今回は「東村アキコ」先生の『雪花の虎』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『雪花の虎』はこんな漫画(あらすじ)
多くの武将が権謀術数を用いて天下統一を目指した戦国時代、義を貫いて波乱の世を駆け抜けた上杉謙信は毘沙門天の化身と称されました。
上杉謙信は戦国武将の中で最強と噂されているのですが、この名将には数々の逸話や俗説が存在しています。
その俗説の中には上杉謙信が実は女性だったというものまであるのですが、今となっては確かめようがありません。
越後の虎と恐れられた上杉謙信が女性だったとしたら・・・!?
美しき女性武将が戦国の世を駆け抜ける夢物語を描写していく『雪花の虎』!
今回は斬新な設定と壮大なスケールで描かれる歴史時代劇の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
東村アキコ先生が挑む日本の歴史を覆すかもしれない物語をじっくりとお楽しみください。
『雪花の虎』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
越後の虎と称された上杉謙信は自らを武神・毘沙門天の生まれ変わりだと信じ、毘の一文字を記した旗を掲げて戦場を駆け抜けたことで知られています。
また最強の戦国武将と言われる上杉謙信は権謀術数が渦巻く戦国の世を自らの信義に従いながら生きたことで人気を集めました。
そんな上杉謙信には数多くの逸話や俗説が存在していて、中には謙信が女性だったという説があるほどです。
もちろん現在となってはこの俗説を確かめる術はありません。
しかし上杉謙信が女性だったという説には数々の根拠があるのです。
まず彼は当時の戦国武将としては珍しく、生涯を通じて独身を貫きました。
そのため上杉謙信には子孫がいません。
また彼の死因は当代記という歴史書に“大虫”であったことが記されています。
“大虫”は現代で言う婦人病の一種で、謙信は城内の厠で倒れました。
この死因と関係するように謙信は毎月10日前後に激しい腹痛を起こしたと言われていて、この症状は女性特有の月経によるものではないかと推測されているのです。
謙信女性説の根拠はこれだけではありません。
遺された甲冑のサイズから推測できる謙信の身長は約156センチなのですが、謙信は大柄だったと言い伝えられています。
これは女性としては大柄だったという意味なのかもしれません。
さらに謙信が遺した書状の筆跡や表現方法が女性的で繊細だと評価する研究者もいるほどです。
そして極めつけの根拠となるものが曹洞宗林泉寺に保管されていました。
林泉寺は謙信が幼少時代を過ごした場所で、ここには約450年前に描かれた謙信の肖像画が遺されているのです。
肖像画に描かれた謙信はヒゲがなく強面でもありません。
教科書などで多くの人が目にしたものとは別人で、ふっくらとした輪郭に真っ白い肌、スラッと伸びた鼻筋をしているのです。
これだけ数多くの根拠が存在していても、上杉謙信が女性だったという説を確かめることはできません。
しかし武田信玄や織田信長といった名将たちと群雄割拠の戦国時代を駆け抜けた上杉謙信が、本当は女性だったかもしれないという俗説には夢とロマンが満載なのです。
享禄二年(1529年)、越後にある春日山城の長尾家で上杉謙信が産声を上げようとしていました。
謙信の父である長尾為景が妻の妊娠を喜んでいます。
為景の妻・お紺は謙信を身籠った時に不思議な夢を見ました。
お紺の夢枕に美形の修行僧が現れ、お腹をしばらくの間貸してほしいと告げてきたのです。
そして翌日には修行僧の姿を借りていた毘沙門天から、現世に現れるためお紺のお腹を借りたいと言われました。
この夢の話を聞いた為景は大喜びしながらお紺のお腹をさすります。
上杉謙信は生まれる前から毘沙門天の生まれ変わりだと信じられていました。
為景が妻の妊娠をここまで大喜びしたことには理由があります。
当時、為景には長男と長女がいたのですが、長男の晴景は身体が弱く大将の器ではありませんでした。
そのため為景は毘沙門天の夢を見たお紺の妊娠に過度な期待を寄せていたのです。
複雑なお家事情が存在する長尾家で今にも誕生しようとしている謙信は本当に毘沙門天の生まれ変わりなのでしょうか!?
