今回は「落合裕介 原作 高田侑」先生の『うなぎ鬼』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『うなぎ鬼』はこんな漫画
借金で首が回らなくなった倉見勝を救い出したのは、千脇という謎に包まれた強面の男でした。
その恩に報いるため倉見は千脇の飼い犬となる決心をします。
チンピラのような仕事をしていく中で、倉見に課せられた新たな任務は60キロのコンテナを運ぶことでした。
開けてはいけないこのコンテナを運ぶことになった倉見は、ここから闇社会の本当の恐怖を知っていくことになります。
誰も知るはずのない闇社会の裏側にスポットを当てる『うなぎ鬼』。
今回はこの漫画の魅力をネタバレを含みながらご紹介していきます。
鬼気迫る戦慄のストーリーを存分にご堪能ください。
『うなぎ鬼』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
「知ってるかい?うなぎってのはタンパク質ならなんでも喰っちまうんだそうだ・・・なんでもだぜ」
不思議なセリフから始まりだすこの物語。
このセリフの意味は後ほど分かっていくことになるのでした。
本編は東京新大久保で倉見勝が道に迷っているシーンからスタートしていきます。
集金先の場所が分からなくなり、年下の先輩である富田に助けを求める電話をかける倉見。
しかし富田が電話に出ることはありませんでした。
街中をうなだれながら彷徨っていると腹の虫が鳴り始めます。
気が付くと昼飯の時間になっていて、タイミング良く彼の目の前には中華料理店がありました。
しかし仕事中なので食べる訳にはいきません。
その後の倉見がどうしたのかは分かりませんが、夕方になると事務所には彼の姿がありました。
出典:https://itunes.apple.com/
すっかり怯えあがる倉見にあきれ顔の千脇。
それを富田はパソコンをいじりながら愉快そうに眺めていました。
さらにこの後も千脇の説教は続くことになります。
彼の姿を見てたまらず富田は吹き出してしまいます。
実はこのことを仕組んだのは富田で、彼は倉見に嘘の集金先を伝えていたのでした。
それを面白がる富田に倉見は怒りを超えた憎しみの感情を持っているのです。
そもそも上司に怒鳴られたくらいで泣いてしまう倉見には、この闇社会はあまりにも不釣り合いでした。
実は借金まみれになり命を落としそうになった倉見。
その借金を肩代わりしてくれたのが千脇で、恩を返すため彼の飼い犬となったのでした。
しかし来る日も来る日もまともな取り立てすらできず、怒鳴られてばかりいる倉見。
自分はこの世界に向かないと思い始めるのですが、千脇から言い渡された新たな仕事が彼の運命を大きく変えることになるのでした。
意味深なセリフで始まり、強烈な怒号へとつながっていく『うなぎ鬼』。
裏社会を描くのにピッタリな絵のタッチが物語の恐ろしさを倍増させていますね。
ここから少しずつ冒頭のセリフの意味が明らかになっていきます。
物語の迫力を味わいながらそのセリフの意味にも注目してみてください。
少しずつ意味が分かり始めるころには、必ずこの漫画の虜になっていると思いますよ。
では引き続き鬼気迫るストーリーをご覧ください。
後編
命を救ってもらった恩に報いるため、自分なりに精一杯仕事をこなしていく倉見。
自分ではこの世界には向いていないと思っているのですが、千脇の見立ては違っていました。
どうみても不向きな倉見に千脇はその理由を説明し始めます。
自らの向き不向きを知り、その役割をこなすことが大事だと語る千脇。
少しですが倉見にもその言葉の意味が分かりかけている様子です。
千脇のこの言葉通り、翌日から倉見の改造が始まることになりました。
朝早くに電話で呼び出された倉見は、富田と共に指定された黒牟という駅に向かいます。
駅で千脇と落ち合うとそのまま彼に連れられ、薄気味悪い工場地帯に着きました。
そこで千脇から弟を紹介されると、この地区についての説明が始まります。
倉見は挨拶として千脇の弟と握手をしようとするのですが、彼の左手には親指しかありません。
ますます緊張感が高まる倉見と富田に対し、千脇が仕事の話を始めます。
この言葉通り千脇はそれ以上の質問は一切受け付けません。
彼がこの仕事に関して出した条件はたったの二つでした。
五~六十キロのコンテナを指定の場所に運ぶことと、中身は見るな、これだけだったのです。
千脇の表情からは、この条件を破ることは死を意味している、そんなメッセージが浮かび上がってきました。
この依頼を引き受けざるを得なかった倉見と富田は、工場奥にある鰻の養殖場に連れて行かれます。
そこで細かく砕かれた何かを喰ううなぎの姿を見てしまう倉見たち。
彼らが運ぶコンテナの中身は一体何なのでしょうか!?
「知ってるかい?いねぎってのはタンパク質ならなんでも喰っちまうんだそうだ・・・なんでもだぜ」
再び意味深なセリフが飛び出し、怯える倉見の表情を映しながら物語は続いていくのでした。
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『うなぎ鬼』を読んだ感想
シリアスでありながら抜群の恐怖感が魅力の漫画だと思います。
大柄ながら弱弱しい主人公と、ド迫力の千脇のバランスも素晴らしいですね。
倉見が怯える姿に感情移入できるので、物語の恐怖がより伝わってきました。
個人的にはホラー漫画よりもサスペンス漫画に近い印象を持ちましたので、サスペンスやミステリーが好きな人にもお勧めです。
ただし心臓の弱い人は覚悟を決めてから読んでくださいね。
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