いのち(漫画)のネタバレと感想!双子を巡る壮絶な運命とは?

今回は「ももち麗子」先生の『いのち』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『いのち』はこんな漫画(あらすじ)

双子のため顔がそっくりな「ことり」と「のばら」。

しかし母親は3時間早く生まれた「ことり」を甘やかしていたため、「のばら」は不満を抱えたまま生活していました。

そんな中、「のばら」が原因で父親が事故死してしまいます。

このことがきっかけで母親との溝が深まった「のばら」。

祖母と暮らし始めた「のばら」だったのですが、母親にバレないようにしながら「ことり」と入れ替わりの生活を送ることにします。

ですがこの入れ替わり生活が更なる悲劇を生んでしまうことになるのでした。

双子を巡って巻き起こる壮絶な運命を描いた『いのち』

今回はこちらのヒューマンドラマの魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

家族の愛について問題提起する物語を最後までじっくりとお楽しみください。

 

『いのち』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

幼い頃からいつも一緒だった双子の「ことり」と「のばら」。

双子の姉妹として顔は瓜二つなのですが性格が異なる二人。

小学六年生になるとその違いは顕著になっていました。

のばら
「ズールーイ、お母さんはことりにだけ甘くねー!?」
母親
「のばらっ!早く乗りなさい」
のばら
「ことりがお姉だからかー!?たった3時間しか年上じゃないじゃんか、アタシもケータイ買ってーっ」
母親
「お姉ちゃんは英会話で帰りが遅くなるからでしょ、もうなんでも同じ物なんて買ってあげられないのよ」

家族で川へ遊びに向かっている車中で、「のばら」が母親と揉めています。

そのやり取りに呆れている「ことり」は、耳を塞いで二人の言い争いを聞かないようにしていました。

騒がしいまま家族を乗せた車が目的地の川原に到着します。

父親
「ことりー、のばらー、そっちは流れが急に速くなってるから川ん中入っちゃダメだぞー」

父親の言葉に頷きながら二人は河原で遊び始めました。

母親
「同じDNA持って生まれたのに、個性にこんな差ができるなんて」
父親
「同じモン食わしてきたハズなのになァ」

二人の様子を見ながら両親は、同じDNAなのに個性がまるっきり違うことに驚いています。

そんな中で、「ことり」は父親の忠告に従っているのですが、「のばら」は川の中に入って遊んでいました。

ことり
「危ないってのばらー、言われたばっかでしょ」
のばら
「こんな浅い川でおぼれるワケないじゃん」
ことり
「最近やけにお母さんたちにつっかかるよね、のばら、まぁ原因はわかってるけど」
のばら
「なによォ」

実は「のばら」が両親に対して突っかかっている理由は、「ことり」に借りた大人向けの漫画が原因でした。

この漫画で妊娠のメカニズムを知った「のばら」は、両親のことをリアルな男と女に見えてしまっていたのです。

両親が普段から二人の前でも仲睦まじいため、「のばら」の目には親というよりもラブラブな男女の姿として映っていました。

「ことり」はそんな「のばら」とは対照的に、両親のラブラブな姿を誇りに思っています。

ことり
「そんな高いハードルじゃないよ、のばらもいつかわかるから」
のばら
「なんでも先にクリアしたからってわかったようなことをーっ」

「のばら」は「ことり」に生理とブラジャーを着けるタイミングで先を越されていました。

そのため自分が子ども扱いされていると感じていたのです。

少しだけ苛立ちを感じている「のばら」が、ここで履いていたサンダルを「ことり」にぶつけようとしました。

しかし外れてしまったため「ことり」に取ってもらおうとします。

次の瞬間、裸足になってしまったため川原の石で足を滑らせてしまいました。

石に付いていた苔でバランスを崩してしまった「のばら」は、そのまま川の中で溺れそうになってしまいます。

川の水が気管に入ってしまい上手く声が出せない「のばら」。

のばら
「助けて、ことり」

彼女の声は双子ならではのテレパシーで「ことり」に伝わりました。

しかしまだ幼い「ことり」には妹を助ける術がありません。

その様子を見ていた父親が娘を救おうと川の中に入って行きます。

突然襲い掛かったこのピンチから、父親は娘を救出することができるのでしょうか!?

