8月31日のロングサマーのネタバレ(漫画)!ループの行方は?

今回は「伊藤一角」先生の『8月31日のロングサマー』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!
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『8月31日のロングサマー』はこんな漫画(あらすじ)

男子高生の鈴木と女子高生の高木は、夏休み最終日を何度もループしてしまう不思議な現象に巻き込まれています。

8月31日の記憶を繰り越せるのは鈴木と高木だけで、8月31日を繰り返すようになって1カ月が経過しました。

周りの人間は鈴木と高木が8月31日をループしていることに全く気付いていません。

タイムループの原因を探っていた鈴木は、自分が夏休みにやり残していたことが原因だと突き止めます。

鈴木のやり残していた男子にとって最大の念願は高木にも関わっていて・・・!?

タイムループしながら距離を縮めていく高校生の青春模様を描写した『8月31日のロングサマー』

今回は斬新なアイデアで読者を驚かせる恋愛漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

恋愛に対する考え方が重すぎる鈴木に振り回される高木の可愛らしさを見事に表現していますよ。

 

『8月31日のロングサマー』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

待ち合わせをしていた公園に女子高生の高木がやって来ました。

高木
「やぁ、今日もしてるね、ループ」
鈴木
「ああ、今日も8月31日だ」

鈴木と高木が8月31日をループするようになってから1カ月が経過しています。

もう慣れた様子の2人は遊具の上でアイスを食べ始めました。

高木
「誰かいた?気付いてる人」
鈴木
「いや」
高木
「そっか・・・やっぱ記憶を繰り越せるのはウチらだけなんだね、ウチらも記憶以外は0時になると全部元に戻っちゃうもんね、前髪失敗したから早く伸ばしたいのに、でもほんと鈴木くんがいてよかった!」
鈴木
「え?」

元々は他人だった2人が知り合ったきっかけは、地元の海が映っている天気中継に鈴木だけが毎日違う服を着て映り込んだためです。

当たり前ですが鈴木はとても目立っていました。

高木
「やっぱ北栄の人って頭いいね!」
鈴木
「別に・・・ただの男子校だよ、それより脱出法がわかったかもしれない、ループの原因はおそらく僕の未練だ」
高木
「未練?」
鈴木
「僕はこの夏自分に一つの課題を与えていた、これだ」

鈴木が高木に見せたスマホの画面には“高2の夏のTo Do 彼女を作って童貞を捨てる”と表示されています。

鈴木は童貞を捨てない限り、ループする世界から抜け出せないと考えていました。

高木
「・・・ぉおん」
鈴木
「映画や小説によるとループはやり残したことへの強い未練によって時間の流れが歪曲される現象らしい、高木さんは夏休みにやり残したことは?」
高木
「え、うーん・・・なんだろ、旅行も海も行ったし・・・ダンス部は優勝したし、宿題終わってないけどそれは毎年だし、特にないかな」

女子高生の高木は夏休みを満喫してきました。

特にやり残したことはないのでループと高木は関係なさそうです。

鈴木
「じゃあやはりこのループを生み出したのは僕だ」
高木
「彼女できなかったんだ、普通にできそうなのに」
鈴木
「僕は女の人の気持ちがわからない、夏休み初日から女性と知り合うためにあらゆる手を尽くしたがダメだった、僕には女性と仲良くなる能力が欠けているらしい」
高木
「えー、そうかな?どんなことを試したの?」

鈴木は女性に好かれるためには優しくすることだと考えました。

その考え方には高木も賛同してくれます。

しかし鈴木の試してみた行動が高木をドン引きさせました。

鈴木
「だから街中で女性を見かけては強い日差しから守るために横に立って日傘を差してあげたんだ」
高木
「怖・・・」
鈴木
「皆そう言って足早に去っていったよ、僕はただ彼女たちの透き通る白い肌を守りたかっただけなのに」

行動だけでなく言い方も怖いので高木は話を途中で終わりにしてもらいます。

すると怖がる高木のことを鈴木がジーッと見つめてきました。

高木
「・・・何?」
鈴木
「ループから抜け出すには僕が童貞を捨てるしかないが、ループする一日で僕がその相手を見つけるのは不可能だ・・・一人を除いては」
高木
「・・・え、私?えっ・・・ムリムリ!絶対ムリ!」
鈴木
「なぜ?お互い好きなんだから問題ないだろ」

高木は鈴木のことを恋愛対象だとは思っていません。

どうして鈴木はお互いが好き同士だと勘違いしているのでしょうか!?

