『十角館の殺人』のネタバレ(漫画)!四重殺人事件の真相は?

今回は「原作 綾辻行人 漫画 清原紘」先生の『十角館の殺人』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『十角館の殺人』はこんな漫画(あらすじ)

半年前に4人が殺害された角島という孤島に推理小説研究会のメンバー7人がやって来ました。

殺人事件が未解決なのでエラリイルルウは好奇心をそそられています。

推理を楽しもうとしていたエラリイ達だったのですが、翌朝になるとテーブルの上に被害者と殺人犯、探偵と書かれたプレートが置かれていました。

プレートは被害者5人と探偵役、そして殺人犯を示唆しているので穏やかではありません。

もしもプレートを部屋にかけられると本当に犠牲者が出る可能性も予測できます。

推理小説研究会のメンバー達に緊張感が走る中、角島の外では奇妙な出来事が起こり始めていました。

未解決事件と推理小説研究会に襲いかかる事件がリンクしていく『十角館の殺人』

今回は本格派ミステリー小説をコミカライズした物語の第2話と第3話についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

第1話では登場しなかった人物たちが大活躍していきますよ。

 

『十角館の殺人』の魅力紹介(ネタバレ含む)

第2話

江南あきらの自宅に中村青司という人物から郵便物が送られてきました。

この時点であきらは中村青司という人物に心当たりはないので不審に感じてしまいます。

封筒を開けるとさらに不信感が強くなりました。

江南あきら
「お前たちが殺した千織は私の娘だった・・・」

千織というのは恐らく中村千織のことだと思われます。

中村千織はあきらが所属していた大学の推理小説研究会の後輩でした。

約1年前、推理小説研究会のクルージングで船が海難事故に遭ってしまい中村千織は亡くなってしまったのです。

江南あきら
「なのに殺されたなんて今頃になってどうして・・・中村青司・・・中村青司・・・!?あれは確か去年の九月頃・・・あった!」

中村青司の名前を思い出したあきらがネットで検索するとすぐに情報が見つかりました。

角島の中村青司邸、通称青屋敷が炎上し焼け跡から中村夫妻と使用人夫婦の計4人が死体で発見され、未だに犯人は捕まっていません。

つまりあきらのもとに届いたのは死者からの告発文だったのです。

江南あきら
「中村千織の連絡先って登録してたっけ・・・えーとケータイは・・・また東からか、私はもうミス研じゃないってのに」

東は本日から一週間、ミス研のメンバーで角島へ合宿に行くというメッセージを送ってきていました。

死者からの手紙が届き、よりによって事件が起こった角島へメンバーたちが向かったことは偶然とは思えません。

すぐにあきらは千織が住んでいた祖父の家へ電話をかけ、千織の父親が中村青司であることを確認しました。

そして青司の実弟である中村紅次郎の住所も聞き出します。

ネットで調べた情報によると紅次郎は地元の高校教師を務めながら仏教学を研究していて、春休みの今は自宅にいることが多いとのことでした。

好奇心旺盛でフットワークが軽いあきらは紅次郎と会ってみることにします。

中村紅次郎
「はい、どちらさん?」
江南あきら
「あの・・・私は亡くなった千織さんと大学で同じ研究会にいた江南と申します、実は今日妙な手紙が来まして・・・」
中村紅次郎
「とりあえず上がりなさい」
江南あきら
「すみません、突然押しかけてしまって・・・」

アポも取らずにやって来たあきらを紅次郎は家に招き入れてくれました。

あきらよりも先に友人が訪ねて来ていたのですが、気を遣わなくていいと言ってくれます。

紅次郎は友人の島田潔を紹介すると中村青司からの手紙について話をしてくれました。

中村紅次郎
「実はね江南さん、私のところにも来てるんだよ、同じような手紙がね」

あきらに届けられた封筒と同じく差出人の名前は中村青司です。

ただし文面は“千織は殺されたのだ”というものでした。

紅次郎は手紙を質の悪いいたずらだと考えています。

江南あきら
「ちょっと調べてみたんですが・・・私だけじゃなくって他にもう一人別の会員にも届いてたみたいで・・・」
島田潔
「ほう」
江南あきら
「いまは本人と連絡がつかないんですけど実家に電話したら届いてることがわかったんです、まさかこの中村青司さんが生きてるなんてことは・・・」

