雨夜の月のネタバレ(漫画)!タイトルになったことわざの意味は?

今回は「くずしろ」先生の『雨夜の月』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『雨夜の月』はこんな漫画(あらすじ)

高校入学を控えた春休み、咲希(さき)がピアノ教室に向かっていると、黒髪ロングの美少女とぶつかってしまいます。

美少女は何も言わず楽譜を拾ってくれ絆創膏を渡してくれました。

キレイな黒髪とボーイッシュな服装が印象に残る中、高校の入学式で咲希は美少女と再会しました。

そして名前が奏音(かのん)ということと、彼女の耳が不自由だということを知ります。

障害のためクラスメイトと距離を置く奏音と分かり合いたい咲希なのですが、彼女が作る高い壁をなかなか乗り越えられません。

ですが次第に奏音も咲希を受け入れようとしてくれます。

雨夜にも月はあるはずですが目には見えないことから想像するだけで現実には見ることのできないものを例えた『雨夜の月』

今回は女子高生の絆を表現した漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

どんどん近づく咲希と奏音の交流を見ているうちに心が温まりますよ。

 

『雨夜の月』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

雨が降りそうなので頭が痛くなってきた金田一咲希がピアノレッスンに向かっています。

咲希が暮らしている岩手は4月になってもまだ雪が残っていました。

金田一咲希
「いてて・・・すっすみません、私前見てなくて・・・どこか怪我とか・・・」

ボーッとしながら歩いていたので美少女ととぶつかってしまい、カバンから楽譜が落ちてしまいました。

落ちた楽譜を美少女が拾ってくれます。

そして楽譜と一緒に絆創膏を渡してくれました。

美少女は何も言わず手の平を指差します。

金田一咲希
「え、あ、ありがとうございます」

転んだため咲希は手の平を擦りむいていました。

お礼を言っても美少女は何も話さず立ち去っていきます。

金田一咲希
「クールな人だなー、ここらへんにあんな子いたっけ、あんな美人・・・でもキレイなロングなのになんであんなボーイッシュな格好なんだろ・・・まぁ美人はどんな服も似合うし・・・余計なお世話か・・・」

印象的な美少女に心を奪われていると、いつの間にかピアノレッスンが始まる時間になっていました。

慌ててピアノ教室へ向かった咲希がレッスンを終えると、先生が教室を辞めると報告してきます。

咲希は気付かなかったのですが先生は妊娠していて、結婚もするので仕事は続けられないということでした。

次の先生を紹介してくれると言ってくれましたが、咲希はショックを受けてしまいます。

7歳の頃から今の先生に教えてもらっていた咲希は、先生に彼氏がいると思っていませんでした。

そのことを母親に言うと雨夜の月ということわざを教えてくれます。

雨夜で隠れた月のように目では見えないことを例えることわざを咲希は初めて知りました。

とりあえずピアノを続ける意思を伝えていると、母親が手の傷がどうしてできたのか尋ねてきます。

金田一咲希
「ちょっとピアノ行くどき転んじゃって、そしたら偶然通りかかった子がくれたんだけど・・・すごい美人だったのその子!近所にあんな美少女いたんだなーって」

同年代だと思うので偶然のついでに同じ高校になれたいいなと思ってきました。

美少女との出会いは咲希にとってそれほど印象的だったのです。

そして高校の入学式を迎えました。

金田一咲希
「うそでしょ・・・まさか・・・本当に偶然同じ高校でしかも同じクラスで隣の席って・・・これって運命では・・・!」

あの時のお礼が言いたいのですが暗かったので顔を覚えてもらえてるか自信がありません。

また美少女から話しかけるなというオーラが出ていました。

迷っているうちに担任の関口先生が教室にやって来ます。

そして自己紹介の前に大事なことを伝えると言って美少女の横に立ちました。

関口先生
「この人は及川奏音さん、皆さんと同じ新入生です・・・が及川さんは実は耳が不自由です」
金田一咲希
「え」

突然の報告に咲希だけでなくクラスメイト達も動揺しています。

先生は奏音が困っていたらサポートしてあげてほしいとお願いしました。

しかし生徒から手話ができないので会話ができないと言われます。

及川奏音
「聴覚障害者全体で手話が使える人は2割程度です、勿論先天性か後天性か障害の程度や生まれ育った環境などにもよりますがコミュニケーション手段に手話以外を選択している人も多いのが実態です」

奏音は感音性難聴ですが小学5年生までは聞こえていました。

そのため普通に言葉を発することができますし、相手の唇の動きを読めば何を言っているのかも解ります。

及川奏音
「聴覚障害者=手話は健聴者によくある偏見です、まぁということなのでなんのサポートも要りません、構わないでください、逆に迷惑」

咲希はぶつかった時に話しかけても会話できなかった理由に気付きました。

それでも奏音と話してみたいと思っています。

他人を寄せ付けない雰囲気の奏音とどうやって距離を縮めていくのでしょうか?

