今回は「作 リチャード・ウー 画 コウノコウジ」先生の『クロコーチ』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『クロコーチ』はこんな漫画(あらすじ)
黒河内圭太警部補は警察官でありながら政治家や実業家の醜聞を握ることで、莫大な権力と報酬を得てきました。
県警の闇と呼ばれている黒河内なのですが、汚れているのは彼だけではないので上層部は解雇することができません。
そんな黒河内にとどめを刺すため管理官の清家が抜擢されました。
表向きでは黒河内の相棒となった清家なのですが、実は容易に尻尾を掴ませない黒河内の内偵を始めていきます。
しかし怪物と恐れられる黒河内は巨悪を裁こうとしていました。
誰も手を出せない凶悪な犯人を断罪していく『クロコーチ』！
今回は警察の裏側にスポットを当てたダークミステリー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
目的のために手段を選ばない黒河内に様々な人間が振り回されていきますよ。
『クロコーチ』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
与党県議会議員団代表の郷田文吾が愛人を殺害しました。
困り果てた郷田は黒河内圭太警部補を頼ることにします。
犯行現場の様子から郷田が人を殺したことがないのは明らかでした。
郷田は後始末を黒河内に任せて現場から立ち去ろうとします。
県警の怪物と呼ばれている黒河内がタダで手を汚すわけがありません。
当然のように報酬を受け取ると偽装工作を始めます。
翌日になると警察の捜査が行われ、死亡推定時刻が深夜1時であることと死因が撲殺だということが判明しました。
現場には清家管理官も到着します。
部屋の中が派手に物色されているので物盗りの可能性が高いのですが、被害者は性交の直後でした。
犯人に強姦された可能性もありますが、解剖の結果を待たなければ分かりません。
被害者の名前は赤松里奈で桜町のクラブ”グロリア”のホステスでした。
まだ県警に赴任してきたばかりの清家は知りませんでしたが、グロリアは政治家やお偉いさんが通う高級店です。
そして被害者が倒れていた床から与党県議会議員団代表を務める郷田文吾とツーショットのプリクラが発見されました。
ここで鑑識の捜査が終わったので清家たちが現場へ入ろうとします。
勝手に入ろうとした黒河内の身体を押さえました。
するとにやけながら警察手帳を見せてきます。
しらばっくれた様子の黒河内は里奈を訪ねて来たわけではありません。
まだ偽装工作は終わっていないのです。
ズカズカと土足のまま現場には行って行きました。
そのまま寝室へ向かいます。
現場から金庫はまだ見つかっていません。
しかし黒河内は金庫の場所を知っているので本棚の隠し扉を開けます。
金庫の鍵はかかっていません。
黒河内が金庫を開けると推定1億円の現金が盗まれていました。
黒河内の誘導によって捜査員は強盗であることを確信してしまいます。
ですが黒河内の偽装工作はまだ完了していません。
事件を強盗だと思わせるだけでなく、郷田の完璧なアリバイも用意していました。
県警の闇と呼ばれる黒河内の悪事はいつまで続けられるのでしょうか！？
いかに警察が優秀でも内部に裏切者がいると捜査はなかなか進展しないものですね。
黒河内のようなずる賢い人間が裏切者なら尚更かもしれません。
金と欲にまみれたダークヒーローの活躍を描いた『クロコーチ』！
極悪非道に見える黒河内ですが彼には彼なりの目的があります。
誰が正義か悪なのか分からないところがこの作品の魅力になっていますよ。
後編
県警本部に戻った清家は五島管理官から赴任早々面倒な事件に当たったと言われます。
特に黒河内が絡んでいることを心配されました。
五島管理官によると黒河内は県警の闇であり怪物なのだそうです。
二課は政治家の弱みを握れば巨大な権力を持てる特殊な部署で、黒河内ほど権力者の醜聞を握る人物はいません。
そこまで分かっているのに解雇着ない理由は、汚いのが黒河内一人だけではないためです。
話を聞き終えた清家は本部長室に呼び出されました。
アリバイがあっても郷田は最重要参考人と考えられています。
しかし政治家から無用な怒りを買うことは避けなければなりません。
そこで彼らに通じた黒河内が必要なのです。
ただ本部長は今回の事件に関して黒河内が疑惑の中心にいると考えていました。
清家に黒河内とコンビを組ませる目的は内偵を進めるためなのです。
ずる賢い黒河内は容易に尻尾を掴ませません。
とどめを刺すには赴任したばかりの清家が適任なのです。
高級ホテルに宿泊していたことだけでなく、清家は黒河内が高級車に乗っていることにも驚かされました。
警部補の給料では購入できない高級車は貰ったそうです。
悪びれる様子のない黒河内は政治の話を始めました。
今度の県知事選は県警のトップを決めることも意味しています。
下馬評では現職が優位ですが、田宮の出馬によっては状況が変わるかもしれません。
黒河内は郷田のもとへ行く前に県会議員の橋本と会うことにします。
橋本は郷田と同じように沢渡知事と近い政治家で、黒河内は橋本の醜聞も握っていました。
意味深な言葉を伝えてから車に戻ります。
黒河内が橋本から渡された紙袋には札束が入っていました。
悪びれることのない黒河内が次に向かったのは畑山代議士の事務所です。
畑山は収賄という弱みを握られていて、時効になるまでの5年間毎月寄付金と呼んでいる賄賂を払っていました。
清廉潔白な田宮が知事になると黒河内の立場が危うくなるので、畑山は自分に出馬しないよう要請してほしいというのが黒河内の狙いだと察します。
怒った畑山は逆に出馬要請すると断言しました。
駐車場に戻ると清家の怒りが爆発します。
毒を以て毒を制す手段で黒河内は沢渡県知事を追い詰めようとしていました。
黒河内がにらむ通り沢渡は殺人事件の犯人なのでしょうか・・・！？
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『クロコーチ』を読んだ感想
清家の前で堂々と不正を行う黒河内の狙いは未解決凶悪事件の真相を暴くことだったんですね。
一家惨殺事件の犯人が現職の知事かもしれないという展開には驚かされました。
事件解決のためなら手段を選ばないダークヒーローが魅力的な『クロコーチ』！
凶悪犯を断罪するため怪物になった警部補の巧妙なやり口は予測不能ですよ。
幾重にも罠を張り巡らせながら犯人を追い詰めるストーリーは読んでいくうちにワクワクが止まらなくなりますね。
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