今回は「ミナミ」先生の『嘘月-ウソツキ-』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『嘘月-ウソツキ-』はこんな漫画(あらすじ)
吸血鬼と人間の混血であるダンビールとして生を受けた月城蒼は、能力を隠しながら学生生活を過ごしています。
ダンビールには異性を虜にする能力があるのですが、蒼は人間として生きていきたいので能力を使おうとはしません。
誘惑する能力を隠す蒼は幼なじみの初恋を見守ってきました。
しかし事故をきっかけに能力が発動してしまいます。
ここから蒼は幼なじみを手に入れたい欲望と理性の間で揺れ動くことになるのでした。
超能力のせいで歪んだ切ない純愛を描いていく『嘘月－ウソツキ－』！
今回はファンタジーラブストーリーの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
真実と偽りの間で苦悩する主人公に感情移入してみてください。
『嘘月-ウソツキ-』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
月城蒼は幼い頃に見た父親が母親の血を吸っていた光景を今でも鮮明に覚えています。
父親は真紅の瞳で母親の心を支配していました。
蒼の父親は吸血鬼で、見つめるだけで異性を虜にできる誘惑という能力を持っているのです。
吸血鬼と人間の混血であるダンビールの蒼は、能力を隠しながら生きてきました。
この日もいつものように大人しくしていると、自分の席をクラスメイトが使っていて座れません。
席を譲ってもらおうとしてもクラスメイトは蒼の名前すら覚えてくれていませんでした。
幼なじみの柏木を宥めた蒼は代わりにクラスメイトの席に座ることにします。
蒼としては問題を解決したつもりなのですが柏木は納得していません。
柏木の正直な言葉が嬉しく感じられます。
プリントを終えると2人は変えることにしました。
帰り道で2人はどの部活に入るか話し始めます。
2人が通う学校では生徒全員が部活に入らなければいけません。
しかし蒼は部活に入るつもりはありませんでした。
憧れの人を追いかけてこの学校に入学した柏木の恋を蒼は応援しています。
柏木のことを特別な存在だと思うようになったのは中学生の時でした。
ある日の授業でもしも友達が実は鬼だったらどうするのか尋ねられ、生徒達は答えを出すのに悩んでしまいます。
真っ直ぐな意見を述べた柏木に蒼は感動しました。
この日以来、柏木は蒼にとって特別な存在になったのです。
蒼は柏木がそばにいてくれれば何も必要ないと思うようになっていました。
ただし柏木には想いを寄せている男性がいます。
いつも柏木は彼のことを語る時に頬を染めていました。
柏木の長い睫毛と凛とした背筋、真っ直ぐに前を見つめる瞳の全てを蒼は愛しています。
表向きは柏木の恋を応援しているのですが、本当は叶ってほしくありません。
ダンビールの蒼は能力を使えば柏木を手に入れることができます。
しかしその能力を使おうとはしません。
欲望を抑えてまで能力と正体を隠している理由とは・・・！？
人間ではないため空気のように生きたいと願う蒼の姿に胸が痛くなりました。
そんな蒼が素直な柏木に惹かれた理由には多くの人が共感できるのではないでしょうか。
特別な能力を宿したことによって苦悩する主人公の純愛をテーマにした『嘘月－ウソツキ－』！
蒼の葛藤する様子が見所になっています。
もしも自分が蒼の立場だったらどうするか想像しながら読んでみてください。
後編
蒼は眼鏡を外せば誘惑という右目で見つめるだけで異性を虜にできる能力を使うことができます。
しかし蒼はダンビールの能力を決して使わないと誓いを立てていました。
その理由は父親が誘惑の力で手に入れた女性に蒼を産ませたためです。
蒼の母親は誘惑の能力が切れて死を選びました。
人間として生きるため蒼は家を出て一人で生活しています。
ただし家を出ても無駄だということは自覚していました。
ダンビールは中途半端な化け物です。
純血の吸血鬼よりも力は劣り、興味に対象にされることも珍しくありません。
一方で人間からは恐怖の対象として扱われています。
蒼が生きていくためには父親に守ってもらわなければなりません。
それでも亡くなった母親は学校に通うことを尊重してくれました。
柏木の存在によって蒼は生きる意味を見出したのです。
翌日、学校の廊下に絵が展示されました。
蒼は絵のことは良く分かりませんが、青色が綺麗な絵画が目に留まります。
この絵を描いた人物こそ柏木が想いを寄せている美術部の先輩でした。
先輩と久しぶりに再会した柏木は顔を真っ赤に染め、いつものようにスラスラ話すことができません。
こんな柏木を蒼は見たことがありませんでした。
しかし恥ずかしそうにする柏木を目の当たりにして大きな距離感を実感します。
柏木が先輩と嬉しそうに話している姿を見ているうちに胸が痛くなってきました。
どうせいつか独りになるくらいなら、幻でもいいので柏木を誘惑したくなります。
柏木の姿が生きていた頃の母親と重なりました。
動揺した蒼は当たり障りのない返事でこの場を誤魔化します。
人間ではない自分が柏木と結ばれてはいけないと自覚しているのですが、心の片隅では神様に願いたい気持ちが芽生えていました。
次の瞬間、教室に戻ろうとする柏木に外から野球のボールが飛んできます。
窓ガラスを突き破ったボールから柏木のことを身を呈して守りました。
しかし不可抗力で眼鏡が外れてしまいます。
その状態で柏木を見つめる状況になりました。
誘惑によって虜になった柏木がキスしてきます。
能力を使うつもりがなかった蒼は激しく動揺しながら柏木の前から立ち去りました。
こうなることを望んでいたわけではありません。
しかしそれは理性が欲望を抑えていただけのことでした。
ここから蒼は常に理性と欲望の間で葛藤することになるのです。
能力の凄さを体感した蒼は父親のようになってしまうのでしょうか！？
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『嘘月-ウソツキ-』を読んだ感想
誘惑という能力は誰もが1度は欲しいと考えたことがある気がしますね。
そんな憧れの能力を持ってしまったがゆえに葛藤する蒼の感情を丁寧に描いているので、とても共感しやすい物語だと思いました。
自分の幸せと好きな人の幸せのどちらを選ぶのかが見所になっている『嘘月－ウソツキ－』！
欲望を抑えることの難しさを上手に表現しています。
特殊な能力で好きな異性を虜にすることが幸せなのか考えながら読んでみてください。
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