『スメルズ ライク グリーン スピリット』のネタバレ(漫画)!

今回は「永井三郎」先生の『スメルズ ライク グリーン スピリット』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『スメルズ ライク グリーン スピリット』はこんな漫画(あらすじ)

スーパーや娯楽施設など何もない田舎町に住んでいる中学生の三島フトシは、同級生からイジメを受けていました。

イジメられる理由は三島がホモみたいという理由で、実際に彼は同性愛者です。

親や同級生に見つからないよう女装することで三島は精神を安定させていました。

そんな三島が屋上にいると、自分をイジメているグループの中心人物である桐野が口紅を塗ろうとしている姿を目撃します。

素の自分をさらけ出せる場所を追い求める少年たちの姿を描いた『スメルズ ライク グリーン スピリット』

今回は青春の輝きを独特な手法で表現していく物語について、ネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

秘密を抱えた少年たちの生き様をじっくりとお楽しみください。

 

『スメルズ ライク グリーン スピリット』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

中学生の三島フトシが授業中、窓から見える山々を眺めています。

彼が暮らしている田舎町は娯楽施設が無く、教室の外には見渡す限り山々が広がっていました。

三島
「3体、あっちの山は4体・・・いやもっと・・・遺棄されたまま見つかってない死体が・・・きっと・・・」

特殊な妄想をしているため、三島は先生に名前を呼ばれていることに気が付きません。

そのため後ろに座っているイジメっ子から注意されてしまいます。

しかし三島は後ろのイジメっ子ではなく、クラスのリーダー格である桐野に視線を送っていました。

桐野
「先生、三島が物欲しそうな目つきで俺のことを見つめてくるので困るんですけど」

桐野だけでなくクラスメイトから三島はホモだと思われています。

三島
「そうです、マジホモです、キモくてスミマセン、お願いだから俺の事は放っておいてよ」

三島は同性愛者だと自覚していますが周囲には公表していません。

放課後になるとそんな三島のことを桐野たちが呼び出しました。

桐野
「男のくせに女みたいな顔してナヨナヨしやがって、気色悪い、おまえみたいなのがこの世で一番ムカつく、その死んだ魚みたいな目も気に入らない」

壁に縛り付けた三島に対して桐野がサッカーボールを蹴り込みます。

痛みに耐えながら三島は桐野も自分と同じような目をしていると考えていました。

いつものようにイジメを受けた三島が家に帰ると母親が抱きしめてきます。

三島
「今日は友達とサッカーして遊んできたから」

イジメられていることを隠すため、母親に嘘をつきました。

若い頃にレディースの頭だった母親は、工場で働きながら女手一つで三島を育てています。

そのため余計な心配をかけてくありませんでした。

食事を済ませた三島は、母親が寝静まるといつもの行動を取り始めます。

三島
「かわいい・・・言っちゃ悪いけどクラスの女子の誰よりもかわいい・・・あーでも髪がなぁ・・・カーラーかコテが欲しいなぁ・・・」

夜になると母親の鏡台から盗んだ口紅で女装をするのが日課になっていました。

三島にとって女装は精神安定剤のようなものなのです。

三島
「同性愛者、女装癖、俺はその事をかくして一生をこの要塞で終えるのだと思う」

山々に囲まれた要塞のような田舎町で一生を終えることを確信していました。

しかし翌日になると三島にとって想定外の出来事が起こってしまいます。

イジメがエスカレートした結果、桐野たちに髪を切られてしまいました。

三島
「それ以上切ったら・・・女装できなくなる・・・!」

心の中で必死に抵抗していると、イジメっ子が髪を切るのをやめてくれます。

桐野
「まだだ」

ですが桐野は髪をさらに切ってしまいました。

落ち込みながら帰宅した三島だったのですが、母親から床屋で髪を切ってきたのかと尋ねられます。

驚きながら鏡を見てみると、三島はさらに女性らしい髪型になっていました。

三島
「すごい・・・かわいい・・・まさか・・・ね・・・」

果たして髪を綺麗に切りそろえてくれた桐野の目的はどういったものなのでしょうか!?

 

 

