異剣戦記ヴェルンディオのネタバレ(漫画)!コハクの目的は?

今回は「七尾ナナキ」先生の『異剣戦記ヴェルンディオ』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『異剣戦記ヴェルンディオ』はこんな漫画(あらすじ)

クレオ・ヴェルンディオは金で雇われ戦争に参加する傭兵を生業としています。

夢を叶えるために大金が欲しいクレオは王国が直々に依頼してきた山賊討伐に参加することを決めました。

しかし圧倒的な山賊の強さに敵前逃亡する無様な姿を晒してしまいます。

そんなクレオの前に亜人のコハクという不思議な少女が現れました。

未来を予知できるというコハクはクレオのことを守ると言い始めるのですが、クレオは未来予知を信じようとしません。

ところがコハクの予知通りクレオに命の危機が迫っていたのです。

命がけの戦場を駆け抜けるクレオとコハクの冒険記を綴っていく『異剣戦記ヴェルンディオ』

今回はスリル満点のファンタジー漫画についてネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

傭兵としては力不足のクレオが必死に生きようとする姿から勇気を貰ってください。

 

『異剣戦記ヴェルンディオ』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

傭兵とは王国や組織などに金で雇われ戦争に参加することを生業としている者を指します。

長く傭兵を続けてきたクレオは山賊討伐の仕事を引き受けるため王都までやって来ました。

王国軍は隣国との戦争を控えているため、抵抗を続けている山賊との戦でこれ以上自国の兵を減らしたくありません。

そこで傭兵に白羽の矢が立ったのです。

クレオ
「たかが山賊討伐だが頭を仕留めれば数年遊んで暮らせるほどの報奨金が貰える、傭兵ならこんなうまい話に飛びつかない理由がない」

クレオの想像通り王都には名の通った傭兵たちが顔を揃えました。

競争率は今までにない高さですが、山賊討伐を何度も経験してきたクレオは独自の攻略法を編み出しています。

山賊に負ける気などないクレオが討伐に出発しました。

クレオ
「自惚れていた!自惚れていた!俺はッ!自惚れていたッ!」

自信満々だった出発前とは違い、クレオが必死な形相で山賊たちから逃げています。

頭領を倒すと意気込んでいたのですが、下っ端1人を倒すのにも大苦戦してしまいました。

さらに1人1人が強いだけでなく山賊の数が多すぎます。

クレオ
「だけどそんなことがどうでもよくなるくらいやばいのが山賊頭領だ!集まった傭兵ほとんどが奴一人にやられちまった!」

強さの次元が異なる頭領は人間ではなく人の皮を被った化け物なのかもしれません。

化け物とは対峙できないのでクレオは必死になって逃げているのです。

クレオ
「俺には夢があるんだ・・・こんな所で死ぬ訳にはいかねぇ・・・絶対に死なねぇぞ・・・」

息を切らしながら森の中を彷徨っていると急に剣を持った人物が現れました。

クレオは一瞬のうちに剣で胸を刺されてしまいます。

こんな所で終わりたくないと思いながら意識を失っていきました。

コハク
「あれ?おーい」
クレオ
「うわぁッ!?はぁはぁ!お、俺生きてる!?マジで!?なんで!?胸刺されたよな!?」
コハク
「刺されてないよ、これ偽物だもん、ああびっくりした、ショック死したのかと思った」
クレオ
「しそうだったよバカヤロウ!なんなんだテメェ!なんの恨みがあってこんなこと・・・」

憤りながら目の前の少女を見てみると彼女は人間ではなく亜人でした。

差別が酷いこの国に亜人が近寄ることは滅多にありません。

珍しい出会いに驚きつつ少女が山賊の一味ではないことで安心することができました。

コハク
「よかったね、これがおもちゃのナイフで、あなた油断しすぎだな、その程度の反射神経ならもっと警戒しないとダメ」
クレオ
「いきなり襲いかかってきやがったくせに偉そうだな、おいコラテメェ」
コハク
「コハク、私の名前はコハク、おいコラテメェじゃないんだ」

だんだんとコハクのことが面倒くさいと感じてきます。

するとここで山賊たちが暴れまわる音が聞こえてきました。

クレオ
「おいお前!今の悲鳴聞いただろ!ここにはまじでやべぇ山賊がいる!お前がなにしてんのか知らねぇがさっさと逃げろ!いいな!俺は忠告したからな!じゃあな!」
コハク
「待って」

