アンメット-ある脳外科医の日記-のネタバレ(第2話)!

今回は「漫画 大槻閑人 原作 子鹿ゆずる」先生の『アンメット-ある脳外科医の日記-』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『アンメット-ある脳外科医の日記-』はこんな漫画(あらすじ)

アメリカの病院から帰国して郊外の主幹病院で働き始めた脳外科医の三瓶友治は、優れた医療技術の持ち主なのですが周囲の空気を読むことはできません。

帰国してすぐ三瓶は院長に怒られる事態を起こしてしまいます。

そこで院長は救急部長の星前宏太と総合診療科の川内ミヤビに脳外科の兼務を命じ、三瓶のことを監視させることにしました。

しかし三瓶は脳疾患の後遺症に苦しむ患者を救うため自分の信念を曲げることはありません。

強い意志で患者と寄り添おうとする三瓶は日本で脳疾患に苦しむ患者をどのように救っていくのでしょうか!?

変わり者の脳外科医が周りと衝突しながら患者を治療していく『アンメット-ある脳外科医の日記-』

今回は本格派医療系漫画の第2話についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

誰もが患ってしまう可能性のある病気についてこの漫画から色々な事を学んでみて下さい。

 

『アンメット-ある脳外科医の日記-』の魅力紹介(ネタバレ含む)

第2話

院長から強引に兼務を命じられた川内ミヤビは仕事を全うできるか自信が持てません。

しかし自信家の星前宏太は兼務に不安を感じていませんでした。

星前宏太
「軽症しか受け入れない救急で遊ばせとくよりいいだろ、俺の使い方として」

ミヤビはエースを自負している自信満々の星前に何も言えなくなってしまいます。

そんな星前に対しても思ったことをハッキリ言ってしまうのが空気を読まない三瓶でした。

三瓶友治
「今日から僕らはチームです、協力してバンバン患者さんを救いましょう、あと星前先生、患者到着から手術まで時間がかかりすぎです、救急の部長ならキッチリ教育してもらわないと」

言い方にトゲがあるのでミヤビは心配になってきます。

ミヤビの心配した通り星前は三瓶の発言に苛立っていました。

星前宏太
「救命できたし問題ないはずだ、それに・・・俺に指図すんじゃねー」

兼務となって間もないのですがチームワークは最悪です。

しかし三瓶は患者の命を救うだけではいけないと考えていました。

その理由は患者の到着から手術まで時間がかかりすぎたことが関係しています。

三瓶友治
「手術により血種は全て取り除くことができました、しかし手術の前からダメージを受けていた神経細胞を再生することはできません、残念ですが左半身に重度の麻痺が残ります」

救急搬送された患者の手術は成功したのですが、一生半身不随になってしまいました。

患者は半身不随になったことを前向きに受け入れてくれます。

その方が早く前に進めると笑顔で言ってくれました。

川内ミヤビ
「・・・ええ、そうですね、一緒に頑張りましょう」

ここから患者の懸命なリハビリがスタートしていきます。

半身不随となってしまった患者は建設作業員として働いていました。

三瓶友治
「半身不随となっては当然仕事を続けられません、住宅ローンが支払えないのでご自宅も売りに出すそうです、後遺症は出血量と出血による圧迫時間で気前います」

特にこの患者は倒れてすぐの超急性期はまだ出血が続いていたのです。

つまり手術までに時間がかかってしまったため、その後の人生を大きく変えてしまうことになってしまいました。

1週間後、歩行器を使って歩けるようになった患者へ神経心理検査が行われます。

神経心理検査は言語、思考、認知、記憶、注意などの高次機能を数値化するもので、社会復帰するためには避けて通れません。

検査の結果、空間認識能力が低下している患者には自動車の運転が困難だと診断されます。

しかし患者の妻は妊娠しているのでどうしても生活費を稼がなければなりません。

川内ミヤビ
「山本さん神経心理検査が相当こたえたみたい、もう2日もリハビリに来てないし、神経心理検査はもちろん重要だけど・・・できないことを確認させられるのは残酷よ・・・」

実は院内で自分が雑用係だと噂されていることをミヤビは耳にしていました。

そのため余計に患者の状況に同情できます。

三瓶友治
「川内先生!これに目を通しておいてください」
川内ミヤビ
「・・・これは?」
三瓶友治
「神経心理検査の結果を踏まえた山本さんの今後の方針を考えました、検査はできないことを確認するためのものではありません、できることを確認してもらうためのものです」

資料に目を通したミヤビは三瓶が何をしたいのかすぐに理解できました。

明るい兆しを感じたミヤビはすぐに患者の元へ向かいます。

川内ミヤビ
「職場に復帰できることになりましたよ、以前とは違って事務職での復帰となりますが、神経心理検査の結果、左脳が司る計算能力や論理的理解力は正常でした」

この結果を会社に見せて事務職としての復帰を納得してもらいました。

日本には障碍者雇用促進法があるので、患者を再雇用することで会社側にもメリットがあるのです。

患者の再雇用にまで心配りした三瓶を、星前は意外にも世話焼きだと評価してきました。

三瓶友治
「後遺症に対してできる治療には限界がありますが社会復帰まで診るのが脳外科です、世話焼きではなく・・・これが仕事です」
星前宏太
「それにしても・・・障害者雇用促進法か、ミヤビちゃんどう思ってんだろ・・・」

ミヤビは手術に参加させてもらえてはいませんが、彼女なりにしっかりと患者と向き合っています。

そんなミヤビについて星前はあまり無理をさせるなと忠告してきます。

まだ三瓶は知りませんがミヤビも脳疾患を抱えていました。

星前宏太
「知らねえやつが聞いても信じられねえだろうな、彼女が記憶障害で昨日のことも覚えてられないなんて」

ミヤビの記憶障害を知った三瓶はどのように彼女と向き合っていくのでしょうか!?

