経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。のネタバレ！

今回は「原作 長岡マキ子　漫画 カルパッチョ野山」先生の『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』はこんな漫画(あらすじ)

高校2年生の加島龍斗(かしまりゅうと)は量産型の陰キャ男子で、今までに彼女ができたことはありません。

陰キャを自覚している龍斗なのですが学校一の美少女と言われている白河月愛(しらかわるな)に憧れています。

遠くから見ているだけで満足していたのに、罰ゲームで龍斗は白河さんに告白することになってしまいました。

付き合える可能性はゼロなのでフラれて片想いを消化させるはずだったのですが、白河さんは龍斗の告白をOKしてくれたのです。

経験値も考え方にもギャップがある2人の恋はどのように進展していくのでしょうか！？

学園ヒエラルキーの頂点に君臨する女子と、経験ゼロで陰キャな男子の恋愛模様を描いた『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』

今回はお互いのことを少しずつ知りながら距離を縮めていく素敵なラブストーリーの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

不釣り合いだと思われていた2人には意外な共通点がありますよ。

『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

龍斗が友人に囲まれている白河さんを遠くから眺めています。

「同じクラスの白河さんは学校一の美少女だ、入学当初から有名で陰キャな俺とはまるで住む世界が違う、いくら同じ空間にいても俺と彼女の距離が縮まることは永遠にない・・・と思っていたのに・・・」

