもしれません。
それでもユリアはプリメラを幸せにしたいのです。
何かできることがないか考えているうちにユリアは泣いてしまいました。
ユリアは赤ん坊の頃からずっと見てきたプリメラを何よりも大事だと考えています。
プリメラだけには幸せな未来を歩んでほしいのですが、自分には何もできません。
嬉しくなったプリメラも泣いてしまいました。
落ち着くとプリメラがユリアに自分のことを名前で呼んで欲しいとお願いしてきます。
社交界デビューしていないユリアは名前で呼ぶことを許されていません。
ようやくプリメラにユリアの愛情が伝わりました。
ユリアは優しくしてくれた側室さまに、姫さまが悪役令嬢のプリメラにはならなそうだと報告できそうです。
未来にはどのような困難が待っているのでしょうか!?
『転生しまして、現在は侍女でございます。』を読んだ感想
周囲の環境によってプリメラが少しずつわがままになっていきましたね。
それでも大事に思ってくれているユリアの存在に助けられたので安心しました。
ユリアとプリメラの絆を描写していく『転生しまして、現在は侍女でございます。』
深い愛情が王女の成長を支えていく素敵な物語です。
優しいストーリーに触れることで温かな気分を味わってください。
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