今回は「寄田みゆき」先生の『君がウソをついた』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『君がウソをついた』はこんな漫画(あらすじ)
女子高生の工藤沙希は幼い頃の出来事がきっかけで、嘘が大嫌いな性格をしています。
父親はいないのですが母親と幸せな日々を過ごしている沙希。
しかし友人であるナミエがついた嘘によって、沙希にとんでもない悲劇が起こってしまいました。
この悲劇が起きてから、沙希には噓つきが黒く見えるという不思議な能力が宿ります。
嘘を見抜いてしまうヒロインの壮絶な人生を描いた『君がウソをついた』！
今回はこちらのヒューマンドラマの魅力について、ネタバレを含みながらご紹介していきます。
嘘に振り回されるヒロインに感情移入しながら作品を読んでみてください。
『君がウソをついた』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
幼い頃の沙希は父親と一緒に暮らすことができませんでした。
その理由は母親と父親が不倫関係だったためです。
夕焼け越しにまた会えると答えた父親の姿が、沙希の目には真っ黒な塊のように見えていました。
この日以来、沙希が父親と会うことはなかったのです。
それから時が経ち、沙希は女子高生まで成長していました。
廊下で急に先輩から告白されたことを友人たちに伝えている沙希。
その中には沙希が特に仲良くしているナミエの姿もありました。
放課後になると沙希がナミエと校庭で話をしています。
ナミエの父親は会社を経営しているため、こうしたことは日常茶飯事となっていました。
幼い頃に父親と別れて以来、沙希には父親の情報が伝えられなかったのです。
また会えると言ったきり会いに来なかった父親によって、沙希は嘘が許せない人間になっていました。
するとここで付き合い始めたばかりの先輩が沙希を迎えに来ます。
優しい友達と初めての彼氏、そして大好きな母親がいるため沙希は日常に幸せを感じていました。
その後、先輩に送ってもらった沙希は母親に彼氏ができたことを報告します。
母親から大きな愛情を受ける沙希は、父親がいないことを少しも悲観していませんでした。
この日の夜、母親からいつまで一緒に暮らせるか質問された沙希。
少し未来のことを2人は笑いながら話しています。
しかし沙希は母親の笑顔を見つめながら、父親の死を告げられた日のことを思い出していました。
この報告にショックを受けることがなかった沙希は、逆に母親が全てを話てくれたことを嬉しく思っていたのです。
母親と一緒ならこの幸せな日々が続くと信じている沙希。
ですがナミエのついた嘘により、沙希の全てが崩壊していくのでした。
父親がついた嘘によって沙希は嘘が許せない人間になってしまいました。
しかし高校生になった彼女は周囲の環境に満足しながら過ごしています。
そんな彼女の幸せを皮肉にも親友のついた嘘が崩壊させてしまう『君がウソをついた』！
嘘という日常に溢れているものを題材にしているため、とても共感しやすい物語になっています。
それでは転落していく沙希の人生に注目しながら続きをご覧ください。
後編
ナミエの父親に映画のチケットを入手してもらった沙希だったのですが、彼氏から同じ映画を見に行こうと誘われてしまいます。
電話で沙希が謝罪すると、ナミエは快く許してくれました。
しかし日曜日の予定をナミエに聞かれていると、電話の充電が切れてしまいます。
母親に文句を言いながらも、彼氏と映画を一緒に見る約束ができて幸せそうな沙希。
約束の当日になると、授業中も沙希の頭の中は映画のことで一杯になっていました。
ですがトイレに行った沙希に、ナミエが悲しい報告を伝えに来ます。
急用ができたため映画を見に行くことができなくなったという伝言を伝えに来ました。
少し落ち込んでしまうのですが、沙希は仕方ないと割り切る事にします。
こうして2人はスーパーで食材を買ってから沙希の家に行くことにしました。
しかし家に到着すると彼氏から電話がかかって来ます。
待ち合わせ場所に来ないから心配になったと言う彼氏。
実は彼氏に急用ができたというのはナミエのついた嘘だったのです。
この事実を知った沙希は慌てて家を飛び出しました。
するとタイミング良く母親が車で帰宅したため、映画館まで乗せてもらうことにします。
事態を呑み込めない先に対して、母親が心配そうな表情で見つめています。
しかしここで娘を心配するあまりよそ見をしてしまった母親が、飛び出してきた子どもを轢きそうになってしまいました。
急ハンドルをきり子どもを轢かずには済んだのですが、2人が乗っていた車は電信柱に激しく衝突してしまいます。
幸いにも沙希は重大な怪我をすることはなかったのですが、意識を取り戻すと不思議な現象が起こり始めました。
母親の容体について心配ないと言う医者の姿が黒く見えるようになっていたのです。
ここで自分の目がおかしくなったと思う沙希の病室に、ナミエがお見舞いにやって来ました。
心配したというナミエに対して沙希は彼女のついた嘘について質問をすることにします。
平気で嘘をつくナミエの姿は、沙希の目に真っ黒な姿で映っていました。
その後の沙希は嘘をついている人間が、自分の目には真っ黒な姿に映ることを理解していきます。
しかしこの能力に気づいたことは、母親の容体が問題ないと言った医者の嘘を見抜く結果に繋がってしまいました。
こうして母親が亡くなったことを知った沙希。
彼女を心配してくる親戚の姿が黒く見えてしまい、誰も信用することができなくなってしまいます。
そんな中、彼女を本気で心配する腹違いの兄が現れました。
桐沢翠というこの男性は、沙希が嘘を見抜けるようになってから初めて出会った黒く映らない人物だったのです。
果たして唯一本心で接してくれる翠は、沙希の人生を幸せなものへ導いてくれるのでしょうか！？
ここから先の展開はネタバレする訳にはいきません。
続きは実際に漫画をご覧になってお楽しみください。
『君がウソをついた』を読んだ感想
とても計算されつくしたストーリーだと思います。
嘘が大嫌いなヒロインが嘘によって不幸のどん底に突き落とされていく姿には思わず同乗してしまいました。
そんな中で本心で向き合ってくれる腹違いの兄が、沙希を幸せにしてくれるのかが注目ですね。
さらにナミエが嘘をついた理由も物語を面白くさせています。
語り始めるとキリがないほどの魅力がぎっしりと詰まった『君がウソをついた』！
この作品は漫画ファンなら読んでおいて損をすることがありません。
是非この機会に完成度の高いヒューマンドラマの面白さにハマってみてください。
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