今回は「菅原敬太」先生の『走馬灯株式会社』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『走馬灯株式会社』はこんな漫画
観光地の片隅にひっそりと佇む走馬灯株式会社。
この会社は今までの人生を振り返ることのできる不思議な場所です。
訪れた人は自身の歴史が収められたDVDを視聴することで喜怒哀楽を感じることができるのですが、その先には様々な展開が待ち受けていました。
エピソードごとに登場人物を変えながら、多種多様な人生にスポットライトを当てていく『走馬灯株式会社』！
今回はミステリアスなヒューマンドラマの魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。
テレビドラマにもなった名作を是非この機会にお楽しみください。
『走馬灯株式会社』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
この日、走馬灯株式会社にやって来たのは杉浦克巳という43歳の男性です。
彼は数年前に7歳の愛娘を交通事故で失いました。
その1年後、娘の後を追うように妻が病死してしまいます。
しかし思い出の地を旅していても、杉浦の心が癒されることはありませんでした。
そんな中、観光地の片隅に走馬灯株式会社と書かれた建物を発見します。
不思議に思った杉浦は建物の中に入ってみることにしました。
すると施設の女性職員が彼を出迎えてくれます。
神沼から施設の体験を勧められるのですが、新手の宗教だと思った杉浦は拒否しようと思っていました。
しかし堅苦しく考えず娯楽施設だと思って気軽に体験してほしいと言われ、10分間だけ神沼につき合うことにします。
書類に氏名と生年月日を記入すると、テレビが1台だけ置かれた殺風景な部屋に案内されました。
神沼は大量のDVDを渡すと部屋を出て行ってしまいます。
仕方なくDVDを見ることにした杉浦。
始めは映像が出なかったためイラついていたのですが、ボンヤリと画面に人が現れると心臓が止まりそうなほどの衝撃を受けます。
このDVDに映っていたのは、彼が生まれてから自分の目で見てきた記憶そのものだったのです。
杉浦はこの映像を時間が経つのを忘れたかのように、夢中で見始めていきました。
途中でフロントに頼めば食事も運んでもらえる上、風呂やトイレも完備されているため時間をかけてDVDを鑑賞していきます。
こうして映像を観続けていると、亡くなった妻との出会いのシーンが流れ始めます。
中学の卒業式、後輩だった亡き妻の由美が第二ボタンを貰いに来たのが二人の出会いでした。
このまま二度と会うことはないと思っていた杉浦。
しかし就職後、事故に遭ったため入院した病院で看護師として働いていた由美と再会をします。
こうして杉浦は、自分の人生を懐かしがりながら振り返っていきます。
しかしここから彼の犯した罪の事実が映し出されていくのでした。
DVDに収録されていた杉浦の許されない罪の内容とは・・・！？
自分の目線による映像で人生を振り返る設定がとても斬新ですね。
こんな施設があれば、誰でも杉浦のように時間を忘れて映像に見入ってしまうのでしょうね。
しかしここから過去の出来事には喜びや悲しみだけがあった訳ではないことを、このDVDが教えていくことになります。
悔い改めなければならないことがあることも伝える『走馬灯株式会社』！
ここから杉浦にとっての贖罪が描かれていきます。
一気にミステリアスな展開になっていきますので、前編とのギャップを満喫してみてください。
後編
由美と再会した杉浦は彼女と順調な交際をしていき、めでたく結婚することになりました。
その後、30歳を過ぎた頃には愛娘のマヤが誕生します。
ここまで自分の人生を幸せそうに鑑賞していた杉浦。
しかし39番目のDVDによって彼の表情は一変していくことになります。
そこには杉浦の会社に新入社員として働き始めた野々村玲子という女性が映っていました。
実は玲子が入社してから数日後に、杉浦は彼女と不倫をしてしまうのです。
始めの頃は彼女との不倫を楽しんでいた杉浦。
ですが玲子から結婚を迫られたことにより、彼の人生は泥沼化していきます。
玲子は会社の人間に二人の関係を明かすと脅してきたり、時には自宅までやって来るようになっていきました。
ここで杉浦は玲子から逃げられないことを理解します。
家庭を壊したくない杉浦は玲子を旅行に連れ出し、首を絞めてから彼女を崖から突き落としてしまいました。
彼の犯した罪もDVDにはしっかりと記録されていたのです。
DVDをこのまま観続けるかどうか思い悩む杉浦。
映像には愛娘の死や愛妻の亡くなった姿が映し出されていきます。
杉浦がDVDを停止しようとすると、神沼が部屋に入ってきました。
このDVDは杉浦が死ぬまで記録し続けていくのです。
しかし走馬灯株式会社が彼の犯した罪を追求することはありません。
そのため帰ろうとする杉浦だったのですが、神沼が最後にある提案をしてきました。
DVDをデッキに入れると神沼は部屋から出て行ってしまいます。
仕方なく杉浦が特典ディスクを見始めると、そこにはとんでもないものが映っていました。
このDVDには野々村玲子の人生が映っていたのです。
怯えながら映像を観ていくと、杉浦はとんでもない事実を目の当たりにしました。
実は玲子が死んだと思い込んだのは杉浦だけで、彼女は辛うじて一命を取り留めていたのです。
ここから絶望的な恐怖に襲われることになる杉浦。
玲子は生き残った後、彼の家族元に忍び寄っていたのです。
まず彼女は娘のマヤに近付き、交通事故に見せかけて殺害しました。
そして次に由美が入院する病院に向かい、彼女に毒薬を注射していたのです。
贖罪の思いと後悔の念で杉浦の胸の中は一杯になっていました。
しかし彼に待ち受けていた運命はこれで終わりではなかったのです。
彼が見ているDVDには、この日この場所までやって来た道中が映し出されていました。
このDVDは杉浦の視線で映されたものではなく、玲子の視線で映されたものです。
その事実に気がついた杉浦。
彼の後ろには何者かのシルエットが映し出されていました。
もちろんその正体は・・・。
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『走馬灯株式会社』ドラマ化された名作はこんな人にオススメ
ヒューマンドラマとミステリー漫画が好きな人にオススメしたい作品です。
様々な人生を描きながら圧倒的なインパクトを与えてくれる『走馬灯株式会社』！
完成度の高いこの漫画は、2012年7月にTBS系列のドラマNEO枠で実写化されました。
主演は香椎由宇さんで、各エピソードごとに多くの俳優陣がゲスト出演しています。
漫画を読んだ後はテレビドラマもチェックしてみてみると、違った楽しみ方ができるかもしれませんよ。
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