『立ち飲みご令嬢』のネタバレ(漫画)!試し読み情報も!

今回は「松本明澄」先生の『立ち飲みご令嬢』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『立ち飲みご令嬢』はこんな漫画(あらすじ)

神乃美子(カミノミコ)はミシュラン店オーナーを父に持つ美食家のご令嬢です。

幼少期から美食の英才教育を受けてきた美子は、来る日も来る日も美食を採点してきました。

その結果、周囲から怖れられるようになってしまったので、気楽に食事を楽しむことにします。

悩んだ美子がふらりと足を運んだのが立ち飲み屋だったのです。

立ち飲み屋のメニューはご令嬢の舌を満足させられるのでしょうか!?

ポテトサラダなどの絶品グルメが次々と登場する『立ち飲みご令嬢』

今回はキュートなヒロインが魅力的なグルメ漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

お好みの立ち飲みグルメを探しながら作品の世界観をお楽しみください。

 

『立ち飲みご令嬢』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

立ち飲み屋のお客たちがざわざわしています。

その理由は優雅で気品がある女性が1人で飲んでいるためでした。

場違いと思える女性の存在が立ち飲み屋を騒然とさせています。

なぜこの女性が立ち飲み屋にいるのか誰にも分かりません。

その女性が追加の生ビールを注文しました。

神乃美子
「いかん・・・緊張して顔がこわばってしまった、何しろ立ち飲み屋に目覚めたのは最近だからな・・・普段の私は・・・」

店員を怯えさせてしまった神乃美子は、ミシュラン店オーナーを父に持つ美食家令嬢です。

普段の美子は美食コンテストで食の採点を任されています。

一流の料理人がコンテストに参加しているのですが、美子を満足させることはなかなかできません。

神乃美子
「せっかくの美しい食器なのにこんな料理を盛るなんて・・・皿が泣いているぞ」

肉料理をバサバサだと指摘し、水っぽいコンソメスープに激怒します。

このように手厳しい美子は氷の味覚女王と呼ばれるようになっていました。

しかし厳しい評価は美子の本心ではありません。

神乃美子
「また強く言いすぎちゃったー、だってなんか厳しいこと言わなきゃいけない空気なんだもん」

コンテスト会場を出ると美子が泣き出しました。

幼少期から食の英才教育を受けてきた美子は、来る日も来る日も食の採点をしてきたのです。

厳しい採点を求められた結果、氷の味覚女王として周囲から恐れられるようになりました。

神乃美子
「でも本当は思ってた・・・いい食材使ってるし、料理人さん達は真面目だしもう十分だよって・・・」

本心では料理を褒めたいのですが、立場的に何か文句を言わなければなりません。

こんな生活に嫌気がさした美子は食レポをやめることにしました。

もっと気楽に食事したくなった美子は居酒屋へ足を運びます。

しかしふらりと入った店は立ち飲み屋でした。

神乃美子
「そこで私は気付いた、ここには私を知る人は誰もいない!自由だ・・・!ただ・・・入る瞬間の博打感さえこえればな・・・」

立ち飲み屋の暖簾をくぐる時、アウェイでないことや騒がしい人がいないことを祈らなければなりません。

そして飲み慣れている雰囲気を醸し出しながら生ビールをいただきます。

すると店員が注文を取りに来ました。

神乃美子
「早・・・まるで客に考える隙を与えないセールスマンじゃないか、さすが回転率の高い立ち飲み屋・・・これがとりあえず生の所以か・・・」

まだ美子は注文を決めるどころかメニューを見れていません。

その理由はこの店のメニューが店内の至る所に貼ってあるためです。

メニューを見るためには周囲をキョロキョロしなければいけません。

キョロキョロしていると誰かと目が合ってしまうかもしれないのです。

神乃美子
「誰かと目が合ったらどうする?ニコッとかやるのか?無理だ・・・っ、そんな
立ち飲み上級者みたいなことできない、フレンドリーは私の対義語だぞ」

突き出しとビールで粘っていた美子は、内装を観察する人のフリをしながらメニューをチェックすることにしました。

その姿はまるでオーナーが抜き打ちでチェックしているようになっています。

周囲の視線を気にせず短冊に書かれたメニューをチェックしていると、手書き感溢れるメニューこそ
立ち飲み屋の醍醐味だということが分かってきました。

神乃美子
「モツ煮込みは店ごとに個性が出る、今日のおすすめはナマコか、ビールだから揚げ物も良いし・・・でもまずは・・・ポテトサラダ」

立ち飲み屋のポテトサラダはいったいどのような味に仕上がっているのでしょうか!?

