今回は「大須賀めぐみ」先生の『マチネとソワレ』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『マチネとソワレ』はこんな漫画(あらすじ)
口下手な三ツ谷誠は何を話していいか分からず友達の輪に入っていくことができません。
そんな誠が唯一自分を表現できる場がセリフが用意されている演劇の世界でした。
生きている実感を全身に受けながら様々な役を演じていく誠。
しかしどんなに輝いても誠は死んだ兄の三ツ谷御幸と比較されてしまいます。
御幸の弟だからという評価しか受けない誠は自分の運命を呪うようになっていきました。
その中で誠は謎のタクシーに乗車したことをきっかけに、自分が死んでいるというパラレルワールドに紛れ込んでしまいます。
あり得ない世界で自分の価値を証明しようとする青年の奮闘を描いていく『マチネとソワレ』!
今回はファンタジーの要素を多く含んだヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
演劇の世界でぶつかり合う兄弟の姿を目に焼きつけてください。
『マチネとソワレ』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
ある日、苦悩したような表情で誠が自宅のトイレで1万円札を凝視しています。
決して誠の頭がおかしくなった訳ではありません。
誠は舞台で演じる役柄のためお金を捨てる様な行動に出たのです。
数日後、舞台の上で仲間と大金を手に入れた役柄を演じている誠。
仲間は大喜びしているのですが誠は札束を捨ててしまいました。
誠の常軌を逸した行動は全てこの演技のためだったのです。
こうして迫真の演技を披露した誠はお客から絶賛されました。
しかし誠は劇団の打ち上げには参加しようとしません。
そんな誠は劇団員から2号様と呼ばれています。
実は誠には御幸という有名な役者の兄がいていつも比較されていました。
この日も劇団員たちは誠の知名度が舞台を成功させたと思っていたのです。
ですが誠は周囲の評価を覆す秘策を持っていました。
帰宅した誠は部屋の壁一面に貼った御幸の写真を眺めながら不敵な笑みを浮かべます。
誠は明日落とす爆弾によって世間の評価を覆せると確信していました。
幼い頃から口下手で人の輪に入れなかった誠にとって、言うべきことが用意されている演劇は自由に振る舞える最高の舞台だったのです。
翌日、世界的な演出家の新作発表記者会見が行われました。
演出家の新作は4年ぶりということで大勢のマスコミが集まっています。
この記者会見で主役として紹介されたのが誠でした。
誠はこの新作で兄の存在を乗り越えようとしているのです。
しかし世間の目はそんなに甘いものではありませんでした。
記者たちから質問される内容は全て御幸に関連するものばかりだったのです。
始めは質問に大人の対応で応える誠だったのですが、御幸に関連する質問がいつまでも終わりません。
次第に記者からは御幸が主演を務めるべきだったという声まで上がるようになりました。
大人の対応で記者の質問に答え終えたのですが、会見が終わると悔しさが込み上げてきます。
この悔しさで自傷行為に及んだ誠は大人しく家へ帰ることにしました。
誠はどんなに努力しても兄に大切な場所を奪われてしまいます。
努力を積み重ねて小さな成功を積み重ねても、御幸の弟だから当たり前と言われる状況に辟易していました。
いつになったら誠は死んだ兄の呪縛から解放されるのでしょうか!?
狂気と思える様な行動で演技力を高める誠の姿が印象的でした。
そこまでしても兄を超えられないことに悩む心理状態をとても上手に表現していますね。
亡くなった兄を超えようといばらの道を歩む青年が不思議な現象に巻き込まれていく『マチネとソワレ』!
演劇に関心がない人でも魅了されてしまう完成度の高い作品です。
誠に降りかかる数奇な運命を引き続きご覧ください。
後編
主役に抜擢されたことを兄の遺影に報告するため誠が実家へやって来ました。
御幸の弟としてではなく三ツ谷誠として認められたいのです。
しかし世間やマスコミだけでなく母親も誠の想いには応えてくれません。
母親は遺影の前でうなだれている誠に対して御幸の名前で声をかけてきたのです。
実は御幸が亡くなったショックで母親は記憶を混濁させていました。
医師からは誠が否定すればさらに混乱させる可能性があると言われています。
誠は母親を混乱させないため御幸の立ち居振る舞いを演じることにしました。
その様子を遠くから眺めていた父親は思わず言葉を失ってしまいます。
演じている誠は父親の目からしても生きていた頃のままの御幸でした。
不本意な演技を行った誠は実家から帰ることにします。
いつまで経っても世間や両親は兄の存在を忘れてくれません。
そのことを考えているうちに誠はタクシーの車内で泣き出してしまいました。
ここでうつむいている誠が吐くかもしれないと思った運転手にタクシーを降ろされてしまいます。
渋谷駅の近くで降ろされた誠は道端でもうなだれていました。
誠が主演するバニラフィクションという舞台は簡単に主役の座を掴めるものではありません。
しかし世間は御幸の弟だからという色眼鏡で見てくるのです。
やり場のない怒りに震える誠。
するとここで渋谷の空に大量の蝶々が現れるという不思議な現象が起こりました。
どうやら蝶々は誠にしか見えていないようです。
そのため混乱しているとビルに設置された巨大なビジョンにニュースが流されました。
ニュースでは今春に上映予定のバニラフィクションで主演を務める人物のコメントが紹介されていきます。
主演する舞台についてプレッシャーを感じないとコメントしているのは死んだはずの御幸でした。
水玉色に塗られた謎のタクシーから降ろされた誠は御幸が生きている世界に迷い込んでしまったのです。
さらに兄の御幸が生きている代わりに誠は10歳の頃に事故で亡くなっていることになっていました。
この不思議な世界で誠は自分の存在意義を世間に認めさせることができるのでしょうか!?
演劇界でしのぎを削り合う兄弟の姿は実際に漫画を読んでお確かめください。
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『マチネとソワレ』作品タイトルの意味は?
パラレルワールドに紛れ込んだ主人公が演劇の世界で兄を超えようとする姿を描いた『マチネとソワレ』!
作品を呼んだ方は面白さを感じながらタイトルの意味が気になった人も多いと思います。
そんな人たちのためにタイトルの意味をご紹介していきましょう。
まずマチネは午前、ソワレは夕方という意味のフランス語です。
この意味からミュージカルなどの舞台興行で昼公演をマチネ、夜公演がソワレという風に使われてきました。
もしかしたら昼と夜で演目の種類を変える様な演劇と、別人のように演技しながら表裏一体の兄弟を重ね合わせているのかもしれませんね。
演劇の世界で苦悩する2人の姿をタイトルの意味を理解しながら楽しんでみてください。
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