逃げようとしたのですがコハクに首根っこを掴まれます。

コハクの力は強く息ができません。

クレオ
「パンチすんぞ、このヤロウ・・・」
コハク
「助けてあげようか?だから私がそのやべぇ山賊から守ってあげるって言っているの」
クレオ
「はぁ!?」

こう見えても強いことをコハクがアピールしてきます。

ですが信じようとしないクレオが再び逃げ出しました。

コハク
「ねぇ待ってよ、なんで無視するの?」
クレオ
「お前の茶番に付き合っている余裕はねぇんだよ!」
コハク
「茶番じゃないって」

コハクを振り切りたいので全力で森の中を走り抜けます。

しかし顔色を変えずについてくるコハクを振り切れません。

そのうちにクレオの体力が尽きてしまいました。

クレオ
「はぁはぁはぁ・・・オッケー・・・オッケー・・・わかったから・・・ちょっと休憩させてくれ・・・」

喉が渇き空腹も限界を迎えているのですがクレオは荷物を捨てて逃げてきたので食料がありません。

対照的にコハクは汗一つかいていませんでした。

コハク
「はい、お水、喉渇いているでしょ、大丈夫、毒なんか入ってないから、殺すつもりなら最初にやってるよ」

すぐにお水で渇いた喉を潤します。

コハクはお水だけでなくパンも与えてくれました。

クレオ
「おいお前!なぜ俺に構う!一体何が目的だ!言っとくが俺に恩を着せても何も出ねぇぞ!」
コハク
「あら、人を助けるのに理由がいるかな?」
クレオ
「いるね、少なくとも俺は見返り無しじゃ人助けなんかしたりしない、俺は戦災孤児だ、泥水すすってなんとか生きてきたような人生送ってんだよ」

クレオは自らの経験から親しくもないのに無償で優しくしてくる人間の危険性を理解しています。

この経験からクレオは人を簡単に信用しなくなりました。

コハク
「苦労を知っているんだね、でも安心して、私は酷いことしないから」
クレオ
「出会い頭襲ってきたよなぁ!?」
コハク
「だからね、あれは気を引きしめてもらう為に・・・」
クレオ
「うるせー!御託を並べるな!パンと水には感謝しているが、はっきり言ってお前はかなり怪しいんだよ!これ以上俺につきまとうなら何が目的なのか正直に言え、でなければ力ずくでも追い払う」

クレオにつきまとうコハクの目的とは・・・!?

 

 

テンポが良いドタバタ劇のような展開に惹きつけられました。

可愛らしいコハクに翻弄されるクレオの大変さも伝わってきますね。

戦場で出会った亜人と人間の交遊録を表現した『異剣戦記ヴェルンディオ』

いよいよコハクの目的が明らかになっていきます。

コハクのとんでもない能力にも驚いてみてください。

後編

ようやくつきまとっている目的をコハクが語り始めます。

コハク
「一言で言えば生き続けてほしいからかな」
クレオ
「あ?意味わかんねぇ・・・つーか、なんだその俺が死ぬみたいな物言いは」
コハク
「だって死んじゃうし」
クレオ
「死なねぇよ!!」

出会ったばかりの少女に死ぬと言われても信じられるわけがありません。

それでもコハクは真面目な表情で語り続けます。

コハク
「ううん、死んじゃうよあなたは、それも遠い話じゃない、近い未来の話、私はね未来を予知できるんだ、私はあなたの死を予知したんだよ、あなたは死ぬ、それがあなたの運命だから」

まだクレオはコハクのことを信用できません。

それよりもすごくヤバイ奴に絡まれたと思い始めます。

クレオ
「おわ!何すんだよ!」
コハク
「すげぇヤバイ奴って顔したじゃん、未来予知とか運命とか言い出して妄想拗らせた残念でアホな奴って顔したじゃん」
クレオ
「そ、そこまで思ってねぇよ!つかどんな顔だよそれ!」

気分を悪くしたコハクはクレオに生き続けてほしい理由を話してくれなくなってしまいました。

とりあえず危害を加えないことが分かったので、クレオはコハクと共に王都を目指すことにします。

しかし2人の前に巨大なクマが現れてしまいました。

コハクはクマと戦おうとするのですが、どう見ても勝てるとは思えません。

煙幕を使ってクマの視界を遮ると、クレオはコハクの腕を取って逃げ出します。

全力で走っていたのですが木の根につまずき転んでしまいました。

コハク
「大丈夫?うぇ!あっつ!すごい熱だ!ヘロヘロじゃん、ちょっと休んだほうがいいよ」
クレオ
「うるせぇ・・・一日中走ったからちょっと疲れているだけだ・・・」
コハク
「そんなこと言ってもこれじゃあ途中で力尽きるよ」

心配するのですがクレオは言う事を聞いてくれません。

ヘロヘロになりながら王都へ向かって歩き続けます。

クレオ
「マイホームをよぉ・・・買ったんだわ・・・言っとくが、貴族様が買うのとは訳が違うぞ・・・ド底辺でド貧乏なこの俺が・・・命を危険に晒してようやく手に入れられたんだ・・・」

