笑顔のたえない職場です。のネタバレ(漫画)！感想とあらすじも！

今回は「くずしろ」先生の『笑顔のたえない職場です。』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『笑顔のたえない職場です。』はこんな漫画(あらすじ)

25歳の双見奈々(ふたみなな)はアシスタントの間瑞希(はざまみずき)と編集者の佐藤楓(さとうかえで)に支えられている新人漫画家です。

しかし妄想癖が激しい奈々は仕事をスムーズに進捗することができません。

瑞希には呆れられてしまうのですが奈々は妄想癖を職業病だと考えています。

妄想を拗らせる奈々に瑞希と楓は正論をぶつけながら漫画を描かせることにしました。

不満を漏らしたくなる奈々ですがこの職場は環境が悪いわけではありません。

勝手な妄想によって空回りするヒロインの日常を綴っていく『笑顔のたえない職場です。』

今回はワーキングガールズを主役に設定したギャグコメ漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

考えすぎてしまう奈々に共感しながら物語の世界観をご堪能下さい。

『笑顔のたえない職場です。』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

新人漫画家の双見奈々が締め切りの7日前にネームを完成させました。

あとはネームを担当に送ってOKを貰えれば心置きなく作画に入れます。

「だが・・・今の時刻は深夜2時、それに加え担当女史は・・・かなりの美人だ・・・ネームどころではないのでは？」

奈々は編集者の佐藤楓が恋人と一緒にいる姿を妄想していました。

もしも恋人と一緒なら送ったネームが2人の邪魔をしてしまうかもしれません。

「先生いいから仕事して♡」

「わかんないだろォ！？丑三つ時だぞ！？最中かもしれないだろ！」

アシスタントの瑞希に妄想を完全に否定されてしまいます。

しかしこの世に絶対はありません。

「じゃああったとしても極めて低い可能性です、頭5Pは通ってるんでしょ、そんなバカ言ってないで早く送ってキャラ入れてください」

瑞希はアシスタントとして真っ当な意見を発言してくれます。

ですが奈々にも複雑な事情がありました。

「担当さん・・・佐藤さんは・・・ずっと箸にも棒にもかからなかった私を拾ってくれたんだ・・・だから絶対に嫌われたくない・・・ましてプレイの邪魔するとかそんな理由で！」