陰キャの龍斗と学園ヒエラルキー頂点の白河さんに接点などありません。

そのはずだったのに目の前で白河さんがブラウスを脱ごうとしています。

龍斗は激しく動揺するのですが白河さんに動揺している様子は見られません。

「ちょ・・・ちょっと待って・・・！な、何してん・・・です？」

「何ってエッチじゃないの？」

こんな展開になるとは夢にも思っていませんでした。

高校2年生の加島龍斗はいわゆる量産型の陰キャ男子です。

生まれてから彼女ができたこともなく、友人の数も多いとは言えません。

その龍斗が憧れている白河さんにはエッチが大好きなビッチで彼氏が頻繁に替わるという噂がありました。

いつも白河さんの周りにはワンチャンを狙っている男が群がっています。

「何ってエッチじゃないの？」

「ねえ、ちょっとシャーペン貸してくんない？アンケート名前書き忘れちゃって」

「ああ・・・」

これが白河さんと初めて会話した瞬間でした。

話したことのないクラスメイトから気軽にペンを借りられる白河さんを改めて陽キャだと実感します。

「ありがと！」

たった数秒間の出来事にも関わらず、龍斗は白河さんのことが好きになりました。

しかし彼女と付き合いたいと思っているわけではありません。

このまま陰キャな日々が続くはずだったのですが、中間テストの結果が龍斗の運命を大きく変えることになります。

数少ない2人の友人と昼ご飯を食べていると中間テストの出来が最悪だったという話になりました。

龍斗はそこまで散々ではなかったのですがとりあえず話を合わせます。

すると3人の中で一番成績が良かった人は一番悪かった人の言うことを聞くという罰ゲームが決定してしまいました。

予想通り成績が一番良かった龍斗に友人が罰ゲームとして好きな人に告白しろと命令します。

陰キャの自分が告白しても惨めな思いをするだけなので告白なんかしたくありません。

それでも友人を失いたくないので龍斗は罰ゲームを受け入れる事にしました。

「確かに約束はしたし俺たちは友達だ、それにこのまま白河さんを想い続けても付き合える可能性は0、早めにフラれて報われない想いを消化させた方がいいのかもしれない」

友人からは高望みにも程があると言われたのですが、白河さんに話したいことがあると書いたメモを渡します。

こんな機会がなければ告白など一生しないかもしれません。

ため息をつきながら覚悟を決めると、駐車場に白河さんが来てくれました。

「これ合ってる？」

「は・・・はい・・・」

「ふふっ、なんでケーゴ？同じクラスなんでしょ？」

白河さんは笑顔でどんな話があるのか尋ねてきます。

可愛らしい笑顔を見ているうちに龍斗は覚悟を決めました。

「すっ・・・すすすっ・・・！す好きです！」

「え？ススキです？」

緊張しすぎて告白を噛んでしまったので改めて好きだと伝えます。

すると告白だということに気づいてくれました。

「あ・・・困ってる・・・俺のこと知らなすぎて」

白河さんはどうやって断ろうか考えているのかもしれません。

しかし想定外の質問が返ってきます。

「なんで？なんで好きなの？あたしのこと」

「・・・可愛い・・・から・・・」

「ふーん・・・じゃあ付き合おっか？今フリーだし」

想定外過ぎる白河さんの言葉が外国語のように聞こえました。

白河さんは学園ヒエラルキーの頂点に君臨している美少女です。

そんな彼女が陰キャの自分と付き合うことなど考えられません。

「ツキアウ？付き合う？付き合うって白河さんと？誰が？俺が！？ええっ！？」

「何驚いてんの？告ってきたのはそっちじゃーん！でどーすんの？あたしと付き合うの？」

頭の中を整理できていませんがとんでもなく幸運な出来事が起きていることは理解できます。

こんな幸運は二度と起こらないかもしれません。

夢を見ているのかもしれませんが答えは決まっていました。

「・・・はい」

「よーし！じゃあ一緒に帰ろっか！」

ここから経験者と未経験者の恋愛が始まることになったのです。

陽キャと陰キャのギャップをとても上手に表現していると思いました。

いつも友人に囲まれている人気者の白河さんに話しかけられただけで揺れ動いた龍斗の純粋さも素敵ですね。

異性を好きになる理由が人それぞれであることを表現した『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』

チャーミングな恋愛模様を描きながら心に突き刺さるセリフが数多く登場していきます。

真剣な恋をしてみたいと思わせてくれる2人の純愛に心を奪われてください。

後編

絶対に玉砕すると思っていた龍斗が白河さんと並んで歩いています。

「・・・なんだこれ・・・夢じゃないよな！？」

龍斗はまだ現実か夢なのか判断できていません。

緊張でガチガチになっている龍斗とは対照的に白河さんはいつもと同じ様子です。

「ねえ名前なんて読むの？クワシマ？」

「カ・・・カシマリュウト」

名前をカッコイイと褒めてくれました。

しかしまだ龍斗はこの状況をドッキリだと疑っています。

「ねーリュート、うちらって話したことあったっけ？」

「えっ！？えっと・・・いや特には・・・白河さんはその・・・なんで俺と付き合ってくれるって・・・？」

疑心暗鬼になっている理由は告白にトラウマを抱えているためでした。

中学1年生の時にとても可愛い女子と隣の席になったことがあります。

彼女はよく話しかけてくれボディータッチも多く、龍斗のことを優しいと言ってくれました。

舞い上がった龍斗は彼女への告白を決意します。

しかし良いお友達と言われてしまいました。

だから今の状況もドッキリに掛けられていると思ってしまうのです。

「・・・だって俺のこと好きじゃないだろうし、俺のこと知らなかったと思うから・・・」

「だったらこれから知って好きになればよくない？リュートだってあたしのことよく知らないじゃん？話したことないんだもんね？あたしの見た目が好きなんでしょ？」

言われてみれば遠目で眺めていただけなので白河さんのことをほとんど知りません。

耳に入っているのは嘘か本当か分からない噂話だけです。

「それにあたしリュートのことちょっと好きだよ、さっき好きって言ってくれたじゃん？だから」

「・・・え？それだけで・・・？」

「うん、あーっ！誰でも好きになるビッチだと思ってる？あたしにも好みはあるんだからね？爪の白い部分が伸びまくってる男と鼻の下に汗かいたまま放置してる男はダメ！」

ピンポイントなNGを明かしてくれた白河さんは、好きという言葉は誰に何回言われても嬉しいと言ってくれました。

確かに好きと言われることは嬉しいのかもしれません。

それでもこのまま付き合うことになったら白河さんのことをもっと好きになってしまうので、もしも明日になってやっぱりナシと言われることだけは避けたいのです。

「そのうれしさって・・・付き合おうって思うくらいのうれしさ・・・？つまり・・・白河さんの俺に対するその好きって友達でも成立するっていうか・・・ちょっと・・・薄くない・・・？」

傷つきたくない龍斗は嫌われるようなことを言ってしまいました。

ですが白河さんはこんなことで人を嫌いになるような女性ではありません。

「だから？別によくない？薄っぺらくてもいい感じじゃんって思ってもっと知りたいと思ったんでしょ？だったら付き合ってみればいーじゃん、最初は薄っぺらな好き同士でもいつか本物の好きになるくない？」

