『鑑定眼 もっとも高価な死に方』のネタバレ(漫画)!

今回は「原作 楠本寛樹 作画 後藤悠太」先生の『鑑定眼 もっとも高価な死に方』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『鑑定眼 もっとも高価な死に方』はこんな漫画(あらすじ)

警備員の野見大助は無意識のうちに物の価値が判断できる鑑定眼を習得しました。

しかし鑑定眼が働くたび、周囲と比較してしまい自身が底辺に存在していることを認識させられています。

生きてる実感がない野見が警備で大豪邸に駆け付けると、大金を持ち去ろうとする強盗犯と遭遇しました。

犯人を捕まえた野見だったのですが、汚い金は盗んでも構わないという言葉を信じて強盗犯をわざと逃してしまいます。

いつもとは違う行動を取ってしまったことで、野見は思ってもいなかった運命に巻き込まれていくことになりました。

人並外れた洞察力で主人公が成り上がろうとする『鑑定眼 もっとも高価な死に方』

今回は手に汗握るクライムサスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

平凡以下の男性が大金の強奪計画を実行する様子から緊張感を味わってみてください。

 

『鑑定眼 もっとも高価な死に方』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

どこにでもいる平凡以下の警備員が大金を強奪しようとしています。

野見大助
「日本製三段式警棒・・・1万2千800円、警備用ヘルメット7千800円・・・輸送金額5億4千200万円・・・やめろ・・・こんな時に何考えてんだ俺は・・・!」

警備員の野見は無意識のうちに人並外れた洞察力で周囲の物を鑑定していました。

しかし今は鑑定眼を使っている場合ではありません。

野見は今まさに5億円を強奪しようとしているところなのです。

10日前の野見は高校の同窓会で自分が平凡以下であることを実感させられていました。

野見大助
「バテックの腕時計、80万5千円・・・」

医者になった同級生は高級な腕時計を身に付けています。

また高校の教師をしている同級生は株で儲けたお金でブランドスーツを着ていました。

成功した同級生たちを見ているうちに野見は自分が情けなく思えてきます。

野見大助
「だる・・・なんで来たんだろ俺・・・テキトーな理由つけて帰るか・・・まいっか、このまま帰っちゃっても、どーせハナから2次会も行く気なかったし」

なぜ同窓会に参加しようと思ったのか理由を思い出せません。

面倒臭くなったので帰ろうとする野見に佐々木ハルという女性が声を掛けてきます。

ハルとは高校3年生の夏から卒業まで付き合っていました。

野見大助
「そっか・・・なんで俺同窓会なんかに来たのか今わかった、ハルに逢いたかったんだ」

結局このまま野見は2次会にも参加することにします。

しかしあわよくばと期待していたことは何も起こりません。

野見大助
「ドッヂのバック20万8千800円、シャルルのイヤリング32万8千円、オデールのパンプス12万6千円、住む世界も逆・・・か」

ハルと住む世界が異なることを実感した野見は、3次会には参加せず帰ることにしました。

次の日は夜勤のため夕方に目を覚まします。

野見大助
「警備員になって6年・・・一通りの警備資格も持っているが・・・別になりたくてなった職業じゃない」

警備会社に出勤すると今週のシフト表を渡されました。

警備に関する全ての資格を有している野見には様々な仕事が割り振られています。

野見大助
「うわーまたバラバラですかー、金曜は現金輸送の回収も入ってるし」

金曜の現金回収は6日分の売上があるので、5億円以上の大金を運ばなければなりません。

こき使われていることにぼやいていると、同僚から誰かに必要とされていることは幸せなことだと言われます。

野見大助
「でもまぁ居心地は悪くないからなんとなく今も続いている、なんとなく・・・そう・・・なんとなく警備員になって、なんとなく幸せでなんとなく不幸・・・」

仕事現場に向かう道中も、街を歩く人たちの身なりを鑑定してしまう癖が抜けません。

幸せが他人と比べるものではないことは理解しています。

野見大助
「でもなぜか・・・値段ばかり詳しくなっていく、そして気づけば無意識レベルですべての物の価値がわかるようになっちまった、そしてこの鑑定眼が働くたび俺の暮らしは暗くなっていくんだ」

物の価値を鑑定するたび、救えない気分になっていました。

しかしいつものように警備員として働く野見の人生が今夜激変するのです。

 

 

