『ローズ ローズィ ローズフル バッド』のネタバレ(漫画)!

今回は「いくえみ綾」先生の『ローズ ローズィ ローズフル バッド』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『ローズ ローズィ ローズフル バッド』はこんな漫画(あらすじ)

40歳の神原正子(かんばらしょうこ)は神原薔子というペンネームで漫画家として働いています。

ファブ郎というコミカルなキャラクターが人気の漫画を連載している正子は、急に恋愛をテーマにした少女漫画が描きたくなりました。

しかしいざネームを書こうとしても恋愛と疎遠になっているのでアイディアが何も思い浮かびません。

そんな時にカフェで素敵な好青年と出会いました。

ただこの状況を出会いだと認識できない正子はさらに恋愛漫画と遠ざかってしまいます。

そろそろ人生の折り返し地点を迎えるアラフォー漫画家の恋と仕事はどのように進展していくのでしょうか!?

女性漫画家の日常と恋模様を描いていく『ローズ ローズィ ローズフル バッド』

今回はコミカルで続きがすぐに読みたくなる恋愛漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

いくえみ綾先生がお届けする独特な世界観を存分にご堪能ください。

 

『ローズ ローズィ ローズフル バッド』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

自宅で仕事をしている女性漫画家の神原正子が気難しそうな表情を浮かべています。

正子
「本当は少女漫画が描きたかった、キラキラドキドキ、見るものすべてが輝いているような少女たちの恋を」

理想とは違う現状に頭を悩ませていると、妹の直子が昼食の時間になったことを伝えてきました。

大きな声で呼ばれた正子は不機嫌そうな顔で食卓へ向かいます。

直子
「正子ちゃ、あ、だってパスタがのびるから」
正子
「何も言ってないけど?」
直子
「だってうるさいって顔してるから」
正子
「何も言ってないけど!」

明らかに不機嫌なので直子が怖がるのも無理はありません。

しかし直子の作った美味しいパスタを食べると、正子の機嫌はすぐに良くなりました。

直子は正子が喜ぶと思って大好物のパスタソースを使っています。

直子
「仕事進んだ?」
正子
「うん、もうやめようと思って」
直子
「はい?あーできたのね?」
正子
「ううん、できてない、もう仕事やめようと思って」

ここで物語を円滑に進めるため、正子が生み出したファブ郎というキャラクターがナレーションを買って出てくれました。

ファブ郎はパスタの次に柔らかいうどんを所望した正子が生み出した最初で最後の人気キャラクターです。

そんなファブ郎を生み出した正子は、22年前に王道の少女漫画誌でデビューしました。

ですが5年間、泣かず飛ばずの状態が続いてしまいます。

なかなか芽が出ない状況で世に送り出したファブ郎がそこそこの人気を集めました。

そこで正子は絵柄と掲載紙、そして出版社と夢を変えながらファブ郎と共に漫画家として生きてきたのです。

ファブ郎のグッズはそこそこ売れたので生活は潤いました。

現在は昔と比べて細々と妹の直子と生活しているのですが、直子は来春には結婚して地元に戻ることが決まっています。

つまりこのままだと正子は一人で生活していかなくてはなりません。

そんな正子は再び少女漫画を描きたくなりました。

正子
「あのね?私、少女漫画描こうと思うんだけど」

出版社の編集者に自分の気持ちを伝えてみます。

するとどこの出版社で描くのか尋ねられました。

もちろん正子は今の出版社で描くつもりです。

しかし編集者は本気で取り合ってくれません。

直子
「少女漫画って・・・どんなの?」
正子
「少女漫画といったら胸キュンに決まっとろーが」
直子
「やめるんじゃなかったの仕事、ファブ郎は?」
正子
「飽きた」

このセリフは300回くらい聞いているので直子もファブ郎も慣れっこになっています。

飽きられている正子なのですが少女漫画を描きたい気持ちに嘘はありません。

洗面所の掃除で気分をリフレッシュした正子は、少女漫画のネームを書いてみることにします。

ですが締め切りが迫っていないのでネームが思い浮かびません。

気分を変えるためにカフェでネームを考えることにします。

しかし気分が全くのってきません。

正子
「そーだ、あのビルの7Fにいい感じのカフェが」

このままではネームが思い浮かばないので場所を変えることにします。

ビルに入った正子がエレベーターに乗ると若い男性が乗っていました。

その後に乗ってきた女性につられてしまい正子は6階で降りてしまいます。

正子
「あ?間違った、ここ6Fだ!カフェですよね?」
「あ、はい、ここ・・・」
正子
「服屋です、6Fです、つられて降りちゃった!」

降りる階を間違った2人は階段でカフェへ行くことにしました。

何気ない出会いだったのですがここから正子の運命は大きく変わっていくことになるのです。

 

 

