踊れ獅子堂賢のネタバレ(漫画)！無料の試し読み情報も！

今回は「常喜寝太郎」先生の『踊れ獅子堂賢』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『踊れ獅子堂賢』はこんな漫画(あらすじ)

40歳の獅子堂賢(ししどうけん)は女性用下着の製造・販売を行う衣料品メーカーの2代目社長です。

しかし秘書や役員になめられているお飾りの社長なので充実した日々を送れていません。

学生時代はボクシングに明け暮れていたのですが、今は人生が止まっているような感覚に陥っています。

そんなある日、獅子堂はエンジン全開で突っ走っていた頃を思い出させてくれる運命の出会いを果たしました。

大ピンチの中で不屈の魂を見せた椎名まなかという女性が動かし始めた獅子堂の新たな人生とは・・・！？

折り返し地点から人生を再起動させていく『踊れ獅子堂賢』！

今回は胸が熱くなる物語の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

アラフォーの人生が音を立てて動き出しますよ。

『踊れ獅子堂賢』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

通勤中の車内で獅子堂賢が浪速のロッキーKO集をスマホで視聴しています。

「これは俺獅子堂賢40歳の・・・人生が変わる物語・・・だが残念ながらそれは・・・今日じゃない」

動画を視聴しているうちに会社へ到着しました。

衣料品メーカー“シェリル”は女性用下着の製造と販売を行っていて従業員数は2632人です。

獅子堂はシェリルの社長を務めているのですが仕事は順調に進んでいるとは言えません。

5年前、創業者である父親が大病したことをきっかけに、獅子堂は小さな広告代理店から強制的に転職させられました。

入社後4年間はいくつかの部署に配属され、去年2代目社長に就任したのですがあまり上手くいっていません。

「親父のことも親父が一代で築いたこの会社のことも嫌いではないが・・・俺は秘書からも役員からもどこか・・・なめられている気がしてしまう」

会社の経営は順調ですが社長としてはお飾りの状態です。

学生時代ボクシングに明け暮れていた自分が下着メーカーの社長という違和感は自分でも気づいていました。

大企業の2代目社長ですが獅子堂の人生は今日も止まったままなのです。

この日シェリルでは新卒採用の最終面接が行われることになっていました。

社長の獅子堂も採用面接に参加しますが、この面接はあらかじめほとんどの合否が決まっている最終確認のようなものです。

「お・・・音羽大学4年の椎名まなかです！よろしくお願いいたします！」

リストを見ると椎名まなかの合否には×と記載されていました。

そのこともあり人事や役員がまなかに自分を動物に例えるなら何？という難しい質問をぶつけます。

「動物・・・その質問の正解・・・なに！？」

もちろん正解などありません。

質問されたまなかも戸惑っているようです。

「フ・・・フラミンゴ・・・です」

「フ・・・フラミンゴ・・・」

「はい！姿勢が良いと・・・よく言われます」

椅子から立ち上がって姿勢の良さをアピールしました。

この大ピンチに立ち上がった学生の姿が獅子堂の目には浪速のロッキーと重なります。

しかし人事や役員は何も感じていません。

採用面接は事前の評価通りで結論が出そうになります。

「ちょ・・・ちょっと待ってください・・・今の子は・・・その・・・採用にします・・・だめですか？」

気まぐれなのかは自分でも分かりませんが、獅子堂は一人の女子学生の人生を動かしました。

ですが獅子堂本人は人事部長の嫌な視線を浴びただけで人生はまったく動いていません。

人生が止まったまま4月を迎えました。

獅子堂が秘書とエレベーターで社長室に向かっていると、マネキンを持った椎名まなかが乗り込んできます。

「すみません・・・失礼します・・・」

「あっ・・・君フラミンゴ・・・！」

「え・・・あっ社長！あ・・・はい、新入社員の椎名まなかです、よろしくお願いします」

挨拶を終えると再びエレベータが動き始めました。

無言の空間で獅子堂はまなかのことが気になります。

「し・・・椎名くん、仕事は頑張れそうですか？」

「は・・・はい！毎日楽しいです、わ・・・私シェリルの下着大好きなので・・・」

「そ・・・そうですか、シェリルの下着のどんなところが・・・」

まだ話したいのですがエレベーターが止まってしまったので秘書に会話を中断させられました。

仕方なくエレベーターを降りると秘書が経済誌に載るインタビューの記事を確認してほしいとお願いしてきます。

しかしインタビューを受けた記憶がありません。

このインタビューは秘書が勝手に受けていたもので、休日の過ごし方を教えてもらえれば付け加えておくと言われます。

「そうでしたか・・・助かります、ただ・・・今後は事前に相談してください、お願いします・・・」

秘書は獅子堂が社業に関心が無いと思っていました。

それなのに前回の採用面接で積極的になったりしたので秘書は混乱しているようです。

ただしコミュニケーションが不足していたことは謝罪してきました。

