満州アヘンスクワッドのネタバレ(漫画)!あらすじと感想も!

今回は「漫画 鹿子 原作 門馬司」先生の『満州アヘンスクワッド』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『満州アヘンスクワッド』はこんな漫画(あらすじ)

昭和6年、日本の関東軍が南満州鉄道の線路を爆破したことをきっかけに、中華民国と日本の間で満州事変と呼ばれる武力紛争が起こりました。

そして昭和12年、18歳の日方勇が関東軍の兵士として満州に足を踏み入れます。

家族のために一人前の兵士を目指す勇だったのですが、戦地で右目を負傷してしまい兵士としては使い物にならなくなってしまいました。

戦えなくなった勇は農業義勇軍として国家に尽くしていたのですが、自分を見守っていてくれた母親が難病を患ってしまいます。

貧困のため治療費がない勇は母親のためアヘンの密売でお金を稼ぐことにしました。

この決断が勇と満州の運命を狂わせてしまうとは知らずに・・・。

満州事変の裏側で起こっていた史実にスポットを当てていく『満州アヘンスクワッド』

今回は歴史の闇にメスを入れていくサスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

満州のアンダーグラウンドに蔓延していたダークな世界観をご堪能ください。

 

『満州アヘンスクワッド』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

満州国にはかつて絶世の美女と謳われた婉容という皇后が存在していました。

婉容は満州国最後の皇后だったのですが、最後は監獄の中で苦悶しながら生涯を終えたと伝えられています。

亡くなるまで婉容は満州国を裏で牛耳っていた闇の皇帝に会いたいと懇願し続けました。

昭和12年、自分が闇の皇帝になるとは思ってもみない日方勇が満州の地に足を踏み入れます。

18歳の勇は関東軍の兵士として国家に命を捧げる決意を固めていました。

日方勇
「僕はきっと男になって帰ってくる!」

心配する母親に熱い胸の内を語ります。

しかし勇に待ち受けていたのは関東軍の厳しすぎる訓練の日々でした。

常軌を逸したような地獄のような訓練を受ける中、勇は少しずつ成長していきます。

特に大好きな植物の知識を習得しながら、兵士として一人前になるため過酷な訓練に耐えていきました。

そんな中、いよいよ満州国との戦場に参加することになります。

戦場で関東軍が圧倒的な武力で満州国を制圧する中、勇は血まみれの姿で助けを求める兄妹を発見しました。

日方勇
「砲弾に巻き込まれたか?傷を見せてくれ」

関東軍に満州人を助ける義務はありませんが、優しい勇は戦争に巻き込まれた兄妹を放っておくことができません。

助けようとするのですが兄は傷ついているフリをしていただけで、傷を見ようとした勇に拳銃を向けてきました。

拳銃から発射された銃弾は勇の右目をかすり視力を奪われてしまいます。

この事件をきっかけに兵士として使い物にならなくなった勇は、満州開拓農業義勇軍として働くことになりました。

農業義勇軍は農業技術向上と、軍への食料提供を目的に結成された農業訓練所です。