ポジティブな白河さんの言葉が龍斗の胸に突き刺さります。

ただ白河さんはこれまで本物の好きになるまで付き合えたことがありません。

「・・・なんで？」

「あたしが飽きて捨ててるんじゃないよ？逆だから！あたし付き合ってる間はめっちゃ一途だし！他の男子に告られても即断るし」

「そ・・・そうなんだ、でも白河さん彼氏がいても告白されたらうれしくなってちょっと好きになったりしない？」

「はあ？何言ってんの？好きでもない男に好きとか言われても迷惑でしかなくない？」

さっきと言っていることが違うような気がします。

ここで駅に着いた2人は同じ方向なので一緒の電車に乗って帰ることにしました。

最寄り駅が手前だった龍斗が先に降りようとすると、白河さんが家まで送ってほしいと言ってきます。

家まで送ってあげると寄っていかないと誘ってもらいました。

「さっきまで名前も知らないモブのクラスメイトだったのに・・・俺今日死ぬのかな」

遠慮しながら白河さんの家にお邪魔します。

飲み物を用意してくれている間、龍斗は白河さんの部屋で待つことになりました。

憧れていたお女子の部屋にたった一人でいるうちによからぬことをしたい衝動に駆られてしまいます。

衝動を抑えられない龍斗は引き出しを開けてしまいました。

「お待たせー、あれ？そこ開いてた？あ！ねえこれ見てー！ちょー可愛くない？この前買ったキャミ！」

「い・・・いいね」

勝手に引き出しを開けたことはバレなかったようです。

ドキドキしていると座ってお茶を飲もうと言われます。

しかし椅子が無いためどこに座ればいいのか分かりません。

ベッドに座るわけにはいかないのでワタワタしてしまいます。

「・・・あ、そういうこと？いいよ、シャワー浴びてくる？」

「えっ！？シャワー！？どういうこと！？も・・・っもしかして・・・！？」

未経験の龍斗でもシャワーを浴びることがどういうことなのか想像できました。

ですが冷静に考えてみると白河さんは極度の潔癖症なのかもしれません。

「そっか、リュートはシャワーいらない派なんだ？今日体育あったしちょっと汗臭いかもだからハズいけど・・・」

間違いなく白河さんが自分とエッチなことをしようとしていることが分かりました。

龍斗にとってこんなに嬉しいことはありません。

しかしいくら妄想盛りの龍斗でもこんな急展開は想像していませんでした。

「ちょ・・・ちょっと早すぎない？さっきまで俺の名前も知らなかったんだよね？そんな相手と白河さんはしてもいいの・・・？だってまだ俺がどんなやつかわからないわけだし・・・」

「・・・それはそれでしょうがなくない？彼氏なんだから、どうしてもムリだと思ったらその時点で別れるしかないじゃん」

白河さんはとりあえず付き合って関係を進めればいいという考え方のようです。

ですが龍斗はずっと憧れていた白河さんとの関係をしっかり段階を踏んで大事に育てたいと思っていることに気づきました。

「お、おれは二人の関係を大事にしたくて・・・白河さんは俺のかっ・・・彼女・・・なんだろ？だったらそういうことはちゃんとしたタイミングでしたいっていうか・・・」

白河さんは噂されているようなエッチが好きな女の子ではありません。

エッチが好きなのではなく彼氏に忖度してエッチさせてくれる女の子なのです。

陽キャのイケメンはすぐにエッチできたら他の子へ目移りするので、白河さんは飽きられて捨てられてしまうことが多くなっていました。

もしもここでエッチしてしまうと龍斗も元カレたちと同じになってしまうのです。

もしかしたら明日になると白河さんの気持ちが変わるかもしれないので、こんなチャンスがまた来るかは分かりません。

それでも今日エッチすることはやめました。

「俺実はさ女の子と付き合うの初めてで・・・仲がいい女友達もいないしヤラせてくれなかったら別の子に行くとかそういうことは絶対ないから、だからこれから先そういうことする時には白河さんにも俺としたいってちゃんと思ってほしいっていうか・・・義務みたいに思っててほしくないんだ」

「じゃあさもしあたしがリュートとエッチしたくなったら、その時はリュートに言えばいいってことだよね？」

「う・・・うん、そうだね・・・」

「その時ってもしかしたらうちらの関係が薄っぺらな好きじゃなくて本物の好きになってる頃かもね」

そんな日が来ることを少しだけ信じてみたいと思う龍斗だったのです。

『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』を読んだ感想

噂話に惑わされず白河さんの本質を理解しようとした龍斗がとてもかっこよかったです。

本物の好きに憧れている白河さんはピュアで可愛らしいのですが、もしかしたら不器用なのかもしれませんね。

相手の考えを尊重しあう素敵な男女の恋を綴っていく『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』

恋愛に対する考え方は少し異なりますが、根本的なところでは繋がっている龍斗と白河さんが少しずつ距離を縮めていきます。

読んでいくと初々しい恋模様を見守りたくなりますよ。

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