ケーキの切れない非行少年たちのネタバレ(漫画)!感想も!

今回は「原作 宮口幸治 漫画 鈴木マサカズ」先生の『ケーキの切れない非行少年たち』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『ケーキの切れない非行少年たち』はこんな漫画(あらすじ)

精神科医の六麦克彦は少年院に収監されている非行少年たちの診察を担当しています。

少年院は年齢や心身の状況、非行傾向を基準に大きく4種類に分類されていて、六麦が担当している要鹿野原少年院には知的障害またはその疑いがある者が収監されていました。

六麦は診療する時に少年たちへ丸いケーキを3等分に切ってほしいという質問をたびたび行っています。

凶悪な犯罪を起こした非行少年たちの中には、ベンツマークのようにケーキを3等分することができない人が少なくありません。

世間的には理解することが出来ないかもしれません。

しかしこのような挫折を繰り返してきたことが非行少年たちの根本に存在しているのです。

知的障害者の犯罪について心理学の観点からメスを入れていく『ケーキの切れない非行少年たち』

今回は社会問題をテーマにしたヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

話題沸騰中の衝撃作に度肝を抜かれてみて下さい。

 

『ケーキの切れない非行少年たち』の魅力紹介(ネタバレ含む)

第1話

少年院に収監されている非行少年に対して、精神科医の六麦克彦が丸を書いた紙を渡します。

六麦克彦
「ここに・・・丸いケーキがあります、この丸はケーキです、このケーキを3人で公平に分けて食べる場合どうやって切ったらいいでしょう」

質問された非行少年は迷うことなく丸に線を書き込みました。

しかしまず中央寄りに縦線を書いたので3等分にはなりません。

それでも非行少年はこれが3等分だと思っているようです。

六麦克彦
「この少年もそうか・・・これまでも大勢いた・・・ケーキの切れない非行少年たち・・・」

六麦はこれまでも数多くケーキの切れない非行少年たちを見てきました。

少年院は非行傾向などを基準に大きく4種類に分類されています。

第一種は心身に著しい障害がなくおおむね12歳~23歳未満で、第二種には同じように障害がなく犯罪傾向が進んだ16歳~23歳未満が収監されます。

第三種は心身に著しい障害がある12歳~26歳未満を対象にしていて、第四種は少年院において刑の執行を受ける者が対象と決められました。

六麦が担当している要鹿乃原少年院は第一種支援教育課程に相当していて、知的障害またはその疑いがある者とそれに準じた非行少年が収監されています。

日本全国に少年院は約50棟があり入院者数1年間で約2千名、この数字は何らかの事件を起こして家庭裁判所で処理された非行少年たちの上位4%程度となっていました。

つまり収監されているのは非行少年の中でもエリート中のエリートと呼べる存在なのです。

六麦克彦
「さて・・・栗本くん・・・今日は10点中何点かな、今日は何点?」

ケーキを3等分に切れなかった栗本は9点と答えました。

この数字は栗本の死にたい気持ちを表したものです。

栗本が少年院にやって来た時は最も状態が悪く10点と答えていました。

その後は少しずつ6点まで下がっていたのですが、いきなり9点に上がった理由を本人も分かっていません。

ただ六麦は彼がずっと予断を許さない状態だと判断します。

またケーキを3等分に切れなかった事実も重要だと考えていました。

六麦克彦
「彼は・・・彼らはなぜベンツマークのようにかんたんにケーキを3等分にできないのか、凶悪犯罪を起こした非行少年たちのなかにはこんなかんたんな問題さえわからない少年もいる、世間からは誤解されがちだが彼らはずっとそんな挫折を繰り返してきた」

こうしている間にも同じような非行少年が事件を起こしてしまっているかもしれません。

数日後、六麦が恐れていた事件が起こってしまいます。

六麦がその事件を知ったのは看護師とランチを食べている時でした。

人事異動で院長が変わるかもしれないことを話していると、テレビのニュースで若い女性の遺体が公園で見つかったと報道されます。

女性は鈍器のようなもので殴られた後に首を絞められ殺害されていました。

容疑者の田町雪人は母親に連れられて自首してきたそうです。

六麦克彦
「え・・・たまち?田町・・・雪人・・・」

六麦は16歳だった頃の田町雪人を診察したことがありました。

当時の田町はどこにでもいるような普通の少年で、少年院に入ってくるような子には見えなかったそうです。

少年院に入ってくる子はほとんどが普通の少年に見えるので、田町は特別な存在だったわけではありません。

ただし彼にも少年院たちに入ってくる子と同じ特徴がありました。

六麦克彦
「そして・・・もう一つ・・・彼も・・・ケーキを切ることができなかった、ケーキの切れない・・・非行少年・・・」

罪を償って社会復帰したはずの田町はなぜ人を殺してしまったのでしょうか!?

 

 

知的障害とは扱われない人が境界知能と呼ばれていることを初めて知りました。

境界知能を判断するためにケーキの切り方を質問することもあまり知られていないかもしれませんね。

精神科医が罪を犯す原因に迫っていく『ケーキの切れない非行少年たち』

ここから田町雪人のパーソナルな部分が紹介されていきます。

田町はどんな理由で罪を重ねてしまったのでしょうか!?