「してねーから♡先生のその妄想癖なんなの」

「職業病だよ！」

25歳で漫画家の双見奈々は妄想癖を拗らせてしまっているのです。

そのことを理解した上で瑞希は奈々に仕事を進めさせることにしました。

「そういえば先生ってネームどうやって送ってるんですっけ」

「基本スキャンで取り込んでメールしてる、FAXのときもあるけど」

「そーなんですね、メールなら時間とか関係なくないですか？送るだけ送りましょうよ」

「だけど今は丑三つ時だぞ・・・連絡をするのには非常識な時間だ、そんな時間にメールが許されるのは彼氏か緊急事態の時だけだろ」

彼氏でなくても用事があればメールは送りますし、今の状況は緊急事態です。

瑞希はラブコメみたいに自意識過剰な深読みすることを注意しました。

奈々は職業病だと言い訳するのですが恋愛漫画を描いたことはありません。

仕方なくメールを作成することにします。

「1個のメール送んのに何分かけてんですか、先生♡」

「いい文面が思いつかないんだよ、用件だけだとなんか遅れた反省が全くない感じだし・・・かと言って長文だと言い訳がましい・・・」

「えー、ブツがあれば文面なんてどうでもよくないですか」

「愚か者め・・・漫画家は自営業なんだぞ、メールの一つだって仕事なんだ、無礼なメールを送って・・・佐藤さんに嫌われたらどうする！」

漫画家を相手にしているので楓は無礼なメールに慣れているはずだと瑞希が忠告しました。

しかし奈々は不特定多数に向けた暴論だと反発します。

「あーもう本当初めて好きな子にメール送るチェリーですか、めんどくせえ、FAXで送れ♡」

「めんどくさいとはなんだあああ」

見てられなくなった瑞希は勝手にFAXを送ってしまいました。

もしも楓が忙しかったら後で見るだろうし、手が空いてたらすぐに見てくれるはずです。

ですがまだ奈々は楓に嫌われないか心配していました。

「でも先生深夜にネーム送るよりも一番担当さんに嫌われるのは原稿オトすことですよ？」

嫌われたくないので原稿を書くことにします。

仕事に集中したいのですが楓のことが頭から離れません。

「もう3時になるのにまだ連絡こないってことは・・・2R目が」

「ないから♡なんだってそんなひねくれた目で見ますかね、佐藤さんってそんなビッチっぽいんですか？」

楓はとてもガードが固そうな女性です。

それなのに変な妄想をする理由が瑞希には分かりません。

「わからない・・・？そういうおカタいおねーさん程どうにかしてみたいっていうのがさあ人情ってもんでしょう」

「女なのでわかりませーん♡わかったとしても知人でそんな妄想しません」

「えっ・・・なに私が変態みたいな」

「自覚ないんですか？」

仕事を再開するとようやく楓から電話がかかってきます。

ネームが通ったか確認できるのに奈々は電話に出ようとしません。

「編集部からじゃなくスマホからだ、彼氏とおうちでいたしたあとにピロートークのノリでかけてきてたらどーする！」

「佐藤さん彼氏いるんですか？」

またしても変な妄想をしていました。

彼氏がいるかは知りませんがいないとも言い切れません。

変な事を考えていると瑞希が通話ボタンを押してしまいます。

「はい・・・もしもし・・・いえなんでもないです」

「ごめん、遅くなった、今大丈夫？なんで泣いてんの・・・」

「いやかなり遅くなったので・・・」

「あはは、たしかに、でもまあちゃんとあがったし時間かけただけあるよ、良いんじゃない？」

台詞には何カ所か修正が入りました。

それでもネームが通ったので一安心です。

電話を切ると奈々がポロポロと涙をこぼしました。

「佐藤さん・・・ネームよかったって・・・でも・・・佐藤さんはちゃんと私を待って仕事してくれてたのに・・・私ときたら・・・私ときたらあああ」

「もっと信じる心を持ってくださいねぇ」

邪推していた自分が恥ずかしくなります。

瑞希のアドバイスに耳を傾けていればこんなことにはならなかったかもしれません。

心の汚さが憎い奈々はしばらくの間、原稿と向き合うことができませんでした。

妄想が止まらない奈々と、冷静な瑞希の関係性が素敵だと思いました。

アシスタントなのにため口を使ってしまう瑞希の姿が特に可愛らしかったです。

良好な人間関係が仕事を楽しくさせている『笑顔のたえない職場です。』

クールな編集者の佐藤楓には多くの男性読者が魅了されそうですね。

美しい楓に奈々がさらに振り回されていく様子はとてもチャーミングですよ。

後編

奈々が仕事中なのにスマホを気にしています。

「・・・何してるんですか」

「実は・・・ネームが朝あがって即送ったんだけど・・・もう締切も結構ヤバいんだけど・・・この時間になっても担当から連絡が来ない・・・なにこの放置プレイというか焦らしプレイというか、その・・・なんだ、何のプレイだ！？」