兄の死体を確認した紅次郎はあり得ないと答えました。

あきらは手紙の内容についても質問してみます。

中村紅次郎
「あれは事故だったと思ってるよ、殺されたみたいなものだとそういう気持ちもわかるが・・・むしろ悪戯で兄の名を騙るこんな行為の方が許せないな」
江南あきら
「そうですか、ところでうちの研究会の連中が今角島に行ってるんです、ご存知でしたか?」
中村紅次郎
「いいや、あそこの土地と屋敷は兄の死後、私が相続したんだが先月売ってしまった、もう二度と行く気も起きまいし・・・その後のことは知らんよ・・・おっともうこんな時間か、すまないがこの後まだ仕事が残っていてね」
江南あきら
「あ・・・ありがとうございました」

あきらは島田と一緒に紅次郎の家を後にしました。

島田も手紙に着いて関心を抱いているようです。

島田潔
「しかし君も変わってるねぇ、ただの悪戯かもしれない一通の手紙のためにこんな遠方まで一人で出向いて来るんだから、まぁ僕が君と同じ立場でも同じ行動をとっただろうな、暇は毎日持て余してるしね」
江南あきら
「・・・島田さん紅次郎さんとはどういうお知り合いなんですか?」
島田潔
「ああ、紅さんは大学の先輩なんだよ、実を言うと僕の家は寺をやっててね、三人兄弟の末っ子で親父はまだまだ意気盛んだし、今のところはミステリでも読んで中で死人が出るたびお経をあげるくらいしかすることがない」

紅次郎と同じように仏教学を専攻していた島田の言葉に、あきらは思わず笑ってしまいました。

すると島田があきらにミス研を辞めた理由を尋ねてきます。

江南あきら
「それは・・・中村千織の事故以来みんな妙にギスギスしちゃって居心地悪かったんです、別にミステリが嫌いになったわけじゃないです」
島田潔
「カワミナミ君、さっきの手紙の件どう?君は他意のない悪戯だと思う?」

死者から送られてきた手紙にはどんな意味があるのでしょうか!?

 

 

第2話では角島に集まった推理小説研究会のメンバーではなく、退会した江南あきらを中心に物語が進んでいきましたね。

彼女に送られてきた手紙の差出人は中村青司になっているので、角島で起こった殺人事件に関係していないはずはありません。

事件の真相が孤島と本土で繋がり始めていく『十角館の殺人』

謎めいた事件にあきらだけでなく島田も興味を持ったようです。

手紙が送られてきたことで殺人事件の謎が少しずつ解明されていきますよ。

第3話

島田から手紙が悪戯だと思うか質問されたあきらは自分の考えを率直に打ち明けます。

江南あきら
「紅次郎さんはああ云ってましたけど何だか釈然としないというか・・・そりゃあ私だって幽霊が手紙を書いたなんて思いませんよ、誰かが死者の名を騙って書いたんでしょう、けどただの悪戯にしては念が入ってるというか」
島田潔
「と云うと?」

まず今時は相手にわざわざ手紙を送るようなことは考えられません。

もしも迷惑メールだったとしても無視すればいいだけです。

江南あきら
「それにあの文面、たったあれだけ・・・あまりにそっけない文面でしょ?人を脅かして喜ぶつもりならもっと恐ろしげな文句を並べると思うんです、だからよけいにもっと深い意図があるように思えて・・・」

ここであきらはベラベラ話し過ぎたことを謝罪しました。

ですが島田は全く気にしていません。

島田潔
「うんうん、なるほど深い意図ねぇ・・・ところでカワミナミくん、カワミナミってどんな字を書くの?」
江南あきら
「え?揚子江の江に東西南北の南ですけど・・・」
島田潔
「江南か、いい名前だねぇ、うん、いい名前だ、コナンくん今からお茶でもどうだい?」
江南あきら
「え?いまコナンって呼びました?」

2人はカフェに場所を移して話をすることにします。

いつの間にかコナンと呼ばれるようになってしまいました。

カフェに入るとあきらは手紙に裏の意味があるかもしれないと説明します。

島田潔
「裏の意味?」
江南あきら
「何故今頃になって中村青司の名を持ち出してきたのか、脅迫文に凄みをつけるにしても今どきそれを真に受ける人はいないでしょ、これはつまり去年の角島の事件にもう一度注目しろというメッセージなんじゃ・・・」
島田潔
「・・・うん、なかなか面白い、角島事件ね、再考の余地は大いにありそうだ」