 

 

思っていることをそのまま表現しているように見えますが、ただ患者を救いたいという三瓶の熱意が伝わってきました。

患者を救うだけでなくその後の人生まで考えることが脳外科医の仕事だというセリフにも感動できますね。

真っ直ぐに患者と向き合う医師の日常を綴っていく『アンメット-ある脳外科医の日記-』

もしも自分が脳疾患を患ったらこんな医師に治療してもらいたいと思わせてくれる物語です。

三瓶が記憶障害のミヤビとどのように向き合っていくのかじっくりと続きをご覧ください。

第3話

星前の話によるとミヤビは記憶障害になる前、外科系の医者だったそうです。

しかし今はガーゼの交換と看護補助しか任されていません。

その看護補助も満足にできていない理由は1日で記憶が無くなってしまうためです。

前日のことを覚えているかどうかも本人は自信が持てていません。

ミヤビは記憶しているか自信がないため寝る前に日記を書いておいて、朝は日記を読むことからスタートすることにしています。

川内ミヤビ
「私にはある時期からの記憶がない、新しく記憶することも困難になった、そのため毎朝5時に起きて直近2カ月間の日記を繰り返し読む」

どんなに嬉しいことが起こっても悲しい出来事に涙を流しても覚えておくことができません。

それでもミヤビは普通に生きていきたいと思っています。

三瓶友治
「川内先生はどうしてこの病院に?」
星前宏太
「ミヤビちゃんの希望だよ、彼女は初期研修をこの病院でやったんだ」
三瓶友治
「なるほど、昔の記憶が残ってる病院なら働きやすいですもんね」

この病院なら道に迷うこともありませんし、スタッフも馴染みの人が多く在籍していました。

ただし看護師長の津幡だけはミヤビに厳しい態度で接していたのです。

川内ミヤビ
「谷口さーん、こちらへどうぞ」
津幡
「違います!必ず相手から名乗ってもらうよう言いましたよね!?プライバシーの問題以外にも認知症や記憶障害の人はわからないまま返事をすることがあるんですから」
川内ミヤビ
「・・・すみません、気をつけます」
三瓶友治
「認知症と記憶障害を同列に扱うのは間違ってますよ」

三瓶が割って入ろうとするのですが、津幡は看護業務に口を出してもらいたくありません。

津幡は院長からミヤビを指導するよう命じられているのです。

しかし三瓶はその指導方法が正しいとは思えません。

そこで見えやすい所に注意点を書いたメモを貼ってみることにします。

津幡
「あれから・・・注意する回数がグッと減りました」
三瓶友治
「おそらく川内先生は情報を脳に貯蔵させる海馬を損傷しています、つまり他の人と同じように繰り返し注意してもあまり意味がありません、情報を取り出し利用する前頭葉は損傷を受けていないのでやり方次第で他の人と同じように仕事ができるはずです」

障害を持つ人が働くためには本人の努力だけでなく、サポートする側の理解と努力も重要であることを三瓶は証明しました。

三瓶はメスさばきと記憶力は関係ないのでミヤビも手術に参加できると主張します。

しかし津幡は手術への参加を認めようとしません。

そんな中で救急要請が入りました。

津幡
「45歳女性、頭痛・嘔吐だそうです、どうしますか?」

すぐに患者をMRI室へ搬送します。

患者は閉塞性水頭症を合併した第4脳室腫瘍を発症していました。

三瓶友治
「緊急ドレナージが必要です、助手に入ってください」
津幡
「ダメですよ、ドレナージなら三瓶先生お一人でできるはずです」
三瓶友治
「一人でもできる手術だからこそ川内先生に入ってもらうんです、今後のために」
津幡
「ダメです、今日も今後も川内先生が手術に入るのは認められません」

絶対にミヤビが手術に参加することを認めようとしません。

何よりも人命が最優先なのでひとまず患者を手術室へ搬送します。

三瓶友治
「イチかバチか・・・あの手でいきましょう!」

この日は医師会の会議に出席している星前が不在でした。

三瓶の作戦は星前の手術着でミヤビに手術へ参加させることだったのです。

川内ミヤビ
「こんな方法思いもつかなかったわ、三瓶先生・・・いや無理でしょ」

ミヤビ本人もこの作戦が上手くいくとは思えません。

どうして三瓶はここまでしてミヤビを手術に参加させようとするのでしょうか!?

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『アンメット-ある脳外科医の日記-』を読んだ感想

変わり者ですが三瓶は患者の命を大切にする尊敬できる医師だと感じますね。

主要な登場人物の川内ミヤビが記憶障害を患っていることには驚きましたが、必死に努力して一人前の医師を目指す姿に感動しました。

脳疾患と向き合う風変わりな医師の姿を表現した『アンメット-ある脳外科医の日記-』

感動的なヒューマンドラマと本格的な医療系漫画が融合した傑作です。

まだ読んでいない方は是非この機会に読んでみることをお勧めしますよ。

 

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