成功と挫折を繰り返しながら働く女性漫画家の姿にリアリティーを感じました。

変わらない日常に飽きてしまい夢だったことを追いかけようとする正子に共感する人も多いのではないでしょうか。

年齢を重ねたことで若い頃とは違う考え方で日常を過ごしていく女性を主人公に設定した『ローズ ローズィ ローズフル バッド』

色々な出会いが正子の人生を変化させていくところが見所になっています。

どんどん面白くなる展開に惹きこまれていってください。

後編

青年と階段で一緒にカフェへ向かった正子はカウンターに座ってエンガディナーという焼き菓子とコーヒーを注文します。

隣に座った青年はチョコケーキとコーヒーを注文しました。

カフェに入るとすぐに正子はネームを考え始めます。

そこに焼き菓子とコーヒーが運ばれてきました。

正子
「これは手掴みかな?うまっ、うまっ、くるみゴロゴロ、これなに?ジャム?ヌガー?一口が食べ応えあるー」

焼き菓子とコーヒーの美味しさに大満足できます。

視線の端で隣を見ると青年がチョコケーキとフレンチコーヒーを味わいながら文庫本を読んでいました。

正子がネームを書くために用意した百円のノートも周囲からは文庫本に見えるかもしれません。

正子
「文庫本を読む青年と白いノートを眺めるおばさん、ふふ・・・いやいやこのままじゃほんとにただ白いノートを眺めてる変な人じゃん、かっこワル」

ネームを考えていると直子から帰りに牛乳を買ってきてというメッセージが送られてきます。

了解と返信したのですがその後もメッセージのやり取りが終わりません。

気が散るので正子はスマホケースを閉じました。

するとこのタイミングで隣の青年がクスっと笑います。

正子
「あらあら、思わず笑いが漏れるほど面白いのねその本、私も吐息がダダ漏れるようなステキな恋愛漫画を描くわ」

この状況を出会いだと認識できない正子に恋愛漫画は描けないかもしれません。

ファブ郎が心配していると正子が意外な行動を起こしました。

正子
「あの失礼ですがおいくつですか?」
「え、19です」

10代に驚きながらも青年が読んでいる本の内容についても質問します。

青年は映画化された原作本を読んでいて、平積みされた本が気になってしまうということでした。

正子
「映画化!とかドラマ化!とか全米が震撼!とか絶対泣ける!とか」
「はい、でも絶対泣けるで泣いた事がなくて」

正子も絶対泣けるという本では泣いた事がありません。

逆に悲しすぎて涙が出ないということもあります。

正子
「すみません読書中に、さっきちょっと笑ってらしたから、今の若い人はどんな事にウケるのかなと思って」
「さっきのはこれです、ぶさいくだなぁと思って」
正子
「うちの猫です、写真を加工してケースにしてもらいました、今年の春に22歳で死んだんですけど」

青年が笑ったのは正子のスマホケースを見たためでした。

正子はついつい飼い猫がトイレの下手なコだったことを詳しく説明してしまいます。

カフェでベラベラ話す内容ではないので調子に乗ったことをすぐに後悔しました。

気まずい空気になったので正子は最後のエンガディナーを口に運んでいきます。

「あの22年生きた猫が死んじゃった時は悲しすぎて涙も出ない時ですか」
正子
「悲しすぎましたけど涙は大量に出ました、受け入れる事が前に進む事ですから」
「・・・はい」

まだネームは思いついていませんが正子は先にカフェを出ていきました。

仕方なく歩きながら考えることにします。

しかしすぐにウィンドウショッピングで寄り道したり、休憩したりするのでネームはまるで進展しません。

ボーっとしている正子は飼い猫が死んだ時のことを思い出していました。

正子
「涙も出ないのは22年間一緒に歩んだ子がいなくなって初めて私、自分のやりたかったことがなんにもできていないと気付いてガクゼンとしたからだ」

飼い猫が死んだ時、正子は涙を流さなかったのです。

当時を振り返っていると先程の青年が近くを通りかかりました。

お互い軽く会釈したのですがすぐに青年が正子の所へ近づいてきます。

「まさかとは思ったけど・・・やっぱりエンガディナー付いてます、長い間仲良しでしたね、じゃあ」

青年は口の近くに付いていたエンガディナーを取ってくれました。

その優しさに正子の胸がトキメキます。

正子
「私、今ぜったい少女漫画描ける」

恋愛漫画が描ける気はしてきましたが、この青年と自分がどうにかなるとは考えていません。

しかし実は小さな奇跡が起こっていました。

洞察力が欠けている正子はこの奇跡を見落としています。

少しチャプターを戻せばわかることなのですが、カフェで出会った青年のカバンにはファブ郎のストラップが付けられていました。

果たしてこの青年は正子を胸キュンさせる存在なのでしょうか!?

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『ローズ ローズィ ローズフル バッド』を読んだ感想

ファブ郎にナレーションを任せるという斬新な演出が物語を読みやすくしていますね。

正子の性格や行動パターンを理解しているファブ郎のおかげで、正子が何を考えてどのように行動していくのかが想像しやすくなりました。

アラフォー女性がもう一花咲かすため奮闘していく『ローズ ローズィ ローズフル バッド』

ラブストーリーですが奥深い人間ドラマも注目ポイントになっています。

仕事と恋が成就するかどうかを温かな目で見守ってあげてください。

 

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