今回は「くれよんカンパニー」先生の『君の大声を聞いたことがない』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『君の大声を聞いたことがない』はこんな漫画(あらすじ)
高橋かすみは根暗で陰キャラのためいつも一人ぼっちで過ごしています。
彼氏がいない歴と年齢が同じのかすみは地味な生活を送りながら30歳の誕生日を迎えてしまいました。
当然ですがモブ子の誕生日を祝ってくれる人など現れません。
そんなかすみは仕事帰りにアルバイトの男性から演劇のチケットを販売されました。
仕方なく観劇したこの演劇に感動したかすみは一念発起して心の中に芽生えた夢を叶えるため動き始めます。
青春の輝きを体験しようとするヒロインの奮闘を描いた『君の大声を聞いたことがない』！
今回は夢を叶えようとするモブ子を応援したくなるヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
夢を持つことの素晴らしさをこの作品から学んでみてください。
『君の大声を聞いたことがない』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
OLの高橋かすみが会社へ向かうため電車に乗っています。
電車が目的地に到着したため降りようとするのですが、混雑しているため降りることができません。
普通の人なら大きな声を出して人混みをかき分けるのですが、根暗で地味なかすみは大声を出せなかったのです。
遅刻することはなかったかすみが出社すると、来客のため上司からお茶を淹れて欲しいと頼まれました。
真面目なかすみは美味しく頂いてもらうため、最後の一滴まで丁寧に注ごうとします。
しかしそんな時間がもったいないと言う同僚が代わりにお茶を運んでしまいました。
同僚たちはお茶を眺めながらボーっとしていたかすみを不気味だと感じています。
さらに今日のかすみが少しだけオシャレをしていることについても陰口を叩かれてしまいました。
終業時刻になったので挨拶をしてもかすみは誰にも相手にされません。
そんなかすみが少しだけオシャレをして来た理由はこの日が誕生日だったためです。
会社に向かう前、かすみは母親から本日の予定を尋ねられました。
ですがかすみには何も予定がありません。
すると会話を聞いていた妹のゆりがかすみを馬鹿にしてきます。
母親は妹のことを叱るとワンピースを手渡してきました。
ワンピースは父親と出会った時に母親が着ていたもので、誰かから誕生日のお祝いに誘われた時のために着ることを勧められます。
かすみには誘ってくれるような友人は誰もいません。
そのため困惑しているとゆりが追い打ちをかけてきます。
ゆりの言う通りだと思うのですが仕方なくワンピースを着て出社することにしました。
しかし予想通り会社では誰もかすみの誕生日を祝ってくれません。
何も期待していなかったかすみが会社から帰ろうとしていると、出口でアルバイトの中年男性に声をかけられます。
男性は暗い顔をしているかすみに演劇のチケットを渡してきました。
無料だと思ったかすみがチケットを受け取るのですが、4500円のチケット代を払わされてしまいます。
胡散臭いと感じていると同僚たちが集まってきました。
同僚の話によるとアルバイトの男性は自分の劇団のチケットを会社の人に売りつけているそうです。
この劇団は客席に知り合いしか集まらないため、見に行くのは時間の無駄だとアドバイスされました。
かすみも見に行くつもりはなかったのですが、母親から誕生日なんだから食事に行ってきなさいというメールが送られてきたことで気が変わります。
母親に心配をかけたくないかすみは時間を潰すため演劇を見に行くことにしました。
演劇の内容は特別なものではありませんが、カーテンコールで観衆から拍手を浴びる役者の姿がかすみには眩しく見えます。
何か特別なものを感じたかすみは演劇が終わると公園のベンチで誕生日を1人でお祝いすることにしました。
買ってきたお惣菜やケーキを食べていると大雨が降ってきます。
1人ぼっちの誕生日を過ごしたことでかすみの運命が少しずつ変わっていくことになるのでした。
かすみ本人は地味で根暗なことを深く気にしていないのかもしれません。
しかし周囲の視線や母親の期待が息苦しくさせているようですね。
30歳で初めて夢を抱いたモブ子の奮闘を描写した『君の大声を聞いたことがない』！
ここからゆっくりですが夢に向かって歩き出すヒロインが描かれていきます。
紆余曲折していくシンデレラストーリーをお楽しみください。
後編
演劇を見た夜からかすみの行動に変化が表れます。
まず家に帰るとパソコンで“劇団”というキーワードを検索し始めました。
しかしエンターキーを押す勇気まではありません。
その様子を二段ベッドの上から見ていたゆりが両親に報告します。
ゆりは心配するのですが、母親はかすみに恋人ができたと勘違いしていました。
家族に心配されていることを知らないかすみのおかしな行動は会社でも行われます。
ボーッとしているかすみは会議にお茶ではなくお湯を出してしまいました。
焦って湯飲みを回収しようとするのですが、慌てているためこぼしてしまいます。
このようなミスは連日のように続いてしまいました。
かすみが落ち込みながら帰っていると演劇のチケットを売った男性が声をかけてきます。
男性は元気がないかすみを飲みに誘ってきました。
演劇の感想を聞かせてほしいと言われたためかすみはついていくことにします。
しかしかすみはこれまでお酒を飲んだことがありません。
それでも男性に勧められたためお酒を飲んでみることにしました。
初めてのお酒を美味しいと感じていると男性がグラスにお酒を注いでくれます。
そして明日死ぬかもしれない人生において、自分でブレーキをかける必要などないと語りかけてきました。
男性によるとブレーキをかけなかった先に天国が見えるそうなのです。
見たことない世界を見るため男性は定職に就かず演劇を続けていました。
その話を聞いているうちにかすみは酔っ払ってしまいます。
男性は居酒屋を出ると酔っ払ったかすみをラブホテルに連れ込もうとしました。
大ピンチのかすみを偶然通りかかったゆりが助けてくれます。
ゆりは男性からかすみを引き離すとタクシーに乗せてくれました。
それでもかすみの酔いは醒めません。
仕方なくタクシーを降りてブランコで遊ぶことにします。
酔っているかすみはモブ子とは思えないほど楽しそうにブランコで遊び始めました。
すると勢い余って靴が飛んでしまいます。
変なところで頑固なかすみは羽化するまで待つと言い出しました。
セミはデリケートな生き物のため羽化に失敗することも少なくありません。
小学生の時、かすみは父親と一緒に道でセミの幼虫を拾いました。
ベランダで羽化を観察したのですが、セミが羽化せずに死んでしまったのです。
原因は懐中電灯の明るくしていたことによるストレスでした。
2人が見守っているとセミが羽化してくれました。
セミの羽化を見届けたことによってかすみの中で何かが動き始めます。
翌日、二日酔いで頭痛に悩まされる中、かすみがパソコンを起動させました。
そして今回は“劇団”、“オーディション”というキーワードを検索します。
まるで羽化するように夢に向かって動き始めたかすみ。
ここから彼女のシンデレラストーリーが幕を開けることになるのでした。
『君の大声を聞いたことがない』を読んだ感想
演劇の世界に飛び込みたいという夢を叶えるためゆっくりと動き始めたシーンに感動しました。
また口は悪いのですが心の中では姉を心配している妹の優しさも素敵ですね。
家族の優しい愛情に包まれながら演劇の舞台で輝きを見せ始めるヒロインを描いた『君の大声を聞いたことがない』！
どんな人でも夢を追いかける資格があることを教えてくれるストーリーになっています。
モブ子が主役になる日を心待ちにしながら作品の世界観をご堪能ください。
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