マイホームは都心から離れていて新しいわけでもありません。

ですが広い庭があるのでクレオはもう少しお金を貯めて畑を耕そうと考えています。

そして家畜も育てながら自給自足の生活を送ることが夢なのでまだ死ぬわけにいきません。

コハク
「家か・・・拠点・・・防衛・・・有りだ・・・家いいね!私もさ一緒に住むよ」
クレオ
「なぜ!?」
コハク
「そのほうがあなたを守りやすそうだし、下手に動き回るよりずっと安全だと思うんだ、空いている部屋ある?」
クレオ
「ねぇよ!」

クレオは王都に到着したらコハクとおさらばするつもりでした。

しかしコハクはクレオから離れるつもりはありません。

言い争いしながら走っているうちに王国の砦が見えてきました。

砦の中に入れば山賊に襲われる心配はありません。

生き延びたことを喜びながら砦に入りました。

しかし王国兵が全滅しています。

コハク
「おかしいと思わなかった?こんな夜更けに門が開いていることを」

王国兵を全滅させていたのは山賊たちでした。

事態を理解できないクレオの前で山賊の頭領が最後の王国兵を斬り殺します。

クレオ
「ありえねぇだろ・・・山賊だけで攻め落としたって言うのか・・・この規模の砦を・・・」

想定外の事態に混乱していると、山賊が亜人のコハクに気付きました。

山賊は亜人を売りさばくためコハクの身を狙ってきます。

何も考えられなくなったクレオはコハクを守るため山賊たちに立ち向かいました。

次の瞬間、コハクの魔術によって山賊たちが吹き飛びます。

コハク
「ねぇあなた・・・アホでしょ、今の判断は駄目、確実に死んでた、というかさ、見返りなきゃ人助けしないんじゃなかったの?」
クレオ
「いや違ぇって!頭が真っ白になってだな!」
コハク
「でもありがとう、守ろうとしてくれたんだよね、おかげで決心が付いた」

2人が話していると山賊の頭領が炎を巻き上げました。

頭領はコハクのような強者と戦える日を待ち望んでいたのです。

コハクも頭領の意思を尊重することにしました。

クレオ
「ま、待て!お前が強いのはわかったが相手が悪すぎる!ここは逃げるべきだ!」
コハク
「心配いらない、この程度の炎、私の知っている術士に比べれば涼しいくらいだよ、よく見ていて、これから訪れる時代がどういうものかを」

ここからコハクと頭領の壮絶な戦いが幕を開けます。

お互いの能力が高すぎるので砦は一瞬のうちに廃墟と化してしまいました。

その中でクレオは心の底からコハクの勝利を望みます。

希望通りコハクは圧倒的な能力で頭領を制圧してくれました。

クレオ
「よく生き残れたもんだ・・・マジで助けられちまったなぁ・・・さすがに飯くらいは奢ってやるか・・・家には住ませねぇけど・・・」

コハクはクレオに舞い込む脅威を取り除くことに成功したのです。

しかし不可抗力かもしれませんが、反撃にやって来た王国の精鋭部隊が放った矢がクレオの胸を貫きました。

王国軍と山賊が激突する中、胸を貫かれたクレオが意識を失っていきます。

コハク
「脅威は取り除いたんだけどな、まさかこんな形で死んじゃうとは思わなかった、だから油断しすぎだって言ったんだよ・・・なんてね」

本当はクレオの死を防ぐことは無理だと分かっていました。

もしもこの矢を防いだとしてもクレオは別の要因で死ぬという運命だったのです。

それでもコハクは予知した未来に抗ってみました。

運命は変えられませんでしたがクレオに接触したことは間違ってはいません。

僅かな時間ですがクレオがどんな人物なのかを知ることができました。

コハク
「あなたはね、ようやく見つけ出した希望の光なんだ、小さい小さい希望の光、無駄かもしれない、何も変えられないかもしれない、それでも私はその小さな希望の光にすべて賭けてみようと思ったんだ、私の命をあなたにあげる、クレオ・ヴェルンディオ・・・私が視た未来を変えてみせて」

クレオがコハクの魔法によって光に包まれていきます。

果たしてクレオは未来を変えることができるのでしょうか!?

 

『異剣戦記ヴェルンディオ』はこんな人にオススメ

頼りない青年と奇妙な亜人が主人公のSFファンタジー漫画です。

そのため一風変わったファンタジー作品を読みたい人にオススメですよ。

肉体的な強さではなく精神的な強さを描写した『異剣戦記ヴェルンディオ』

上手な絵と考え抜かれたストーリーが多くの読者を満足させています。

コハクの可愛らしさと夢を諦めないクレオのカッコ良さに魅了されてください。

 

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