流血女神伝~帝国の娘~のネタバレ(漫画)!カリエの運命は?

今回は「原作 須賀しのぶ 作画 窪中章乃」先生の『流血女神伝~帝国の娘~』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『流血女神伝~帝国の娘~』はこんな漫画(あらすじ)

強大な能力を誇った流血女神ザカリアは、巨大な鳥に乗ってあらゆるものを破壊して楽しんだと言われています。

そんな神話が残るテナリシカ大陸の北方をゼカロという公国が支配していました。

ゼカロの雪深い山村で暮らしていた少女のカリエは、吹雪の日にエディアルドと名乗る見ず知らずの青年に攫われてしまいます。

何も知らずに連れて行かれたカリエは、皇子の身代わりになって皇帝候補を目指すことになりました。

田舎娘の自分が皇帝になるなど不可能だと思うのですが、両親に売られてしまったカリエには帰る場所がありません。

少女の数奇な運命を描いていく『流血女神伝~帝国の娘~』

今回は大河ファンタジー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

必死に生きる少女の姿を目に焼き付けてください。

 

『流血女神伝~帝国の娘~』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

ザカリア流血女神は全神々の母親にして強大な力を持っています。

流血女神は世界で最も巨大な鳥“リシク”の翼に乗って、あらゆるものを破壊して楽しみました。

テナリシカ大陸には流血女神が他の神々と人間たちによって封じられたという神話があります。

そんなテナリシカ大陸の西方はルトヴィア帝国が支配していました。

物語はルトヴィア帝国の北方にある北公国ゼカロのヤンガ山脈から幕を開けていきます。

カリエ
「もおおおぉっ何なのよ!だから嫌だって言ったのよ、こんな日に狩りなんて!獲物を狩る前にわたしが遭難しちゃうわよ!」

猛吹雪の中、少女のカリエが獲物を探しているのですがなかなか見つかりません。

大声を出してしまったことを後悔するのですが、この吹雪では周囲に何もいないと思い安心します。

そして気を取り直して吹雪の中を歩き始めました。

カリエ
「あーあ、これおろしたばっかりなのに、母さんごめんねー」

この日は母親が売り物にする服を着せてくれたのですが、転んでしまったので濡れています。

どうしてこんな吹雪の中で狩りをしているかというと、機嫌の悪い父親に命令されたためでした。

何故こんな吹雪の日に狩りをしなければならないのかは分かりません。

それでも父親には逆らえないのです。

カリエ
「ツイてない、ツイてない、最近ほんっとツイてない!わたしの運命の人はよりにもよって大食いリフィアと結婚しちゃうし、その上コレよ、うわっぷ、天気まで荒れないでよ!」

このまま何も獲物を収穫できないと父親に怒鳴られるかもしれません。

怒られるのが嫌なのでもう少し頑張ろうと思います。

しかし猛吹雪が激しくなってきました。

カリエ
「よし帰る!帰ったら母さんにスープあっためてもらお、父さんの分のパンとそれからチーズも麦酒も飲んでやる!」

こんな状況で狩りを続けられる訳がありません。

そのため父親の命令を無視して帰ることにします。

すると吹雪の中で物音が聞こえてきました。

カリエ
「何かいる、鹿・・・いや・・・こいつはもう少し・・・大きい!」

猟銃を構えるのですが獲物の気配は一発で仕留められるようなものではありません。

逃げ出すことも考えるのですが、この吹雪の中で身動きが取れなくなっていました。

緊張していると気配の主が姿を現します。

カリエ
「ひ・・・人・・・!?なに・・・この冷たい感じ・・・」

現れたのは動物ではなく人間でした。

この人間は冷酷な雰囲気を纏っています。

カリエ
「・・・誰?」
エディアルド
「エディアルド」

エディアルドと名乗った青年は上等な服を着ていました。

そのためカリエはエディアルドのことを貴族だと推測します。

カリエ
「じゃ、じゃあエディアルド、こんなところで何してるの?」
エディアルド
「お前を迎えに来た」
カリエ
「わたしを知ってるの?父さんの知り合い?」
エディアルド
「やはり何も聞いていないのだな・・・お前はもう両親のもとへは帰れない」

エディアルドに腹部を殴られたカリエは意識を失ってしまいました。

一体なぜエディアルドはカリエの前に現れたのでしょうか!?

 

 