 

 

美食を評価する令嬢として厳しい態度を取らなければならない美子の苦悩がヒシヒシと伝わってきました。

周囲のお客から怪しまれないように振舞っていても、場違いな様子に困惑されている姿も不憫ですね。

庶民のグルメに満足する美女の食生活をテーマにした『立ち飲みご令嬢』

居酒屋に行きたいと思わせてくれるグルメ漫画です。

美子が楽しむ立ち飲み屋メニューを献立の参考にしてみてください。

後編

注文したポテトサラダが美子の元へ運ばれてきました。

ポテトサラダを美子は味も好みも千差万別な料理だと思っています。

ほくほく系やねっとり系、創作系がある中で美子が出会うのはゴリゴリの創作系が多くなっていました。

神乃美子
「こういうのは普通でいい、とはいえサッと出る一品に力が入っていると他も期待できる」

頼んだポテトサラダはビールに良く合う素晴らしい完成度です。

喜びを最大限に開放したいのですが、周囲の視線が気になるので我慢することにします。

神乃美子
「これだ・・・こういうのでいいんだ、そう・・・この味は・・・家庭の味だ、でも私の家じゃない」

幼いころに友達の家で食べたポテトサラダの味が思い出されてきました。

馴染み深い定番料理も自分の家以外で食べると想像を覆されます。

神乃美子
「なるほどカニカマ入りか、一般的にはベーコンやハムなど肉系が混ざってるイメージだがこれは海鮮風味だな」

今でこそポテトサラダは庶民的な料理ですが昔は高級料理でした。

日本でポテトサラダが考案されたのは帝国ホテルで、その後に一般家庭で浸透されたといわれています。

発祥は北方の伝統料理なのですが現在のスタイルとは少し異なっています。

色々と形を変えながら様々なポテトサラダが生まれました。

神乃美子
「ちなみに日本で最初のマヨネーズはポテトサラダをきっかけに誕生したぞ、あとじゃがいもと和える時は40℃くらいがベストだ」

あまりにも美味しかったので蘊蓄を独り言で喋ってしまいました。

気を取り直しながらビールを飲んでいるとナマコ酢が運ばれてきます。

神乃美子
「いつ会ってもグロテスク、だがお前が良い奴だと私は知っている、ナマコ好きの好きは懐が深いと思う」

ナマコは捌く時にお腹を開いて内臓を出すのですが、この内臓は珍味のコノワタなので大事に取っておかなければなりません。

スライスした身はほうじ茶で洗ってからお好みの味付けでナマコ酢が完成します。

しかしナマコの調理は簡単ではありません。

神乃美子
「攻撃こそ仕掛けてこないが包丁で触れると向こうも殺られまいと身に力が入る、
さながら気分は人体解剖だ・・・なので調理して出てきてくれるとありがたい」

柚子皮の香りとコリコリの食感を楽しんでいるうちに日本酒が飲みたくなってきました。

ナマコを初めて食べてくれた先祖に感謝していると、隣のお客が話しかけてくれました。

美子には赤の他人がご挨拶も無しに声をかけてくることが信じられません。

ですが周囲を見回すと一人飲みが多い中、客同士が会話を楽しんでいて店内に
一体感が生まれています。

それでも美子はフレンドリーに話し返すことができません。

しかし気軽に話しかけて貰えたのは久しぶりです。

神乃美子
「あ、あの・・・乾杯あそばせ!」

少し馴れ馴れしいと思ったのですが、店内のお客は美子と乾杯してくれました。

美子が常連の三ツ星レストランや老舗料亭では洗練された料理が楽しめます。

ですが本当の美食とは安価で美味しく、性別や社会的立場に関係なく楽しめるものでなければいけません。

立ち飲み屋は平等で真の美食を楽しめる場所なのです。

神乃美子
「だからつい来たくなってしまうんだな・・・」

どうして人々が立ち飲み屋に足を運ぶのか理解することができました。

しかしここで他のお客に美子の正体がバレそうになってしまいます。

焦った美子はすぐに勘定を済ませてから店を出ていきました。

神乃美子
「私としたことが一応顔の割れなそうな場所を選んで来たというのに、改良の余地ありか?しかも2千ベロを自分に課しているのにオーバーしてしまった」

2千円でベロベロに酔いたいと思っていたのですが、この日は予算をオーバーしてしまいました。

立ち飲み屋に行く目的の1つにはサクッと飲んでいかに満足できるかを楽しむことがあります。

神乃美子
「ま・・・でも今宵も良い酒だ」

2軒目に向かう美子だったのでした。

 

『立ち飲みご令嬢』を読んだ感想

セレブのご令嬢が立ち飲み屋にハマるという設定がユニークですね。

絵も上手なのでとても読みやすい漫画だと感じました。

平等に楽しめるものこそが美食であることを提唱する『立ち飲みご令嬢』

美味しそうな立ち飲み屋グルメが次々と紹介されています。

是非お酒を味わいながらこの漫画を楽しんでみてください。

 

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