14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。のネタバレ!

今回は「元町夏央」先生の『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』はこんな漫画(あらすじ)

14歳の海青子(みあこ)は両親を亡くしてから奈良県東吉野村の山奥で祖父母と暮らしています。

料理が得意だった母親の姿を見て育った海青子は、東吉野の大地が育む食材を調理することが好きになっていました。

そんな中、空き家だった隣に20歳のという青年が東京からやって来ます。

仕事と恋人を捨てて東京から逃げ出してきた祐のため、海青子は里山レシピを振る舞うことにしました。

ここから絶品レシピと海青子の優しさ、そして穏やかな田舎の生活が祐の背中を後押しすることになっていくのです。

人生において幸せとは何かを問いかけていく『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』

今回はほのぼのとした優しい雰囲気に包まれたグルメ漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

田舎で巻き起こるほっこりした人間ドラマをお楽しみください。

 

『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

気持ちが良くなるほど晴れたある日、海青子が中学校からの帰り道を歩いていると近所のおばさんたちが声をかけてきました。

おばさんたちは30年前に東京へ行った坂本さんのお屋敷に誰かが帰ってきたことを気にしているようです。

坂本さんのお屋敷は海青子の隣なので何か知っているか聞かれました。

しかし海青子は何も聞いていません。

再び海青子が自宅へ向かい始めた頃、坂本さんのお屋敷では青年が縁側で横になっていました。

「どうして、どこで間違えた?何もかも全部捧げてきたはずなのに・・・どうして俺は今ここに・・・?」

会社に退職届を出した青年は、仕事を失ったことで彼女にフラれてしまったのです。

そして逃げるように祖父の屋敷がある東吉野村へやって来ました。

自分の状況を心の中で整理するとお腹の音が鳴ってしまいます。

タイミング悪く帰ってきたばかりの海青子にお腹の音を聞かれてしまいました。

海青子
「あっ、わ、わたし隣の家の海青子ってもんです、この道を通らんと家に帰れんから・・・」
「・・・この家の孫の祐です、っていってもここに来るのははじめてだけど・・・」

初めて会ったのですが坂本さんの孫ということで安心します。

するとまたしても祐のお腹が大きな音を鳴らしました。

海青子
「おなかすいとるの?」
「そういえば昨日東京を出た時から何も・・・」

昨日から何も食べていないことを知った海青子は家に戻って料理をすることにします。

まずは白ネギ、春菊、しいたけ、しらたき、そしてとっておきの牛肉を冷蔵庫から出しました。

この牛肉はテストが終わったご褒美に買ってもらったのですが、せっかくなので祐にも食べてもらうことにします。

海青子
「具材を食べやすい大きさに切って・・・牛脂を溶かしたアツアツの鍋に、お肉を焼くのはほんとにさっとだけ!」

手際よく料理を進めていると祐の所にも美味しそうな匂いがしてきました。

「うわーっなんだー!?めちゃいいにおいしてきた・・・!」

牛肉を焼いた後はザラメとお醤油、お酒を加えて絡め合わせます。

最後にお野菜を並べて絶品里山レシピが完成しました。

海青子
「できました!宇陀牛のすき焼きでーす」
「う、うまそうー!」
海青子
「食べて食べて!この辺はお店とかないから作ってしまったほうが早いんです」

お言葉に甘えて宇陀牛のすき焼きを頂くことにします。

まずは光り輝く牛肉を箸で掴みました。

そして少しだけ卵を絡めて口の中へ運びます。

「うわーとろける!なんだこの肉!止まらないよー」
海青子
「これは宇陀牛、おとなりの宇陀市の特産品です、三輪そうめん、柿の葉寿司、大和野菜・・・ここは自然に囲まれとるからおいしいものがいっぱいありますよ」

祐が東京から東吉野村へやって来たのは完全に思い付きでした。

それでも宇陀牛のすき焼きが疲れて荒んだ心を癒してくれたのです。

「完全に思いつきだったけど、ほんの少しだけ東京の喧騒から抜け出してきてよかったかも」

都会の長閑な雰囲気に包まれながらすき焼きを完食しました。

初めて会った中学生と絶品里山レシピに大満足する祐だったのです。

次はどんな里山レシピが頂けるのでしょうか!?

