万能鑑定士Qの事件簿のネタバレ(漫画)!力士シールの謎とは?

今回は「原作 松岡圭祐 漫画 神江ちず」先生の『万能鑑定士Qの事件簿』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『万能鑑定士Qの事件簿』はこんな漫画(あらすじ)

週刊角川という大衆雑誌で記者をしている小笠原悠斗は、街中に貼られている力士シールの謎を解明することになりました。

数年前から都内で目撃されるようになった力士シールは、誰がどんな目的で貼ったのか全く分かりません。

不可解な謎を追っているうち、小笠原は万能鑑定士と名乗る凛田莉子という美女と出会いました。

膨大な知識と優れた観察眼で真実を見抜く莉子と小笠原は力士シールの謎に迫っていきます。

真相を解明しようとする2人が巻き込まれる大事件とは・・・!?

メディア化された本格サスペンス漫画の『万能鑑定士Qの事件簿』

今回は様々な謎が連鎖していくミステリー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

小笠原と莉子が解明しようとする事件の謎を一緒に考えてみてください。

 

『万能鑑定士Qの事件簿』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

万能鑑定士とは膨大な知識と優れた観察眼でどんな真実も見抜くただ一人の女性を表す職業です。

そんな万能鑑定士と出会う前の小笠原悠斗が、厳しい表情を浮かべながら東京都にある角川書店の第3本社ビル内を歩いています。

小笠原悠斗
「痛い・・・皆の視線が・・・痛い、しかもきつい・・・ガードレールを資料に持ち帰るなんてきつすぎる・・・」

冷たい視線を浴びながらようやく自分のデスクに到着しました。

小笠原は入社してから4年が経つので、自分の仕事がガードレール運びということにガッカリしています。

しかし取材のためにはこのガードレールが欠かせません。

今回小笠原が担当することになった記事は、街中に貼られている力士シールの謎を解明することなのです。

最近よく目にするようになった力士シールは、都内全部合わせると何千枚にも及んでいました。

枚数の多さも気になるのですがシールを貼っている目的が全く分かりません。

力士シールが最初に発見されたのは銀座でした。

その後は都内全域で目撃されるようになり、ここ1年は渋谷と新宿で増殖しています。

小笠原は力士シールが大通りから1本入った脇道で発見されることを突き止めました。

しかし誰がどんな目的で貼っているのかは分かりません。

そのため紙とインクの鑑定を頼むため、サンプルとしてガードレールを運んできました。

本当はシールだけを剥がしたかったのですが、べっとりと糊が付着していたためガードレールごと拝借してきたのです。

このような事情を同僚に説明していると編集長から呼び出されました。

編集長は力士シールについて驚愕の事実をすっぱ抜けと命令してきます。

その理由はライバル誌も力士シールの特集を組んでいるためでした。

近年の週刊角川は部数減少に伴って経費削減を命じられています。

しかし編集長は報道の使命であるジャーナリズムを大切だと考えていました。

不況に苦しむ現在だからこそ真実に光を当てたいのです。

小笠原悠斗
「真実かぁ・・・そんなものあるんですかね?」

真実を探り出すことが仕事だと小笠原は説教されてしまいました。

編集長に活を入れられた小笠原がデスクに戻ると、依頼していた鑑定士から断りの電話が入ります。

実はニュース性の高い事件の鑑定はあまり好まれていません。

もしも間違った鑑定をすると、鑑定士が世間の矢面に立つ可能性が高いのです。

せっかくガードレールを運んできた小笠原は頭を抱えてしまいました。

小笠原悠斗
「どうしよう・・・入稿締め切りは明日・・・今日中に鑑定をしてもらわないとテキストどころか記事のレイアウトも出来ないよ・・・」

このままでは締め切りに間に合いません。

藁にも縋る気持ちで鑑定士をネットで探すことにします。

なかなか優れた鑑定士が見つからない中、万能鑑定士Qという掲示板が目に留まりました。

住所が近所だったので小笠原は万能鑑定士を訪ねてみることにします。

小笠原悠斗
「ここか・・・?店に何人もの鑑定家がいるのかな、ここが鑑定士の事務所・・・?カフェか美容室みたいだな」

オシャレな事務所の中には先客が鑑定士を待っていました。

仕方なく小笠原も事務所の中で待つことにします。

すると奥から美しい女性が姿を現しました。

凛田莉子
「お待たせしました」
小笠原悠斗
「この子が・・・万能鑑定士?こんな女の子が?」

出てきたのが若くて美しい女性なのでとても万能鑑定士とは思えません。

ですが現れた凛田莉子という女性は類まれな観察眼の持ち主だったのです。

 

 

力士シールという不可解で斬新な謎を設定したところに作者のセンスを感じました。

鑑定士が事件の真相を解明するストーリー展開もよく考えられていますね。

完成度の高いミステリー漫画として注目を集めた『万能鑑定士Qの事件簿』

ここからいよいよ凛田莉子の実力が明らかになっていきます。

若くて才能豊かな鑑定士のスキルに魅了されてください。

後編

凛田莉子の元を訪れた先客は洋画の鑑定をお願いしてきました。

先客も小笠原と同様にこの事務所には複数の鑑定士がいると思っています。

凛田莉子
「ここは私一人ですけど」

帰ろうとする先客と小笠原に名刺を渡すと、莉子の鑑定が始まりました。

先客が持ってきた洋画はスペクトル・フォト・メタという技術で解析を行ったものです。

凛田莉子
「採取した有機物にレーザーを当てて反応を見たわけですか・・・画材も十九世紀当時のものと判定された、ですがまだ疑っておられて鑑定家を探している、そういうことですね」

