ノイズ【noise】のネタバレ！試し読み情報もお伝えします！

今回は「筒井哲也」先生の『ノイズ【noise】』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『ノイズ【noise】』はこんな漫画(あらすじ)

名古屋から車で2時間ほどの場所にある猪狩町。

豊かな田園風景が広がるこの田舎町は、かねてから少子高齢化の波に巻き込まれ過疎化に苦しんできました。

そんな限界集落となっていた猪狩町を救ったのは、地域の名産品となった黒イチジクだったのです。

この黒イチジクを栽培する泉圭太の農園に、鈴木睦雄と名乗る怪しい男性が現れました。

名前を偽るこの男の正体は、14年前に女子大生をストーカーしたあげく殺害した元受刑者だったのです。

平穏な田舎町に彼が現れたことで波紋が広がっていく様子を描いた『ノイズ【noise】』

今回はこのミステリアスな漫画の魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

数々の名作サスペンス漫画を生み出している人気作者の渾身作をじっくりとご堪能ください。

『ノイズ【noise】』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

鈴木睦雄が猪狩町に姿を現してから数日が経った頃、泉圭太は強い後悔の念を抱いていました。

圭太

「ああいう人間てのは本当にいるんだな、人の物を奪う、嘘をつく、邪魔なら殺す、そういうことに全くためらいがない、昆虫のような人間だ」

物語はここで鈴木睦雄が猪狩町にやって来た日までさかのぼります。

この日の猪狩町にはテレビ局のクルーが取材にやって来ていました。

長い間、高齢化と過疎化に苦しんできた猪狩町。

しかし圭太の農園で栽培する黒イチジクが名産品となり、現在の猪狩町は活況を取り戻していたのです。

テレビ局はこのニュースを報道するため、圭太に取材をしに来ていました。

「もともとはフランスで栽培されていた品種のイチジクを種苗から買い付けて、日本の気候に合うように改良したんです」

取材に対して黒イチジクを栽培し始めた経緯を説明する圭太。

この黒イチジクは3年前、猪狩町のふるさと納税返礼品に指定されました。

それを知った人気動画配信サイトの配信者が、この黒イチジクを動画で紹介したことにより全国的な人気を集めるようになったのです。

猪狩町はこのふるさと納税で潤ったため、町役場を回収し終えたばかりでした。

活況に沸く町の助役は、この勢いで新しく図書館を建てることも計画しています。

ですが好景気を生み出した立役者の圭太は、この計画に反対していました。

その圭太はテレビ局の取材が終わると、農園で友人の田辺純と力仕事をしています。

「いいぞ純、投げてくれ、おしっ、こんなもんか、純、試しに乗ってみてくれ」

大きな木にブランコを取り付けた圭太。

「えっ俺、俺じゃ重過ぎるわ、90kg近くあるぞ」

「90kgて・・・お前そんなデブだったっけ」

「アホか、柔道で鍛えた筋肉だ、おっ、でも何とかいけるわ」

二人はこの町に住む子どもたちに喜んでもらうため、このブランコを農園に作っていました。

図書館よりも子どもたちの為に学校の建て直しを優先させるべきだと考える圭太と純。

しかし町の財政を一手に引き受けているのは助役のため、小学校や病院の建て替えは進んでいなかったのです。

「ほんでもウチのイチジクが売れてくれれば問題ねぇわ、小学校の建て直しも遠い話じゃないだろ」

黒イチジクの売り上げを更に伸ばしていき、限界集落からの脱却を目指していました。

そんな会話をしていると圭太が見知らぬ人間の存在に気がつきます。

「どうした？」

「販売所んとこに誰かおる、ここの人間じゃねえな」

農園の中に無人で黒イチジクを販売する場所を設けている圭太。

多くの町民が利用してくれているこの販売所に、見たこともない男性が立っていました。

男性は貪るように黒イチジクを食べています。

「1個300円、高くね？おおっすっげ、律儀に金払ってるバカがいる」

「あのすんません、ここの農園やってる者ですがウチに何かご用ですか」

「ははっこりゃどーも！求人のチラシ見て来ました、鈴木睦雄っていいます」

笑顔で挨拶をする鈴木睦雄に対して、圭太の脇にいた純の表情が曇っていました。

果たして圭太の表情が意味するものとは一体どのようなものなのでしょうか！？

限界集落からの脱却を図ろうと奮闘している泉圭太。

そんな彼の元へ鈴木睦雄がやって来たことで、猪狩町に暗雲が立ち込め始めます。

1人の不穏分子によって巻き起こる残酷な運命を描いていく『ノイズ【noise】』！

ここから少しずつ鈴木の正体が明かされていくことになります。

笑顔の裏に隠された残虐性に注目しながら続きをご覧ください。

後編

