『氷点』のネタバレと感想!三浦綾子の原作小説を漫画化しました!

今回は「漫画 水谷愛 原作 三浦綾子」先生の『氷点』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

『氷点』はこんな漫画(あらすじ)

医学博士の夫と息子と娘に囲まれながら、幸せな日々を送っている辻口夏枝。

しかしその幸せな日常は、娘のルリ子が殺害されたことによって崩壊してしまいます。

自分の不貞が原因で娘を失ったと思う夏枝に、夫の辻口はある秘密を抱えた女の子を養女として迎え入れることにしました。

何も知らない夏枝は陽子と名付けられたこの女の子を、まるで我が子のように可愛がっていきます。

ですが陽子の秘密を知った時、夏枝の愛情は憎悪へと変わっていくのでした。

名作と崇められる小説をコミック化した『氷点』

今回はこちらのヒューマンドラマの魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

完成度の高いストーリーと、幾重にも張り巡らされた謎解きの伏線を紐解いていってみてください。

『氷点』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

昭和21年7月21日、院長が不在の辻口病院の中で眼科医の村井に迫られている夏枝の姿がありました。

夏枝
「村井先生、もうよろしゅうございますか?ストーブの灰が目に入ったのはずいぶん前のことですわ」

夏枝は夫への愛情があるため、村井の診療を断ろうとしています。

しかし村井は夏枝への愛情を打ち消すことが出来ません。

そんな彼に対して夏枝は他の女性との結婚を勧めていきます。

夏枝
「村井さん、わたくしが辻口の妻であることをお忘れにならないでください」

必死に彼の想いを拒絶しようとする夏枝。

それでも村井は夏枝に対する愛情を抑えることができなかったのです。

強引な彼の態度に少しずつ夏枝は感情が揺らぎ始めていました。

するとそこに娘のルリ子が姿を見せます。

ルリ子
「おかあちゃま、どうかしたの?」

ルリ子が現れたことにより夏枝の肩から手を離す村井。

その姿を見たルリ子は彼が母親をイジメていたと勘違いしてしまいます。

ルリ子
「おかあちゃまをいじめたら、おとうちゃまにいってやるから」
夏枝
「そっ、そうじゃないのよルリ子ちゃん、おかあちゃまはね先生と大切なお話があるのよ、おりこうだから外で遊んでいらっしゃいね」
ルリ子
「イヤよ、ルリ子、村井センセきらい」
夏枝
「ルリ子ちゃんいけません、そんなこと言って、おりこうさんはね少しの間、外で遊んでいらっしゃい」

村井に母親を取られたと感じたルリ子は、泣きながら部屋を出て行ってしまいました。

娘に泣かれ気まずくなった夏枝は、村井を自宅に戻るよう促します。

決して彼のことが嫌いなわけではない夏枝。

そのためこのまま彼に迫られ続けていると、いつの日か自制心が効かなくなってしまうことを恐れていたのです。

村井が帰ると彼への想いをぶつけるように激しくピアノを弾き始めました。

燃えるように熱くピアノを弾いていると夫の辻口が会議から帰ってきます。

辻口
「ピアノ線が切れるまで弾くとは、またずいぶん御熱心なことだね」
夏枝
「あら、今日お帰りでしたの、だまって立っていらっしゃるんですもの、いやな方」

夫に寄り添った夏枝は、彼が醸し出す安心感にホッとしていました。

ですが村井に対してドキドキする感情を抱いているのも、夏枝の本心だったのです。

自分の感情が上手くコントロールできない状態の夏枝。

そんな妻に対して、辻口が気になっていることを質問してきました。

辻口
「ルリ子はどうした?徹もいないじゃないか」
夏枝
「徹は辰子さんとお祭りに行きましたわ、ルリ子はその辺で遊んでいませんでした?」

息子と娘が見当たらないことを不安に感じる辻口。

長男の徹はすぐにお祭りから帰って来たのですが、ルリ子の姿は相変わらず見当たりません。

辻口が経営する病院の近所では、以前に誘拐事件が発生していました。

そのため辻口に一抹の不安がよぎってしまいます。

ルリ子は一体どこに行ってしまったのでしょうか!?