 

 

双子でありながらそれぞれのパーソナリティーが異なる二人。

その違いによって二人には悲劇的な運命が待ち受けていました。

双子に巻き起こる壮絶な出来事を描きながら家族の愛情に迫っていく『いのち』

とても奥の深いヒューマンドラマになっています。

彼女達に待ち受けるドラマチックな展開の一部始終を見逃さないでください。

後編

浅い川だからと思い油断していた「のばら」は、水の勢いに流されてしまい身動きが取れません。

父親
「のばらーっ、のばらー」

ようやくここで父親が「のばら」を救出してくれました。

しかしその代償として父親が身代わりになってしまいます。

そのまま父親は川に流されてしまい、命を落としてしまいました。

ここから先のことは「のばら」の記憶にはほとんど残っていません。

気がつくと彼女は父親の葬儀場で呆然と立ち尽くしています。

まだ36歳という若さの父親を失った「のばら」と「ことり」。

悲しみを全身で受け止めていたのですが、彼女たちよりも悲しんでいたのが夫を亡くした母親でした。

葬儀場で倒れてしまった母親の姿に、「ことり」が愕然としています。

ことり
「のばら、お母さんがっ・・・お母さんの髪がっ・・・」
のばら
「お母さんの髪の毛が一日でまっ白になった」

ショックのあまり二人は葬儀場を飛び出していきました。

するとここで母親が「のばら」に意外な言葉をかけてきます。

母親
「のばら・・・」
のばら
「は・・・はいっ、ご遺族の方は向こうでお待ちくださいですって・・・」
母親
「遺族、そうね・・・一家の誰かが亡くなったら家族じゃなくなるのねぇ・・・」

ここから母親は言うことを聞かずに川に入った「のばら」を責め始めました。

どうして「ことり」のようにできないのか叱責する母親。

ついにここで本心を打ち明けてしまいます。

母親
「のばらなんて、のばらなんて助けにいかなくてよかったのよぉーっ」

こうして母親から大切な存在を奪ってしまった「のばら」。

のばら
「運が悪かったとかじゃない、あれは防げた事故だった、アタシはあったはずの未来をこわしてしまった、アタシは母の大切な人を殺してしまった」

母親から一生許してもらうことがないと感じた「のばら」だったのです。

この日から4年が経った現在の「のばら」は、母親に合わせる顔がないため自ら家を出ました。

しかし母親のことが気にかかるため、二人は入れ替わりながらお互いの家を行き来するようになっています。

たまに母親の様子を見られればいいと持っている「のばら」なのですが、「ことり」はこの生活に不満を感じていました。

ことり
「ねぇ、やっぱりいつまでもこんなこと続けられないと思わない?週1ペースでたった数時間こんな入れ替わりしなきゃお母さんに会えないなんて・・・」

再び三人で暮らそうと提案してきます。

のばら
「お母さんはことりさえいればいいんだよ」
ことり
「お母さんものばらのこといつも心配してるんだよ」
のばら
「お母さんの口からはのばらの”の”の字もでませんがあ!?」

母親の大切な人を殺してしまった「のばら」は、この状態を続けることが最善だと思っていました。

みんなが幸せなら自分が辛い思いをしても構わないと思っている「のばら」。

しかしこの入れ替わり生活が上手くいくというのは、すべて彼女の思い込みだったのです。

のばら
「みんなが幸せに過ごせるように願ってた、なのにまさかこの入れ替わりがおそろしい事件を呼びおこすことになるなんて思いもしなかった」

この入れ替わりによって、「ことり」がある事件に巻き込まれ殺害されてしまいました。

父親だけでなく姉の命まで自分の責任で失ってしまったと感じる「のばら」。

彼女はこれ以上母親を悲しませたくないため、「ことり」として生きていくことを決意します。

しかしそこには更なる衝撃的な運命が待ち受けていました。

「のばら」に襲い掛かる悲劇とは・・・!?

その真相は漫画を読んでご自身の目でお確かめください。

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『いのち』を読んだ感想

とても重たいテーマを取り上げたヒューマンドラマだと思いました。

思春期によくある軽い反抗期から父親を亡き者にしてしまった「のばら」。

その十字架を背負うことになった彼女には、残酷な未来が待ち受けていました。

どこかでボタンの掛け違いが起きてしまった家族の姿を描いた『いのち』

読み応えのあるストーリーが読者から大反響を集めました。

最後まで読んでいただくと、この物語が伝えたかった真実が伝わると思いますよ。

 

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