右目を損傷した勇は戦場に立つことがなくなったのですが、農業義勇軍でも上官から虐げられる日々を送っていました。

それでも母親は息子が兵士ではなくなったことを喜んでくれています。

夫を病気で亡くした母親は息子まで失いたくないと思っていました。

勇は貧しい中でも母親や妹達のために食料を調達することにします。

日方勇
「よし・・・満州アヤメだ、米と炊けばいい香りがつくだろう、根茎を粉末にすれば薬にもなる」

植物に詳しい勇は農薬や化学肥料が使われていない野花が貴重な食料になることを知っていました。

さらに右目の視力を失ったことで勇は闇の中でも植物を嗅ぎ分けられる嗅覚を身に付けていたのです。

この嗅覚によって食べられる植物と、毒性を持つ植物を嗅ぎ分けていました。

少しでも家族のために役立ちたいと思う勇だったのですが、母親がペストを発症してしまいます。

当時の満州ではペストによって6万人が死んでいたため、感染を恐れた兵士たちから母親を川に捨てろと命じられてしまいました。

どうにか母親を救おうとしていると同じ農業義勇軍の老兵士が母親を自宅で預かってくれると言ってくれます。

しかし自宅で療養するだけでは母親の病気が治ることはありません。

ペストにはサルファ剤という薬が効果的なのですが、とても高価なため勇は手に入れることができませんでした。

人命が軽んじられている満州では何よりもお金が重要視されていました。

日方勇
「何かっ・・・何かないのか・・・金を稼ぐ方法が・・・」

薬屋に行ってもサルファ剤の代わりに妹達の目玉や胃袋を要求されてしまいます。

もちろん勇には妹達を犠牲にする気などありません。

それでも母親のためにお金を稼ぐ方法を考えていると、農業義勇軍の隅にある処分場から嗅いだことのない香りが漂ってきました。

処分場は古い土や堆肥を捨てる場所なのですが、それとは違う甘美な芳香が感じ取れます。

恐る恐る処分場の扉を開けると中には小さい瓜のような植物が群生していました。

日方勇
「こいつは・・・阿片芥子だ・・・満州で蔓延している麻薬さ、人の体を蝕み依存させ・・・破壊する、その原料となるのがこの阿片芥子だ、たまたま群生してるにしては数が多すぎる・・・これは間違いなく誰かが育てた」

勇が阿片芥子を眺めていると、背後から木材で頭を殴られています。

実はこの阿片芥子を育てていたのは母親を隔離してくれた老兵士でした。

老兵士は処分場に勇を近寄らせないため、母親を自宅で預かってあげることにしたのです。

この阿片芥子でお金を稼ごうとしていた老兵士は勇の口を封じることにしました。

しかし岩で老兵士の頭を殴った妹が助けてくれます。

命を助けてもらったのですが、このままでは母親だけでなく妹達も飢え死にしてしまうかもしれません。

何としてでもお金を稼ぎたい勇は老兵士が育てていた阿片芥子からアヘンを製造することにします。

植物の知識が豊富な勇は見事にアヘンを製造することができました。

日方勇
「頼む、この阿片を・・・買ってくれないか?」

家族のために中華民国最大の秘密結社に阿片の密売を持ち掛けます。

どうしてもお金を稼ぎたい勇の望みは叶うのでしょうか!?

 

 