人それぞれ幸せの価値は異なるのですが、野見のように鑑定眼を持ってしまうと否が応でも他人と比べてしまう気がしました。

比べてしまうたびに気分が暗くなるのは仕方がないかもしれませんね。

些細なことがきっかけで犯罪者となった主人公の苦悩を表現した『鑑定眼 もっとも高価な死に方』

大金の強奪事件を計画した理由がここから明らかになっていきます。

勝ち組に成り上がるか、強奪犯として成り下がっていくのかが見所になっていますよ。

後編

野見が緊急発報現場の久我宅に到着しました。

無線で到着を報告してから屋内の確認に入ります。

野見大助
「なんじゃこりゃ・・・都内デザイナーズハウスで9億6千800万・・・まるで要塞だな、ハイハイ、すごいすごい」

大豪邸のため玄関がどこかも分かりません。

それでもようやく玄関を見つけた野見がパネルを開けてみると、アラームがオフになっていました。

不審だと思いながら豪邸の中に入っていきます。

野見大助
「しかしなんて家だ、王様でも住んでんのか?・・・っと私情ははさむな、とりあえず異常確認だ、センサーが反応したのはリビングだったな」

野見が勤める警備会社は旧型のセンサーを使っているので誤作動かもしれません。

誤作動でなければペットやネズミに反応した可能性もあります。

しかし電灯を点けてみるとリビングに刃物を持った男性が立っていました。

男性はジェラルミンケースを持っていて、汚れた金を盗んだと主張してきます。

その上でジェラルミンケースの中から百万円を出し、見逃してほしいと野見を買収しようとしてきました。

野見大助
「コ・・・コイツいきなり何言ってんだ?ひゃ・・・ひゃくまんえん?」

札束を見た野見の心が揺らいでいる隙を突き男性が襲い掛かってきます。

野見は刃物で腹部を刺されてしまいましたが、男性を取り押さええることができました。

それでも男性は悪い奴から盗むのは悪くないと指示されたことを主張します。

男性を取り押さえながらリビングを見てみると、高級な家具や電気式床暖房が目に留まりました。

野見大助
「うるせーなァ、いい年したおっさんがピーピー泣くなよ!フゥ・・・もういい・・・行けよ」

馬鹿馬鹿しくなった野見は男性を見逃すことにします。

その上で目立つジェラルミンケースの代わりに自分のリュックを渡すなど、逃げるための手助けも行いました。

野見大助
「防刃ベストで傷も浅い、気が変わってまたお前を取り押さえてもいいんだが・・・早く行け!フードはちゃんと被れよ!」

男性はお礼を言いながら豪邸を去って行きます。

一時の気まぐれで強盗犯を見逃した野見は1日だけ入院することになりました。

病院に来た警察に大柄な犯人が何も盗まず逃走したという噓の証言をすると、警察から家主が何も盗まれていないと言っていたことを伝えられます。

警察は野見の証言を信じると帰っていきました。

野見大助
「大丈夫だ・・・ちゃんと逃げきってくれよ・・・」

疲れた野見が病室で眠りにつきます。

しかし寝返りを打っていると病室に人の気配を感じました。

久我
「こんな夜中にすみません、おつとめを終えて自宅に戻ったら・・・いやぁ驚きました、どうしても一言お礼が言いたくて、わたくし近くの寺で住職をやらせてもらっています久我と申します」
野見大助
「久我・・・」

名前を聞いてすぐに豪邸の住人だと気付きます。

久我は大金を盗まれたのに家財を守ってくれて助かったとお礼を言ってくれました。

野見は被害届を出せない汚い金を盗まれていい気味だと思っています。

久我
「2点・・・質問よろしいでしょうか、仏教の教えでは優れた人を表す特徴の一つに足の裏の形ってのがあるんです、ご存知ですか?」
野見大助
「・・・いや、それが・・・1つ目の質問ですか?」

質問をしながら久我が野見の足を確認してきました。

野見はなぜこんな質問をされてるのかが分かりません。

久我
「んー、残念ながらフツーですね、じゃあもう一つの質問・・・なぜ・・・嘘をついた?」
野見大助
「え?」

ここで久我の表情が一変しました。

さらに野見はいつの間にか両腕と両足を拘束されています。

久我
「正直にお願いします、犯人は何か持っていませんでしたか?」
野見大助
「な・・・なんですかこれ!何かって・・・嘘なんかついてない!」

やはり久我宅から盗まれた被害届を出すことができない汚いお金でした。

犯人を見逃したと素直に白状すると、邪魔な存在だという理由で久我は野見の点滴に筋弛緩剤を混入しようとします。

久我
「じゃあ逝ってらっしゃい」
野見大助
「全部古札だからどこで使っても安全だ・・・新札だと紙幣番号が記録されてる、つまり洗浄する必要がある」
久我
「・・・なんの話ですか?」
野見大助
「でも今回はすべて売上金だから古い紙幣しかない、すぐに使える安全な金だ、アンタのあの金はそれができなくで苦労してたんじゃないのか?」

野見が指摘したことは全てその通りでした。

ここで筋弛緩剤を持った久我の手が止まります。

野見大助
「金庫は二重ロック、窓は内側からの鋼板張り、警備員は運転手と助手の2名体制、最高のセキュリティだがそのうちの1人でも共謀者がいれば話は別だ、運ぶ金は少なく見積もっても・・・5億ある」

金曜日に野見が担当する現金輸送車を襲ってみないかと提案しました。

現金輸送車に中には洗浄する必要のない古い紙幣しか入っていません。

久我
「面白い命乞いですね」

果たして野見の計画は成功するのでしょうか!?

 

『鑑定眼 もっとも高価な死に方』を読んだ感想

殺されそうになった直前に出した野見の提案に感服しました。

久我の汚いお金が不便なものだと見抜いた目利きも素晴らしい能力ですね。

人生の最期を光り輝かせようとする主人公の生き様を描いた『鑑定眼 もっとも高価な死に方』

完成度の高いクライムサスペンスに仕上がっています。

強奪計画の一部始終をドキドキしながらご覧ください。

 

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