自分の性癖を隠したままイジメられてしまう三島の姿が印象的でした。

夜な夜な口紅を塗って自分の可愛さに酔いしれている姿もチャーミングですね。

他人には言えない秘密を抱えた少年たちの青春群像劇となっている『スメルズ ライク グリーン スピリット』

ここから桐野の正体が少しずつ明らかになっていきます。

三島と桐野の関係性に注目しながら続きをご覧ください。

後編

髪を切られてから初めて迎えた日曜日、三島は母親から買い物を頼まれました。

前日の夜に口紅を返し忘れた三島は、初めて外で口紅を塗ることにします。

三島
「あー、なんか楽しくなってきたぞ・・・このまま町まで行っちゃいたい・・・」

浮かれながら歩いていると車に乗った男性2人組がナンパをしてきました。

男性たちは口紅を塗った三島のことを完全に女性だと思っているようです。

三島
「俺が男の人にチヤホヤされてお願いされてる・・・スッゴイいい気分!スッゴイ幸せ!」

男性たちにナンパをされて喜ぶ三島なのですが、このまま誘いに乗る訳にはいきません。

しかし男性たちは三島の可愛さに夢中のためしつこく誘ってきます。

すると困っている三島の前に桐野が現れました。

桐野
「オイ、フトシ!お前何こんなトコで油売ってんだよ、早く帰るぞ」

桐野が三島を下の名前で呼んだことによって、男性たちがようやく女性ではないことに気づきます。

勝手に勘違いしたのですが男性たちは三島に対して怒り始めました。

トラブルを避けるため桐野は三島を自転車の後ろに乗せ逃げていきます。

三島
「ありがとう、その・・・助けてくれて」
桐野
「助けない方がよかった?ちょっとまんざらでも無いようなカンジだった」
三島
「そんな事・・・無い・・・」

ここで桐野は三島が口紅を塗っていることに気づきました。

そのため三島は慌てて口紅を手で落とします。

桐野
「ハッ、何で取るんだよ、よく似合ってるぜ、ホモ野郎にはな、あー、言っとくけどな、カン違いするなよ、オレはお前のようなホモ野郎は嫌いだ!反吐が出る!」
三島
「知ってるよ」
桐野
「できるなら・・・スマキにして箱に閉じ込めてカギをかけておきたいぐらいだ・・・」

桐野は除菌用のウェットシートを出して三島を乗せた荷台を拭き始めました。

三島
「帰る・・・よ・・・」

この時、三島は気づかずに口紅を落としてしまいます。

それを複雑な表情を浮かべながら桐野が拾いました。

三島は帰り道、他人からスマキにしたいと思われている自分の存在価値は何なのか考えています。

答えは出ないのですが最悪な気分だけは頭の中をよぎっていました。

翌日になりイジメが原因で体調を崩した三島は、保健室へ行くことにします。

しかし保健室は居心地が良くないため、大好きな屋上で休むことにしました。

三島
「やっぱココ好きだなぁ・・・ココすごい落ち着く・・・あー今昼休みか・・・飯・・・まぁいいか・・・教室戻りたくないし・・・」

休んでいると屋上のドアが開いたため、こっそり見てみるとそこに桐野が立っています。

見つからないように桐野を見ていると、彼はポケットから三島が落とした口紅を取り出しました。

拾われていたことに驚いていると桐野が口紅を塗り始めます。

さらに衝撃を受けた三島は思わず声を出してしまいました。

桐野
「きゃあああああーッ、アッ、アンタ・・・お前・・・ずっとそこに居たの・・・居たのかよ・・・!」
三島
「ハ・・・ハイ・・・スミマセン・・・あの・・・?え・・・?」
桐野
「ほっ・・・本当に・・・ヤなヤツ・・・見られた・・・お前見てると俺の中の・・・パンドラの箱が・・・」
三島
「パンドラ・・・?」

実は三島だけでなく桐野も同性愛者だったのです。

桐野も秘密を隠しながら生きていたのですが、同類の三島を見ていると自分の本性が出そうになるため苛立っていました。

そのため八つ当たりのように三島をイジメていたのです。

桐野
「何で俺の視界にお前が入ってくるんだよ!何でお前が存在してんだよ!オマケに女みたいな可愛いお顔に男とは思えない華奢な白い体ってか、ふざけんなっての」

ここで初めて三島が反抗的な態度を取りました。

三島
「しょーがないじゃん!俺の顔が女よりかわいいのも、白雪姫のようなたおやかなボディなのもしょーがないじゃん!」
桐野
「おおお・・・?そ・・・そこまで言ってないぞ、俺」
三島
「なんで!?放っといてくれたらいいじゃん!同じなら分かるんじゃん!こっちはだから見つかんないように息殺してんじゃん!それを首根っコつかまえてさ・・・あんまりだよ」

三島は好きで同性愛者になった訳ではありません。

気が付いたらいつの間にか同性愛者だと自覚したのです。

桐野
「俺も気づいたらそうだった」

こうして2人はお互いの秘密を共有することになりました。

秘密を共有したことによって2人の関係性はどのように変化していくのでしょうか!?

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センコウガールのネタバレ(漫画)!感想と試し読み情報も!

2019.02.14

 

『スメルズ ライク グリーン スピリット』を読んだ感想

中学生の青春時代を斬新な設定で表現していますね。

秘密を抱えたまま生きていくことは誰でも苦しいことだと思います。

その辛さを同性愛者の中学生たちを主人公にすることでリアリティーのある物語に仕上がっている『スメルズ ライク グリーン スピリット』

誰にでも小さな秘密があるため多くの人が共感できるストーリーになっています。

登場人物たちに感情移入しながら作品の世界観を満喫してみてください。

 

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