『鬼灯の聲~昭和連続射殺事件~』のネタバレ(漫画)!

今回は「稲垣みさお」先生の『鬼灯の聲~昭和連続射殺事件~』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

鬼灯の聲~昭和連続射殺事件~』はこんな漫画(あらすじ)

昭和44年、19歳の森昭男は1ヶ月の間に4件の無差別射殺事件を起こし逮捕されました。

犯行を認め死刑を希望する森昭男。

当時、日本中を震撼させた事件の背景には壮絶な虐待があったのです。

昭男の精神を崩壊させた幼い日々の出来事とは・・・!?

実際に起きた凶悪犯罪と真正面から向き合っていく『鬼灯の聲~昭和連続射殺事件~』

今回はショッキングなサスペンス漫画の魅力について、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

事件を起こした未成年者の境遇に感情移入しながら読んでみてください。

 

鬼灯の聲~昭和連続射殺事件~』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

昭和44年、19歳の森昭男が少年鑑別所に収監されました。

昭男
「ああ・・・殺せ!早く俺を・・・死刑にしろー!」

死刑を望んでいるのですが看守たちは昭男に死なれる訳にはいきません。

そのため暴れる昭男に鎮静剤を注射して大人しくさせます。

当時、昭男が1ヶ月の間に起こした4件の無差別射殺事件は日本中を震撼させました。

テレビや新聞は連日この事件を報道していたため、日本人なら知らない人はいないほどです。

しかし昭男がなぜこのような犯行に及んだのかは動機が解明されていませんでした。

昭男
「俺は家族が憎かった」

時は昭和29年まで遡ります。

5歳の昭男は北海道網走市で8人兄弟の6番目として生活していました。

博打好きだった父親が出て行ったため、家計は母親が支えています。

働きに出る母親の代わりに家事と育児は長女のシズ子に任されていました。

シズ子
「母ちゃんのお給金だけじゃ・・・毎日苦しいわ・・・」

大家族を養えるほど母親のお給金は高くありません。

そのため森家の生活は困窮していました。

しかしまだ幼い昭男は家計が苦しいことを知りません。

この生活の中、困窮する母親の怒りが子どもたちに向けられていきます。

特に八つ当たりされたのが長女のシズ子でした。

24歳のシズ子には交際している男性がいたのですが母親は結婚を認めてくれません。

それだけでなく妊娠したシズ子に中絶を強要しました。

シズ子がいなくなると家事や育児をする人間がいなくなるため、母親は無理矢理シズ子を中絶させてしまいます。

中絶が終わると堕ろした赤ん坊を子どもたちに捨てさせました。

これで一安心した母親だったのですが、彼女の行動は逆効果となってしまいます。

シズ子
「ふふ・・・は・・・はは」

シズ子は中絶のショックから精神分裂病を発症してしまいました。

その結果、家事と育児に手が回らなくなった母親は実家がある青森に帰ることを決心します。

しかし財布の中には1万円しかなく、子ども7人分の汽車賃には足りません。

かといってこれからお金が貯まるあてもないため母親は最悪の決断を下しました。

家事をやらせる次女と赤ん坊だけを連れて実家に帰ってしまったのです。

こうして昭男は3人の兄弟たちと網走に残されてしまいました。

網走の冬は厳しく氷点下30度になることも珍しくありません。

そんな極寒の地で4人は子どもだけで生活しなければならなくなったのです。

果たしてこの過酷な状況は子どもたちにどんな影響を与えるのでしょうか!?

 

 

未成年者がなぜ凶悪な犯罪を起こしたのか、その動機には多くの人が関心を持つと思います。

貧困や虐待など動機が解明されて罪が軽くなる訳ではありませんが、犯罪を未然に防止するためには必要なのかもしれません。

社会問題について警鐘を鳴らす『鬼灯の聲~昭和連続射殺事件~』

加害者の真実を知ることによって犯罪の原因を解明していく物語です。

それでは引き続き悲惨な昭男の過去を目に焼きつけてください。

後編

昭和29年10月、森家では子ども4人だけの生活がスタートしました。

兄や姉は母親に捨てられたことを悲しむのですが、まだ5歳の昭男は捨てられたことを理解していません。

そんな中、子どもたちは生活するため働くことにしました。

15歳の姉と11歳の兄は新聞配達、8歳の兄は薪を集める仕事を始めます。

昭男
「いつもと違う、なんだろ・・・」

幼い昭男もいつもの家族とは様子が違うことに気付き始めました。

いつもは遊んでくれた兄たちはお金を稼ぐため遊んでくれません。

寂しい昭男は兄の仕事を手伝おうとするのですが、役に立たず兄たちを怒らせてしまいます。

それから1ヶ月、2ヶ月と経っていき生活はどんどん苦しくなっていきました。

昭男
「ううっ・・・寒いよ、寒いよぅ」

食べる物も無くなっていき、1日2食が限界となっていきます。

また寝小便ばかりする昭男はどんどん厄介者扱いされるようになりました。

そして2月になった頃、心まで荒んだ子どもたちはゴミ置き場から食べ物を拾うようになってしまいます。

しかしゴミだけではお腹を満たすことができません。

生活が楽にならず苦しむ中、ついに電気が止められてしまいます。

仕方なく兄は工事現場から銅線を盗んで売ることにしました。

それでも4人を養うことはできません。

昭男
「半年が経ち栄養は足らず痩せ細り皮膚も荒れていった」

ついにここで限界を迎えた兄たちに異変が起き始めます。

ある日の夜、昭男がまた寝小便をしてしまいました。

昭男
「あっ!漏らしちゃった・・・」

すると兄たちの怒りが爆発してしまいます。

役に立たないだけでなく寝小便で洗濯物を増やす昭男に兄たちの虐待が始まりました。

昭男
「やめ・・・ぐえっ、苦しい、苦しいよ・・・」

限界を超えた子どもたちはすでに正気を失っていたのです。

母親には捨てられ、兄たちからは暴力を振るわれる昭男。

この悲惨な生い立ちによって昭男の心には懐疑心と被害妄想が芽生えていきます。

家族に認められたいのですが裏切られ続ける彼は19歳になると精神を崩壊させ凶悪事件の引き金を引いてしまいました。

果たして昭男は希望通り死刑になることができるのでしょうか!?

連続殺人事件の結末は実際に漫画を読んでお確かめください。

 

鬼灯の聲~昭和連続射殺事件~はこんな人にオススメ

シリアスなサスペンス漫画を探している人にオススメの作品です。

実話に基づいたストーリーだからこそのリアリティーを感じられる漫画になっていますよ。

凶悪犯罪者の生い立ちに迫りながら事件の動機を解明していく『鬼灯の聲~昭和連続射殺事件~』

昭和の日本が抱えていた社会問題を浮き彫りにした衝撃作です。

目を背けたくなるような残酷な真実と真正面から向き合ってみてください。

 

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