 

 

長閑な田舎の風景と優しくて料理が好きな女子中学生のマッチングが素敵ですね。

素敵な雰囲気と人間に心を癒された祐に共感することができました。

都会では味わえない料理を学ぶことができる『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』!

東吉野村の名物だけでなく田舎料理も数多く紹介してくれています。

美味しそうな料理を見つけたらレシピを参考にしながら料理に挑戦してみましょう。

後編

東吉野村が冬を迎えました。

冬になると食べたくなるのが繊細な絹の糸を紡ぐかのように延ばしては寝かせを繰り返し、吉野の清冷な水で磨かれた特産品の三輪そうめんです。

冷え込みが厳しくなったある日、海青子がそうめんを買いに出かけました。

この日はいつもより寒いため店の中でも息が真っ白になっています。

常連の海青子に対して店主はそうめんを延ばした時に出る端の部分である“そうめんふし”をオマケしてくれました。

海青子
「わっこんなに!?ありがとうございましたー」

店主は中学生になった海青子の成長を父親と母親が空から見ていると言ってくれます。

両親のことを考えながら歩いていると空へ向かって叫びたくなりました。

海青子
「見てくれとるんやろか、お父さんお母さんわたし中学生になったよー、わたしむっちゃ元気やでー」

元気でいることを空から見てくれているはずの両親に報告します。

すると庭先から祐が顔を出しました。

「あれっこないだの・・・?」
海青子
「わー、忘れとった!隣の空き家、東京からこの人が帰ってきとるんやった」

祐のことをすっかり忘れていたため大きな声を出してしまったのです。

恥ずかしくて顔を真っ赤にしていると祐が昼食を一緒に食べようと誘ってきました。

「こないだのお礼にごちそうするよ、もうすぐ町に出るバスもくるし」
海青子
「イヤイヤ今日はバス来ないですよ」

東吉野村では日曜日にバスを利用する人はあまりいません。

そのため日曜日のバスは前日までの予約制となっていました。

予約制を知らなかった祐がバス停の運行時刻を見てみます。

「えー!うわっ本当だ、運行なしって書いてある!」

ここが本当に日本国内なのか心配になってしまいました。

すると落ち込む祐に海青子が昼食を作ってあげると言い出します。

海青子
「おそうめんでよかったらわたし今から作りますよ、いっぱいもろたんです」

家の中に入ると海青子がそうめんの準備を始めました。

今回も手際よく材料を切ってから炒め始めます。

「結局また中学生に作ってもらってしまっている・・・あ、いい香り・・・ごま油だ、でもなんで・・・そうめんなのに・・・?」

海青子が作っていたのは祐が思っているようなそうめんではありません。

彼女が作っていたのは祐にとって未体験のそうめんだったのです。

海青子
「宇陀金ごぼうと豚バラ肉のにゅうめんでーす」

海青子が作ったにゅうめんには炒めたごぼうと豚バラ肉が乗せられていました。

これらの具材はおつゆと合わさってキラキラ輝いています。

「うわっ、のどごしツルツル!コシが強くてめちゃくちゃうまい!それにこのごぼうの食感・・・なんて柔らかで優しいんだ!」

にゅうめんの味も祐の味覚を大満足させるものでした。

特にごぼうの香りがにゅうめんと見事にマッチしています。

それだけでなくこのそうめんには吉野葛が練り込まれていることを海青子が教えてくれました。

海青子
「寒い冬に仕込むからおいしいそうめんができるんやって製麺所のおじちゃんがゆうてはりました、冬は宇陀金ごぼうが旬やしこの組み合わせでにゅうめん作りたあなるんですよねー」

中学生とは思えない料理のセンスに祐は脱帽してしまいます。

しかし海青子が祐を驚かせる料理はこれだけではありませんでした。

ここから地元の山菜や特産品で祐を虜にする料理を作る海青子の姿は実際に漫画を読んでお確かめください。

 

『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』を読んだ感想

現在は様々なグルメがお取り寄せできる時代になっていますが、やっぱり地元の特産品は地元の空気を感じながら味わいたいと思いました。

その場に行かなければ見ることができない風景や、地元の人の温かみも料理のスパイスになるのかもしれませんね。

都会で忙しく過ごしている生活だけが幸せではないことを教えてくれる『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』

東京出身ではない方はこの作品を読むと故郷に帰省したくなると思います。

この漫画を読んで久しぶりに郷土料理を味わうきっかけにしてみてください。

 

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