『母の浮気』のネタバレ!家族愛を描いた漫画の魅力とは?

今回は「水谷愛」先生の『母の浮気』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

母の浮気』はこんな漫画(あらすじ)

30歳を目前にした伊織は父親を亡くしました。

しかし仕事人間で亭主関白だった父親は家庭をかえりみなかったため、伊織は父親の死を悲しむことができません。

そんな中、葬儀の日を迎えると夫を失った母親は驚くほど泣き崩れています。

伊織もその姿を見ているうちに涙を流してしまうのですが、葬儀の最中に母親が見知らぬ男性に抱きしめられているところを目撃してしまいました。

ここから母の浮気と秘密の過去が明らかになっていきます。

家族の絆を斬新な設定で表現していく『母の浮気』

今回は人情をテーマにした恋愛漫画について、ネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

様々な感情が交錯する物語の世界観を思う存分ご堪能ください。

 

母の浮気』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

伊織が29歳の時、亭主関白で仕事のことしか頭になかった父親が亡くなりました。

父親が亡くなったのですが伊織はあまり悲しんではいないようです。

伊織
「絵に描いたような亭主関白、周りにも自分にも厳しく仕事人間、子供の誕生日すら忘れるような人だったから好きじゃなかった」

いっさい家庭を省みなかった父親の事は伊織はあまり好きではありません。

そのため悲しいという感情が込み上げてこないようです。

しかしその一方で母親は家庭を大切にしてくれていたため、伊織と弟は幸せに暮らしてきました。

父親が伊織の誕生日を忘れた時も、大笑いしながら伊織たちを明るくさせてくれた母親。

母親
「あっははは、何を暗い顔してるんだか、お父さんはお仕事頑張ってくれてるし、お父さんいない分ケーキはたくさん食べられる、いいことずくめじゃない」

母親は伊織たちに好きなだけケーキを食べさせてくれました。

ケーキを食べ過ぎて生クリームが苦手になってしまったことも、伊織にとっては良い思い出になっています。

そんな伊織は父親の葬儀で大泣きしてしまいました。

ですが父親の死を悲しんでいる訳ではありません。

伊織
「父のことは好きじゃなかったけど声を出して泣いてしまった、母の泣き崩れる姿を見てしまったから」

その後、葬儀が終了し食事会が始まると、色々な人が父親のことを立派だと褒めてきました。

伊織はその褒め言葉に対して父親が仕事に集中できたのは母親のおかげだと返答します。

しかし古い考え方の参列者たちは男が嫁の尻に敷かれることは良くないと言ってきました。

伊織
「ほかの家庭の事はわからないけど、実際ウチの華族が笑っていられたのは母のおかげだと思う」

古い考え方に反発したくなるほど、伊織は母親に救われてきたのです。

母親はいつでも笑顔で夫に尽くし、子供へ強い愛情を示してくれ、嫌な顔を見せることなく祖母の介護もしてくれました。

そんな強い母親がいたからこそ伊織の家庭は幸せを築いてこれたのです。

伊織が母親のことを改めて尊敬していると、弟の子供が抱きついてきました。

父親が色々な人に挨拶をしているため子供は暇になってしまったようです。

甥っ子が父親に懐いている姿を見ながら、伊織は自分の幼少時代を思い返していました。

伊織
「パパとの思い出たくさんあるんだ、私はこんなときですら思い出すのは母との思い出ばかり」

これほどまでに母親への愛情が深い伊織なのですが、ここから彼女の気持ちを揺さぶる衝撃的な出来事が起こります。

伊織は揺さぶられた気持ちのまま、どのように家族と接していくのでしょうか!?

