ぼんくら陰陽師の鬼嫁のネタバレ(漫画)!契約結婚の結末は?

今回は「原作 秋田みやび 漫画 遠野由来子」先生の『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』はこんな漫画(あらすじ)

京都の大学に通っている女子大生の野崎芹(のざきせり)はアルバイトをクビになった矢先、住んでいたアパートが全焼してしまいました。

5歳の時に両親を亡くしてから色々な縁の人に世話してもらったため、現在の芹は身内に頼ることができません。

住む場所を失った芹が公園で途方に暮れていると、着物姿の少女を連れた不思議な男性と出逢いました。

北御門皇臥(きたみかどこうが)と名乗る男性は困っている芹に衣食住の保証を条件にした契約結婚を提案してきます。

生活のため提案を承諾したのですが夫となった皇臥の正体が陰陽師だと分かり・・・!?

常識外れの名家に嫁いだしっかり者の女子大生が奮闘する様子を描いていく『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』

今回はファンタジーとサスペンスが融合した漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

明るい雰囲気の中で巻き起こる不思議な日常をじっくりとお楽しみください。

 

『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

20歳の野崎芹が自宅アパートの前で泣きっ面に蜂という言葉の意味を実感しています。

野崎芹
「バイトをクビになって3時間後、ここ京都で宿無しにまでなってしまった」

仕事と住居を失った芹は人生最大のピンチを迎えました。

免許証やスマホなどは無事だったのですがホテルに泊まれるほどの現金は持っていません。

公園のブランコで途方に暮れていると振り袖姿の少女が現れました。

少女の後ろからは黒いコートを身に纏った青年が歩いてきます。

野崎芹
「とんびコートの男・・・服装からして親子?叔父さんと姪っ子?」

現代っぽくない恰好の2人がどのような関係性なのか分かりません。

悩んでいると少女が遊んでいた鞠がこちらへ転がってきます。

野崎芹
「はい・・・?綺麗な振袖だね、よく似合ってる、汚さないようにね」

理由は分かりませんが鞠を渡された少女は固まってしまいました。

しかしすぐに可愛らしい笑顔を見せてくれます。

北御門皇臥
「・・・驚いた、見えるのか」
野崎芹
「へっ?見えるって何が」

青年が急に話しかけてきたのですが言葉の意味が理解できません。

すると芹の横に寄り添っている少女を指さしました。

北御門皇臥
「何ってこれに決まっているだろう」
野崎芹
「意味わかんない、なんでいきなり幽霊でも見えるみたいな・・・」
北御門皇臥
「・・・いや別に幽霊ではないが・・・」

青年と少女は幽霊などではありません。

そのため見えるという言葉の意味がますます分からなくなります。

呆然としていると“護里(まもり)”と名乗る少女が服を引っ張ってきました。

野崎芹
「ちょっと待ってお嬢ちゃん、あのねわたしこれから寝るとこ探さなきゃいけないから」

護里は芹に懐いたようなのですが今は遊んでいる場合ではありません。

しかしここで青年が事情を聴いてきたため説明することにします。

北御門皇臥
「寝る場所ってなんでだ?」
野崎芹
「家だったアパートが火事になりまして」

青年は頼る身内がいないのか聞いてきました。

芹は5歳の時に両親を事故で亡くして以来、色々な人のお世話になってきたので迷惑をかけたくありません。

そのため自分の力でこのピンチを乗り切ろうとしているのです。

北御門皇臥
「ふむ、実はいい仕事を紹介できるんだが」

青年は食事と住環境の保証と大学への通学を補助する条件で、住居や職場の清掃と炊事洗濯の仕事を紹介してきました。

この破格すぎる条件を芹は怪しいと感じます。

野崎芹
「でも・・・衣はともかく今の状況で食と住が保証されるのは大きい」

仕事内容はブラックかもしれません。

それでも現状打破を優先することにしました。

北御門皇臥
「君さえよければ早速雇用契約を交わそうではないか、俺の名は北御門皇臥、皇臥でかまわない、君は?」
野崎芹
「野崎芹・・・ちょっと待った、何これ?」

皇臥が出したのは雇用契約書ではなく婚姻届だったのです。

世間では結婚を永久就職に例えることを引き合いに出しながら皇臥が事情を説明し始めました。

名門の北御門家は由緒正しい家柄で皇臥は跡継ぎの関係上、親戚一族から結婚を催促されているそうです。

しかし家の事情だけで簡単に嫁を迎える訳にはいきません。

北御門皇臥
「そこで俺は考えた!望みもしない見合いや紹介が押し寄せなし崩しに外堀を埋められての結婚を回避するには!後腐れのない契約関係として相互利益が生じる相手と一時的婚姻関係を結べばいいと!」
野崎芹
「質問、そんな名家の人がこんな会って10分で契約相手を決めていいの?」
北御門皇臥
「君はひとつ条件をクリアしているからな、護里が君に懐いている」

皇臥にとって護里が懐いていることは重要な条件なのです。

芹にとって皇臥の提示した条件は現状を打破する唯一の手段かもしれません。

このまま彼女は契約結婚という方法を選択するのでしょうか!?