鈴木の自己紹介を受けた純は「ムツオ」という名前に聞き覚えがあるようです。

そんなこととは知らず猪狩町にやって来た理由を説明していく鈴木。

「名古屋に長いこと住んでたもんで田舎暮らしに憧れてたんスよ、こういう無人販売所とか面白いっスね！割とカルチャーショックっスわ」

「タダで配ってるわけじゃないんで、お金入れてもらえましたか？」

「あっはい、もちろん入れたっスよ」

お金を入れていない鈴木と、それを疑う圭太の間に不穏な空気が流れ始めます。

実はこの販売所に置かれた料金箱は圭太の娘が手作りしたもので、お金を入れると中の鈴が鳴る仕組みになっていました。

「鈴の音、聞こえなかったもんで」

「は？たまたま鳴んなかっただけっしょ、いやいやカンベンして下さいよ、俺ちゃんと金払ったのに」

笑いながら筋肉を見せ始め、力仕事なら慣れていると言う鈴木。

その体を圭太が無言のまま観察しています。

「注射痕、指の欠損はなし、見える範囲では刺青も入っていない、やくざ者じゃなさそうだが、何だろうな、この得体の知れない雰囲気は」

念のため身分証を見せてもらうことにする圭太。

鈴木は快く免許証を見せてきました。

さすがに偽造ではないと思い、圭太は一安心します。

「あっとそういや俺、お土産持ってきたんスよ、これ鹿のビーフジャーキーっス」

「鹿・・・ですか」

「ん？鹿だからビーフじゃねえか、何て言うんスかね、鹿肉って」

二人の会話を聞きながら純はスマホで鈴木睦雄を検索していました。

そのことを悟ったように圭太が会話を伸ばし始めます。

「鈴木さん、俺ら冬の間は猟師やってるんで鹿肉もよく食べるんですよ」

「はあ、そっスか」

「これだけ血合いが悪いと干し肉としても食べない方がいいと思います、これ本当は何の肉ですか」

「別にどうでもいいっしょそんな話、それより仕事の件どうなんスか？」

ピリッとした緊張感に包まれていきます。

すると二人の会話に純が割って入りました。

「venisonですね、鹿肉の英語読みです、圭太知ってたか？」

鈴木に話しかけながらスマホを圭太に向けてかざします。

そこには「刺激しないように追い返せ、後で話がある」というメッセージが入力されていました。

圭太はこの指示に従い、後日連絡すると言いひとまず鈴木を追い返します。

その後、圭太と純は場所を変えて鈴木について話すことにしました。

「で・・・話って何だ？純」

「ああ、ムツオって名前に聞き覚えがあった、今から14年前、名古屋で起きた女子大生ストーカー殺人事件だ」

「ストーカー殺人事件・・・」

この事件は知り合いでもない男性に目を付けられた女性が3カ月間交際を迫られ、最終的にアパートの風呂場でバラバラの遺体となって発見されたものです。

「殺人と強姦の罪で捕まったのが当時28歳の無職の男、小御坂睦雄だ、間違いない、さっきの野郎だ」

「ちょっと・・・待ってくれよ、なんでこんな奴が猪狩町に・・・でも免許証には鈴木って書いてあったぞ」

「そんなのはどうとでもなるだろ、何しろこいつは平気で嘘をつき続けられる人間だからな」

当時、逮捕直前の小御坂睦雄はテレビの取材に応えていました。

その中で彼は殺害した女性を恋人だったかのように嘘をついていたのです。

小御坂睦雄は名古屋地裁から懲役18年の実刑判決を受けました。

その後、被告側は控訴したのですが高裁が棄却し2005年に刑が確定します。

「2023年まで刑務所に入ってるはずが、13年目の今年出てきたわけだ、それだけ模範囚だったってことか」

「それはそうかもな」

「案外、真面目に更生してる、なんてことは・・・」

「ないだろ、真面目な奴は盗み食いなんかしねえし、料金箱漁ったりもしねえよ」

二人は鈴木睦雄の行動を全て見透かしていました。

しかし彼が猪狩町にやって来た理由までは見通せていなかったのです。

いったい鈴木睦雄にはどのような目的があるのでしょうか！？

彼が現れたことによって猪狩町に生まれた小さな波紋。

その波紋が少しずつ大きくなっていくここから先の展開はネタバレする訳にはいきません。

続きはご自身の目でお読みになって、衝撃的な顛末に心を奮わせてみてください。

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『ノイズ【noise】』はこんな人にオススメ

奥が深く読み応えのあるサスペンス漫画をお探しの人にオススメの作品です。

誰もが体験する可能性のあるストーリーなので、物語の世界に入り込みやすいと思いますよ。

日常の中に潜む恐怖を上手な演出で表現していく『ノイズ【noise】』！

読み始めると夢中になって止まらなくなる傑作コミックになっています。

時間をかけて何度も読み返しながら事件の真相に迫ってみてください。

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