自殺島のネタバレと感想!森恒二が描く衝撃作の内容とは?

今回は「森恒二」先生の『自殺島』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

『自殺島』はこんな漫画

年間50万人の自殺未遂者と2万人を超える自殺者が日本には存在しています(2017年9月現在)。

『自殺島』はそんな自殺未遂者に焦点を当てながら、命の尊さを訴えかけるヒューマンドラマです。

物語の中で生きる義務を放棄したと定義される自殺未遂者たち。

そんな彼らが送られる島が『自殺島』だったのです。

何をしても自由なこの島で未遂者を待っていたものは、究極のサバイバルと完全な自己責任による地獄絵図でした。

一度は自らの命を絶とうとした彼らは、どのように生き残っていくのでしょうか?

今回は命の重みを考えさせられる『自殺島』の魅力をネタバレを含みながらご紹介していきます。

衝撃的な話題作を是非この機会にお楽しみください。

『自殺島』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

インターネットの中である噂が話題になっていました。

それは年々増えている自殺者に対し国がある対策を講じたというもので、その過激さが賛否両論を巻き起こしています。

その対策は自殺未遂者にかかる医療費などを負担することを中止し、彼らを島流しにして隔離してしまうというものでした。

この噂がネット上で拡散している頃、物語の主人公・セイは薬の多量接種とリストカットで病院に運び込まれます。

セイの自殺未遂は何度も行われているため、すでに国から常習指定を受けていました。

そのため医者からある提案をされることになります。

医者の提案は生きる義務を果たさない者はその権利を放棄しなさいというものでした。

セイはこれを安楽死の提案だと勘違いし、書類にサインをしてしまいます。

その後、安心しきった様子で眠りについていくセイ。

セイ
「やっとやめられる・・・それが卑怯でも弱虫でもどうでもいい、僕はただやめたいだけなんだ、自分も社会も生活も家族も肉体も欲望も、もうすべてから自由になりたい」

穏やかに意識を失っていったセイだったのですが、どこか遠くの方から波の音が聞こえてきました。

セイ
「音・・・?熱い・・・日差しがこんな・・・何でこんなに・・・」

波の音と日差しの音で目を覚ましたセイ。

セイ
「どうして!?死んでない!?死んでないぞ、なんだここは!?なんなんだここは!?」

病院で意識を失いそのまま死ねると思っていたセイだったのですが、彼はそう簡単に死ぬことは出来ませんでした。

そしてここからセイは命の本当の重みを知らされることになっていきます。

何度も自らの命を捨てようとした彼が、強制的に送還された場所で向き合う命の意味とはどういったものなのでしょうか!?

簡単に死ねると思っていた主人公のセイ。

しかし彼が行きついた場所では、死に対する本当の恐怖をまざまざと思い知らされることになります。

『自殺島』の魅力は残酷で過酷なストーリーの中に、命の大切さを教えるという絶対的なテーマが存在していることなんです。

タイトルが衝撃的なため勘違いする読者もいるようですが、この漫画は決して自殺や自殺未遂を推奨するものではありません。

それでは命の尊さに注目しながら物語の続きをお楽しみください。

後編

絶海の孤島で目を覚ましたセイは、周囲に自分と同じような境遇の人たちがいることに気が付きます。

セイ
「人がどうでもここがどこでもすべき事は一つだろう?でもどうやって・・・」

まだ自殺することに固執しているセイ。

するとある看板を見つけたため周囲の人がざわめきだしました。

その看板には日本国政府の見解として以下のようなことが書かれていたのです。

1、あなた方は生きる権利と義務を放棄して本島にいます

2、あなた方のIDは我が国では死亡という形で消滅しております

3、あなた方は我が国における義務や権利を遵守する必要はありません

4、あなた方は本島及び周囲1km以内の海域において自由です

5、あなた方は本島から周辺海域に侵入することはできません

これらの注意事項をすぐには信じることが出来ない人たち。

セイも彼らと一緒だったのですが、すぐにこれが現実だと受け入れざるを得ない事態が起こってしまいます。

混乱する人たちがざわめく中、突然頭上から大きな音が聞こえてきました。

音の方を見てみると崖の上から飛び降りてくる人の姿を見つけます。

次々と崖から身を投げる人を見て、この島が噂の『自殺島』ということを認識し始める未遂者たち。

セイ
「やる事は一つだって・・・?眠りながら死のうなんてぬるい・・・」

大混乱する未遂者たちだったのですが、一人の青年が彼らの動揺を鎮めようとします。

リョウ
「待て!ちょっと待て!!落ち着け!なっ!?ちょっと落ち着こう!!」

リョウと名乗る彼は他の未遂者と違い、どこか冷静で前向きな表情をしていました。

果たして彼の存在は混乱する事態を収束させるものになるのでしょうか!?

そして命を捨てようとした者たちが生き残るために取った選択とは!?

様々な伏線が広がりスピード感が加速していく『自殺島』

物語の顛末は是非ご自身の目で確かめてくださいね。

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『自殺島』を読んだ感想

衝撃的な内容なのですが目を離してはいけない大切なことが描かれていると思いました。

現代社会で問題になっている自殺に対して、ここまで多角的で変則的に向き合った漫画はあまりないと思います。

この強烈なオリジナリティーには作者の強い思い入れと独特な個性を感じますね。

多くの漫画ファンが出会ったことのない新鮮さを味わえる『自殺島』

きっとあなたの心にも響くものがあると思いますよ。

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