喰フ女のネタバレ！甘詰留太が描く猟奇的な漫画の魅力とは？

今回は「甘詰留太」先生の『喰フ女』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『喰フ女』はこんな漫画(あらすじ)

美人女医の神代真澄はとんでもない秘密を抱えながら生きています。

彼女は目的がない若者たちの間で流行している遺言バンクというサイトで、死にたい気持ちを投稿した人々を快楽のまま殺害することを趣味にしていました。

まるで甘い蜜へ吸い寄せられるように毒牙の餌食となっていく被害者たち。

今日も真澄は彼らの人生に残酷な終止符を打つことで快感を得ていくのでした。

猟奇的な殺人者を描いた『喰フ女』！

ここからは妖艶で残忍なサスペンス漫画の魅力について、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

自らの快楽を満たすサイコパスの姿に震え上がってみてください。

『喰フ女』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

ある朽ち果てた家の中で神代真澄が台所に立っています。

しかし彼女は料理を作っている訳ではありません。

彼女は殺害した人間の身体をバラバラにしているのです。

「おまたせ、やだ、汗かいちゃったわ」

台所の外で待っていた順という青年にバラバラ死体を渡すと、焼却炉で全てを灰にすることにしました。

「こんなことッ、許されないですよッ！！」

「許さない？キミが？死を？死にたがりの死を？」

「でもっ、あなたが決める事じゃないっ！」

「私が決める、決めてあげたの、さァ順、キミどうかな？生きるべきなのか・・・味見させて」

真澄は死のうとしている人間の生死を自分が決められると考えています。

そんな真澄に洗脳されているかのように、順は彼女と行動を共にしていました。

しかし彼は真澄の行動が正しいとは思っていません。

「とめなきゃ・・・あんなこともうッ」

翌日になると強い決意を秘めた順が真澄の働く病院を訪れます。

「よかった、順くんに会いたかったんだ」

病室へ入ると真澄が笑顔で出迎えてくれました。

「一年ほど神代先生に診てもらってますっ、しっしっ知ってたんですか？ボクも遺言バンクに・・・遺書を書いてたこと・・・」

「就活のストレスのせいで胃を壊してそのまま卒業、通院しながら職探し、でも新卒以外は不採用ばかり」

この状況を苦にしている順のことを真澄は死にたがりと判断しているようです。

「やっぱりボクも殺すつもりだった・・・でもいわなきゃ、勇気出していってやるんだ、この女に殺人はやめろって！」

勇気を出して殺人を止めようとする順に対して、真澄が札束を渡してきました。

「昨日の謝礼だ現金が一番だろ？無職のキミには、正直助かったのさ」

「口止め料ですかっ！」

「口止めだと？仮にキミが告発したとしてだ、誰が親身にそれを聞くというのかな？」

ここから真澄は順が社会的に無価値な存在だと説明していきます。

他人に理解されないことに苦しみ、死にたいと呟いた順だったのですが何も状況は変わりませんでした。

結果的に順を待ち受けていたのは、世間からの無視と嘲笑だったのです。

「ボクは死んだ方がいい？死・・・ぬ・・・？」

殺されることを覚悟しながら順は真澄を鋭い視線で睨みつけました。

「そうその眼、それがいい、資格をとったり人生をやり直す元手、お金いるだろ？知ってるか？人を殺すとお金がもらえるんだ、だからさ・・・次も」

こうして順は再び真澄の命令に従うことになったのです。

果たして真澄が次に狙うターゲットはどんな人物なのでしょうか！？

猟奇的なサイコパスを見事に表現した作品だと思いました。

自らの哲学を信念にしながら殺人を繰り返していく姿も印象的ですね。

人間の生きる価値を独自の基準で判断していくシリアルキラーを表現した『喰フ女』！

スリリングで妖艶なストーリーが見所となっています。

手に汗握りながら物語の続きをご覧ください。

後編

ハマーと呼ばれている男性を次のターゲットに決めた真澄は、彼と会う様子を順に見せることにしました。

真澄がハマーの部屋に到着すると、彼は暴力を振るいながら肉体関係を強要していきます。

殺人鬼の真澄は二重人格者のように従順な態度でハマーに従っていました。

「擬態しているんだ、相手の欲する姿になって近寄った餌を喰フ女だ」

翌日になると順の元に真澄からハマーの殺害を手伝ってほしいというメモが届きます。

これ以上の殺人は許せないため、順は警察に電話で相談することにしました。

しかし真澄から言われた通り警察は無職で詳しい事情を話せない順の言葉を信用してくれません。

そのため順は最終手段としてターゲットに選ばれたハマーと直接話をすることにしました。

ですが真澄の魅力に夢中なハマーも順の言葉を聞き入れてはくれません。

嫉妬心と独占欲の強いハマーは、順が真澄のことを好きなため別れさせに来たと勘違いしてしまいます。

こうして順の行動が無意味に終わる中、真澄の殺害計画が実行される時間になりました。

「誰も信じられないクズが誰にも信じてもらえなくなって、そんなクズがボクのことを見下してかかって、死ねばいい、殺されろ」

万策尽きた順もハマーが殺されても仕方ない人間だと感じてしまいます。

次の瞬間、真澄がハマーに毒物を注射しました。

強力な毒物はすぐにハマーの身体を動かなくさせます。

そしてこの状況の中、順がハマーの部屋を訪れました。

「順・・・これ毛布にくるんで車に運んで、ちゃんと来てくれて嬉しいよ、こなかったら次はキミだった」

順は真澄の言う通りにすると、指示された場所までハマーを車で運ぶことにします。

「いつかッ捕まりますよ、けっ警察だって無能じゃないんだ、いつか正義の」

ここで真澄が人間を殺す動機の一部分を説明し始めました。

「この国の福祉はこの先パンクする、必要のない人間は自然に消えてくれた方が全体の利益になる、そういう機関も生まれた、生きるべき人間かどうかは私が決める」

真澄は秘密の機関から依頼によって殺害を請け負っていたのです。

「ボクも殺される、いつか無価値と思われたら、この女が無価値と決めたら」

目的地に到着した順は怯えながら指定された家にハマーの身体を移動させていました。

すると急にハマーの身体が動き始めます。

実は脳が死んでいる状態のハマーだったのですが、身体はまだかすかに生体反応を見せていました。

「明日も当直だ、病院に戻ることを考えると・・・まったくいつも時間に追われるな、わかるだろ？順くん、この世界には生きるべきかどうかも決められない人間がワンサカいるんだ、私一人じゃ手に余る、頭をつぶしてくれ」

真澄が大きな石を手渡そうとしてきます。

この仕事を続けていくうちに、真澄は運転に運搬、そして死体の焼却を手伝ってくれる助手を探すようになっていました。

彼女は助手に自分の欲求を理解してもらうことを望んでいたのです。

もちろん順には人を殺すことなどできるはずがありません。

しかしここで真澄に逆らうことは自らの死に繋がる行動なのです。

果たして順はこのまま真澄の言いなりになってしまうのでしょうか！？

彼が大きな決断をする姿は実際に漫画を読んでお確かめください。

『喰フ女』を読んだ感想

身の毛がよだつ恐怖感が魅力的な物語ですね。

サスペンス漫画ファンだけでなくホラー漫画ファンも夢中になれる作品だと思いました。

快楽殺人鬼を描きながら、人間の生死を哲学的な観点で表現していく『喰フ女』！

異常性が感じられる漫画を探している人にオススメしたいハラハラするストーリーになっています。

緊張感が連続する展開を最後まで満喫してみてください。

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