 

 

クールな奏音と同じクラスだったことに運命を感じた咲希の驚いた姿が印象的でした。

耳が不自由でも他人に支えてもらう必要がないと主張した奏音の堂々とした様子もかっこよかったです。

現実に存在するけど実際には見えない幸せを追い求めていく『雨夜の月』

クラスで孤立した奏音に咲希が急接近していきます。

咲希の純粋な優しさと奏音の心の扉を開く素敵なセリフにご注目ください。

後編

入学式の日、帰ろうとする咲希に担任の関口先生が声をかけてきます。

関口先生
「及川さんのことなんだけどああ言ってはいたけど・・・やっぱり生活してたら困ることもあると思うのね、金田一さん隣の席だしちょっと気をつけて見て貰えるかな・・・」
金田一咲希
「・・・わかりました」

関口先生はまだ奏音のことが気になっているようでした。

話をしながら咲希は関口先生の机にある漫画が気になっています。

関口先生
「これね及川さんと同じ聴覚障害者の女の子が主人公なの、先生も勉強しなきゃと思って」

何か違うと感じた咲希は家に帰ると聴覚障害者についてネットで検索してみることにしました。

すると聴覚障害者にも様々なタイプがあり、単純に音が聞こえない場合だけではありません。

金田一咲希
「そういう人もいるけど音が歪んで聞こえる、聞こえ辛い音域がある、騒がしい場所だと音が混ざって聞こえる、聞こえないにも色々あるんだな」

そして聴覚障害者の多くが聞えないことをなかなか信じてもらえないことに悩みを抱えていました。

咲希もまだ奏音の耳が聞こえていないことを信じられません。

世の中には身体が不自由な人もいることは頭では分かっているのですが、実感がないのでファンタジーと変わらないのです。

ネットでも奏音のことは調べられないので、咲希は直接質問することにしました。

金田一咲希
「音、少しは聞こえるの?」

声をかけてもこちらに気付いていません。

仕方なく肩を叩いてみます。

及川奏音
「・・・何?」
金田一咲希
「えっと・・・おと、すこしならきこえるの?」
及川奏音
「・・・うん、補聴器つけてるし・・・」

補聴器を付けているので咲希は自分の声が聞こえていると思ったのですが勘違いでした。

奏音によると騒音がうるさい教室で言葉を拾うのは難しいそうなのです。

金田一咲希
「そうなんだ・・・じゃあつまり静かなとこだったら・・・」
及川奏音
「ねぇ、言ったでしょ、サポートはいらない、先生になにか言われた?」
金田一咲希
「そういうんじゃないよ、せっかく隣の席だし仲良くなりたいなって・・・」

しかし奏音はクラスメイトに構ってほしくないと宣言していました。

そのため咲希は何も言えなくなってしまいます。

及川奏音
「あんた・・・咲希っていったっけ、咲希はさ言われたことない?常に相手の立場になって考えましょう、アレを守れる人ってこの世にいるのかな、少なくとも私はムリ、普通に聞こえる人の気持ちが年々わかんなくなってく、そっちも聞こえない人の気持ちはわかんないでしょ」

お互いのことを分かり合えない状況では仲良くなることなどできません。

奏音は自分に構わないで他のクラスメイトと友達になることを勧めてきます。

確かに言う通りなのかもしれませんが、クラスメイト達は悪気なく奏音の聴覚障害を信じていませんでした。

多くの人が自分で実感できる範囲でしか物事を判断できません。

奏音は恐らく小学5年生で聞こえなくなってからこのような環境に晒されてきたのです。

拒絶されてしまったのですが咲希は聴覚障害を信じないクラスメイトとは一緒にいたくありません。

自分が一緒にいたいのが奏音だと気付いた咲希が帰ろうとしていると、玄関の前で奏音が雨宿りしていました。

金田一咲希
「帰らないの?」
及川奏音
「・・・傘忘れたし止むまで待つ咲希は帰れば?そこにつったってられても困る」

奏音に受け入れてもらうことはとても難しいことなのかもしれません。

それでも咲希は自分の感覚を信じることにします。

金田一咲希
「傘!コンビニで買ってきた!補聴器濡れるとよくないから帰れないんでしょ?違う?よかったら途中まで一緒に帰ろ?」
及川奏音
「あんたバカ?せめて傘さして戻ってきたら?ズブ濡れじゃん、ほんっと頭悪い、しつこいし」
金田一咲希
「そうだね、及川さんの言う通りだよ、及川さんは耳が悪いけど私は頭が悪いみたい・・・だからなにか配慮に欠けたり困ってる時はちゃんと言って欲しい、わかるように・・・だけど話もしないうちから言ってもわからないでしょって切り捨てられるのは悲しいよ」

お互いが分かり合えることを咲希は強く願っていました。

その純粋な想いが奏音の閉ざされた心の扉を開けていきます。

及川奏音
「なるほどね・・・私は耳が悪くて咲希は頭が悪い・・・あははは!うまいこと言ったなあ」

初めて奏音が笑顔を見せてくれました。

少しだけ距離が縮まった2人は一緒に帰って行きます。

金田一咲希
「ごめんね、傘持たせちゃって」
及川奏音
「あ、ごめん何か言った?」
金田一咲希
「かさ、さしてくれてありがとう」

背の高い奏音が傘を差してくれていることに感謝しました。

感謝された奏音は少し恥ずかしそうな表情になっています。

及川奏音
「雨降ってると聞こえにくい、歩いてると口も見えないし、だから無視じゃないから、私が反応しなくても、覚えておいてくれたら嬉しい」

まだ相手の立場を完全に理解できたわけではありません。

それでもお互いのことを名前で呼び合うことができるようになった2人なのです。

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『雨夜の月』を読んだ感想

現実に存在していても実際に見ることができないものは、咲希と奏音の求めている幸せのような気がしました。

普通の幸せを求めている2人がお互いの違いを理解しながら距離を縮める様子には感動できますね。

素直な気持ちを伝えることで咲希が奏音と仲良くなっていく『雨夜の月』

誰もが自分の理解できないことに踏み込めないことを表現していると思いました。

女子高生の日常を綴って生きながらとても深いテーマを題材にしている漫画ですよ。

 

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