 

 

何度も経験しているのでループに慣れてしまっている2人の様子が印象的でした。

ループしている原因を未練だと判断した鈴木には下心もありそうですね。

恋に臆病な男子がループを繰り返しながら少しずつ成長していく『8月31日のロングサマー

鈴木には気持ち悪い部分もありますが純朴で憎めない男子のような気がします。

明るい高木と接することでポジティブになってもらいたいですね。

後編

鈴木は自分が童貞を捨てる相手が高木だと思い込んでいます。

鈴木
「知り合ってから今日まで高木さんは計21回僕の体を触っている、好きだからだろ?」
高木
「いや違うけど」
鈴木
「え・・・じゃあなんで触るの?」
高木
「それは・・・なんかごめん、まあ話戻すと・・・本当にそれで抜け出せるかわかんないじゃん!違ったら無駄じゃん!」

無意識のスキンシップが鈴木を勘違いさせていました。

そんな勘違いで高木はセックスさせるわけにはいきません。

鈴木
「それは安心していい、違った場合はまた同じ31日が来て僕らがセックスしたことはなかったことになる」
高木
「でもウチらの記憶には残るでしょ?」
鈴木
「もちろん一生忘れない」
高木
「それが嫌なのよ!・・・とにかく無理」

安易に考えていた童貞を捨てる計画は断られてしまいました。

ただし鈴木は強引に迫るつもりはありません。

鈴木
「そうか・・・それはそうだよね」
高木
「・・・鈴木くんだから嫌っていうか・・・ループから抜け出すためにとか、そういうのでするのは嫌だよ、女子は」
鈴木
「まあそうか・・・お互い初めてのセックスだもんな・・・あれっ」

高木は何も言わず黙ったままです。

その表情から鈴木は高木が初めてではないことを察しました。

高木
「・・・そういうのウザいよ」
鈴木
「・・・彼氏いるんだ」
高木
「半年前に別れた、鈴木くんはなんで童貞を捨てたいの?やっぱ男子ってやりたいばっかなの?」
鈴木
「男子校にいると周りはそんな話ばっかりだ、何人ヤッたとか胸が大きかったとかあの子は絶対男好きだとか、およそ同じ人間が相手の話とは僕には思えなかった、だからわかりたかったんだ、女の子がどんな生き物で自分とどう違ってどう同じなのかを」

童貞を捨てたいのはスケベな理由だけではありません。

しかしこれではクラスの連中と同じになってしまいます。

同じにはなりたくないので素直に謝りました。

高木
「・・・さっき好きだって言ったよね?私のこと、エッチしたいのはさループから抜け出したいだけ?」
鈴木
「・・・最初に会った時、女子と話すの慣れてなくて、汗止まらなくて変な奴だと思われるって焦ってたら」

出会った時のことを振り返ります。

焦っていた鈴木の想像とは違い、高木の反応は意外なものでした。

高木
「汗凄いね?あ、ねぇ私アイスがいつでも100円で買える店知ってるんだ、一緒に食べよ?」

アイスを一緒に食べようと言ってくれたのです。

女子に優しくされたのは初めてのことでした。

鈴木
「こんな変な僕に君は普通にしてくれた」
高木
「・・・え、だって鈴木くんは全然変じゃないよ」
鈴木
「だから僕は君を好きになったんだ」

鈴木はただ童貞を捨てたいだけではありません。

本当に高木のことを好きになっていたのです。

静まった2人の上空を飛行機が通過していきました。

高木
「いいよ」
鈴木
「え?」
高木
「でもキスだけね、キスならいいよ」

遊具の中に入った高木が手を差し出してくれます。

鈴木は高木の手を握りながら遊具の中へ入りました。

座りながら見つめ合うと鈴木の呼吸が激しくなってきます。

経験がある高木は手を握り直すと顔を近付けてくれました。

鈴木
「・・・愛してる」
高木
「キモッ」
鈴木
「い゛っ・・・」

気持ち悪かったので鈴木を殴ってしまいます。

こうして鈴木は千載一遇のチャンスを失ってしまいました。

高木はそのまま鈴木を置いて遊具から出ていきます。

高木
「また明日の今日ね」

鈴木は高木の後ろ姿を見つめることしかできません。

しかし頭の中には1つの希望が浮かんでいました。

鈴木
「もしかしたら僕が明日も彼女に会いたいと思っている限り、ループが終わっても僕らの関係が続くと確信できるまでは、この8月31日は終わらないのかもしれない」

鈴木の望みが叶う日はやってくるのでしょうか!?

 

『8月31日のロングサマー』を読んだ感想

自分を卑下しているからこそ鈴木は普通に接してくれた高木に恋をしたと思いました。

興奮しているせいで愛していると言ったシーンは、高木でなくても気持ち悪いと感じるでしょうね。

女子との接し方が分からない不器用な男子の青春を表現した『8月31日のロングサマー』

明るい高木と暗い鈴木のギャップが物語を面白くさせています。

コミカルなラブストーリーを読んでハッピーな気分になれました。

 

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