愛する家族がいながら、別の男性との間で心が揺れ動いている夏枝。

このような展開はよくあると思いますが、『氷点』はここから先が見所満載になっているんです。

ほんの少しの気の迷いを一生後悔することになる夏枝。

そしてそんな妻を許すことのできない辻口。

二人の感情をリアルに表現しながら、奥の深いヒューマンドラマを描いていきます。

引き続き目が離せないストーリーにご注目ください。

後編

ルリ子の姿が見当たらなくなった辻口病院に、村井から電話がかかってきました。

夏枝
「あのっ、村井先生はルリ子をご存じありません?ルリ子が見えないのでございます」

しかし村井にもルリ子の居場所は見当がつきません。

この電話を横で聞いていた辻口は、嫌な予感がしたため警察に通報することにします。

辻口
「もしもし警察ですか、三歳の娘がいなくなってしまって、いや迷子じゃなく誘拐ではないかと」

危機感が増していく中、夏枝は強い後悔の念を抱いていました。

夏枝
「あの時私が外へ行かせたから、あの時私がルリ子をひざに抱きあげていれば・・・」

その後、警察や近所の住民たちと周辺を探し回る辻口と夏枝。

必死に探し回っていると、河原で倒れているルリ子が見つかりました。

ルリ子の首筋には絞められている痕が残っていて、残念ながら彼女は息をしていなかったのです。

辻口
「殺された・・・?誰が・・・誰が殺したのだ」

抑えきれない感情を爆発させる辻口。

数日後、ルリ子を殺した犯人が逮捕されました。

ですが犯人は留置場で首を吊って自殺してしまいます。

犯人の佐石という男は、生まれたばかりの赤ん坊を残され妻に先立たれていました。

そのため神経が衰弱状態になっていたのです。

働きながら赤ん坊のお世話をしていた佐石は、いつまでも泣き止まないことに手を焼いていました。

感情のバランスを狂わせ始めた彼は、フラフラっと家を出てしまいます。

そこで目に留まったのがルリ子でした。

気晴らしのような感覚でルリ子に声をかけた佐石。

ルリ子は何も警戒することなく彼について行ってしまいます。

しかし時間が経つにつれ不安になったルリ子が泣き始めてしまいました。

その姿が佐石にとっては自分の子どもと重なってしまったのです。

泣き叫ぶ赤ん坊をあやすことができなかった佐石は、軽い気持ちでルリ子の首を絞めてしまいました。

こうして彼は通り魔のようにルリ子の命を奪ってしまったのです。

娘が殺されてしまった顛末の全てを知った辻口。

そのことを夏枝に報告する中、彼はある疑問を抱えていました。

辻口
「犯人は死んだよ、あの日・・・ルリ子が死んだあの日、おまえは何をしていたのだ」
夏枝
「あれ・・・あそこにルリ子ちゃんが・・・」
辻口
「狂ったのか夏枝、庭にいるはずがないじゃないか」

夏枝はルリ子を失ったことを受け入れることができなかったのです。

そんな中、辻口は夏枝と村井の関係に疑いを持ち始めていました。

疑念を抱く夫と、自分の責任で娘を失ったと思い衰弱していく妻。

2人が少しずつギクシャクしていく中、夏枝が意外な言葉を口にします。

夏枝
「わたくし女の子がほしいと思っていましたの」
辻口
「女の子って・・・君はもう子供が産めない体じゃないか」

もう一度ルリ子のような女の子を育てたいと思う夏枝。

そんな妻に対して辻口は1人の女の子を養女として迎え入れることを決断しました。

夏枝はこの女の子を陽子と名付け溺愛していきます。

陽子の存在によってルリ子を失った悲しみから救われていく夏枝。

しかしそこには知ってはならない重大な秘密が存在していました。

実の娘として愛し始めた陽子は、ルリ子を殺害した犯人の娘だったのです。

この事実を知らなかった夏枝と、あえて憎むべき殺人犯の娘を養女にした辻口。

『氷点』はここから登場人物それぞれの感情が、目まぐるしく交錯していきます。

夏枝と陽子の関係性や、妹として慕う陽子に恋心を抱く徹。

そんな中で陽子は、自分が生まれながらにして持ち合わせた原罪と向き合っていくことになります。

愛と憎しみ、そして許されない禁断の恋を描いていくこの続きは実際に漫画を読んでお確かめください。

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2019.10.09

『氷点』を読んだ感想

『氷点』は1964年から朝日新聞の朝刊で連載され始めた名作です。

北海道旭川市を舞台にしたこちらの作品は、秀逸なストーリーが高い評価を受け何度も映像化されてきました。

そんな傑作小説を漫画化した『氷点』

原作を読んだことのある人もそうでない人も楽しめるコミックになっています。

漫画を読んで興味が湧いた方は、必ず夢中になれますので是非、原作の小説も読んでみてください。

そして原作とこの漫画のファンになった人は、北海道旭川市に足を運んでみませんか?

旭川市には三浦綾子記念文学館がありますので、作品の奥の深さにより入り込めると思いますよ。

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