今回は「原作 唐澤和希 漫画 井山くらげ」先生の『後宮茶妃伝~寵妃は愛より茶が欲しい~』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『後宮茶妃伝~寵妃は愛より茶が欲しい~』はこんな漫画(あらすじ)
青国の都・功安で皇帝陛下に献上するお茶の選定会が開かれることになりました。
お茶をこよなく愛する采夏(さいか)は茶師にとって最高の名誉を手に入れるため、自作のお茶で選定会へ参加することにします。
豊富な知識でお茶に精通している采夏なのですが、自分で作ったお茶の味には満足していません。
それでも最後のチャンスを逃したくないので選定会への参加を決めたのですが、采夏は間違って后妃を選定する面接会場に並んでしまいました。
ここから茶道楽の采夏は想像もしていなかった数奇な運命に巻き込まれていくのです。
お茶の力で運命を切り開いていく『後宮茶妃伝~寵妃は愛より茶が欲しい~』!
今回は後宮を舞台にしたヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
お茶の魅力にのめり込んだ少女の物語が描かれていきますよ。
『後宮茶妃伝~寵妃は愛より茶が欲しい~』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
功安では春の訪れに感謝を示す清明節を迎えていました。
青国では憑きものがついたかのようにお茶を愛する者は茶道楽と呼ばれています。
茶道楽の采夏が訪れたのは功安の中でも数多くの銘茶を取り揃えているお店で、選りすぐりの茶葉に感激することができました。
しかし最近では宦官がやりたい放題なので良い茶葉が市井に出回らなくなっているそうです。
嘆いている店主から良い香りが漂ってきました。
その香りに采夏は心当たりがあります。
采夏の言う通り店主は黄山毛峰の茶葉を持っていました。
しかし小娘が茶として出す前の香りだけで銘柄を言い当てることなど信じられません。
怪しいと感じた店主は采夏のことを好事家が茶葉を奪うために差し向けた人間だと思い込んでしまいます。
お金を出そうとした采夏の荷物にはたくさんの銘茶が入っていました。
采夏は銘茶を個人的に楽しむそうです。
それを聞いた店主が利き茶勝負を申し込んできました。
茶葉一筋三十年の店主は自分の店に置いてある茶葉を完璧に把握しています。
つまりこの勝負で店主が負けるはずはありません。
分の悪い勝負に応じてしまいました。
店主は勝利を確信していたのですが、いざ利き茶勝負が始まると予想外の展開になっていきます。
格好は田舎娘にしか見えません。
それなのに采夏は美しい所作でお茶を淹れ、美味しそうに飲み続けているのです。
また次々と正解を連発していました。
銘柄だけでなく茶葉を摘んだ時期まで特定します。
一昨年は蒙山の茶木が不作で偽物が出回ってしまいました。
本物の蒙頂甘露は淡く優しい飲み口の中に力強さがあるのです。
ようやく店主は目の前の小娘がお茶に関する化け物だと認識しました。
素直に負けを認めた店主は黄山毛峰を譲り渡します。
采夏が持っていた大量の銘茶は利き茶勝負で手に入れたものでした。
店主は小娘だと侮っていた采夏を自分よりも上をいく茶道楽と認めざるを得ません。
しかし采夏は利き茶勝負をするために都へやって来たわけではなかったのです。
絶対に勝てると踏んで利き茶勝負を挑んだ店主なのですが、采夏のことを見くびりすぎていましたね。
そんな店主を圧倒した采夏の豊富な知識には驚かされました。
お茶に魅せられたヒロインの活躍を描いた『後宮茶妃伝~寵妃は愛より茶が欲しい~』!
好きなものにのめり込める采夏は幸せ者かもしれませんね。
常人離れした采夏の悩みがここから明らかになっていきますよ。
後編
敗北を認めた店主は采夏のことを知りたくなってきました。
選定会とは皇帝が飲み比べをして、その年の最も美味しいお茶を決めるイベントです。
茶師として最高の名誉を手に入れるため采夏は都へやって来ました。
豊富な知識を持っているので采夏のお茶に店主は期待を寄せます。
しかし采夏は自分の作ったお茶に満足できていません。
これまで数々のお茶を愛飲してきました。
だからこそ自分の作ったお茶が極上の味ではないことを自覚しているのです。
それでも夢を諦められないのですが、采夏は18歳になってしまいました。
この国では18歳の女性は結婚していることが常識とされています。
だからこそ采夏はこの機会を逃したくありません。
店主から受付は青禁城の門前で行われていて、人が沢山集まっているからすぐに分かると教えてもらいます。
青禁城は店から真っ直ぐ歩いていけば到着するのですぐ向かうことにしました。
すっかり仲良くなった店主に見送られ青禁城へ向かうと、確かに大勢の人が集まっています。
女性も多いので采夏はワクワクしてきました。
受付に行ってみると茶葉を出品していないのに合格と言われます。
采夏がやって来たのは后妃選定面接会場である宦官のお屋敷でした。
国一番の茶師になるため都を訪れたのに、気づいたらお妃候補になっていたのです。
合格した采夏は着替えさせられてしまい市場で手に入れた茶葉を全て没収されてしまいました。
毎日お茶を飲まなければ生きていくことなどできません。
苦悩する采夏は借りてきた火鉢と釜を使ってお茶を淹れる事にします。
すると上物の茶葉の香りが漂ってきました。
振り返ると男性がこちらを見ています。
服装的に男性は下級の宦官なのかもしれません。
男性は地べたに座ってお茶を淹れようとする采夏を不思議に思っているようです。
懐から男性が茶葉を出しました。
その茶葉を見た采夏は震えてしまいます。
爽やかでいて深みのある香りは龍井茶に間違いありません。
お茶が好きそうな采夏に男性は龍井茶を譲ると言ってくれます。
男性が正気だとは思えません。
しかし男性はお茶にそれほどの価値があると思っていないようです。
龍井茶は皇帝献上茶に選ばれたことがあるのに、男性はどんなにあがいても茶は茶だと言い切りました。
この発言を茶道楽の采夏は認めることができません。
男性は物事には限界を超える領分以上のことはできないと断言します。
ここで茶道楽の血が騒ぎ始めました。
お茶に関心が無い男性を極楽へ連れて行くことは可能なのでしょうか!?
『後宮茶妃伝~寵妃は愛より茶が欲しい~』を読んだ感想
茶道楽という言葉が采夏には相応しいと思わせてくれる物語ですね。
大好きなものを極めようとする人間の情熱は素敵だと感じました。
キラキラと輝いて見えるヒロインが大活躍していく『後宮茶妃伝~寵妃は愛より茶が欲しい~』!
お茶に無限の可能性があると信じる采夏が魅力的に描かれています。
偶然出会った男性の正体にもご注目ください。
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