カリエが猛吹雪の中で狩りに行かされたことや、エディアルドのセリフなど続きが気になる伏線が幾重にも張り巡らされていますね。

序盤を読むだけでも面白いと感じさせてくれる漫画だと思いました。

少女が巻き込まれた壮絶な運命をコミカライズした『流血女神伝~帝国の娘~』

人気小説を漫画にしたので読み応えがある内容に仕上がっています。

カリエが巻き込まれてしまった数奇な運命を心ゆくまで楽しんでください。

後編

腹部を殴られて意識を失ったカリエが夢を見ています。

夢の中に片翼の翼が現れました。

カリエ
「あれは神話に出てくるリシク?」

リシクは神の鳥と呼ばれていて、神話に出てくるザカリア流血女神の忠実な僕です。

神話によると破壊神となった流血女神が封じられた後、切り落とされた片翼はテナリシカ大陸になったと伝えられていました。

片翼になった状況でも流血女神を探して飛び立ったリシクが、いつの日か女神を探し出して翼を取り戻す日が来ると世界が終わると伝えられています。

カリエ
「どうして?神話の中の生き物じゃ・・・本当にいるの?あれ、こんな目を最近見たような・・・そうだ狩り・・・わたし帰らなきゃ」

狩りをしていた記憶が蘇ったのですが、その一方でエディアルドの“お前はもう帰れない”という言葉が脳裏をよぎりました。

記憶が蘇ったカリエが悲鳴を上げながら意識を取り戻します。

目覚めたカリエは夢だと思うのですが、自分が寝ていた場所が自宅ではありません。

カリエ
「こんな立派な建物、村にはなかった・・・」

見たこともない建物の中にいることで、自分が攫われたことを思い出しました。

さらにエディアルドがカリエを迎えに来たといったセリフも思い出されます。

カリエはエディアルドのことを知らないのに、彼は自分を知っているような口調でした。

そのことでカリエは両親の様子がおかしかったことに気付きます。

母親は売り物の服を渡してくれ、父親は猛吹雪なのに狩りを命じてきました、

カリエ
「わたし、売られた・・・?おかしいと思ったのよ、売り物を着せるなんて、雪の日に狩りへ行かせるなんて」

カリエの両親は実の親ではありません。

それでもここまでカリエのことを大切に育ててくれました。

しかし急に裏切られてしまったのでカリエは深い悲しみを負ってしまいます。

カリエ
「誰が思い通りになってやるもんか、大人しく売られるなんてまっぷらよ」

どんな大金持ちに自分が売られたのかは分かりません。

ですがカリエはこの場所から逃げ出すことにしました。

恐る恐る部屋を出てみると、外にエディアルドの姿が見えます。

エディアルド
「・・・ふむ、薬が足りなかったか」
カリエ
「ちょっとどういうことよ!待ちなさいよ!」

追いかけようとすると、すぐにエディアルドが戻ってきました。

戻ってきたエディアルドの背後には貴婦人が立っています。

フリアナ
「あなたがカリエ・フィーダね、まぁ・・・本当によく似ていること」
カリエ
「アンタ誰?」
フリアナ
「これだから田舎者は、礼儀をわきまえなさい、これからのエドの苦労がしのばれますこと、わたくしはサグリーザ・フリアナ・ジ・ゼカロ、無礼は許してあげてよ」

ゼカロは田舎者のカリエが自分の顔を知らないことを許してくれました。

その姿に驚きながらカリエは状況を整理することにします。

ルトヴィア帝国は4つの領地から成り立っていました。

その中でゼカロというのは北公国ゼカロの領主一族を指す名前です。

またサグリーザは皇帝のお妃に与えられる称号なので、目の前にいる貴婦人が皇妃だということに気付きました。

カリエ
「な、何だってそんな雲の上の人が、わたしの目の前にいるのよ」
フリアナ
「せっかくだからわたくしが教えてさしあげますわ、あなたがこれから何をするのか、カリエ、あなたは初夏にカデーレ宮に上がるのです」
カリエ
「カっ・・・っ・・・か?」

カリエは山村で生まれ育ったためカデーレ宮を知りません。

カデーレ宮とは皇子方が住む宮殿で、次期皇帝になるためお互いを切磋琢磨させる場所なのです。

北公国ゼカロでは皇帝の血を継ぐ男児は、母親の身分に関係なく皇位継承権を与えられていました。

しかし1つだけ守らなければならない条件があります。

それは14歳までにカデーレ宮に入ることで、フリアナの息子は13歳になっていました。

息子は早くカデーレ宮に入らなければならないのですが、現在は熱病を患っています。

カリエ
「で?それとわたしに何の関係が?」
フリアナ
「ですからあなたが殿下の身代わりとなってカデーレへ行くのです、アルゼウス殿下として皇帝候補になるのです」

これから3ヵ月間、厳しい教育を受けた後でカデーレ宮に送り込むことを計画していました。

教育係はエディアルドが担当することになっています。

カリエ
「え・・・無理よ、そんな・・・この花も恥じらう十四歳乙女のどこが男に見えるっていうの!?」

まだカリエは女性として成長していないので、彼女の体型なら何も問題ありません。

さらにルトヴィアの貴人は肌を人前でさらさないので、カリエが女性だとバレることはないそうです。

それでも勝手に決めつけられたので納得できません。

フリアナ
「まぁ逆らうというの?でもあなたの両親は承知したわよ?」

やはり両親はカリエのことを売っていました。

逆らうと両親は生活できなくなるため、カリエはフリアナに従うしかありません。

こうして殿下の体調が回復するまでカリエが身代わりを務めることになりました。

身代わりを引き受けたことでカリエは流転する運命に晒されることになったのです。

 

『流血女神伝~帝国の娘~』を読んだ感想

過酷な運命を受け入れたカリエは頭が良く芯の強い人間だと思いました。

変化していく環境をすぐに見極める洞察力も持ち合わせていますね。

次期皇帝に選ばれるため身代わりとなった少女の運命を描写した『流血女神伝~帝国の娘~』

様々な障害を乗り越えながら成長していく少女の姿が見所になっています。

壮大なスケールのファンタジー漫画を心ゆくまでお楽しみください。

 

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