「プレイじゃねえよ」

「私はドMじゃないんだ！こんなん全然嬉しくないぞ」

放置プレイされているわけではありませんが、連絡の来ない事態に我慢ができなくなってきました。

ただし奈々はドMでもドSでもないニュートラルです。

「とりあえず仕事して♡ホラ次号のカラー扉レイヤーわけしたからさくっと塗ってください」

「うう・・・ありがとうございます・・・」

メールで送られてきたので気を取り直して仕事を再開しました。

しかし瑞希には言いたいことがあります。

「大体ですねぇ、辛抱たらなすぎですよ双見先生は、たかが1日返事来なかったくらいで、自分のネームはさんざ待たせてるくせにー」

奈々がネームを待たせているのは1日どころではありません。

仰る通りなのですが奈々にも言い分があります。

「でも！締切前なんだぞ、仮にも一応連載作家なんだぞ、ここまで返事が遅くなるなんてどういう了見なんだろうか！」

「普通に忙しいのでは？担当作家先生だけじゃないでしょう、想像足りないなぁ、作家のくせに」

瑞希の正論が奈々の胸に突き刺さりました。

それでも奈々は楓からの連絡が欲しいのです。

「だけどいつもは4時間以内に連絡くれるもん！」

「あーそー、じゃあもういっそワンコとかしてみたら？」

瑞希の意見を聞いて奈々が考え始めました。

しかし自分から連絡することにはどうしても嫌な理由があります。

「自分のネームは遅れるくせに返事は即レス求めて催促するなんていう面倒くさいやつだと思われたくないだろ！」

「ご自分のことよく解ってるじゃないですかぁー、まっぐだぐだ言ってるヒマあるなら手動かしましょうよ」

確かに仕事に集中しなければいけません。

とりあえず仕事を再開させたのですが、奈々は心ここに在らずの状態です。

「ねぇ・・・はーさん、正妻でない愛人の気持ちってこんなんかな・・・？」

「えっごめん、何言ってんの？」

「だってそういうことだろ、この状況は！」

「いやー全然わかんないっす」

急に奈々が自分を愛人に例えました。

常識人の瑞希には何を言っているのか理解できません。

「だってさっきはーさんも言ったでしょ、さとうさんの担当は私だけじゃないって、いや佐藤さんって私以外は売れっ子ばっか担当してるんだよなー」

「あー、アニメ化するのもありましたよね」

「そう・・・だからやつの手持ちの中で私は最弱・・・」

自分で言って悲しくなる悲しくなるセリフが口から出てしまいました。

しかし放置されているような状況なので自分が最弱の手持ちだと思ってしまいます。

そのまま楓からの連絡が来ないまま1日を終了してしまいました。

日付が変わっても奈々は楓からの連絡を待ち続けています。

その様子を瑞希はだんだん見ていられなくなってきました。

「わかりました、私が佐藤さんに電話かけます」

「なんで！？ていうか待って、あんた佐藤さんの番号知ってるの・・・！？」

「えっあっはい」

奈々はせっかくの新連載なのに1話目の原稿中にぶっ倒れてしまったことがあります。

瑞希はその時に胃を壊した奈々を病院に連れて行きました。

締切交渉があるので編集部に連絡した時に楓の連絡先を聞いていたのです。

「聞いてないよ！？」

「言ってないもの」

「そんな・・・いや・・・たしかに図ったように締切延ばしていいよってメールは来たけど、でもなんだろう・・・この・・・NTR感・・・！」

楓を瑞希に寝取られたような感覚に陥ってしまいました。

もちろん瑞希には寝取るようなつもりはありません。

体調を崩した奈々を助けただけなのです。

「話戻すけど電話していい？」

「だめ！これ以上あの人と連絡をとらないで！」

「誰だよお前」

「やなんだよ！私の知らないところで2人が仲良くなるのとかさ！」

しかし瑞希は私用で楓に連絡したことはありません。

ここで大事な仕事相手なら自分から連絡するのが筋だとアドバイスします。

勇気を出して楓に連絡しようとしているとインターホンが鳴りました。

電話をかけるタイミングを失った奈々がドアを開けます。

「来ちゃった」

「なんでぇ？」

楓は幕張のイベントに行っていたため、近いので奈々の自宅に立ち寄ってくれました。

決して奈々のことを忘れていなかったわけではないのです。

「ここで話してもご近所迷惑だから入っていい？」

「だめ！！です」

「力強いな」

「ちょっと近所にファミレスあるんでそこで、準備するんでしばし！」

奈々は楓を自宅に入れようとしません。

戻ってきた奈々が慌てているので瑞希は驚いてしまいます。

「どうしたんスか？」

「やばい、佐藤さん来た」

「マジすか、あっじゃあ私少しハケるんで打ち合わせ・・・」

「いい！私が出ていく、付き合ってもいない女を家に上げるバカがいるかよ！」

瑞希も奈々と付き合っているわけではありません。

そのため自分の存在意義が分からなくなってしまいました。

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『笑顔のたえない職場です。』を読んだ感想

どんなに注意されても妄想が止まらない奈々から目が離せなくなりました。

正論で注意してくれる瑞希と、奈々を振り回す楓も愛すべきキャラクターですね。

愉快な仲間たちの本音がダダ漏れしている『笑顔のたえない職場です。』

読んでいくうちにハッピーな気分になれる物語です。

可愛らしい登場人物たちに癒されるストーリーに魅了されてください。

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