莉子は洋画を一目見ただけでお客が画商であることと、近代ヨーロッパの絵画が複数売り込まれたことを見抜きました。

また実は日本人画家が描いたものだと疑っていることも言い当てます。

凛田莉子
「こんな名も無い絵画ではいくら古くてもたいした値はつかないでしょう、これ一枚の為にスペクトル・フォト・メタで分析しない筈・・・」

こうした理由から絵画が複数持ち込まれたと判断しました。

しかし日本人画家が描いたと疑う理由はこれだけでは説明できません。

そこで莉子は絵画に描かれている人物の説明を始めました。

絵画にはヴィクトリア朝の英国人家族がフランスのご婦人を出迎えている様子が描かれています。

凛田莉子
「角砂糖の数を聞いて夫人は四つと応えている、でもフランス人は四を示す時には小指を曲げるんです」
小笠原悠斗
「へえ・・・知らなかった」

もちろん親指を曲げて四を示すのは日本人だけではありません。

イギリスの画家がフランスの風習に馴染んでいない可能性も考えられます。

またリビングの壁際に置かれた鏡の位置にも違和感がありました。

鏡はランプの明かりを最大限に利用するための反射鏡です。

しかし描き手は身だしなみ用の鏡だと勘違いしたため、位置を下の所に描いていました。

このことから画家がイギリス人ではないことが分かります。

ですがまだ画商は日本人だと特定したことに納得していません。

凛田莉子
「ソーセージを見て下さい、切り込みが入っています」

確かに絵の中にはソーセージが描かれていて切り込みが入っています。

肉眼では気づけないところでも莉子が見落とすことはありません。

小笠原悠斗
「ルーペがないと見つからない様なものをよく見つけたな・・・」

重要なのは切り込みの向きです。

当時のイギリスにもソーセージに切り込みを入れる習慣はありました。

しかし向きが逆で、この切り込みは箸で持ちやすくするため行う日本人の工夫なのです。

凛田莉子
「キャンパスの方は腐食痕があっても絵の具にひびが入っていない、スペクトルスコープの時代分析に備えて海水に浸して古く見せかけただけです、要するに国内で描かれた贋作です」

画商は業者からこの絵画を含めた10点を購入しようとしていました。

ですが絵画は偽装されたものだったの売買契約を破棄することにします。

こうして莉子の見事な鑑定を小笠原は目の当たりにすることができました。

小笠原悠斗
「はじめまして、小笠原と言います、あの・・・万能鑑定士って正規の資格じゃないよね、君一人でいろんな物を鑑定するってこと?絵だけじゃなくて?」
凛田莉子
「ええ、どんなものでも私が見ます」

万物の鑑定依頼に応えることが可能なのか分かりません。

知識の広さを確認するため小笠原は腕時計を鑑定してもらおうとします。

小笠原悠斗
「これを見てどんなことがわかりますか?」
凛田莉子
「それより取材を急いだほうがいいんじゃないですか?週刊誌って締め切りがあると思うんですが・・・角川書店みたいな大手でも入社して四年じゃまだ頑張らないと・・・」
小笠原悠斗
「なっ、なんで!?何でそんなことがわかるんだ!」

莉子は見せられた腕時計をオメガのシーマスターオーシャンクロノグラフテクノスターだと鑑定しました。

これは4年前に発売されたシリアルナンバーとネーム入りの受注生産限定品です。

腕時計には悠斗の名前が入っているので、中古品ではなく当時定価40万円で買ったということも分かりました。

しかし腕時計とは対照的に身に付けているスーツや革靴は安物です。

凛田莉子
「時計は親からの就職祝いのプレゼントかと」
小笠原悠斗
「それで入社四年目って判断したのか・・・だけど社名や雑誌名まで・・・」

ガードレールを持ち込んだこと、カメラを所持していないこと、そして飛び込み取材に来たことなどから莉子は週刊誌の記者だと言い当てました。

雑誌名まで当てた理由はリヤカーを引っ張ってこれるような近辺には出版社が3つしかないためです。

凛田莉子
「事件性のありそうな鑑定依頼をしてくる雑誌といえば・・・週刊角川です、あたってますか?」

あまりにも鋭い観察眼と豊富な知識に小笠原は言葉を失ってしまいます。

一瞬でここまで鑑定できる人間を小笠原は初めて見ました。

小笠原悠斗
「これが万能鑑定士、彼女は人間まで鑑定出来るのか?」

これが力士シールの謎を解明するためコンビを組んだ莉子と小笠原の出会いだったのです。

2人は奇怪な事件とどのように向き合っていくのでしょうか!?

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万能鑑定士Qの事件簿のネタバレ(漫画)!第2話の見所は?

2022.01.07

 

『万能鑑定士Qの事件簿』はこんな人にオススメ

ミステリー漫画が好きな人なら大満足できる物語になっていますよ。

何でも見通してしまう天才鑑定士の活躍を手に汗握りながら楽しんでみてください。

独創的なストーリーで多くの漫画ファンを魅了している『万能鑑定士Qの事件簿』

謎解きの面白さを味わいながら、絵画や骨董品の知識を学べる作品です。

雑学を勉強しながら物語の世界観を存分にご堪能ください。

 

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