戦争という環境がいかに人間を狂わせてしまうか考えさせられる物語になっていますね。

特にアンダーグラウンドで犯罪に手を染めてしまう実情がリアルだと感じました。

闇の社会で巻き起こる壮絶な出来事を表現していく『満州アヘンスクワッド』

読んでいるうちに続きが気になってしまう読み応え抜群の傑作漫画になっています。

予測不可能な展開を手に汗握りながらお楽しみください。

後編

勇が阿片を売り込みに来たのは中華民国最大の秘密結社である青幇という組織です。

青幇は元々、船で米を運ぶ水夫達の集団でしたが、現在は数万人の構成員で地下社会を支配するようになっていました。

阿片は賭博や売春を取り仕切っている青幇の収入源の大半を占めています。

この危険な組織に阿片を買ってもらいたいのですが、日本人であることから関東軍のスパイだと疑われてしまいました。

日方勇
「まっ・・・待て!待つんだ!せめて・・・この阿片を見てくれ!」

疑いを晴らすために阿片を見せようとします。

しかし日本人を信用していない青幇の構成員が勇に対して刃物を振りかぶりました。

そこに鉄製の弓矢を持った女性が現れます。

麗華
「ちょっと待ってよ、そんなに焦らないで?」
日方勇
「女・・・!?何だこの人は!?」

女性は弓矢で勇を刃物から守ってくれました。

後で分かることになるのですが、麗華(リーファ)というこの女性が勇の運命を大きく変えることになるのです。

麗華
「見せてその阿片」
日方勇
「いっ・・・いくらで買うかが先だ!」

先に値段交渉をしたかったのですが麗華に股間を握られてしまいました。

このままでは股間を握り潰されてしまうため、仕方なく阿片を見せることにします。

麗華
「灰色・・・?妙な色をしてるわね」

通常の阿片とは色が異なるため、構成員たちは茎や葉を混ぜてかさ増ししていると疑い始めました。

しかし勇はかさ増しなどしていません。

日方勇
「逆だ、生アヘンにはコデインやテパインといったオビエートと呼ばれる有機化合物が多量含まれている、その中で最も大事なのがモルヒネの含有量だ」

阿片芥子の果汁を乾燥させた段階では不純物が多く含まれています。

そこで勇は煮出ししてから乾燥させることで純度を高めていました。

純度を高めることによって阿片は黒色から灰色に近付いていくのです。

麗華
「ねえ、こんなものは満州じゃ出回ってない、どこで手に入れたの?」
日方勇
「僕が作った、どうしても金が必要なんだ・・・!だから・・・!」

話を聞いた麗華は勇が持ってきた阿片を試したいと言い始めました。

すぐに勇を連れて別室へ向かうと、そこには重度の阿片中毒者たちが監禁されています。

麗華はその中の1人に勇の阿片を吸入させました。

吸入すると同時に中毒者が激しい興奮状態へ変化していきます。

その様子を見た麗華は勇にお金を払うと言ってくれました。

しかしサルファ剤を購入するための金額には全く足りません。

麗華
「そりゃこれっぽっちじゃ大した額にはならない、あなたもっと作れるの?」
日方勇
「それは・・・つっ・・・作る!作れる!何とかするから!」
麗華
「そう・・・だったら商売の話は終わりよ」

態度を豹変させた麗華たちが勇に拳銃を向けてきます。

そのまま身体をロープで縛り、目隠しをすると勇を車に乗せました。

日方勇
「待ってくれ!どこに連れて行くんだ!」

実は関東軍も阿片を密売しているため、青幇の収入は厳しい状況が続いていたのです。

この状況下で日本人に阿片を製造されては商売が成り立ちません。

商売の邪魔をされたくない青幇の構成員たちは勇を殺すことにしました。

麗華
「組織のためよ、悪く思わないでね、遺言はあるかしら?」
日方勇
「母さんを助けられなくて・・・すまないと伝えてくれ・・・せめてこれで・・・セツと三郎が学校に行けるように・・・頼む・・・この金を家族に届けてくれ・・・」

阿片で稼いだお金を妹達に届けてほしいとお願いします。

承諾した麗華が拳銃の引き金に指をかけました。

そのまま発砲するのですが勇を撃ち殺したわけではありません。

麗華は傍に立っていた3人の構成員を撃ち殺したのです。

麗華
「どうやら信用できる男みたいね、ねえ、私と組まない?」

構成員を撃ち殺した麗華は勇が製造する阿片を売り捌くことができると提案してきました。

そして稼いだお金で満州国の王になると宣言します。

背に腹は代えられない勇と、自由に生きる翼を手に入れたい麗華。

壮大な野望を掲げる2人の物語はこうして幕を開けることになりました。

満州国の王になるため激動の時代を生きることになった勇と麗華の過酷な運命は実際に漫画を読んでお確かめください。

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『満州アヘンスクワッド』を読んだ感想

住んでいる時代と国が違ってもこんなにドラマチックで興奮できる物語が出来上がることに驚きました。

阿片の恐ろしさも丁寧に描かれていますし、闇社会で生きる人間の狂気も見事に表現されていますね。

暴力的なシーンが多くなっていても様々な世代の漫画ファンが楽しめる作品だと思いました。

裏の世界から王に成り上がろうと暗躍する男女の奮闘を題材にした『満州アヘンスクワッド』

類稀な才能を活かして頂点を目指す主人公たちの姿が注目ポイントになっています。

ハラハラドキドキしながらシリアスな物語をご覧ください。

 

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