今回は「漫画 もとむらえり 原作 イスラーフィール」先生の『淡海乃海 水面が揺れる時』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『淡海乃海 水面が揺れる時』はこんな漫画(あらすじ)
戦国時代、朽木元網という武将が存在していました。
歴史に名を残す場面で様々な功績を上げたのですが、朽木元網は歴史的に全く評価されていません。
そんな不遇な戦国武将の人生に、昭和と平成を生きてきた中年男性が転生されてしまいました。
歴史に詳しい中年男性は2歳で家督を継承した元網の人生を全うすることにします。
現代の知識を活用して戦国時代を生き延びようとする青年の運命とは・・・！？
あまり知られていない稀代の戦略家が辿った生涯を綴っていく『淡海乃海 水面が揺れる時』！
今回は戦国時代にスポットを当てた歴史時代劇の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
大胆な発想で戦国時代を駆け抜けた武将の人生を目に焼き付けてください。
『淡海乃海 水面が揺れる時』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
朽木元網がまだ2歳だった頃、父親が亡くなってしまったため家督を継承することになりました。
家臣たちが不安を感じる中、幼名が竹若丸だった元網の大声が屋敷内に響き渡ります。
堂々とした竹若丸の様子を見た祖父は朽木家の当主を任せられると確信しました。
当時の朽木家は琵琶湖の西側に領地を構えています。
その当主になった竹若丸なのですが、この少年の中身は平成から転生されてきた中年男性でした。
平凡な人生を過ごしていた中年男性は自分の人生に不満はありません。
結婚しなかった中年男性は人生の最後に何かを残したいという気持ちから本を書くことにしました。
しかし本を売るつもりはなく小説サイトに投稿して適当な評価を受けることにします。
中年男性は気が付くと赤ん坊だった竹若丸になっていました。
最初は夢だと思ったのですがいくら待っても現実には戻れません。
次第に中年男性は現実を受け入れることにします。
現実と向き合うためには自分がどの時代の誰に転生したのか把握しなければなりません。
正確な年数は分かりませんが戦国時代に転生したことは理解できました。
さらに浅井や朝倉という武将の名前が聞こえたことによって大体の家柄を把握します。
しかし近江地方だということ以外、正確な場所は分かりません。
クツキシやクツキダニという地名が周囲から聞こえてくるのですが理解できない状況が続きます。
様々な情報を収集した結果、自分が朽木家の跡継ぎだということを自覚しました。
中年男性が転生したのは近江近郊で領主をしている武将の跡継ぎだったのです。
ですが領主として朽木家は決して大きい訳ではありません。
現状は歴史に名を残すことのないその他大勢の領主だったのです。
このままではただ歴史に埋もれてしまう存在でしかありません。
ただし当主を継承した竹若丸の中身は子供ではないのです。
不思議な現象で転生した中年男性はここから歴史を変えていくことにしました。
幸いなことに中年男性には少しだけ歴史の知識があり、現代の日本を生き抜いてきた知識があったのです。
まず中年男性が戦国時代を生き抜いていくためには朽木家を裕福にしなければいけません。
果たして現代の男性が戦国時代を生き抜いていくためには何が必要なのでしょうか！？
戦国時代の武将に転生したことを冷静に受け止める主人公の姿が印象的でした。
状況を冷静に分析するところが朽木元網という武将と主人公が重なる点かもしれません。
歴史の影に埋もれた名将の人生を描いた『淡海乃海 水面が揺れる時』！
幼くして領主となった戦国武将を現代風にアレンジしています。
現代を生きていた男性が戦国の世で活躍する姿をお楽しみください。
後編
自分が置かれた状況を分析した結果、中年男性は朽木家の跡取りだということを自覚します。
このままの規模では歴史に名を残すことはできません。
現状の朽木家はその他大勢の武将でしかないのです。
そのことを考えていると黙り込んでいることを心配した祖父が声をかけてきました。
朽木家は決して貧しい訳ではありません。
それでも現代から転生した中年男性にとっては貧しく感じてしまうのです。
祖父は竹若丸に嘘を言ったつもりはありません。
2年前、息子の晴綱が討ち死にした際、家臣たちは大きく動揺していました。
そんな家臣たちを一喝してまとめあげたのが竹若丸だったのです。
朽木家は晴綱を失いましたが新たな領主として竹若丸という稀有な存在を手に入れました。
家臣たちも竹若丸の存在を認めてくれます。
祖父は竹若丸が当主に就任した時の言葉が忘れられません。
まだ2歳であるにも関わらず、自分が仮の当主なのか確認してきました。
そして自分が傀儡ではなく真の当主だと理解した竹若丸は、家臣たちへ堂々とした振る舞いを見せます。
新たな当主の堂々とした態度で家臣たちの不安が吹き飛びました。
こうして朽木家の新生活が幕を開けたのです。
しかし祖父や家臣たちは具体的な行動が思い浮かびません。
竹若丸が当主になってまず行ったのは澄み酒を作ることでした。
まず濁り酒が入った甕に灰を入れます。
そして一晩待つと澄んだお酒が完成していました。
澄み酒は見た目だけでなく味も良く高値でで取引されていきます。
特に新年の祝いなど縁起物として重宝された澄み酒は朽木の名物になりました。
さらに相乗効果として澄み酒を入れる漆器の人気も高まっていきます。
こうしてどんどん朽木を豊かにしていく竹若丸なのですが、まだまだ彼は満足していませんでした。
中年男性が知っている戦国時代の歴史によると、1560年代後半には近くの浅井家が勢力を伸ばすことになっています。
周囲には朽木家を狙う武将たちがいるため自分の身は自分で守らなければなりません。
そのためにもまだまだ朽木家を豊かにしなければならないのです。
ですが竹若丸は領民のために税金を軽減し関所を廃止しました。
税収が見込めない以上、生産力を向上させ販売によって収入を得なければいけないのです。
歴史上の戦国武将に転生した中年男性は高い目標を掲げていました。
その目標通り彼は朽木家をさらに豊かな領地へと発展させていくのです。
天才武将として活躍するここから先の展開は実際に漫画を読んでお確かめください。
『淡海乃海 水面が揺れる時』はこんな人にオススメ
平成という時代を生きていた男性が戦国時代に転生して大活躍する姿に興奮しました。
知識と経験を活かしながら領地を発展させるところがヒーローのように映りますね。
戦国時代を独自の視点で描写していく『淡海乃海 水面が揺れる時』！
日本史や歴史時代劇が好きな人にオススメしたい作品です。
歴史を身近に感じられる壮大なスケールの物語を読んで胸を熱くしてください。
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