「俺のことを何もわからない奴と先に決めつけたのはそっちじゃないか！・・・そう自信を持って言い返せない時点でやはり悪いのは俺なのだろう・・・」

秘書の考えを否定できるほどの自信がありません。

ますます人生が止まっていると感じてしまう獅子堂だったのです。

大企業の社長という立場は誰もが羨んでしまうと思いますが、肩身の狭い状況に悩んでいる獅子堂は幸せそうには見えませんね。

創業者ではないので役員や秘書からなめられている環境にも同情しました。

エンジン全開で突っ走れなくなったアラフォーのリアルに迫っていく『踊れ獅子堂賢』！

大人になるとガムシャラに生きられないというメッセージが込められている気がします。

それでも椎名まなかが思い悩む獅子堂を少しずつ変えていきますよ。

後編

仕事帰りに母親と電話で話した獅子堂は、社長業が上手くいっていると説明しました。

「・・・あの頃は人間関係に悩むことなんてなかった・・・俺の人生は・・・常にエンジン全開で突っ走っていた・・・その実感があった、ボクシング・・・もう何年もやってなかったかなぁ・・・」

悩んでいる獅子堂が項垂れながら歩いていると、殴られ屋が試してみないか勧めてきます。

2分で1000円の殴られ屋に獅子堂はストレスを発散できるかもしれないと考えました。

ボクシング経験があるので殴られ屋にパンチが当たると思います。

しかし始まってみるとパンチは全く当たりません。

「偉大な創業社長と比べられているから・・・転職からたった5年しか経っていないから・・・役員たちが全員年上だから・・・わかってるよ、全部言い訳だって・・・」

全て自分の言い訳だということは理解しています。

その中で獅子堂は自分自身を奮い立たせるエンジンのかけ方が分からなくなっていました。

結局パンチを一発も当てられなかった獅子堂が走り出します。

無心で走った獅子堂は気が付くとかつて通っていたボクシングジムの前に立っていました。

ここに来るのは5年ぶりです。

「慣れ親しんだ急階段が俺の全細胞を高ぶらせる」

激しく息を弾ませながら5年ぶりにジムの扉を開けました。

しかしそこに広がっていた光景は見慣れたものではありません。

扉を開けた空間にはリングがなく、男性と女性がダンスをしていました。

「社交・・・ダンス？俺が青春を捧げた場所は・・・がっつり居抜きされていたのであった・・・」

社交ダンスに興味はないのですがドアを開けてしまったので勧誘されてしまいます。

帰ろうとするのですが断れる雰囲気ではありません。

流されるままシューズを渡されると、社交ダンスの講師が現れました。

「こんばんは、私がお相手しますので体験入会・・・ありがとうございます」

「え・・・あ・・・」

「さぁ荷物は置いて、体験ですから基本のワルツから教えますね、左右の肘の高さを同じにして頭は上に引っ張るイメージなんですが肩が一緒に上がらないように」

「ちょ・・・ちょっと・・・」

戸惑っているのですがすぐにレッスンが始まってしまいます。

ダンスが未経験の獅子堂は教えられてもすぐには踊れません。

「左からいち・・・にっ、さんっ、顔上げてください」

「ちょ、わかんない、わかんない」

社交ダンスは思っていたよりも筋肉を使うのでつりそうになってきます。

それでも講師はダンスを中断してくれません。

「パートナーを拒否しないでください、手を繋ぐこと、体を近づけること、怖がらずパートナーと呼吸を合わせてください、拒否しちゃだめです！」

「きょ・・・拒否してるわけでは・・・」

恥ずかしいから目を合わせられないのです。

しかし体を近づけていくうちにリズムが合ってきました。

「さぁ行きますよー！いち・・・にっ・・・さんっ！さぁここで・・・顔上げてー！！」

「は・・・はい！あ・・・」

「ようやく・・・目が合いましたね」

講師が可愛い女性だということに初めて気づきます。

ここで体力の限界を迎えた獅子堂が倒れてしまいました。

久しぶりに大汗をかいて久しぶりにドキッとした自分の顔を鏡で見てみます。

「ゼェ・・・ゼェ・・・お・・・俺・・・笑ってる・・・？」

「あの・・・大丈夫ですか？社長」

講師が椎名まなかだということに獅子堂は気づいていませんでした。

ここから獅子堂の人生が大きく動き始めます。

「久しぶりに自分が笑っていたらもう人生は音を立てて動き出すわけで・・・ましてや・・・社員とこんな所で出会ってしまったら当然なわけで・・・」

社員の椎名まなかは社長の獅子堂にどのような影響を及ぼすのでしょうか！？

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『踊れ獅子堂賢』を読んだ感想

大企業の社長なのに人生が充実していない獅子堂は感情移入しやすいキャラクターですね。

不屈の魂を見せた椎名まなかが無気力そうに見える獅子堂を変えていくストーリーには胸が熱くなりました。

人生の再始動に年齢など関係ないことを教えてくれる『踊れ獅子堂賢』！

まだ獅子堂の再始動は幕を開けたばかりです。

ゆっくりと少しずつですが1歩ずつ前を向いて歩き始めますよ。

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