第2話

第一種の少年院施設である要鹿乃原少年院に田町が入院したのは4年前のことでした。

少年院に入ると最初に所持品検査と身体検査が行われます。

まず鑑別所から持ってきた着替えや差し入れを集団寮に持ち込めるか検査しなければなりません。

そして裸になって身体検査を受けた後、集団寮で過ごす前に指導を行う単独寮に移動します。

単独寮では2週間後の集団寮での生活に備え、冊子で細かいルールを学んでおかなければなりません。

このような手続きが終わった頃、六麦の元に田町の資料が届けられました。

六麦克彦
「田町雪人16歳、3人兄弟のまんなか、兄も少年院に入院歴あり、現在はまじめに働き結婚をして子どももいる、両親は雪人が5歳のときに離婚、原因は父親の暴力」

離婚後、田町の父親は覚醒剤を使用した罪で刑務所に服役されています。

母親は女手一つで3人の子供を育ててきましたが、常に家計は苦しい状態でした。

貧しさから田町は6歳の頃から万引きを繰り返すようになります。

また母親には精神的に不安定な所があり、精神科で投薬を受けていました。

そして雪人が小学5年の時に母親のネグレクトが原因で兄弟たちと共に児童相談所へ保護されます。

中学生になってからは学校に行かなくなり万引きも続いたため、児童自立支援施設に入所することになりました。

田町は中学を卒業するまでの間、この施設で生活していたのですが万引きをやめることはできなかったそうです。

児童自立支援施設を出所後は知人に紹介してもらった建設現場で働き始めました。

しかし無断欠席や職場での暴力事件を起こしてしまいます。

その後も無免許運転や万引きを繰り返した結果、少年鑑別所に収監されました。

六麦克彦
「診断の結果、軽度の知的な障害がみられたため要鹿乃原少年院に送致、知能指数は68、軽度知的障害、田町雪人・・・僕は近いうち精神科医としてこの少年と会うことになる」

六麦の予想が現実となったのは5日後のことです。

精神科診療を行う医務室に田町が連れて来られました。

医務室では少年を必ず部屋の奥、つまりドアの反対側に座ってもらうことが規則になっています。

万が一の場合に備えてドアの外には教官が座るよう決められていました。

その中で六麦は初めて対面した田町がまだ幼く、硬い表情をしている印象を受けます。

六麦克彦
「えーと・・・入ってきた子全員に話を聞いてるから今日は君の番だ、まずは名前と年齢、生年月日を言ってみてくれる?」
田町雪人
「・・・田町雪人、20・・・年・・・5月・・・日生まれ・・・16歳・・・」

住んでいた所を質問すると名古屋だと答えました。

要鹿乃原少年院の感想を聞いてみると思っていたよりも良いそうです。

六麦克彦
「ストレスはどうだろう、いらいらすることは?」
田町雪人
「それはいつもです、いつもいらいらしています、でも顔には出さないです、いらいらしても怒っても笑ってしまいます」

感情を上手に表現できない少年は珍しくありません。

六麦は田町の語彙が乏しいことと、何にでもいらいらするという特徴が気になります。

六麦克彦
「次はかんたんな計算問題をしてみよう、100-7はいくつかな?」
田町雪人
「100-7・・・えーと・・・93です」

93から7を引くといくつになるか尋ねると答えられませんでした。

続いて5個のリンゴを3人で平等に分ける方法を質問します。

田町はこの質問にも答えを出せません。

リンゴの問題は計算ではなく3人に1個ずつ分けた後に残りの2個をどうやって分けるか考える問題です。

しかし頭が硬く融通が利かない田町は最初から計算問題だと思い込んでいるので答えが出せません。

六麦克彦
「ここに丸いケーキがあります、これを3人で公平に食べるときどうやって切りますか?」

田町は迷うことなく真ん中に縦線を書き2等分にしました。

ここで動きが止まったので書き直してもいいと指示を与えます。

田町雪人
「できました」

縦に2本の線を書き入れた田町は自信満々の表情を浮かべていました。

もちろん3等分にはなっていませんが本人はこれが正解だと思っているのです。

続いて将来はどんな人になりたいか尋ねると、誘われているので幼稚園の先生になりたいと答えました。

六麦克彦
「誘われてる?誰に?」
田町雪人
「田中先生です、僕が幼稚園の先生になりたいと言ったら田中先生が待ってるねと言いました」

田中先生が本心で待っていると言ったのかは分かりません。

しかし知的なハンディを持っている人たちは軽いお世辞も真に受ける傾向が強いのです。

それだけ彼らは評価されていることに飢えているということなのでしょう。

六麦克彦
「では本題に入るけどなぜ万引きを?」
田町雪人
「直そうと思ったら捕まってしまって、チャンスがもらえなかった」
六麦克彦
「自分のどこを変えたい?」
田町雪人
「人は助けてくれないから自分で頑張る」

返答がちぐはぐなので質問に対する答えとは思えません。

仕方なく別の質問をぶつけます。

六麦克彦
「では・・・最後に聞くけど5年後はどうなっていると思う?」
田町雪人
「まともになっている、普通の生活をしてます」

そのために頑張る必要があると伝えて本日の診察を終えました。

診察後、六麦が田町の描いたケーキの絵を眺めています。

六麦克彦
「田町雪人・・・この少年が4年後にあのような事件を起こし、そしてまたあのような結末になろうとは、このときはまだ知る由もなかった」

殺人を犯した田町はどんな結末を迎えたのでしょうか!?

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『ケーキの切れない非行少年たち』を読んだ感想

犯罪を許すわけにはいきませんが、劣悪な家庭環境と軽度の知的障害によって万引きした田町には同情したくなりますね。

しかし同じ環境で育っても犯罪に手を染めない人がたくさんいることも忘れてはいけないと思いました。

目を背けてはいけない社会問題をテーマにした『ケーキの切れない非行少年たち』

個性が多様化している中、少年犯罪にも様々な背景があることを学べる作品です。

どのように社会が非行少年たちをサポートするか考えるきっかけにもなりますよ。

 

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