上杉謙信が女性だったらという斬新な設定がとてもお気に入りでした。
日本人なら誰もが知っている猛将が本当に女性だったとしたら夢とロマンがありますね。
様々な根拠を交えながら日本史に新説を吹き込んでいく『雪花の虎』!
歴史が好きな人でもそうでない人でも楽しめる痛快なストーリーになっています。
引き続き新たな目線で歴史と向き合って行ってください。
後編
為景が跡取りとなる息子の誕生を期待している頃、越後の情勢は不安定で内乱が絶えませんでした。
日夜、合戦に明け暮れている長尾家にとって生まれてくる子供は男でないといけないのです。
また毘沙門天の化身として戦場を駆け抜ける強い男でなければなりません。
享禄三年一月、父親の期待を背負わされた上杉謙信が誕生しました。
しかし期待通りとはいきません。
出産に立ち会った従者から為景に告げられたのは赤ん坊が女の子だったという衝撃の事実でした。
為景は男が生まれてくると信じ切っていたため女の子の名前など考えていません。
怒りが収まらない為景は出産を済ませたばかりのお紺を怒鳴りつけます。
興奮する為景に乳母が赤ん坊の姿を見せると、女の子とは思えないほど大きな身体をしていました。
赤ん坊は骨が太く足も大きくとても女の子とは思えません。
その姿を見た為景は仕方なく部屋を出て行きます。
すると謙信の姉に当たる綾が赤ん坊の性別を尋ねてきました。
為景は女の子だと答えながら綾の身体をじーっと見つめていきます。
綾は生まれた頃から小さな身体で、今もさほど大きくはありません。
その姿を見た為景は急いでお紺の元へ向かいます。
為景は身体の大きな赤子を姫武将として育てることを決心しました。
戦国時代、当主の権限は絶対だったため誰もこの決定に逆らうことはできません。
こうして虎千代は女性でありながら武将になるための武道と学問を叩きこまれることになったのです。
長尾家の居城である春日山城は現在の新潟県上越市にある春日山の山頂に築かれました。
春日山城は複雑な自然の地形を巧みに利用した難攻不落な山城です。
虎千代はこの自然豊かな春日山を遊び場としながらのびのびと育っていきました。
7年後、為景が剣術を教えるため虎千代を探し回っています。
すると外から虎千代の声が聞こえてきました。
まるで男の子のようにたくましく成長した虎千代はウサギを捕獲しています。
記録によると幼少時代の上杉謙信は手の付けられない腕白で、刀と弓矢で同年代の子供を打ち負かしていました。
7歳の長尾虎千代は男として育てられていき、戦の才能をどんどん開花させていきます。
このような日々が後に越後の虎と恐れられた上杉謙信を誕生させることになるのでした。
そして成長した謙信は宿命のライバルである武田信玄や、戦国の風雲児と言われた織田信長などと幾多の名勝負を繰り返していくことになるのです。
越後の虎という異名で戦国時代を駆け抜けた上杉謙信。
ここから先は物語を読んでいきながら謙信が女性だったかどうかご自身の目で見極めてみてください。
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『雪花の虎』はこんな人にオススメ
歴史時代劇とヒューマンドラマが好きな人にオススメしたい作品になっています。
この物語は単純に歴史ををテーマにしただけではありません。
上杉謙信が女性だったという目新しい視点と、東村アキコ先生らしいユーモアがふんだんに散りばめられた物語になっています。
戦国時代にタイムスリップしたような感覚と、猛将が女性だったかもしれないというロマンが味わえる『雪花の虎』!
性別に関係なく楽しめる傑作漫画です。
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