昨年9月に青屋敷が炎上した事件では中村青司と妻の和枝、使用人夫婦の計4人が殺害されました。

行方不明の庭師が1人いるのですが、犯行後の放火で屋敷は全焼してしまったので証拠は少なく犯人はまだ捕まっていません。

屋敷の主人だった中村青司は資産家の長男で、知る人ぞ知る天才肌の建築家だったそうです。

大学卒業後に父親が急逝してしまったため莫大な遺産を弟の紅次郎と相続し、角島に自ら設計した屋敷を建てて暮らすことにしました。

妻の和枝とは古くからの許嫁で青司が島へ渡ると同時に結婚したそうです。

島に渡った後の仕事は半分道楽のようなものだったのですが、風変わりな建築物には多くのマニアが興味を持っていました。

江南あきら
「ふぅん、変わった人物だったんですね」
島田潔
「道楽で仏教学の研究なんてしてる紅さんも変わってるが、その彼が兄は変人ときっぱり云うんだ間違いない・・・兄弟の仲はあまり良くはなかったみたいだけれども」

角島の屋敷には北村という使用人夫婦が住み込みで働いていて、夫は雑用と本土との連絡用ボートの運転、妻は家事全般を任されていたそうです。

もう1人屋敷に出入りしていたのは庭師の吉川誠一という男性で、普段は本土に住んでいますが月に一度は泊りがけで仕事に来ていました。

事件の三日前から角島に来ていたことも確認されています。

江南あきら
「確かその行方不明の庭師が犯人と目されてるんですよね?」
島田潔
「不明瞭な点はいくつもあるんだけどね、夫人の切り取られた左手の件に・・・逃走経路の問題、島に一隻しかないモーターボートは入り江に残されたままだったんだ」

9月下旬の海を4人も殺害した犯人が泳いで本土へ渡ったとは考えられません。

そして動機についても2つの説が浮上しています。

まず1つ目は青司の財産を目当てにした強盗説で、2つ目は吉川が和枝夫人と密通していたと推測されていました。

大方の意見では2つの両方が動機だと考えられています。

警察は死亡推定時刻と死体から睡眠薬が検出されたことから、吉川はまず屋敷にいた全員に睡眠薬を飲ませてから犯行に及んだと推測しました。

まず吉川は北村夫婦を拘束し青司もどこかの部屋に監禁し、和枝夫人を寝室に運んで己の欲望を満たします。

和枝夫人だけ他の3人より死亡推定時刻が早いことから警察はこのような推測に及びました。

そして北村夫婦を殺害し最後に眠らせた状態の青司に灯油をかけて厨房に火をつけたと考えられています。

江南あきら
「ねえ島田さん、犯人はなぜ青司をそんなに後まで生かしておいたんでしょうか、どうせなら早くに始末してしまったほうが安全でしょう」
島田潔
「つまりそこに建築家としての中村青司その特徴が関係してくるんだよ、青司が設計した建物にはいわゆるからくり趣味のようなものがあったらしい、燃えた青屋敷には隠し扉の類が随所に造られていた」

隠し部屋に金品が隠されていたなら、その仕掛けを知っているのは青司だけかもしれません。

犯人が金品を狙っていたなら青司から仕掛けを聞き出さなければならないのです。

以上が捜査状況の要点なのですが、吉川の行方は未だに分かっていません。

あきらは警察の見解がどこか辻褄合わせだと感じていました。

角島青屋敷四重殺人事件の難点は屋敷が全焼してしまい現場から得られる情報が著しく少ない点です。

江南あきら
「あ・・・友人からです、もしもし守須?」
守須恭一
「やあドイル・・・」
江南あきら
「その名前はやめてって云ってるでしょ!」

昼間に電話をかけた守須恭一から電話がかかってきました。

守須はバイクで国東まで行ったため電話に気づかなかったそうです。

頭の回転が速い守須はあきらの要件に見当がついていました。

守須恭一
「うちにもおかしな手紙が来ててね、差出人は中村青司・・・」
江南あきら
「そっち行ってもいい?手紙の件で話したいことがあって・・・連れが一人いるんんだけど一緒に行ってもいいよね?」
守須恭一
「別にかまわないけど・・・」
江南あきら
「知恵を貸してほしいんだ、三人寄れば何とかってね」

角島の外にいる3人は事件の謎を解明することができるのでしょうか!?

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『十角館の殺人』はこんな人にオススメ

本格派ミステリーを楽しみたい人にオススメの作品です。

殺人事件が起こった角島にいるメンバーと、本土から事件を推理する江南あきらたちのどちらが事件の核心に迫るのかが注目ポイントになっていますよ。

死人からの手紙でストーリーが大きく動き始めた『十角館の殺人』

告発文の内容通り中村千織は殺されたのでしょうか!?

大どんでん返しが待ち受けている結末には必ず驚かされるはずですよ。

 

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