今回は「漫画 コリス 原作 道草家守」先生の『青薔薇アンティークの小公女』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『青薔薇アンティークの小公女』はこんな漫画(あらすじ)
エルギス国には妖精と契約して国を建てたという言い伝えがあります。
首都ルーフェンで暮らしている青い瞳の少女ロザリンド・エブリンは、母を亡くしたことによって自分で生活費を稼ぐことになりました。
しかし瞳と話し方にコンプレックスを抱くローザは接客業に向いていません。
洗濯屋をクビになったローザは花売りに転職しましたが、そこでも上手く接客できないためイタズラ好きの妖精ブラウニーと呼ばれてしまいます。
花が売れなければ食事もできず家賃も払えないローザは、自分の身体を売らなければ生きていけないことを痛感しました。
ですが偶然出会った青薔薇骨董店のアルヴィン・ホワイトがローザを雇いたいと申し出てくれます。
妖精の伝承を忘れかけた異世界のラブロマンスを描いていく『青薔薇アンティークの小公女』
今回は妖精をテーマにしたSFファンタジー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
ローザのシンデレラストーリーと、ほのぼのとした癒される物語から目が離せなくなりますよ。
『青薔薇アンティークの小公女』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
青薔薇骨董店は妖精にまつわる話を持ち込めば、必ず解決してくれると噂されていました。
そんな青薔薇骨董店に入ると妖精のように美しい店主が出迎えてくれるそうです。
店主の傍らにはいつも青薔薇のような少女が寄り添っていました。
青薔薇骨董店があるエルギス国には妖精と契約して建国されたといういう言い伝えがあります。
しかし現在の首都ルーフェンでは産業が繁栄したことにより、妖精との契約はお伽噺だと考える人が多くなっていました。
洗濯屋をクビにされたローザはミーシアに誘われた花売りとして働き始めています。
教わった通り女性を連れた紳士に声を掛けることにしました。
視線が恐ろしくなったローザは上手く言葉を出すことができません。
幼い頃から母親にぎょろっとした目が気味悪いと言われてきたので、ローザは他人の視線が気になるトラウマを抱えていました。
俯いているとミーシアが間に割って入ります。
明るくて陽気なミーシアが声を掛けると、婦人は花を買ってくれました。
花を売れなかったローザは他の花売りに叱られてしまいます。
ローザのせいでこの辺りの花売りは気味が悪いと噂されていて、お客に声も掛けられないイタズラが好きな妖精のブラウニーと呼ばれてしまいました。
もうここでは花を売らずどうしても売りたいなら夕方から夜にしなさいと忠告されます。
さすがに売春はできません。
面倒を見てくれているミーシアのためにローザは手紙を読んであげることにします。
ローザは文字を読めるように教えようとしますが、どうせ返事をしないので必要ないと言われました。
ミーシアは一緒になるなら同じ労働者階級が一番だと考えているのです。
ローザの母親が亡くなってから二ヶ月が経過しました。
母親を失ったことでローザの人生は大きく変わってしまったのです。
同じアパートに住んでいるミーシアが花売りに誘ってくれました。
ですがまともに喋れないローザは客商売には向いていません。
これからは自分の力でお金を稼がなければならないのです。
しかし自分の目は人を不快にさせると思い込んでるローザは顔を上げることができません。
籠の花が売れないまま夕方になってしまいます。
もう春を売るしかないと項垂れながら歩いていると雨が降ってきました。
通行人とぶつかったローザは濡れた道路に膝をついてしまいます。
自分を不要な存在だと思うローザに運命を変える出会いが待っているのでした。
青い瞳と陰気な黒髪のせいで対人恐怖症になってしまったローザが不憫でした。
お客と目を合わせられないトラウマのせいで全く花は売れませんでしたね。
気品高いローザの数奇な運命を描写した『青薔薇アンティークの小公女』
運命の出会いがローザの未来に光を差し込んでくれます。
青薔薇とローザがリンクしていきますよ。
後編
転んでしまったローザが薔薇の花を拾おうとしたのですが、先に薔薇を拾い上げる人物が現れます。
ローザの青い瞳を見つめながらアルヴィンという美しい青年が薔薇を渡してくれました。
花が売れていないローザは欲しいという言葉の意味が分かりません。
青薔薇とは伝説の妖精の国にあると言われている花です。
アルヴィンが持っているのは白薔薇なのでもちろん青薔薇ではありません。
夜の花売りがどんな仕事をしているのかアルヴィンは知りませんでした。
アルヴィンは青薔薇のようなローザに自分の店に来てほしいという意味で欲しいと言ったのです。
これまで気味悪がられてきた青い瞳なのに、アルヴィンは綺麗で華やかだと言ってくれました。
驚きながらローザは従業員として雇いたいと言っていることに気付きます。
綺麗な発音で身なりもとても良いアルヴィンは少なくとも中流階級以上で間違いありません。
そんなアルヴィンがどうして自分を雇いたいと思っているのか分からないのでローザは戸惑ってしまいます。
母親との思い出が詰まった部屋を出たくないので住み込みは断りました。
まだアルヴィンを完全に信用できませんが、不思議と彼とは目を合わせても怖くありません。
そこでローザは通いで働くことを条件にアルヴィンの骨董屋で働くことを決めました。
渡された名刺にはアルヴィン・ホワイトというフルネームと、青薔薇骨董店の住所が記載されています。
青薔薇骨董店があるノッティング・チャーチ・ストリートは中上流階級の街で、ローザが暮らしているアパートからは遠いのですが歩いて通えない場所ではありません。
明日から働けることを伝えると、アルヴィンは一輪の薔薇を銀貨で購入してくれました。
アルヴィン・ホワイトが経営する青薔薇骨董店で、ローザはどのような仕事を任されるのでしょうか!?
『青薔薇アンティークの小公女』を読んだ感想
シンデレラストーリーの始まりを感じさせるストーリー展開になっていますね。
気味悪がられてきた青い瞳を美しいと言ってくれたアルヴィンには、ローザを幸せにしてほしいと思いましたよ。
骨董店を舞台に様々な人間ドラマが交錯する『青薔薇アンティークの小公女』
妖精の伝承と美しい愛を題材にした素敵な物語になっています。
誰かに必要とされる喜びをこの作品から感じ取ってみてください。
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