 

 

少し昭和を思い出させるような家族像を丁寧に描いていますね。

葬式の最中でも母親との記憶しか思い出せない伊織の姿が印象的でした。

重大な秘密を知ったことで家族の絆が崩壊してしまう様子を表現した『母の浮気』

どこにでもいる普通の家庭を描写した感情移入しやすい物語です。

母の浮気が発覚したことで揺れ動く伊織の表情に注目しながら続きをご覧ください。

後編

伊織が甥っ子と遊んでいたら、いつの間にか火葬場へ向かう時間になっていました。

慌てて母親を探すのですが近くには見当たりません。

心配になった伊織は葬儀場の中を探し回ることにします。

伊織
「えー、どこ行ったのよ、まさか1人で泣いてるとか・・・」

ようやく物陰に居た母親を見つけ安心するのですが、母親は伊織が見たことない男性に抱きしめられていました。

母親
「いさお」

母親はいさおという男性に慰められているようです。

伊織
「お母さん、もう出発の時間なんだけど・・・」

伊織の言葉に母親は驚きながら涙を拭いました。

母親
「あ・・・そうだったわね、では失礼します、伊織急ぎましょう」

そのまま伊織を連れて葬儀場を後にします。

伊織
「これ・・・何?なんだったの?なんでお母さんが知らない男の人に抱かれていたの・・・?」

伊織は状況が全く理解できません。

しかし火葬場に向かう際中、母親からは何も聞かないでという雰囲気が感じられます。

結局そのまま葬儀は終了してしまいました。

自宅へ戻ると伊織は母親を抱きしめていた男性の雰囲気を思い返します。

男性は優しそうな人で父親とは正反対のタイプでした。

そんなことを考えていると母親が声をかけてきます。

母親
「伊織も疲れたでしょ、先にお風呂に入ってゆっくり休んでちょうだい」

ここで伊織は思い切って男性について質問することにしました。

伊織
「お母さん、いさおって人は何?お母さんの田舎の言葉使ってたよね」
母親
「何って昔からの知り合いの方よ」

質問には答えてくれるのですが母親は顔を合わせてくれません。

伊織
「名前で呼び合うほどの知り合い?」
母親
「だから古いお友達よ、お風呂入らないならお母さん先に入ろうかしら」

母親は質問を遮るように風呂場へ向かおうとします。

伊織
「あ、わかった、もしかして元カレ?まさか元カレと浮気してたりして」

伊織は冗談を言ったつもりなのですが、母親はギョッとしたような表情でこちらを向いてきました。

そしてすぐに顔を背けて俯いてしまいます。

自分の冗談で戸惑う母親を見て伊織も固まってしまいました。

母親
「あのね伊織、いさおと私はね」
伊織
「いさおなんて名前で呼ばないでよ」

冗談を言われて笑うどころか母親はどんどん真剣な表情に変わっていきます。

しかし伊織は母親が真剣な表情になればなるほど不安が膨らんでいきました。

母親
「伊織・・・」
伊織
「ねぇ何やってんの?しかもお父さんの葬儀の日に・・・最低」

こうして伊織はよりにもよって父親の葬儀の日に母親の浮気を知ってしまったのです。

伊織はここから大好きだった母親の元を訪ねなくなりました。

家庭を省みない父親よりも優しい元カレに走る気持ちは理解できます。

ですがそれならば離婚してほしいと思う気持ちから母親に会えなくなってしまいました。

この状態が何日も続く中、これまで無理をしてきた母親が病気で倒れてしまいます。

弟から母親が倒れたことを聞いた伊織は急いで病室へ向かいました。

伊織
「お母さん本当はすごく大変だったんだね、いつも楽しそうに笑ってたから気づかなかった、お母さんは幸せじゃなかったの?ほかの男に逃げたくなるくらい家が辛かったの?」

意識が戻らない母親に問いかけても答えは返ってきません。

果たして伊織は母親がどのような思いを抱えていたのか知ることができるのでしょうか!?

水谷愛先生の他の漫画に関する記事はこちらです↓↓↓

『氷点』のネタバレと感想!三浦綾子の原作小説を漫画化しました!

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母の浮気を読んだ感想

母親の不倫を知った伊織にも、様々な事情から浮気に走った母親の両方に同情できるストーリーですね。

どちらも悪くないため物語の世界に入り込みながら作品を楽しむことができました。

不倫という重たいテーマを見事に表現していく『母の浮気』

色々なことを考えさせられる内容になっています。

家族のことを思いながら作品の世界観をご堪能ください。

 

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