 

 

雪だるま式に不幸が続いてしまった芹に同情してしまいますね。

そんな芹に対して皇臥が提案したのが生活をサポートする契約結婚でした。

しかしこの契約結婚にはとんでもない秘密が隠されていたのです。

知らず知らずのうちに自分が特殊な能力を宿していたことを知ってしまったヒロインの日常を綴っていく『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』

実はここまで見えていた護里は人間ではありません。

彼女の正体と芹が巻き込まれたお家事情に注目しながら続きをご覧ください。

後編

皇臥は契約結婚に対して悩む芹に緊急措置の結婚は2人にとってメリットがあることを説明しました。

よく考えてみると芹にはメリットしかありません。

しかし芹には確認するべき事項がいくつか存在しています。

野崎芹
「まず確認するけれど2名の継続的な経済的協力を伴う同棲関係を社会的に承認されたもの、それが結婚、合ってる?」
北御門皇臥
「ああ」

芹は継続的な経済協力を結べるかが重要だと考えていました。

その上でさらに確認したいことがあります。

野崎芹
「北御門皇臥さん、名家だって聞いたけどご職業は?」
北御門皇臥
「公務員」
野崎芹
「合格」

芹は安定した収入が見込める公務員という職業に安心することができました。

その上で契約期間は追々話し合うことにします。

さらに皇臥は離婚の際に生じるお金のことについてもしっかりと考えていました。

北御門皇臥
「離婚の際には婚姻期間に築いた財産の半分は君のものだ、君のやりくりの成果がそのまま契約期間終了後の報酬となる、言うなれば退職金だな」

一時的婚姻関係という言葉が芹の胸に響きます。

芹はこの条件さえ受け入れられたら人生最大のピンチを脱することができると確信しました。

野崎芹
「わかった、結婚する」
北御門皇臥
「ありがとう、それでは我が家にご案内しよう、我が花嫁」

ここから芹は皇臥と護里の案内で嫁ぎ先へ向かうことになります。

暗闇の中を30分ほど歩くと、という男性が3人を出迎えてくれました。

珠も護里と同じように芹が自分のことを見えることが不思議に思っています。

それでも皇臥は詳しい説明をしないまま、芹を屋敷の中へ案内しました。

芹は屋敷の中へ案内されたことで結婚の約束をしたことを改めて実感します。

皇臥は親戚の勧めで4LDKの新居を用意していました。

この新居に招かれた芹は食事の前に護里と入浴することにします。

するとここで不思議な出来事が起こりました。

野崎芹
「ん・・・護里ちゃん?え、え・・・え?」

一緒に入浴していた護里が少女から亀に姿を変えていたのです。

驚いた芹はバスタオルで身体を隠しながら皇臥の元へ向かいました。

北御門皇臥
「おお芹、大胆だな」

パニックになる芹とは対照的に皇臥はホワイトタイガーの上でくつろいでいます。

混乱する芹の後を亀に姿を変えた護里がついてきました。

野崎芹
「亀に虎にこの男、北御門家って何なの!?」

パニックになった芹なのですが、目の前にいる亀が護里で虎が珠だということを何となく理解します。

それでも詳しい事情が分からないため皇臥に事情を説明してもらうことにしました。

皇臥によると北御門家は代々、陰陽師を生業としているそうです。

陰陽師は森羅万象を操り鬼神を使役することで国を守ってきました。

北御門皇臥
「というわけで北御門家は歴史だけは無駄にあるからな、陰陽道を家学として護り確かな民間呪術を伝える家系として信頼を集めて今に至っている、門下も親戚もそういう宗家には実にきびしい」
野崎芹
「なるほど・・・で、この2人は?」

皇臥によると珠と護里は陰陽師によって造られた式神なのだそうです。

北御門家の式神は先代が遺してきたものに現当主が改めて形を変えて契約していました。

北御門皇臥
「本来は彼らの姿は視えないはずなんだよ」

感受性の強い子供や霊感の強い人なら式神を感じ取ることはできるのですが、通常であれば形まで視えることはありません。

式神を視るためには彼らの主人と結婚した人や近親者のように縁を結ぶ必要があるのです。

野崎芹
「そのどれにも該当しない自分はかなーり珍しい人間・・・?」
北御門皇臥
「そういうことだ、視えるということは縁を結んだということでもある」

縁を結んだ状態の芹は配偶者として最適の人材と言えるのですが、皇臥は入籍の手続きはしっかり進めようと考えていました。

北御門家の事情を説明したところで皇臥が改めて婚姻届に署名を求めます。

両親を亡くした芹を現在まで苦しめてきたのは経済力の無さで、彼女は親戚の人たちに助けられながら生きてきました。

親戚には心から感謝しているのですが、その反面で気を遣って生きてきた芹は心から落ちつけたことはなかったのです。

そのため婚姻届に署名することにしました。

野崎芹
「もしも、もしもこの結婚のことを知ったらお父さんとお母さんはどう言うだろう、けしからんと叱られるかもしれない、悔しかったら叱ってみろ」

強引に署名しようとすると皇臥が優しい言葉で背中を押してくれます。

北御門皇臥
「野崎真一郎さん、撫子さん、娘の芹さんをお嫁にいただきます、軽率な行為だったと言われぬよう全力で彼女を守ります、どうかご安心ください」

帰る場所を無くした芹は心のどこかに不安を抱えていました。

気を張っていた芹の不安を皇臥の言葉が解消してくれたのです。

野崎芹
「仮初でも頼っていいと言ってくれる人がいる、多少詐欺だろうが胡散くさかろうが陰陽師だろうが迷うことなんてない、どうぞよろしくお願いします、不束者ですが」

こうして芹は陰陽師に嫁ぐことになりました。

普通の家柄ではない北御門家に嫁いだ芹に待ち受ける運命とは・・・!?

 

『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』を読んだ感想

詐欺師のように陰陽師のことを隠していた皇臥なのですが、実際は優しくて頼りがいのある男性だと思いました。

騙されたような状況を理解しながら皇臥の優しさに頼ることを決めた芹はとても頭の良い女性ですね。

相互利益のために結婚した男女の夫婦生活を描写した『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』!

謎の多いサスペンス漫画に感動的な人情話をミックスさせた素敵な物語です。

式神に護られながら夫婦として成長していく2人を温かく見守ってあげてください。

 

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